ChannelFireballより。
デルバーデッキのプレイングとレガシー環境(Dig禁止、マリガンルール、万力)について。

万力活躍してほしいけど…。

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Delver of Secrets and the Future of Legacy
Bob Huang
2015/10/12

http://www.channelfireball.com/articles/delver-of-secrets-and-the-future-of-legacy/

もともとこの記事はグリクシスデルバーのガイドになるはずだった。残念ながらDig Through Timeが禁止されてグリクシスデルバーはかなりの変更が必要になったので、この記事ではもっと一般的な「デルバーデッキですべきこととすべきでないこと」を書くことにしたよ。今後のレガシーについての考察を添えてね。

よくあるミスプレイ

デルバーデッキを使うとき、ちょっとしたミスプレイをしている人たちをよく見かける。
ここに書くのはあくまでガイドラインであって、これらの「ミスプレイ」をすべきケースも間違いなくあるってことは忘れないでほしい。

1. 死儀礼より先にデルバーを出す ― デルバーは最速の脅威だけど、死儀礼とデルバーが共に入ったデッキでは95%の場合で死儀礼を先に出すべきだ。新マリガンルールでデルバーが裏返ることが保証されるケースが増えたことで、このパーセンテージが少し変わるかもしれないことには注意だね。だけど一般に、死儀礼は2ターン目に3マナを出してゲームプランを加速させる役目を持ち、それによりデルバーと同時に裏返すためのキャントリップをプレイできることも多い。このルールの例外として一番よくあるのは、死儀礼の燃料になる土地を墓地に落とせるかどうか分からないケース、あるいは相手がコンボなのでデルバーからのアップキープブレストで裏返し、アグロにクロックを刻む必要があるケースだ。この後者のケースが次のルールに繋がるよ。

2. デルバーを裏返すためにブレストを使う ― このプレイは本当によく見るけど、基本的には間違いだと僕は思っている。特にゲームが長引きそうな場合はね。ブレストはほぼ常に、2枚の不要牌をシャッフルして擬似アンリコとして使うか、テンポ相手に大きく置き去りにされないために土地か除去を探す最後の手段として使うべきカードだ。デルバーを裏返すためにブレストを撃つのが正当化されるのは、コンボ相手に速いクロックが必要な場合か、複数のデルバーを裏返せる場合だ。

3. ブレストとポンダーが両方手札にあるときブレスト後のシャッフル用にポンダーを使う ― これは決して確固としたルールじゃないけど、ポンダーをシャッフル手段として「ドブに捨てる」人たちをよく目にする。ポンダーはモダンで禁止されヴィンテージで制限されるほど強力で、実はパワーレベルで言えばブレストとそんなに違わないと僕は思っている。ポンダーにより土地1枚のハンドの多くがキープ可能になり、脅威を継続的に入手できるようになる。ブレストより先にポンダーを撃つことで必要な脅威や除去を見つける確率を最大化でき、そして多くの場合、その後のブレストと共に使うフェッチも手に入れることもできるだろう。

4. デッキ圧縮のためにフェッチを切る ― これは前にも言ったことがあるけど、死ぬまでに残り1ドローしかないとき以外にデッキ圧縮のためにフェッチを切ることは僕は決してしない。フェッチはキャントリップと共に使うのが素晴らしいし、表向きのデルバーと連携して占術をするためにも残しておくべきだ。デルバーの誘発でライブラリトップを見て、その後、不要牌を引く前にシャッフルしよう。もう一つよくあるのは、ブレストでDazeなどの死に札をトップに置き、デルバーを裏返し、その死に札をアップキープ中にシャッフルする使い方だ。

5. 間違った土地をフェッチする ― これは一見当たり前だけど、そうじゃない。マッチアップによっては、2ターン目にキャントリップで死儀礼や稲妻を探す必要が出てくる。そのため、1ターン目に持ってくるべきなのは、2ターン目にキャントリップで探そうと思っているカードの色と「合わない」方の土地ってことになる。これにより2枚のボルカやアンシーを出して事故る羽目になるのを防げる。

6. 死儀礼のにらみ合い ― 死儀礼は、場に1体だけの場合は直感的に動かせる。しかし複数体いる場合は非常に複雑になる。こちらの死儀礼は、相手の死儀礼の起動にレスポンスで対象を追放して「カウンター」するために使うことができる。ゲーム序盤の数ターンでは、マナを自分のターンに使うのが良いか、相手のターンまで残しておくのが良いかをはっきりさせることが重要になる。相手の土地が詰まっているのに対して、こちらはマナが伸びて脅威の展開を続けられることがあるよね。この状況ではおそらく死儀礼を立たせたままにしておく方がかしこい。一方、積極的に死儀礼を起動して相手のアンコウや墓忍びを遅らせた方が良い場合もある。本当に多種多様な状況があって、こうしておけば常にOKというルールはないのが実際だ。いま死儀礼を起動するのは妥当か、その結果どうなりそうか、とにかく考えてみてほしい。

7. ギタ調の早すぎるキャスト ― これは細かいルールだけど、僕はふつうギタ調を残しておくことを好む。ギタ調はYoung Pyromancerとの組み合わせで強くなるので、1ターン目にギタ調とポンダーが手札にある場合はギタ調を撃たず、ポンダーでヤンパイを引いて2ターン目に0マナでトークンと情報を得られるようにしたいね。

8. 余計な土地をプレイする ― 余った土地は手札に残し、ブレストでシャッフルできるようにしておこう。これはブレストの入ったデッキの一般則だけど、デルバーデッキにとってはより重要になる。こちらのカードは基本的に相手よりも弱い。そのため、必要なときにブレストで擬似カードアドバンテージを得られるように、死に札を残しておくことは大切なんだ。

9. ウィルで切るために持っておくべきキャントリップをキャストする ― これは文字通りだね。でも僕がやらかしたことのあるミスでもあり、言っておいた方がいいと思ったんだ。

10. デイズとウィルの誤ったサイドボーディング ― 僕がサイドボーディングでまず考えることは、そのマッチアップでの自分の立場だ。序盤の助けとなるカードが追加で必要か否か、じっくり終盤に勝つことを目指すのか。例えば、BUGデルバーを使ってRUGデルバーを相手にするとき、僕はデイズとウィルを多めに残す。RUGのゲームプランは非常に序盤に偏っていて、こちらは長期戦を目指すことになる可能性が高いからだ。RUGが相手の場合は単純に生き残ることがゴールになり、カウンターはその役に立つ。一方、相手がミラクルだったりBUGデルバーミラーの場合、僕はほとんどいつもDazeを抜く。長期戦になるのは確実で、できる限り死に札を減らしたいからだ。


いろんな風味のデルバーデッキ

今のところ、デルバーデッキにはおそらく6種類の味がありそうだ。アグロな順に並べると次のようになる:青赤デルバー、RUGデルバー、4色デルバー、Stifle入りBUGデルバー、トリコデルバー、ヒム入りBUGデルバー。
デルバーデッキを使うとき、特にミッドレンジ寄りのバージョンを使うときは自分の立場を見極めることが重要になる。自分よりもアグロなバージョンのデルバーデッキが相手の場合、できるだけ長く生き残れば自然と優位に立てるため、Force of Willは多めに残した方が良い。


青赤デルバー

長所: 軽い、丈夫なマナベース、Price of ProgressやBlood Moonを採用できる

短所: コンボとタルモに弱い

得意な相手: Infect, Shardless BUG

互角な相手: BUGデルバー, RUGデルバー, Lands, Death and Taxes, エルフ

苦手な相手: ミラクル, ANT, スニークショー


RUGデルバー

長所: 高い安定性, ハメパターンの多さ

短所: Stifleは刺さるかまったく何もしないか極端なカード――デッキの多くのカードがその手のカードだ

得意な相手: Infect, スニークショー

互角な相手: Shardless BUG, ミラクル, Death and Taxes, ANT

苦手な相手: BUGデルバー, Lands, エルフ


Stifle入りBUGデルバー

長所: RUGのようなハメパターンがいくつかあり、衰微というパーマネントへの優れた回答を持つ

短所: 良い1マナ除去がない

得意な相手: スニークショー, ANT, RUGデルバー

互角な相手: Shardless BUG, ミラクル, Infect

苦手な相手: Death and Taxes, Lands, エルフ, ヒム入りBUGデルバー


トリコデルバー

長所: Meddling Mage, Containment Priest, Rest in Peace, Swords to Plowsharesが使える

短所: ゲームプランが一貫しない、このデッキは大量の1マナ除去を持つので生物中心のメタで特に輝く

得意な相手: Infect, Death and Taxes, エルフ

互角な相手: スニークショー, ANT, RUGデルバー

苦手な相手: Shardless BUG, ミラクル, BUGデルバー, Lands


ヒム入りBUGデルバー

長所: コンボに強い、ヒムにより多くのハメ勝ちを拾える

短所: 遅くてぎこちない, マナベースが脆い

得意な相手: スニークショー, ANT, Stifle入りBUGデルバー, RUGデルバー

互角な相手: Infect, Shardless BUG, Lands

苦手な相手: Death and Taxes, エルフ, ミラクル

一般に、Landsとミラクルはデルバーにとってきつい相手だと思う。どちらのデッキにも勝つ手段はあるけど、慎重なプレイと少しの運が必要になる。
僕の主力はヒム入りBUGデルバーになりそうだ。これが今のリストだよ:

Lands
2 x 《Bayou》
4 x 《Underground Sea》
1 x 《Tropical Island》
4 x 《汚染された三角州/Polluted Delta》
1 x 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
4 x 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
4 x 《不毛の大地/Wasteland》
Creatures
4 x 《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》
4 x 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》 // 《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》
4 x 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
1 x 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
Noncreature spells
4 x 《Hymn to Tourach》
1 x 《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
4 x 《思案/Ponder》
4 x 《渦まく知識/Brainstorm》
4 x 《突然の衰微/Abrupt Decay》
1 x 《見栄え損ない/Disfigure》
4 x 《Force of Will》
4 x 《目くらまし/Daze》
1 x 《森の知恵/Sylvan Library》

Sideboard
3 x 《呪文貫き/Spell Pierce》
2 x 《見栄え損ない/Disfigure》
1 x 《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
1 x 《夜の戦慄/Dread of Night》
2 x 《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》
1 x 《四肢切断/Dismember》
1 x 《真髄の針/Pithing Needle》
1 x 《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
1 x 《無のロッド/Null Rod》
1 x 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
1 x 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》


戦乱のゼンディカー後のレガシー

探査の時代は終わった。
大きく変わるのはどこか、これから何が起こるのか、考えていることを書いていこうと思う。


Dig Through Timeの禁止

負け組

* グリクシスコントロールやグリクシスデルバーなどの青赤/xパイロマンサーデッキ
* オムニテル
* 低速デッキに対するキーカードとしてDigを使っていたデルバー系デッキ

勝ち組

* ミラクル ― 上記のデッキたちがキツイ相手だった。他のDigデッキほどにはDig喪失のダメージを受けない
* Shardless BUG ― ミラクルが頂点に立つことの恩恵を得て、青い低速のフェアデッキの中でベストという地位を取り戻す
* Infect ― ミラクルを餌食にするうえ、環境にあふれた青赤/xデルバーデッキをこれまで苦手としていた
* Lands ― オムニテル衰退の恩恵を得る

実際のところレガシーは、ミラクルが君臨しLandsが頭角を現しはじめていたKTK前の状態に戻るのだろうと思う。デルバーに対してこれほど敵意に満ちたメタはないね。
僕の予想が正しいかどうか、お楽しみに。


新しい占術マリガンルールの実施

新占術ルールをテストして、これがレガシーに導入されるのをとても嬉しく思ったよ。ポンダーとブレストを使わない、安定性に劣るデッキがこのルールで少し強化されることになるはずだからね。ポンダー入りデッキのマリガンが少ないのは土地1枚でキープできるケースが多いためだ。マーフォークやMUDのようなポンダーのないデッキはマリガンが多くなりがちで、序盤にちゃんと土地を並べられる可能性を高める占術ルールの恩恵を直に受ける。

トップがデルバーを裏返せるかどうかを知ることで、デルバーデッキがどれぐらい強くなるかも色々な人が話題にしている。デルバーデッキが恩恵を得られるのは次の2つの条件が揃ったときだけだ。

1. デルバーデッキがマリガンしていること。これは10%以下の確率だろう。
2. デルバーデッキが1ターン目にフェッチを切らずにデルバーを出すこと。これは15%以下。

これらが満たされ、トップがインスタントかソーサリーの場合、ようやくデルバーが裏返るという情報が意味を持つことになる。死儀礼ではなくデルバーを先に出すべきだと分かる、有用な情報だ。トップがインスタントとソーサリーではないという情報でも活用できて、占術でボトムに送りやっぱりデルバーを出そう。裏返る確率を高められる。

とりあえず僕に思いつくのはこんなシナリオだけど、めったに起きそうもないよね。


Black Viseの禁止解除

僕はBlack Viseは安全だと言ってきた。大多数のマッチアップで2ターン目より後にはほぼ死に札になる。Land TaxやWorldgorger Dragonと同じ道をたどってフェードアウトしそうな気がしてる。
とはいえ、デッキを考えてみずにはいられないよね。

Lands
3 x 《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》
4 x 《大焼炉/Great Furnace》
4 x 《教議会の座席/Seat of the Synod》
2 x 《空僻地/Glimmervoid》
Creatures
4 x 《メムナイト/Memnite》
4 x 《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》
4 x 《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》
4 x 《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
4 x 《信号の邪魔者/Signal Pest》
3 x 《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》
Noncreature spells
4 x 《黒の万力/Black Vise》
4 x 《一日のやり直し/Day’s Undoing》
4 x 《オパールのモックス/Mox Opal》
4 x 《頭蓋囲い/Cranial Plating》
4 x 《感電破/Galvanic Blast》
4 x 《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》

先に言っておくと、このデッキはそんなに強くないと思ってる。Black ViseとDay’s Undoingの組み合わせにより中盤以降もダメージが狙えるというのがアイデアだ。Galvanic Blastや信奉者+Ravagerのような直接ダメージを大量搭載したデッキにとって、Day’s Undoingを撃ってアンタップを迎えれば理論上は非常に強力な動きができるはず。
でも、このデッキは正しい順序でカードを引く必要があり、たぶん昔からあるチャリス入り親和の方がまだやれそうなんだよね。

世界中のデルバー仲間たちに幸あれ!
いつものように、意見や質問はコメントしてね。

StarCityGamesより。
DDFTの紹介と問題集。

最近楽しく練習中なので、ほとんど自分用ですが翻訳してみました。

※2013/10/8 シナリオ4の自分の場に誤りがあったため修正しました。

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Eternal Europe - Judgment Day Puzzling
CARSTEN KOTTER
6/01/12

http://www.starcitygames.com/article/24198_Eternal-Europe---Judgment-Day-Puzzling.html

ブレ。コンボをプレイしているときに一番イラっとくるのがブレだ。
本来あなたは勝っているはずなんだ。やっとの思いで相手のカウンターをかいくぐり、全てのヘイトベアに対処し、そして仕掛ける――そして結局20ライフからアド死したり、Time Spiralで土地を7枚引いたり、Narcomoebaが4枚ともライブラリの下から6枚に居たりする。
どうすればこうならずに済むだろう?

これが起こらず、ANTと同じぐらい速いデッキがあると言ったらどうする?いったん準備が整えば確実に相手を倒せるデッキだとしたら?メインのコンボ中にガドックを除去してそのまま勝てるデッキはどうだい?
プレイしてみたくならないかな?

信じられないって?そりゃそうだ。そんなデッキがあれば間違いなくメタの上位にいるよね?
問題点はこれだ:そのデッキはプレイするのが難しい。
僕が難しいと言うのは、マジで難しいときだ。対照的にANTは易しい。僕がこれまでプレイしてきた中で、そのデッキとタメを張るぐらいやり込みを要求されたのはヴィンテージのGiftsデッキぐらいだ。

分かるかな?僕が言っているのはまぎれもなくDoomsdayのことだ。

今日はこのデッキの基本を紹介し、デッキのパワーと複雑さを示すいくつかのシナリオを見ていこうと思う。
だけど注意してほしい。このデッキをトーナメントに持ち込んで良い結果を出せるレベルまで上達するには、デッキの動かし方について本当にたくさんのことを学ぶ必要がある。このデッキで成功を収めている人たちはふつう何年もやり込んでいるんだ。

僕はそういう人たちの中の一人じゃない。実際僕がこのデッキをテストすると、負けたあとしばらく経ってから実は勝ち筋があった――それを見逃していた――ことに気づくんだ。だから今日は巨人の肩の上に立とうと思う。この記事で提供する情報の多くは、emidlnやnemavera、lejay、その他大勢のストーム板の住人たちの仕事に基づいている。彼らはこのデッキを最高のレベルでプレイする方法を伝えるために頑張っている人たちだ。あなたが真のエキスパートと話をしたいなら彼らはうってつけだと思う。
ここではとりあえず、みんなが僕の話を聞きたいと思ってることにしよう。始めるよ。


頭痛の種

まだみんないるかな?よし、リストを見ることから始めよう:


Doomsday
Tristan Polzl
5thPlace at Miscellaneous on 5/20/2012

Lands (18)
1:《島/Island》
1:《平地/Plains》
1:《沼/Swamp》
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4:《汚染された三角州/Polluted Delta》
1:《Scrubland》
1:《Tundra》
2:《Underground Sea》
2:《Volcanic Island》
1:《Karakas》

Spells (42)
4:《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》
2:《水蓮の花びら/Lotus Petal》
4:《暗黒の儀式/Dark Ritual》
1:《汚物の雨/Rain of Filth》
4:《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
4:《渦まく知識/Brainstorm》
4:《思案/Ponder》
4:《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
1:《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
1:《留まらぬ発想/Ideas Unbound》
3:《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》
4:《沈黙/Silence》
3:《燃え立つ願い/Burning Wish》
3:《最後の審判/Doomsday》

Sideboard
1:《最後の審判/Doomsday》
1:《強迫/Duress》
1:《時のらせん/Time Spiral》
1:《虐殺/Massacre》
1:《美徳の喪失/Virtue’s Ruin》
1:《冥府の契約/Infernal Contract》
2:《苦悶の触手/Tendrils of Agony》
1:《巣穴からの総出/Empty the Warrens》
2:《静寂/Serenity》
1:《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
1:《殺戮の契約/Slaughter Pact》
1:《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》
1:《殻船着の島/Shelldock Isle》


このマジキチ混合物がどんな風に動くのか?
明らかにこれはもう一つのRitualベースのストームデッキで、2枚コンボを揃えることを目指している:Doomsdayと、Doomsday pileのトップカードを引くための何かだ。マナ加速とDoomsdayをキャストする過程でいくらかのストームを稼げる。その後Doomsdayによって残りのストームカウントを稼ぎ、Tendrils of Agonyを持ってくるためのBurning Wishにアクセスすることができる。

Doomsdayはそれだけでオールインするのと同じなので、勝つまでの間に相手の干渉を許さないため、Orim’s ChantとSilenceが入っている。これらはレガシーで特に強力な妨害パーツだ。DazeやSpell Pierce、Spell Snare、Stifleのようなよく見かけるカウンターの多くが条件付きで、どれもチャント効果に対しては思い通りに機能しない。

キャントリップとSensei’s Divining Top(SDT)によってパーツが足りないときには探すことができ、最終的にチャント効果を通して青デッキを倒せる状況までじっくりとゲームを進めることができる。安全に仕掛けるために必要なのは、少なくとも2ライフを残すことだけだ。

典型的な勝ち筋は次のようなものだ:

Dark Ritual、Lion’s Eye Diamond(LED)、Doomsday、キャントリップ(Gitaxian ProbeかPonderかBrainstorm。SDTでも良いけど、その場合はpileにSDTの代わりにキャントリップを入れる必要がある)を手札に揃え、UBを出せる土地を出し、少なくとも2ライフを残す。RitualからDoomsdayをキャストして、次の5枚デッキを組む:

Ideas Unbound
Lion’s Eye Diamond
Lion’s Eye Diamond
Sensei’s Divining Top
Burning Wish


そしてLEDをキャストし、キャントリップのキャストにレスポンスでLEDをサクりUUUを出し、Ideas Unboundをドローする。Ideas Unboundを使い、引いた2枚のLEDとSDTをキャスト、LEDをサクってRRRBBBを出し、SDTをタップ、引いたBurning Wishでテンドリルを持ってきて20点だ。

いったんpileを知ってしまえば単純に見えるだろう?しかし実際には何十もの異なるpileがあり、それぞれ手札や場に必要なキャントリップの種類と枚数、必要なマナが違うんだ。それですごく複雑になり、自分が今すぐ勝てるかどうかを判断するには多くの経験が必要になる。
僕らにとって幸いなことに、ストーム板のナイスガイたちがDoomsday pileをまとめたリストを作ってくれている(https://docs.google.com/document/edit?id=1onAp8XmBLHTUP71xw1w_z0_LAiTo5EWJR4YQmAMgTkY&hl=en&pli=1)(このリストは少し古くて、SWと書かれているStreet Wraithのところは今ではGitaxian Probeを使って追加でストームを1つ稼げる)。同じような情報をより見やすい形でshamanがスプレッドシートにしてくれてもいる(https://docs.google.com/spreadsheet/ccc?key=0AikcdBnfJwxgdG9jMXJmY1lCQXZRellwYzI4SVctaFE&authkey=CNzkp94I&hl=en&authkey=CNzkp94I#gid=0)。

このリストですら、手札に何かが1枚あるかどうかで変わるような雑多なシチュエーションはカバーしきれていない。でも、そのシチュエーションでの正しいpileを見つけることができれば勝てるんだ。

Doomsdayの最も複雑な部分はこれだけじゃない:対戦相手がいる。望みの5枚のカードをチューターできるため、Doomsdayは勝利手段をセットアップしつつ、相手が出している対策を打ち破るために使うこともできる――その方法に気づくことができれば。

考えるべきことは大量にある:自分の手札と場、デッキに残っているカード、相手の場と残りライフ、撃ってくる可能性のあるスペル、最大の効果を得るための最適なスペルの順序。実際に何かをキャストし始める前にマナの増減とストームカウントを確かめておく必要もある。状況が複雑になると、Doomsdayを2発撃つケースや、Burning WishでTime Spiralを持ってくるケース、2枚の独楽を交互にドローして追加のストームを稼ぐケースも考えなければならない。

これまで僕はテストプレイやストーム板のスレッドの中からDoomsdayシナリオを探すようにしてきた。トーナメントでほんのひとかけらのひどいワンチャンに賭けたこともある。テストプレイでは勝ち筋を探して5分や10分考えたりもする。相手のプレイは分かりやすくて、そんなに考えさせようとしてたわけじゃないと思うけどね。


頭の体操

以上の話をシンプルで役に立つ形で説明するのは間違いなくムリだ。状況に依存しすぎなんだ。
この思考過程を学ぶ(たくさんプレイする以外の)唯一の方法は、ゲーム中に現れる具体的な状況を考えてみる、つまりパズルを解くことだ。
そう、これが今日僕が書こうとしていることだ:伝統あるMagic: The Puzzlingの楽しさ。

上に書いたデッキを使っていてゲーム1の状況を想定してほしい。どうすればそのゲームに勝てそうか、考えてみてくれ。すぐに答えを見たくならないように、解答は全ての状況を説明した後に載せるよ。

シナリオ1:

簡単なやつから始めよう。
あなたは堅実な5枚のハンドをキープして、対戦相手は親切にも森からNettle Sentinelをプレイして何を使っているか明らかにしてくれた。

相手のライフ:20
相手の手札:5枚
相手の場:
* 森(タップ)
* Nettle Sentinel

あなたのライフ:20
あなたの手札:
* Gitaxian Probe
* Dark Ritual
* Lion’s Eye Diamond
* Island
* Swamp
* Doomsday
あなたの場:なにもなし

※訳注:元記事に見やすい画像があります。



シナリオ2(lejayの投稿より)

対戦相手はハンデスから4ターン目に土地を置かずにLilianaを出してきた。あなたのターン、Dark Ritualをドローして手札にあったDoomsdayを撃てるようになった。ここからどんなプランで勝つ?

相手のライフ:20
相手の手札:0枚
相手の場:
* 沼3枚(全てタップ)
* Liliana of the Veil(忠誠度4)

あなたのライフ:19
あなたの手札:
* Underground Sea
* Lion’s Eye Diamond
* Lotus Petal
* Dark Ritual
* Doomsday
あなたの場:なにもなし



シナリオ3:

あなたはRUGデルバーを相手にしており、彼は最高の動きをしてきた――こちらのマナベースを破壊しつつビートしてきている。しかし直前の彼のターンのエンドステップにあなたはついにDark Ritualを入手し、マナ縛りから解放されるチャンスを得た。メインにギタ調を撃って前方確認し、Doomsdayをドロー。彼の手札は2枚のStifleとDazeとSpell Snareだ。こちらのライブラリトップにもう1枚のDoomsdayがあることは分かっている。ここからどうやって勝つ?

相手のライフ:20
相手の手札:
* Stifle
* Stifle
* Daze
* Spell Snare
相手の場:
* Tropical Island3枚(全てアンタップ)
* Nimble Mongoose(タップ)
* 裏返ったデルバー(タップ)

あなたのライフ:6
あなたの手札:
* Lotus Petal
* Lion’s Eye Diamond
* Dark Ritual
* Doomsday
* Gitaxian Probe
あなたの場:
* 沼と島(いずれもアンタップ)
* 独楽
あなたのライブラリトップ:Doomsday
あなたの墓地:Gitaxian Probe



シナリオ4(Caggiiの投稿より)

対戦相手は(サイド前なのに)ゲーム開始時にLeyline of Sanctityを出してきており、妨害しながら2体のボブでビートしてきている。あなたにとってラッキーなのは、彼が自分のライフを保つために十手のカウンターを使ってくれたことだ。彼はLilianaを出してこちらのハンドを攻め、ミスプレイをしたにもかかわらず遅いクロックでこちらを殺さんとしている。今すぐに勝つ必要があるぞ!

(今は相手のエンドステップ)
相手のライフ:24
相手の手札:0枚
相手の場:
* 沼、平地、Scrubland(全てタップ)
* Leyline of Sanctity
* Liliana of the Veil(忠誠度4)
* ボブ2体(いずれもタップ。1体は十手を装備。十手のカウンターはなし)

あなたのライフ:4
あなたの手札:0枚
あなたの場:
* Volcanic Island2枚、Scrubland、島2枚(島1枚のみタップ)
* Lotus Petal、Lion’s Eye Diamond(※訳注:2013/10/8追加。すみません。)
* 独楽2枚
独楽で見たあなたのライブラリトップ:Doomsday、Dark Ritual、Flooded Strand



シナリオ5(lejayの投稿より)

対戦相手は親和を使っており、Vault SkirgeからのCranial Platingという非常に速いスタートをしてきた。ライフを30まで増やし、さらにEtched Championがビート要因に追加された。その間、あなたは独楽を出したにもかかわらずマナフラッドを起こしたが、Orim’s Chantのキッカープレイを繰り返してなんとかここまで生き残った。相手のエンドに独楽を使い、Silence、Chain of Vapor、Doomsdayという3枚が見えた。ここからどうする?

(今は相手のエンドステップ)
相手のライフ:30
相手の手札:7枚
相手の場:
* Vault of Whispers、Seat of the Synod、Glimmervoid(全てアンタップ)
* Vault Skirge(アンタップ、Cranial Platingを装備)、Etched Champion(アンタップ)

あなたのライフ:4
あなたの手札:
* Dark Ritual
* Dark Ritual
* Doomsday
あなたの場:
* Scrubland、Volcanic Island、Tundra、沼、Karakas(いずれもタップ)
* 独楽
独楽で見たあなたのライブラリトップ:Doomsday、Silence、Chain of Vapor
あなたの墓地:Orim’s Chant2枚



解答編

自分なりにパズルの答えを探すのを楽しんでくれたかな?これらはこのデッキをトーナメントで使ったときに実際に起きた状況だってことを忘れないでほしい。かなりドキドキするだろ?
OKOK、あなたの探している答えはこれだよ。

シナリオ1

これはとても素晴らしいダブマリで、相手がエルフを使っているので1キルが可能だ。
沼を出してDark RitualとLion’s Eye Diamondをキャスト、Doomsdayだ(ストーム3)。そしてこう積む:

- Top -
Ideas Unbound
Lion’s Eye Diamond
Lion’s Eye Diamond
Gitaxian Probe
Burning Wish
- Bottom -

2ライフを払ってGitaxian Probeをキャストし、レスポンスでLEDをサクってUUUを出す(UUU浮きでストーム4)。Ideasを引いてキャスト、LED2枚とProbeをドロー(U浮きでストーム5)。LEDを2枚ともキャスト(U浮きストーム7)してから、ProbeにレスポンスでLEDをサクってRRRBBBを出す(URRRBBB浮きストーム8)。Burning Wishを引いてキャスト(ストーム9)、テンドリルを持ってきてジャスト20点だ。

このデッキの動きを知っていればこれはとても簡単だ。ウォーミングアップと考えてくれてもいいよ。

シナリオ2

この問題のポイントは、すぐに勝つことはできないが、土地が割られなければDoomsdayをキャストしてターンを返し、次のターンに勝てるということだ。Lilianaにロックされつつある状況なので、彼が不毛をトップするかもしれないリスクは受け入れるべきだろう。

そこで問題になるのが、ライブラリの5枚のカードだけでどうやって必要なストームを稼ぐかだ。その答えは、(はるか)昔のヴィンテージプレイヤーだけがよく知っているチャンス:Timetwister(今回はTime Spiral)の墓地をシャッフルし直す力を使い倒すことだ。

Underground SeaをタップしてDark Ritual、Doomsdayをキャスト。次のように積む:

- Top -
Ideas Unbound
Lion’s Eye Diamond
Lion’s Eye Diamond
Burning Wish
Burning Wish
- Bottom -

次のターンにIdeas Unboundをドローして使い、レスポンスでLEDをサクってRRRを出す。LED2枚とBurning Wishを引く。赤願いキャストにレスポンスでLEDを割ってUUUUUUを出し、Time Spiralを持ってきてキャスト、Underground Seaをアンタップする。最終的にちょうど7枚のカードをシャッフルして全てドローすることになる:Lotus Petal、3枚のLED、Doomsday、Burning Wish、Ideas Unboundだ。アーティファクトマナをプレイした後、願いでテンドリルを持ってきて勝ち(レスポンスでLEDをサクるのを忘れないで!)。

シナリオ3

この問題は、このデッキがいかに簡単にあらゆるソフトカウンターをくぐり抜けられるかという一例だ。Chantが素晴らしく、特に複数のドロー手段かBrainstormがある場合はDoomsdayによって引くことも容易になるのがカギだ。

島はDazeのために予約し、決してタップしないことにしよう。Lotus PetalとLion’s Eye Diamondをキャストして、その後Dark RitualからのDoomsdayだ(ストーム4)。このように積む:

- Top -
Silence
Ideas Unbound
LED
LED
Burning Wish
- Bottom -

ライフを1に減らしてGitaxian Probeをキャスト、Silenceを引く。Petalを切ってSilenceをキャストし、彼のStifleとSpell Snareをシャットアウトする(ストーム6)。独楽タップにレスポンスでLEDを割りUUUを得て、Ideasをドロー。すぐにキャストしてSDTと2枚のLEDを引く(U浮きストーム7)。3枚のアーティファクトを全てプレイ(ストーム10)、LEDを割ってRRRBBBを得て独楽をタップしてBurning Wish。そこからテンドリルで24点だ。

シナリオ4

ここではいくつかのパーマネントベースの妨害(白力線)と、手札がなく致死量のテンドリルを撃つのが難しい状況に対処する必要がある。さらに悪いことに相手のライフは24だ。

ストームを増やす最も簡単な方法は独楽を使い倒すことだ。独楽のドローと再キャストを繰り返すことができれば、5枚のカードを6枚以上あるかのように使える。Chain of Vaporをpileに含めることで簡単に力線に対処し、ストームを増やすこともできる。

Dark Ritual、Doomsday、Flooded Strandの順にトップを並べる。SDTをタップしてDark Ritualをドローし、ドローステップに進んでSDTをドロー。メインフェイズに土地からマナを出し(BUUUU)、場に出ている独楽でDoomsdayを引く。手札の独楽をプレイしてタップし、ライブラリトップの独楽をドローしてキャスト(BUU浮きストーム2)。Dark RitualとDoomsdayをキャスト(UU浮きストーム4)して、次のように積む:

- Top -
Ideas Unbound
Chain of Vapor
Lion’s Eye Diamond
Lion’s Eye Diamond
Burning Wish
- Bottom -

独楽をタップしてIdeasを引くのにレスポンスでLEDを割ってUUU。IdeasをキャストしてSDT、Chain of Vapor、LEDを引く(UUU浮きストーム5)。LEDと独楽をキャスト(UU浮きストーム7)。独楽タップにレスポンスでChain of Vaporを独楽にキャスト、さらにレスポンスでLEDを割ってBBBを出す(BBBU浮きストーム8)。独楽をバウンスしたら土地をサクってChain of Vaporをコピー、力線をバウンスして、もう1枚のLEDをドローする。バウンスした独楽を再度プレイして、新たに引いたLEDを割りRRR(BBBRRR浮きストーム10)。独楽をタップしてBurning Wishをドロー、キャストして24ライフじゃ足りないことを相手に分からせよう。

シナリオ5

ここで再び問題なのは、限られたリソースで30点分のストームカウントをどうやって溜めるかだ。これに解答するにはかなり先まで考えなきゃならない。このゲームに勝つにはDoomsdayを2回撃つ必要がある!
一度この道に気づけばやり方はいろいろあるので、ここでは一つだけ書くことにしよう。別解があれば気軽にコメントで教えてほしい(もちろん他の問題も)。

2枚目のDoomsdayをライブラリトップに置いてドローステップに進み、引く。土地をタップしてWUUBBを出し、2枚のDark Ritualをキャスト、最初のDoomsdayを撃つ(WUUBBB浮きストーム3)。このように積む:

- Top -
Ideas Unbound
Lion’s Eye Diamond
Lion’s Eye Diamond
Sensei’s Divining Top
Burning Wish
- Bottom -

独楽をタップしてIdeasを引き、キャストして独楽とLED2枚を引く(WBBB浮きストーム4)。2枚のLEDと独楽をプレイしてから2回目のDoomsdayをキャスト、レスポンスでLEDを割りUUURRRを出す(UUURRR浮きストーム7)。積み方はさっきとまったく同じだ:

- Top -
Ideas Unbound
Lion’s Eye Diamond
Lion’s Eye Diamond
Sensei’s Divining Top
Burning Wish
- Bottom -

もう一度独楽をタップしてIdeas Unboundを引き、キャストして独楽とLED2枚をドロー、全てプレイする(URR浮きストーム11)。LEDを2枚ともサクってBBBBBB、独楽をタップしてもう1枚の独楽を引き、キャストする(BBBBBBRR浮きストーム12)。独楽タップでドローと再キャストをもう1回(BBBBBBR浮きストーム13)。黒マナを使って独楽の能力を起動し、Burning Wishをトップに持ってきて独楽をタップ、願いをキャストしてテンドリルを手に入れる(BBBB浮きストーム14)。黒4マナでストーム14のテンドリル――親和プレイヤーは死ぬ!

すごく複雑だろう?自力で何問解けたか教えてね(別解でももちろんOK)。


世界の終わり

お分かりいただけただろうか――このフォーマットで最も気が遠くなるほど難しいデッキなんだ。ゲームを楽しく複雑なパズルにするだけのデッキではなく、とても強力でもある。特に青デッキがウィルを減らすケースが増えている今、チャント効果は本当に強く、Doomsdayは簡単に彼らのソフトカウンターをすり抜けてテンドリルを放つことができる。エンジンがガドックの影響を受けず、除去と本体キルを同時に行えるため、このデッキは他のストームデッキ以上にコンボ対策に強い。

さらに、Ad Nauseamにフォーカスしたデッキほど序盤のダメージが問題にならない(通常2ライフ残ってさえいれば元気だ)。8枚の質を高めるキャントリップと4枚のProbe、4枚の独楽により、パーツを揃える能力もフォーマットの中で突出している(ANTはこれを12枚のキャントリップで行う)。つまり、ほとんどの相手に優位に立てるってことだ。

このデッキの唯一の問題点は難易度だ。もしあなたが次のSCGレガシーオープンにこのデッキを持ち込もうと考えているなら、落ち着くんだ――やめた方がいい。入り組んだパズルのような強力なデッキのために時間を投資できて、分からん殺しをしたいのなら、Doomsdayはうってつけだけどね。

この短いプレゼンテーションを楽しんでくれたら幸いだ。このデッキの機微を教えてくれて、シナリオで僕の時間を奪ってくれたストーム板のみんなに感謝している。特に、仕事を惜しみなくシェアし、重大なミスが無いようにこの記事の校正までしてくれたLejayことJean-Mary Accartには本当に世話になった(特にシナリオについては助かった)。

今日はここまで。ここに書いたシナリオの別解、何問解けたか、あるいはアルマゲドン狂信者の仲間入りをしたくなったなら教えてくれ。
それじゃあまた次回、プレイの前に考えよう!

Carsten Kotter
StarCityGamesより。
相手の初動をどう見るか。

初動アンシーポンダーを見て汗をかくのはエターナルならではですよね。


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Legacy Openings
CARSTEN KOTTER
2013/6/28

http://www.starcitygames.com/article/26423_Legacy-Openings.html

エターナルフォーマットにまつわる昔からのジョークがある:デッキ構築が序盤戦、マリガン判断が中盤戦、1ターン目が終盤戦。
これは明らかに言い過ぎだけど、レガシーの最初の2ターンでは多くの重要なことが起こる。レガシーで「重要なことが起こる」というのはつまり、勝敗を分ける瞬間的な判断が数多くなされる、ということだ。

これらの判断の多くは状況次第で変化する、というのが特に難しいところだ。
ThoughtseizeとDeathrite ShamanとLiliana of the Veilが手札にあるところを想像してほしい。高速コンボデッキを相手にしている場合、1ターン目にはThoughtseizeを撃ちたいだろう。一方、死儀礼デッキを相手にしている場合、2ターン目にリリアナを出せるチャンスは少なくとも作っておきたくなるだろう。この場合は1ターン目に死儀礼を展開するスタートが正解となる。

この種のプレイを正しく行うためには対戦相手が何を使っているか知る必要がある。ラウンド1のうちに会場全体を偵察できないとしても、相手の1ターン目の行動からデッキチョイスや手札のカードの情報を集める方法があるんだ。

今日お見せしたいのは、いろいろな対戦相手の初動と、それを見たときの僕の思考過程だ。レガシーで重要な観察/推論スキルを高める役に立つんじゃないかな。
面白そうだろ?よし、それじゃあ始めよう。


古き良きIsland

あるトーナメントのラウンド1、シャッフルが終わり、対戦相手は少し考えて7枚でキープ。彼は次のようにゲームを始めた:

島をプレイして定業をキャスト。2枚ともボトムへ。エンド。

これは何を意味しているだろう?

答えは浮かんだかな?オーケー、僕はこんなことを思い浮かべたよ:

はじめに目に付くのは土地セットだ:手札から島を出してきた。
安定してこの動きができるデッキを考えただけでも数はかなり絞られる――例えばANTはせいぜい1,2枚しか島を入れていない。初手に島が来そうなデッキの候補として最もありそうなのは、マーフォーク、青白奇跡、Omni-Tell、ハイタイドだ。

ここで相手がキャストしたスペルを見てみよう:定業だ。
レガシーで定業が入るデッキはごくわずか。普通、より優れたPonderとBrainstormで枠は埋まってしまい、さらに定業を入れるというのは簡単にはできない選択だ。そんな選択をするデッキは、ハイタイド、Omni-Tell、ANT、そしてときどきスニークショーぐらいのもの。

ここまでに見たプレイからたくさんの情報が得られ、上で述べた考えを組み合わせると相手はおそらくハイタイドかOmni-Tellだと思われる。相手はコンボデッキを使っている可能性が高く、しかも3ターン目より前に勝ちにくる可能性は小さいということが既に分かった。ハイタイドはCloud of Faeriesを入れる構築をしない限り土地2枚で勝つことはふつう不可能で、Omni-Tellが2ターン目に勝つのに必要なCity of Traitorsはデッキに3枚しか入らない。

こちらがこれからどう妨害していくかを判断する上でこの考察が役に立つ。おそらくこちらには次のターンを待つ猶予があり、(例えばデルバーや死儀礼で)盤面を構築したり、どのカードを掘り当てる必要があるか考える堅実な1ターン目をプレイしても良さそうだ。(こちらが先攻なら)たぶんクァーサルよりもサリアを出すべきで、この状況ではマザーよりも教主の方が優れた1マナアクションだということも分かる。

さらに、相手の手札には重要なカード――土地か、あるいはコンボパーツのどれか――が欠けているだろうということも言える。定業で2枚ともボトムに送っているからだ。もう一つの可能性としては、彼は既に完璧な手札を持っているのかもしれない。

送られたカードは単に余った土地やコンボパーツだったかもしれず、これは決して安全な推論ではない。だけど、一般にそれなりの手札を持っている場合は定業でなにかしら使えるものが見つかり、それをトップに残すことが多い。2枚ともボトムに送るのは、手札があまりにも良くて加えるべきカードがほとんどないときか、ある特定のカードだけが必要でその他をできるだけライブラリの奥深くに押し込めたいときだ。

今回、相手はキープする前にしばらく考えた。
一つ目に、これはしばしば相手がコンボデッキを使っているサインになる。手札に欠けているものと、すぐに仕掛けられる可能性がどの程度あるかを考える必要があり、ハイタイドやOmni-Tellはマリガン判断で熟考することが最も多い部類のデッキだ。
二つ目に、相手の手札にはやはり足りないものがあり、定業を撃っても見つからなかった可能性が高い。手札が完璧ならキープするのに考える必要はないだろう。
最後に、相手は追加のキャントリップをたくさん持ってはいないだろう。ハイタイドもOmni-Tellも、島とキャントリップ3枚という手札はほとんどの場合キープだ。こういう手札でもやはりマリガンで考え込むことはないだろう。


大きな悪いUnderground Sea

Scalding Tarnを出してUnderground Seaをフェッチ、ブレストをキャスト。

これはどう思う?

今回も土地から考えてみよう。Scalding Tarnはいろいろなデッキで使われているが、Underground Seaはやっぱり今回もコンボデッキが相手だということを示している可能性が高い。なぜだろう?
コンボ以外でUnderground Seaを入れているのはおそらく死儀礼デッキだが、このデッキはふつうBayouにアクセスするため、ほぼ常にScalding TarnよりもMisty Rainforestが優先されるためだ。

土地を出した後の1ターン目ブレストもこの考えを補強する――Underground Seaを使うフェアなデッキが1ターン目のメインフェイズにブレストを撃つ理由はほとんどない。
目にした土地に基づいて単純に考えただけでも、対戦相手はUnderground Seaを使うコンボデッキ、ANTかTESかGoryo’s Vengeance型リアニか昔ながらのリアニのどれかだと僕には思える。

見たのは土地だけじゃないので考えを続けよう。
まず、昔ながらのリアニにとって1ターン目メインのブレストが良いプレイになるケースはほとんどない。このデッキでブレストの後にマナを生み出せるカードはよくて4枚のLotus Petalだけだ。そしてそのうち2枚を手に入れないとブレストの後に意味のあるプレイをすることはできない――ふつうは割に合わない賭けになる。というわけで、相手のデッキは残り3つのどれかだろう。

相手がどれを使っているか完全に明らかにできるだけの情報はないけれど、非常にアグレッシブなコンボデッキだと考えて間違いなく、さらにここで彼の手札の質についてもかなりのことが分かるんだ!
1ターン目メインのブレストは、非常に強い手札の場合にのみ意味を持つ――つまり、即座に勝つのに必要なパーツが残り1枚だけ、という手札だ。相手はその1枚をブレストで見つけられなかった――見つかればこちらは死んでいる――しかし、いったんアンタップして2枚目の土地を置けば仕掛けてくる可能性はかなり高い。

いま考えたことを組み合わせると、最初のフェッチでUnderground Seaを持ってきたアクションから追加で分かることがある。相手はおそらく仕掛けるためにアンシーからの黒マナが必要だ。そうでないなら島を持ってくる方がよほど安全なプレイになる。こういうプレイをし得るのはANTかGoryo型リアニだけだ。どちらのデッキも多くの土地を並べることはできない。土地のかたまった手札から1,2ターン目に勝てることは滅多になく、その場合は1ターン目メインのブレストはひどいプレイになる。

最後に、こちらがまだ死んでいないということは、相手は土地1枚だけではおそらく勝てないということだ。もしこちらにWastelandがあるならたぶんここで切った方が良いね。


初動の黒

Polluted DeltaからBayouをフェッチ、Thoughtseizeをプレイ。

さて、またもやフェッチからのデュアル、そして1ターン目のスペルという動きだ。
BayouからThoughtseizeという時点で死儀礼デッキの一種である可能性が最も高いだろう。ジャンドかShardless BUGかEsper Deathbladeか、あるいはBUGデルバーか。追加の情報であるPolluted Deltaからは、相手はおそらくジャンドではなく青系のどれかだろうと考えられる。
Esper Deathbladeはこれらの中では最も確率が低い。このデッキが1ターン目にBayouをフェッチする理由は滅多にないためだ。同様にBUGデルバーも青マナを欲しがる(Dazeのためにも島が要る)ので、1ターン目にBayouを持ってくるのはとてもリスキーだ。というわけで、今のところ相手はShardless BUGだろうと僕は考える。

もちろんThoughtseizeの解決によって相手の手札とゲームプランについてより多くの情報を得られるが、今日はこちらが使うデッキについては無視している。この点についてはこの記事の範囲外とさせてほしい。
しかしそれでも、僕らは相手の手札についてもう少し考えられることがある。まず、相手はほぼ間違いなく少なくとも1枚、おそらく2枚の追加のマナソースを持っており、そのどちらも青マナにアクセスできるはずだ。BUGデルバーとShardless BUGはかなり青寄りのデッキで、青マナを確保できていないときはそれを確実に手に入れることに集中するだろう。

さらに、相手の手札にはDelver of Secrets(Shardless BUGという読みからは少し外れるけど)もAncestral Visionもないだろうと思われる――こちらが高速コンボだと相手が考えていなければ。これらを1ターン目にプレイする価値は1ターン目Thoughtseizeよりもかなり高いことが多いためだ。同じ理由で、相手は死儀礼と強力な2マナカードを同時には持っていないだろう。1ターン目死儀礼からの2ターン目ハンデス+2マナスペルという動きは強く、ハンデスを1ターン遅らせてでもやってくるはずだ。


嗚呼、5色土地

Gemstone Mineを出してエンド。

うん、これはすごく単純で、だけど多くを語っているね。Gemstone Mineが入るデッキはわずかしかない――ドレッジ、TES、あとはAdam Prosak型のANT――この初動からは相手がアンフェア志向だということがかなり明白だ。
ドレッジで5色土地はあるがディスカード手段のない手札をキープするのは本当にまずいプレイヤーだけ(それか後手でドローディスカードするプランの場合)なのでドレッジの可能性は無視して、高速テンドリルデッキのどちらかだと考えよう。ANTがGemstone Mineを引くことは少なく、さらにキャントリップもなしでGemstone Mineからスタートしなきゃならない手札をキープする可能性も低いので、TESの確率の方が高いだろう。

とはいえ、ここで一番面白いのは相手の1ターン目のアクション――あるいはアクションがないこと――からいかに多くを知ることができるかという点だ。彼が高速ストームを使っていることが分かったとして、1ターン目に動きがないのはかなり意外だ。ストームデッキの序盤はふつう、少なくともキャントリップかハンデスを1ターン目に撃つことに注力する。
2つの可能性が考えられる:相手がBrainstormを持っておりこちらのエンドにキャストするのを待っているか、あるいはマナ加速が少し足りないものの非常に良い手札を持っており、仕掛けるのに2枚目の土地が必要か。

2枚目の土地が必要だとすると、手札にある追加の土地もおそらくGemstone Mineということになるだろう――より良い土地が使えるのに、わざわざ目減りする土地を先に出す必要はない。

相手の手札に欠けているものが一つあるとすると、マナ不足しかないだろう。ライブラリを掘るキャントリップがなく、コンボパーツも揃っていない手札をキープするのはふつうかなりマズイ。チューターか直接パーツとなるスペルを探すのに十分なカードを見られなくなる。
僕には、相手は動き始めるのにちょうど1マナ足りないのだろうと思われる。何かのマナ――土地も含めて――を引かれればおそらくゲームは終わる。

最後に、相手がブレストを持っている場合、こちらのエンドステップにそれを撃ってくるだろう。「Gemstone Mineを出してエンド」という1ターン目のプレイを正当化するためには、たとえブレストがあってもかなり完成形に近い状態の手札が必要だからだ。2ターン目を待ってブレストしたいならフェッチランドを持っているはずだけど、この場合は不毛をケアして1ターン目にGemstone Mineではなくフェッチランドをプレイするだろう――やっぱりこの可能性は考えにくい。

エンドステップにブレストがきた場合、相手が使っているのはTESで、仕掛けるには赤マナと黒マナの両方が必要だ。
理由?Gemstone Mineゴーを正当化できるほど勝利に近い手札を持っているなら、ふつうは自分のターンのうちにブレストを撃ちたくなるだろう。そこでパーツを見つければ即座に勝てる。しかし、仕掛けるのに異なる2色が必要な場合は1ターン目ブレストから即座に勝つのはほぼ不可能だ。この場合はブレストを待ち、2枚目の土地を出すまでの間のハンデスをケアするのに使うべきか見極めようとするだろう。


マングース目撃

Polluted DeltaからTropical IslandをフェッチしてNimble Mongooseをプレイ。

この動きで一番多くを語っているのはもちろんNimble Mongooseだ。マングースを入れるのはStifle / Wasteland / Dazeを使うテンポデッキだけで、真っ先に挙がるのはRUGデルバーあるいはドイツのBURGデッキ、そして最近ではかなりレアだけど昔ながらのBUGデルバー(赤の火力の代わりにボブを入れたRUG)かもしれない。

Polluted Deltaによって、おそらく相手はBURGデッキではないことが分かる――このデッキはマナベースを安定させるためにTaigaを入れる必要があり、Polluted DeltaはTaigaを持ってくることができない。BURGを除くとこの初動からは相手のデッキチョイスについてこれ以上は分からないが、RUGは他のテンポデッキと比べてかなり多く使われていることから、ここでは僕はRUGを相手にしていると信じるだろう。

マングースからはまだ読み取れることがある。通常、Nimble Mongooseはテンポデッキの1ターン目のプレイとしては最弱だ。Delverの方が大きなダメージを見込め、間違いなくできれば最初にプレイしたいはずだ。同様に、マングースが序盤に与えるダメージは小さく、1ターン目のプレイとしては相手がフェッチを使う場合に備えてStifleを構える方がマングースを出すよりもかなり良い。

Lightning BoltとSpell Pierceの組み合わせを構えることでさえ――後でマングースを出すための緑マナが確保できるなら――あるいは単なるPonderでさえ多くの状況でより良い1ターン目のアクションだ(特にPonderは土地1枚でキープした場合)。
結果として、相手はStifleやDelverを今のところ持っておらず、おそらく土地はもう1枚持っていると僕は考える。土地があるというのは、相手の手札になさそうなカードが多いためだ。Dazeケアには特に注意を払うだろう――相手のここまでの動きにはDazeによるバックアップがぴったりハマる。


前へ、目的地へ

ここまで見てきたように、対戦相手の1ターン目のカード数枚を見ただけで驚くべき量の情報が集められる。このようにして結論を引き出す力はレガシーで非常に重要なスキルだ。はじめに書いたようにレガシーは速く、居並ぶデッキ達はミスプレイを許さず初動を信じられないほど厳しく咎めてくる。

みんなが対戦相手の初動を読むとき、今日の記事が役に立てれば嬉しいよ。上に書いた考察の多くで相手がマリガンしていないことがけっこう重要だってことには気をつけてほしい。手札のカードが少なくなるほどプレイヤーは最適でない動きをせざるを得なくなってくる――最適でない動きを読むのはとても難しい。

対戦相手が自らのデッキを熟知している前提だってことにも気をつけてくれ。もう一度言うけど、最適でない動きは意味不明だから読むのはとても難しいんだ。

あらゆるレガシーの試合で見ることになる最序盤のアクションに注目してみたこの記事を楽しんでもらえたら幸いだ。あなたがどう考えたか、僕の考えと違うところはどこか、コメントで教えてほしい。

じゃあまた次回。細部に気を配ろう!

Carsten Kotter

StarCityGamesより。
ロームをやり込んでいるJeff Hooglandによる4色ローム入門。

ロームをよく知らない人向けの入門記事ですが、サイドのインアウトなど勉強になりました。
好きなデッキなのですがなかなかうまく回せません。。


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Loam Is Where The Heart Is
JEFF HOOGLAND
2013/5/06

http://www.starcitygames.com/article/26118_Loam-Is-Where-The-Heart-Is.html

僕が今使っていて、今年のSCGレガシーオープンで3回トップ4に入った4色ロームデッキ入門を書く気はないかと多くの人に言われている――彼らのためにこの記事を書くよ。去年の12月、GPインディアナポリスのサイドイベントで初めて使って以来、いろんなタイプの4色ロームを試行錯誤してきた。

初めてDevastating Dreamsを解決させて勝ったとき、僕はこのアーキタイプに夢中になってしまった。この記事は4色ロームの入門的な内容で、もし大会レポートにも興味を持ってくれたなら、僕のSCGインディアナポリスのレポートがここ(http://www.reddit.com/r/spikes/comments/1a33db/legacy_third_at_scg_indy_report/)、SCGアトランタのレポートがここ(http://www.reddit.com/r/spikes/comments/1c0j8e/legacy_third_at_scg_atlanta_report/)にあるよ。

デッキについて話を始める前に、75枚を載せておこう:


Four-Color Loam
Jeff Hoogland
2nd Place at SCG Legacy Open on 4/14/2013
Legacy

Creatures (9)
* 3 Dark Confidant
* 4 Knight of the Reliquary
* 1 Gaddock Teeg
* 1 Dryad Arbor

Lands (25)
* 1 Forest
* 1 Badlands
* 1 Bayou
* 2 Forgotten Cave
* 2 Grove of the Burnwillows
* 1 Maze of Ith
* 1 Nantuko Monastery
* 1 Plateau
* 1 Savannah
* 2 Taiga
* 3 Tranquil Thicket
* 4 Wasteland
* 4 Wooded Foothills
* 1 Karakas

Spells (26)
* 4 Chalice of the Void
* 4 Mox Diamond
* 2 Sylvan Library
* 3 Abrupt Decay
* 3 Punishing Fire
* 4 Burning Wish
* 2 Devastating Dreams
* 1 Green Sun’s Zenith
* 3 Life from the Loam

Sideboard
* 1 Abrupt Decay
* 1 Gaddock Teeg
* 3 Thalia, Guardian of Thraben
* 1 Chainer’s Edict
* 1 Devastating Dreams
* 1 Dreadbore
* 1 Life from the Loam
* 1 Maelstrom Pulse
* 1 Perish
* 1 Reverent Silence
* 1 Shattering Spree
* 1 Thoughtseize
* 1 Bojuka Bog


SCGアトランタとSCGミルウォーキーの両方で僕はまさにこの75枚を使った――入っているカードにはとても満足しているよ。


カードチョイス

このデッキは強く、楽しく、柔軟だ。色々な角度から攻めることができる。
デッキ名からも分かるように、このリストはLife from the Loamエンジンを搭載している。ロームは、僕らがよく言う「自己完結」している強力なカードだ。墓地から3枚の土地を「ドロー」できて、そのために土地を墓地に落とすこともできる。

Life from the Loam / 壌土からの生命 (1)(G)
ソーサリー
あなたの墓地にある土地カードを最大3枚まで対象とし、それをあなたの手札に戻す。
発掘3(あなたがカードを引く場合、代わりにあなたはあなたのライブラリーのカードを上からちょうど3枚、あなたの墓地に置いてもよい。そうした場合、あなたの墓地にあるこのカードをあなたの手札に戻す。そうしなかった場合、カードを1枚引く。)


ロームによって回収する土地はいくつもの役割をこなす。Wastelandは対戦相手の欲張ったマナベースを攻め、Nantuko Monasteryはプレインズウォーカーやプレイヤーにアタックする。土地では不十分な場合はサイクリングランド(Forgotten CaveとTranquil Thicket)によってスペルを引くことができる。いったんロームが動き始めると、こちらのカードアドバンテージについてこられるデッキはレガシーには(もしあるとしても)僅かしかない。
だからデッキにはLife from the Loamを7枚入れている。

ああ、もちろんそのまま7枚のロームを入れてはいない(ルール違反だからね)。「7」枚のロームというのは、擬似的に7枚のロームを入れているということだ。3枚のロームをメインに入れ、4枚目のロームをBurning Wishのターゲットとしてサイドに入れることによって(これにはゲーム2や3でロームを全てサージカルされてしまうのを防ぐ意味もある)。

Burning Wish / 燃え立つ願い (1)(R)
ソーサリー
あなたは、ゲームの外部にあるあなたがオーナーであるソーサリー・カード1枚を選び、そのカードを公開し、あなたの手札に加えてもよい。燃え立つ願いを追放する。


慎重に選んだサイドボードにより、ロームデッキのBurning WishはしばしばDemonic Tutorのようにはたらく。厄介なクリーチャーやプレインズウォーカーの除去?Dreadboreを持ってこよう。対戦相手が面倒なアーティファクトやエンチャントをたくさん出してる?Shattering SpreeかReverent Silenceで分からせよう。Chainer’s Edictはエムラクールにもマングースにも効き、Perishはエルフやマーベリックへの強烈な一撃だ。

もう1枚、サイドボードのカードとして上で言ったDevastating Dreamsがある。このロームデッキの勝利への最短ルートは、Knight of the Reliquaryを解決させ、続けて相手の土地を全て破壊する大きさのDevastating Dreamsを撃つことだ。赤夢はクリーチャーにダメージを与えるのに加えて土地を破壊するため、これで自分の聖遺が死んでしまうことはほとんどない。これにより、Devastating Dreamsはしばしばこちらの聖遺を残すラスゴ+ゲドンになる。

カードチョイスについて話しておきたいことがもう少しあって、フル搭載している2種類のアーティファクト:Chalice of the VoidとMox Diamondだ。
チャリスには1個のカウンターを置きたいことが多い。上のデッキリストを見ると、75枚のうち1マナのカードはたった3枚に抑えられていることに気づくと思う。一方、他の多くのレガシーデッキは12枚かそれ以上の1マナスペルを積んでいることが多い――つまり、チャリスX=1によって相手の無駄ツモ率を20%以上まで上げられるゲームがよくあるってこと!

チャリス1を運用できるように組んだデッキの構造とMox Diamondは強力にシナジーする。こちらのほぼ全てのスペルが2マナだからといって、キャストするのに2ターン目を待たなくても良いんだ!Dark ConfidantもSylvan LibraryもChalice of the Voidも、1ターン目にプレイするのは素晴らしいよ。


マリガンについて

このロームデッキはとても柔軟なため、プレイ中に僕らのした選択が試合の行方に大きな影響を与えることになる。この選択は初手を引いたところから始まっている――正しくロームをプレイするには正しいマリガンが不可欠だ。多くのレガシーデッキのように「土地とスペル」でキープしようと思ったら大間違いだよ。

以下のような手札の例を考えてみよう:

《闇の腹心/Dark Confidant》
《罰する火/Punishing Fire》
《突然の衰微/Abrupt Decay》
《Savannah》
《不毛の大地/Wasteland》
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
《Maze of Ith》


この7枚は間違いなく「土地とスペル」チェックはクリアする。しかし見るべきなのは、この手札ではGreen Sun’s Zenith以外のスペルを実際にはキャストできないということだ。(緑頂点で持ってきた)1ターン目のDryad Arborと、それに続くWastelandでゲームに勝つのに十分かな?ほぼ常にノーだ――このハンドはやり直す必要がある。

でも、上の7枚のうち1枚だけ他のカードに変わったらどうだろう:

《闇の腹心/Dark Confidant》
《罰する火/Punishing Fire》
《突然の衰微/Abrupt Decay》
《Savannah》
《不毛の大地/Wasteland》
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》


これはまったく違う勝負になる。Wooded Foothillsは前の例にはなかった2色(赤と黒)にアクセスできる。
この手札は相手のデッキに応じていくつかの異なるプレイが可能だ。

1ターン目:Wooded Foothillsをプレイ→BayouをフェッチしてGreen Sun’s Zenithをキャスト→Dryad Arborを持ってくる。

2ターン目:WastelandをプレイしてBayou + Dryad ArborからDark Confidantをキャスト、不毛で相手の土地を割る。

[編集者メモ:Jeffは脳内プレイでさえDazeをケアしてる。いいね!]

この一連のプレイはかなりアグレッシブだが、(相手のマナを同時に攻めているために)序盤のボブに相手が回答できない場合、こちらが赤マナを引ける確率は高い(そして1ターンに2枚のカードを引ける)。

もっと保守的にプレイしたい場合(もしくはボブがすぐに除去されそうな場合)、Wooded FoothillsはBadlandsを持ってくるためにとっておくこともできて、そうすればデッキの4色全てを出せるようになる。これにより2ターン目と3ターン目にPunishing FireとAbrupt Decayを使って相手のプレイに回答できるようになる。そして4ターン目に緑頂点で聖遺を持ってこられる。

どんな初手をキープすべきか、また様々な初手からどんなプレイができるか、という話題だけで簡単に本1冊が埋まってしまう。
というわけで、今日は最後によく聞かれる質問「どうサイドボーディングするか」に触れて終わろうと思う。今のレガシーのメタゲームでよく見かけるアーキタイプに対して、上の75枚で僕がどうサイドするかを以下に書いておくよ。


サイドボーディング

RUG/BUG Delver

Out: -1 Green Sun’s Zenith, -1 Gaddock Teeg, -2 Burning Wish

In: +1 Abrupt Decay, +1 Bojuka Bog, +1 Dreadbore, +1 Maelstrom Pulse

Jund

Out: -1 Green Sun’s Zenith, -1 Gaddock Teeg

In: +1 Abrupt Decay, +1 Bojuka Bog

U/W/R Miracles

Out: -3 Punishing Fire, -1 Life from the Loam, -1 Knight of the Reliquary

In: +1 Abrupt Decay, +1 Gaddock Teeg, +3 Thalia, Guardian of Thraben

Esper Stoneblade

Out: -1 Gaddock Teeg

In: +1 Abrupt Decay

Elves

Out: -1 Knight of the Reliquary, -1 Life from the Loam

In: +1 Abrupt Decay, +1 Gaddock Teeg

Goblins

Out: -4 Chalice of the Void

In: +1 Abrupt Decay, +1 Thoughtseize, +1 Maelstrom Pulse, +1 Dreadbore

Sneak and Show (とコンボ全般)

Out: -3 Abrupt Decay, -1 Punishing Fire

In: +3 Thalia, Guardian of Thraben, +1 Gaddock Teeg


おわりに

ここ5ヶ月間、4色ロームを使ってとても楽しい時間を過ごした。この期間に僕は競技RELの大会に8回参加し、それら全ての通算成績は47-16-8だった(ドローは全てID)。勝率はおよそ75%――高レベルな大会にしては悪くないんじゃないかな。
このデッキについて質問やコメントがあれば気軽にコメント欄に書いてね。

Cheers,

Jeff Hoogland


※訳注:元記事のコメント欄でデッキについて話している部分をざっくり訳で追記します。

Q. Seismic Assaultはテストした?
A. 多くの場合アサルトはオーバーキルだと思う。アサルトが強いのはロームエンジンが動いているときだけど、そうなっている場合はアサルトなしでも勝ってしまう。聖遺や罰する火のようなカードを使えばロームがない状況でも勝負できるよね。

Q. なんでサリアを入れてるの?ミラクルにはそんなに効かないんじゃない?ロームデッキは生物も少ないし。
A. サリアはこちら以上に相手にとってキツいよ。このリストでミラクルとは何度もプレイしたけど、サリアは本当に強かった。他にも、ほぼ全てのコンボとのマッチアップでサリアはエースだね。

Q. 相手がリアニやショーテルじゃないことを祈るしかないんじゃ・・・。
A. そうかな?聖遺からのカラカスでバウンスして、必要なら不毛連打、そしてビートしよう。

ChannelFireballより。
GPデンバー5位のオーダー入りエルフの解説とプレイの様子。


同日のSCGコロンバス1位のエルフ、翌週のSCGサンディエゴ12位のエルフも似たリストでした。
BG系の疫病が増えている環境で課題だったサイド後が改善されるのですね。


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Getting Nassty―Elves in Denver *Top 8*
Posted by Matt Nass
January 13, 2013

http://www.channelfireball.com/articles/getting-nassty-elves-in-denver-top-8/

GPデンバーに向かうとき、僕はこれまでの中でも一番自信を持っていた。直前のインビテーショナルでトップ4に入っていたし、今回は僕が世界で一番得意なデッキ――エルフを持ち込んでいた。今の環境でエルフは良い位置にいるとも考えていた。

最近僕はプレイヤーとしての幅を広げようと努力していた。最も慣れたタイプのデッキを使うのはたしかに良いことだけど、そのデッキでは生きていけない場合もある。前にも言ったけれど、Guillaume Wafo-Tapaがコントロールデッキが良い位置にいる年にレベル7だったところから、クリーチャーデッキが環境を支配した次の年にはグレイビートレインを降りることになったのが分かりやすい例だ。
僕は「エルフの人」や「コンボの人」にはなりたくない。僕がなりたいのは良いマジックプレイヤーだ。だからインビテーショナルで完璧にフェアなグッドスタッフデッキ2つを使って上位に入れたことは特に自信になった。とはいえ、もう二度と緑の小さなヤツラやコンボを使わないということではないよ、もちろん。

たまたまインビテーショナルに、僕にエルフをテストしようと思わせるリストがあったんだ。Leon KornackiがLiving Wish用のサイドに孔蹄のビヒモスを入れたエルフデッキを使ってトップ8に入っていた。僕は以前Natural Orderを入れたエルフをプレイしていたことがあり、そのときはRegal Forceが唯一のサーチ先だった。
2つを合わせてみようと考えるのは難しいことではなく、そしてビヒモスをオーダーするのは格別だということが分かった。
(※訳注:Leon Kornackiのリスト:http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=51649

Wrapter(※訳注:Josh Utter-Leytonのこと)と僕でサイド前のゲームを何試合かこなし、孔蹄先生には心底感心させられた。しかし、Natural Orderプランが本当に輝くのはサイド後のゲームだった。BUGが疫病を何枚か貼りにきたとき、Progenitusをオーダーしてくるだけでよかった。

イラクサ、東屋、共生虫、死儀礼のおかげで、疫病の下でオーダーを撃つのは難しいことじゃない。さらに、リリアナから大祖始を守るための追加の生物を出せていることはしょっちゅうある。
レガシーのエルフがこれまでずっと抱えてきた問題はサイド後のゲームだったけど、このプランがあればサイド後にもフェアなデッキに有利に立ち回れる。

このデッキは良いと確信し、僕らはリストのあるべき形を見つけるために残りの時間を使った。
Deathrite Shamanはすぐに2枚から3枚、4枚と数を増やした。フェッチ可能な土地をたくさん入れなくてもフェッチ10枚は問題なく運用できることが分かり、これにより死儀礼はほとんど常にLlanowar Elvesとして機能する。

さらに、死儀礼とアンタップ生物(共生虫とレインジャー)のシナジーはうんざりするほど強く、ゲームをさっさと終わらせる。
Natural Orderはメイン3枚、サイド1枚になった。ゲーム1に複数枚引くのはうっとうしいが、サイド後のプランで大きな役割を持つためだ。

Wrapterの大きな貢献の一つがサイドボードのDryad Arborだ。一見何もしないように見えるかもしれないね。
フェアなデッキ相手のサイド後のゲームでは、東屋をフェッチしてきたくなることが多くある。東屋は揺籃の地と合わせて実質2マナを増やし、Natural Orderの餌となり、リリアナへの防御手段となる。その上、Quirion RangerやWirewood Symbioteでアンタップする対象にもなる。
これらを踏まえて、僕らのたどり着いたリストがこれだ:


* Main Deck
* 4 Deathrite Shaman
* 1 Llanowar Elves
* 1 Fyndhorn Elves
* 1 Birchlore Rangers
* 4 Heritage Druid
* 4 Nettle Sentinel
* 4 Quirion Ranger
* 4 Wirewood Symbiote
* 4 Elvish Visionary
* 1 Priest of Titania
* 1 Regal Force
* 1 Craterhoof Behemoth
* 3 Natural Order
* 4 Glimpse of Nature
* 4 Green Sun’s Zenith
* 4 Gaea’s Cradle
* 2 Verdant Catacombs
* 4 Misty Rainforest
* 4 Windswept Heath
* 2 Bayou
* 1 Forest
* 1 Savannah
* 1 Dryad Arbor

* Sideboard
* 1 Sylvan Library
* 1 Dryad Arbor
* 1 Natural Order
* 1 Progenitus
* 4 Cabal Therapy
* 2 Abrupt Decay
* 2 Mindbreak Trap
* 1 Thorn of Amethyst
* 1 Qasali Pridemage
* 1 Gaddock Teeg


メインの60枚は大会の1,2日前に完成できたけど、サイドボードにはもういくつか議論が必要だった。
東屋1枚、大祖始1枚、オーダー1枚のパッケージは外せず、コンボ対策のセラピー4枚も減らせなかった。相殺はやはり問題なので、衰微を2枚入れられるようにしておくのはたぶん良いだろうと考えた。最適とは言えないし、相殺はかわすのがこちらのメインプランではあったけれど、疫病への回答にもなるのはやはりナイスだった。

サイドボードの残りの部分は主に次の2点から考えた:一つ、エルフはコンボデッキなので、どのマッチアップでも多くのカードを入れ替えることはできない――入れ替え枚数は少ない方が良い。二つ、エルフはふつう多くのコンボデッキに速度面でかなわない。そのため、強力なアンチコンボカードがどうしても必要だ。

はじめ僕らはThorn of Amethystに頼ろうとしたけど、2ターン目の妨害では速さが足りなさそうだと気がついた。さらに、1ターン目のカードとしては既にセラピーを入れていた。
本当に必要なのはゲームが長引いたときでも仕事をするカードだった。そしてMindbreak Trapはその状況で完璧なカードだ。

頂点のサーチ先2枚のための白タッチは最後の方で加えた変更だ。頂点とオーダー入りのデッキでのガドックはあまり筋が良くないけど、それでも価値があるように思えた。

サイドボーディングをするとき、最もよくサイドアウトされるのはPriest of TitaniaとHeritage Druid、Nettle Sentinelだ。ティタニアは除去のあるデッキにはすごく弱いのでサイドアウトされる。ドルイドとイラクサは相手がコンボを止めるのに長けているときは弱くなる。自身ではマナを生まないためだ。Natural Orderプランを採用する場合、このことは他のエルフデッキ以上に問題になる。
「サイド時の入れ替え枚数は少ない方が良い」という点は十分に考慮できなかった。コンボデッキは構成が大きく変わっても動くようにはできていない。

トーナメントの中では、重要な場面がいくつかあった:

大会中に2回、僕はエルフたちでアタックするのを忘れた。これは明らかに普段起きることじゃない。エルフを使うにはかなりの集中力が必要で、精神的にとても消耗する。それで僕はプランAがうまくいかなかったときにできるはずの攻撃を忘れてしまった。特に共生虫やQuirion Rangerを使ってガチャガチャやっているとき、彼らでアタックするのを忘れないようにするのは難しくなる。
たしかにそれほど大きな問題にはならず僕はトップ8に入ったけれど、これは心に留めておくべきことだ。恥ずかしいことに、僕が共生虫のアタックを忘れた場面のうち1回はSam Blackとのフィーチャーマッチの最中だった。

また別の興味深いゲームは、初日無敗の記録を賭けたマッチの中でのことだ。対戦相手は2ターン目にRest in Peaceを出し、こちらの死儀礼を無力化してきた。続くターンに彼はEnergy Fieldをプレイ。僕は投了した。
この手のカードへの回答をメインに入れることが正しいとは思えないけど、デッキを全て引ききったとしても勝てないことが確定しているというのはかなり苛立たしいことだった。結局ゲーム2と3は僕がうまくゲームを引き寄せ、マッチを取った。

一番面白かったのは、連続してGPでトップ8に入っているHarry Corveseとの試合だった。彼はBUG Shardless Agentを使っていた。
ゲーム1、僕はQuirion RangerとWirewood Symbiote、Dryad Arbor、Gaea’s Cradleを出し、緑頂点X=7を解決させてRegal Forceをサーチした。残念なことにリーガルで引いたのは全て土地だった。

Harryは共生虫を除去したが、こちらにはまだHarryの4/5タルモを食い止めるリーガルが残っていた。次にHarryはShardless AgentでRegal Forceに向かってアタックし、墓地にアーティファクトを落としてタルモをサイズアップさせてきた。続いて僕はDeathrite Shamanをトップ。1ターンの後、HarryはAbrupt Decayを見つけて死儀礼にプレイした。僕はレスポンスしてこちらの唯一の黒マナを使ってインスタントを追放しつつ(彼のライフは低かったからね)、できるだけ何食わぬ顔をしながらQuirion RangerでDeathrite Shamanをアンタップし、緑マナ能力を起動してAgentを追放した。

幸運にも、僕が両者の墓地で唯一のアーティファクトを除去したことにHarryは気づいておらず、4/5になったタルモでRegal Forceに向かってアタックしてきた。
僕がエルフデッキのコンボ要素をプレイするのにすごく精神力を使ってミスをするのと同じように、Harryもエルフデッキのコンボ要素に対処しようとして疲れていたんだと思う。

ゲーム2、僕は強い盤面を作ってNatural Orderを解決させた。孔蹄のビヒモスと大祖始がサーチ先の選択肢だった。ビヒモスをサーチすればHarryのライフを4まで落とし、場には死儀礼、レインジャー、東屋、ビヒモスが残る。大祖始もHarryにかなり速いクロックを突きつけ、彼はPerishのようなカードがなければ死ぬことになる。

僕はビヒモスプランを選び、誘発にスタックでHarryがDismemberを撃った。僕はこの可能性を考えてすらいなかった。その後Harryは良いドローを続け、結局僕は大祖始を持ってきていれば間違いなく取れたはずのゲームを落とした。後でLSVに大祖始で勝てていたか聞くと、彼の答えもイエスだった。しかし彼は、これは難しい選択で、レガシーではDismemberのような目立たないカードをケアしてプレイするのはかなり難しいとも言っていた。

ゲーム3、Natural Orderで同じミスを繰り返すことはしなかった。僕はDeathrite Shamanからスタートし、これはすぐにDismemberされた。2ターン目、こちらはQuirion RangerとDryad Arborを出してエンド。Harryは衰微を撃つかヒムを撃つか判断する局面に立っていた。

彼は悲惨なことが起きるリスクはないと考え、ヒムを選んだ。彼には知るよしもなかったが、これは5/6の確率で即座にゲームに負けるプレイだった。僕の4枚の手札にはNatural Orderが2枚あり、次のターンのオーダーキャストを止めるには、彼はまず2/4の勝負に勝った上で1/3の確率を成功させる必要があった。

信じがたいことに、森、東屋、レインジャーだけからNatural Orderをキャストできるマナが出る。彼のヒムは失敗し、大祖始がゲームを終わらせた。
試合の後Harryと僕で、いろんな人にHarryの立場だったらどうするかを聞いてみた。みんなの意見はまったく一致しなかったよ。

最後の、本当に記憶に残るゲームはまだヒリヒリ痛むね:トップ8でPat Coxのジャンドと対戦したときのゲーム1だ。

僕がQuirion Rangerを出し、PatがThoughtseizeで頂点を落とす立ち上がりだった。僕のターンにドローして、手札はWirewood SymbioteとHeritage Druid、それとフェッチを含む何枚かの土地になった。

僕には2つの選択肢があった:クリーチャーを2体とも出してThoughtseizeやHymn to Tourachの影響を受けないようにするか、共生虫だけを出してフェッチを起動せずに残すかだ。

1つ目のプレイではGlimpseが弱いトップデッキになってしまうように見えるが、PatのターンエンドにドルイドをバウンスすることでGlimpseの強さを保つことができる。

共生虫だけを出すプレイの大きなメリットはフェッチを場に残しておけることだ。フェッチで東屋を持ってくることにより、Quirion Rangerと合わせて続くターンにより多くのマナを使えるようになる。

もちろん僕は次のターンにNatural Orderをドロー、そしてそれをキャストすることができなかった。1つ目のプレイを選んでおり、マナが足りなかったためだ。PatはThoughtseizeを撃ち、当然オーダーを落とした。その後は簡単に彼が勝った。
自分のプレイが間違いだったとはやっぱり思えないけど、別の道ならほぼ間違いなく勝っていたというのは気分のいいものではないね。

余談だけど、Birchlore Rangersの変異が意味を持つ場面がこのマッチで2回あった。ふつうは表向きの方が良いし、1枚挿しで引かないことも多いので普段は変異に意味はないけど、本当に2/2が必要なとき(あるいは相手がエルフ指定の疫病を出しているとき)の選択肢として覚えておく価値は間違いなくあるよ。

ストレスの溜まる負け方で終わってしまったとはいえ、GPデンバーは僕にとって素晴らしい経験になった。大好きで得意なデッキを使って楽しいプレイをたくさんした。多くの友人と一緒に過ごすことができた。その中にはカリフォルニア在住の人も何人かいて、僕が東海岸の学校に通っているため普段は会えない人たちだ。それにトップ8も悪い結果じゃない。
今はGPで使った75枚をプレイする動画を撮ろうとしていて、ギルド門侵犯のスポイラーで気に入ったカードの一つについて書いたSpoiler Spotlightの記事ももうじき載るはずだよ。お楽しみに。

StarCityGamesより。
レガシーでのデッキ構築について。

2年前、新たなるファイレクシアがリリースされる少し前の文章です。
カードプールやメタは当時から変わっていますが考え方は今でも通用しそうだと思い、訳してみました。


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Deckbuilding Principles of Legacy
AJ SACHER
2011/2/22

http://www.starcitygames.com/magic/legacy/21182-Deckbuilding-Principles-of-Legacy.html

ここしばらく、レガシーは他とかなりの差をつけて僕のお気に入りのフォーマットだ。レガシーは極めて高いスキルを要求されるフォーマットで、イノベーションの余地が最も大きなフォーマットでもある。レガシーのトーナメントに参加するたび、僕はそれまで見たことのなかったものを毎回少なくとも1つは目にしている。同じことをエターナルでないフォーマットで言うことはできないだろう。

僕がデッキをデザインするとき常に気をつけているガイドラインとセオリーがいくつかあり、今日はその中のいくつかを共有しようと思う。特にレガシーに関するものを。
ある色の良いカードを大量にデッキに詰め込むだけでおしまい、というのでは明らかに不十分だ。戦えるデッキを作るには、デッキに何らかの能力と性格を与える必要がある。そんなの言うまでもないことだと思うかもしれない。しかし、「デザイナーがそう作ったから」ということしか存在理由がないデッキたちを僕はたしかに目にしてきた。

この記事で例として使おうと思っている2つのデッキはいずれもインディアナポリスでのレガシーオープンでトップ8に入ったものだ:1つはJosh Raydenのデッキで、これは僕がGPコロンバスのトップ32に入ったときに使ったデッキをアップデートしたものだ。もう1つはDrew Levinのデッキで、彼が2週間前に書いたCounterbalanceについての記事に載せていたデッキの改良版だ。
(※訳注:原文では本文からリンクが貼られています。
Josh Raydenのデッキ:http://www.starcitygames.com/magic/legacy/21170_Emrakuls_and_Progeneti_Top_8_at_SCG_Indy_with_Show_and_Tell.html
Drew Levinの記事:http://www.starcitygames.com/magic/legacy/21074_Counterbalance_A_Love_Story_From_Chicago_to_Columbus.html

コロンバス用のデッキをデザインしたとき、僕はレガシーで最もパワフルなプレイのリストを作った。そしてその中のいくつかを同時に使いシナジーさせようと試みた。そのリストは例えば次のようなものだ:

1. イオナをリアニメートする。
2. 良いマナカーブを持つデッキが相殺と独楽を揃える。
3. 序盤にボブを解決させて守る。
4. 手札に生物を持ちつつ序盤にサバイバルを解決させて守る。
5. エムラをショーテルで出す。
6. Adデッキがライフを10以上残してAd Nauseamを解決させる。
7. Thopter FoundryとSword of the Meekを揃える。
8. ペインターと丸砥石かAlurenとImperial Recruiterによって即座に相手を倒す。
9. Natural Orderで大祖始を出す。
10. 神ジェイスを解決させて守る。
11. カウンターの乗った薬瓶をスタンバイさせる。

抜けはいくつかあるかもしれないが、これらは間違いなくプレイのTier 1になっていると思う。このリストは時とともに変わるもので、例えば以前はFlash&Protean Hulkは8番と4番に該当するプレイだったが今はリーガルではなくなった。

過去に僕がデザインしたデッキたちを見ると、これらのプレイのうちどんなに少なくとも2つは最終的に(そして十分に)搭載されることになっている。

僕のGPシカゴでのデッキは3,4,11番の原則にしたがった緑黒タッチ赤サバイバルデッキだった。
オーランドのSCGオープンでのデッキは2,7,10番を取り入れた青白Enlightened Tutorコントロールだった。
GPコロンバスでのデッキは5番と9番の要素を持っていた(さらにインディアナポリス用のアップデート版には10番がプラスされた)。
そしてカンサスシティ用のデッキは2,9,10番の能力を持っていた。
(※訳注:デッキリストへのリンク。
オーランドのデッキ:http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=32002
カンサスシティのデッキ:http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=36114

とはいえ、これらの能力を可能な限り多くデッキに詰め込むことが大事なのではない。同時に成立可能な複数の攻撃方法を見つけ出し、デッキから無駄をなくすことが大切だ。Natural Order/Show and Tellデッキが成功したのは、それぞれのアーキタイプをサポートするカードがうまく共存できたためだ。

-Natural Orderのためのマナ生物はShow and Tellも加速する。
-Natural Orderのサーチ先を引いてしまったとき、Show and Tellで場に出すことができる。
-2つのコンボはいずれも特定のカードをなるべく早い段階で手に入れようとするため、ドロー操作はどちらにとっても重要になる。
-Natural Orderのための東屋とマナ生物は、エムラが相手の布告除去でやられるのを防ぐことができる。
-両コンボは特定のカードを素早く解決させることに依存しているため、0マナカウンターはどちらにとっても良い。
-マナ生物はDazeの代替コストを埋め合わせる。
-Noble Hierarch、キャントリップとフェッチの組み合わせ、そしてTropical Islandによって相手からはこちらが相殺デッキのように見えるため、手遅れになりやすい。

などなど。どうやって複数の要素をうまく共存させているのか、他のハイブリッドデッキについてもこれで半分ぐらいは理解できるようになったんじゃないだろうか。
レガシーでは本当にいろいろな角度からの攻撃を受けるので、フェアなプレイをするよりも何か壊れたプレイをする方がたいていは良い。これと同じ理屈で、あなたが使える攻撃の角度が増えるほど、相手があなたのアクションに対して正しい備えをすることは難しくなる。

「壊れたプレイをせよ」という原則からは離れるが、僕がデッキを構築したり、あるイベントで何を使うか決めたりするときに考慮することの一つとして、独楽やブレストのようなカード選択やドロー操作の能力がどの程度高いか、という観点がある。独楽もブレストもとても良いカードで、デッキに入れないためには複数のかなり良い理由が求められる。
レガシーではForce of Willをプレイする「必要」があり、さもなければ巨大なディスアドバンテージを背負うことになると考えている人がいる。それは単純に間違っている。実際、Force of Willがせいぜい「悪くない」カードでしかなく、サイドアウトされるマッチアップはとても多い。同じことはブレストや独楽には言えない。

Force of WillはほぼいつもBrainstormと一緒に入るカードであり、Brainstormについては「プレイする必要がある」というのはまったく正しいから、みんながForce of Willもプレイする必要があると信じているだけだとしか思えない。(この迫力のない「キャントリップカード」が持つばかげた力についてよく知らない、あるいはこのカードの最適なプレイ方法に気づいていないなら、手前味噌だけどこのカードについて書いた記事を読むのをオススメするよ。)
(※訳注:AJ Sacherのブレストについての記事(拙訳)→http://radish.diarynote.jp/201208242219161460/

ブレストや独楽を適切なシャッフル手段とともにデッキに入れることにより、正しくプレイすればマナスクリューやフラッドを繰り返さなくなることが実質保証される。つまり、何もできずに負けになるはずだったゲームの多くで、マジックをプレイできるようになるということだ。強力なカード選択能力のあるデッキと比べて、ゴブリンやマーフォーク、ズー等のようなデッキはかなり多くのゲームを自滅によって失う。

最近Drew Levinが、今のメタゲームでは相殺デッキはもっと能動的になろうとすべきだと話していた。僕もそれには同意だ。インディアナポリスのメタゲームが思っていたのと正反対になって受動的な相殺デッキが優勝したのは少し気まずいが、レガシーはそういうものだね。

僕は金曜の夜にDrewと少しテストプレイをして、彼のデッキの中でKnight of the Reliquaryが最悪で、Natural Orderは素晴らしいと主張した。しばらく彼に勝ち続けた後、彼は折れて僕に同意した。相殺デッキでは特殊地形はデッキに枠を作って入れるほど良いわけではなく、特殊地形を入れるスペースはない。特殊地形を一枚も入れないのであれば聖遺はユーティリティではない。つまりこの種のデッキでは聖遺はただ大きいだけのクリーチャーに過ぎず、レガシーのようなパワフルなフォーマットでそれではまったく力不足だ。Stifleなしで少々の不毛を入れたり1,2枚のHorizon Canopyを挿す程度では聖遺の価値は上がらない。

聖遺の騎士は時代に合っていない。

レガシーにおける聖遺のもともとの役割はタルモを乗り越えることだった。両プレイヤーのタルモがお見合いすれば、しばらく何も起こらなくなる。聖遺の騎士は時が来るまでじっと成長し、か弱いタルモを追い越し打ち倒す。このカードは均衡状態を打ち破る最良の手段だと考えられていたし、聖遺が活躍していた時代にはまさにその通りだった。しかしいくつかの理由によりその時代は終わった:

1. 多くのタルモデッキが教主を積むようになり、賛美によってタルモのお見合いが終わるのが早くなった。
2. 今ではタルモデッキに聖遺も入るようになり、結局同じ問題にぶつかるようになった。
3. 聖遺にはアグロ戦略を相手に役に立つテキストが書かれているわけではなく、バニラなファッティに払うマナとして3マナは重い。
4. 聖遺によってタルモを突破できたとしても、大祖始オーダーによって突破し返されてしまう。
5. 同様に、タルモを突破したいのであれば、なぜ最良の突破方法である大祖始オーダーを使わないのか?

とはいえ、相殺用のマナカーブで3マナ域を埋める強力なカードとして、あなたは他のクリーチャーデッキに強い聖遺を入れたくなることだろう。

入れるのはRhox War Monkだ。

もともとは聖遺のサブとして使われていたこのカードに正式に役割が与えられることになった。僕は最初RWMには懐疑的だったが、Drewは聖遺を減らしてRWMを試すとすぐに夢中になったようだった。もちろん彼が正しかった。これは聖遺のスロットの自然な進化になっている:タルモを上回ることは3マナスペルの仕事ではなくなったため、このスロットが果たすべき(「3マナであること」以外の)ただ一つの責任は「他のクリーチャーベースのデッキに回答すること」になった。ただそれだけを求めるならば、ダメージレースで最強の生物を入れるのが自然だ。

聖遺をMerrow Reejereyのタップや島渡りでかわしたり大量のゴブリンで押しつぶすようなダメージレース戦術をWar Monkは許さない。アタッカーを倒しながらライフを得ることにより大軍戦略の勝ち目をなくすことができ、このサイが魚をブロックするのを防がれたとしても、アタックするだけでひどい目に合わせることができる。RWMの絆魂にいくつか賛美が加わることによって相手がレースに勝つのは難しくなる。

RWMはタルモデッキに対しては聖遺よりも弱いが、こちらにはNatural Orderでタルモを突破するというまったく別のゲームプランがある。聖遺がひどいカードに成り下がってしまうマッチアップにおいても、このワルイWar Monkは次善のカードとして大きな価値を持ち続ける。ときには3/4はタルモに向かってアタックするのに十分なサイズになる――特にいくつかの賛美と合わさったとき、RWMはカードに書かれている通りの簡単にサイズ負けするクリーチャーではなくなる。完全無欠のハイドラアバターを降臨させるNatural Orderに捧げる生贄としてもRWMは完璧だ。さらにこれらに加えてRWMは青いカードであるため、大した仕事を期待できないマッチアップではForce of Willのピッチコストにすることができる。

聖遺を入れたデッキはForce of Willのためのブルーカウントが低くなってしまうという問題に悩まされ続けてきたが、それはもはや問題ではなくなる。警戒すべきなのは武装した聖なるサイの天敵であるGoblin Piledriverだけだ。

デッキを構築するときに考えるべきこととして他にあるのは、「それぞれが大きく2種類に分かれる3大アーキタイプに対して合理的なゲームプランを持っていることを確認する」ということだ。2種類に分かれる3大アーキタイプというのは、薬瓶デッキ(ゴブリンまたはマーフォーク)、相殺デッキ(タルモ型またはコントロール型)、コンボデッキ(速度重視または妨害耐性/安定性重視)のことだ。
各種対策カードがどのようにゲームプランに影響を与えるかを知っておくことが重要だ。

ゴブリンとマーフォークの2つはレガシーの最大勢力で、レガシー最強カードの一つであるAether Vialを最もうまく使う2つの方法だと言うこともできる。それぞれのデッキに特化した対策カードはたくさんあるが、両方に効くカードもいくつかある。

例えばPithing Needleは最高のカードの一つで、どちらに対してもVialやWastelandを指定でき、マーフォークに対してはMutavault(やUmezawa’s JitteやCoralhelm Commander)を指定でき、ゴブリンに対してはRishadan Port(やGoblin SharpshooterやSiege-Gang Commander)を指定できる。Firespoutもまあまあ良いが、薬瓶からのリングリーダー、Spell Pierce、Cursecatcher、Mutavaultなどにはあまり効果がなく、そこまで頼り切ることはできない。Grim Lavamancerはマーフォークにとっては打ち破るのがとても難しく、ゴブリンに対してもかなり効果的なカードだ。

適切な色のElemental BlastやHydro/Pyroblastはそれぞれのデッキに対してかなり効く。Engineered Plagueはゴブリンには素晴らしいが、マーフォークにはそこまで効果がないことも多い。MoatやDueling Groundsはゴブリンに対する手堅いプランだ。Llawan, Cephalid Empressはマーフォークへの対抗策で、Vial指定の針と合わせて相手を完全にロックすることができる。これは僕がインディアナポリスで多くの人に布教したプランで(上で述べたトップ8にも反映されている)、針は使える場面が多く、サイドボードのスロットをある程度汎用的にしておくことは重要なんだ。針でVialを指定することで、ゴブリンに対してBlue Elemental Blastも仕事をするようになる(BEBはほんのわずかにだけど、ほぼ常にHydroblastよりも間違いなく良いよ)。

相殺デッキの構築にはたくさんのバリエーションがあり、プレインズウォーカーやEnlightened Tutorパッケージを入れた純粋なコントロールタイプや、Drewのデッキや昔の聖遺の騎士を入れた構築のようなクリーチャーベースのタイプ、さらにNatural Orderが入っているバージョンも入っていないバージョンもあり、優勝したBen Wienburgのリストのようにタルモ型にFirespoutを入れてコントロール力を高めたタイプもある。
これら全てに共通しているのは相殺と独楽の強力な相互作用を何度も使うということだけだ。そのため、ここを叩くのが最優先になる。

このコールドスナップのエンチャントによるロックにゲーム1で対抗するために最もよく使われるのは、Aether Vialとカウンター呪文だ。サイド後にはこれらに加えて、非常に効果的で多くの場面で役に立つKrosan Gripが入る。序盤に多くのプレッシャーを場に出したり、相殺を合わせるのが難しいおかしなコストのスペルを使うことでもロックをかわすことができる。Qasali Pridemageも、ロックの前に場に滑りこんで相殺を脅かすだけでなく、次の相殺を引くまでの合間に無視のできないクロックとして対処を迫ることができる効果的な道具だ。

相殺デッキのバリエーションによる違いはどうかと言うと、生物ベースのタイプはクリーチャー除去の影響を受けやすく(想像通りだよね?)、コントロール型の構築は追加のKrosan Gripや軽いカウンターを苦手としている。いずれのタイプもマナ縛りやハンデスには弱いことが多い。

コンボデッキは2つに分類される:速いタイプと遅いタイプだ。ここで気をつけてほしいのは、Time SpiralやSneak Attack、僕のShow and Tell/Natural Orderデッキのような「遅い」タイプであっても安定して4,5ターンキルはしてくるということだ。速いタイプは最初の2ターンで殺そうとしてきて、妨害がなければ驚くほどの安定性でそれができるようになっている。

カウンターと手札破壊の2つは、そんな風にあっさり死ぬのを防ぐために広く使われている正しい方法だ。相殺もまた、どんなコンボデッキにとってもキツいカードだ。エムラに対するHumility、Empty the Warrensに対する爆薬、Goblin Charbelcherに対する針などのように、それぞれ異なるコンボデッキに刺さる特定のカードもある。Blue Elemental BlastはSneak AttackとBurning Wishに対してとても良い。Leyline of Sanctityはあまりプレイされていないカードだが、こちらを対象として何かしてくるコンボに対処したいときには本当に役に立ち、間違いなく考慮に値する。Mindbreak Trapはこちらが速いビートダウンでベルチャーを相手にしているとき以外にはそれほど効果的ではない。他のマッチアップではひいき目に見ても平凡なカードだ。

ここまでで触れていないTier 2のアーキタイプツリーがRock系列のデッキで、このカテゴリーには昔のナカティルを使ったズーが最もアグロな部類のデッキとして含まれる。Brad Nelsonをコロンバスの8位フィニッシュに導いたBrian Kowelの構築はほぼRockデッキと見ることができる。そしてDeath and Taxesの派生型のデッキも全てこのカテゴリーに分類される。このカテゴリーで最もコントロール寄りなのが、Pernicious Deed/Innocent Blood/Jace, the Mind Sculptorデッキだ。

このカテゴリーのデッキはどれも、十分にパワーのあるスペルを単純にキャストされるだけで負けてしまう。「勝つためには何か壊れたことをしなければならない」というルールにあなたが従っている限り、これらのデッキに対しては優位に立つことになるはずだ。完璧にフェアなプレイをすることが彼らの信条だからだ。そして、これらのデッキが環境に結構な数いるにもかかわらず上位にそれほど上がってこないのもこれが理由だ。
これらのデッキに対してこちらがフェアなプレイをしようとすれば、彼らは間違いなくこちらを粉砕してくるだろう。彼らが適切な土地とともに完璧に正しい順序でスペルを引き、なんとかうまくやる方法を見つけなければならない状況にすることが重要だ。

僕からの最後のアドバイスは、オシャレになりすぎるのをやめよう、ということになるだろう。あなたがはっきりしないことをするのを待ち構えている超強力なデッキたちがそこらじゅうにいる。
デッキに4,5マナのプレインズウォーカーを満載し、それらをキャストして使うのに十分な時間をSwords to Plowsharesによって稼げると考えている人に会ったことがある。レガシーはDazeやForce of Will、Spell Pierce、Aether Vial、そして安定して最序盤にこちらを殺してくるコンボがうようよいる世界だということを忘れてはいけない。
型破りな考えをするのは良いことだが、あなたのデッキが直面するであろう試練に対して準備しておく必要もある。

このオシャレ病は最新カードによって引き起こされる部分が大きい。新テゼレットがレガシーで良いかどうか3人から別々に聞かれたことがあった。彼らが見せてきたデッキリストでは、どう考えてもJace, the Mind Sculptorの方がかなり良かった。新テゼレットが悪いと言っているのではない――あるカードが新しくてエキサイティングだからといって、より良い選択肢が見えなくなってはマズイと言っている。
あなたがしたいことは何なのか、という点まで戻り、刺激的な宣伝ではなく個々のカードの持つメリットに基づいてカードを選べるようになる必要がある。

逆もある。そのカードが「普通」でないから、あるいはコミュニティでディスられているからという理由で、あるカードを選べなくなってしまう。僕がWall of Rootsを使うのを笑われなかったと思うかい?知るべきなのは、自分のカードが何をするか、それがデッキにとって何を意味するか、ゲームがどのように展開するか、といったことだけだ。
あなたの理論が強固で、あるカードが正しいか間違っているかを知っていれば、誇大広告やネガティブな奴らの言うことに左右されて間違った判断をすることはない。

今週はここまで。
昔のデッキに立ち戻り、それを使ってデッキ構築について学ぶことをもしみんなが好きなら、僕が過去に作ったレガシー以外のデッキを使って成功に繋がった理論を説明したり、失敗から学んだことについて喜んで記事にしようと思う。違う内容がいいなら、今2つの記事を執筆中だよ。フォーラムで教えてほしい。
読んでくれてありがとう。

-AJ Sacher

Eternal Centralより。
RtR後のJunkの解説。

豪華なリストとは裏腹に繊細な調整が必要なデッキで、構築過程は勉強になりました。
"There are no wrong threats, only wrong answers"の問題を衰微が軽くしているのですね。

※12/20 23:50追記
デッキリストのMaze of Ithが抜けていたのを修正しました。


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Rocking Junk―Why You Do Not Need to Play Blue to Win in Legacy
Written on DECEMBER 11, 2012 AT 3:15 PM
by MATT PAVLIC

http://www.eternalcentral.com/?p=3385

ここ2年かけて、レガシーには青への対抗手段が少しずつ増えてきている。
青は呪文を打ち消すことができ、多くのカードを引くことができ、ドローを操作することができる。他の色にはこれらを青のようにうまくこなすことはできないけれど、恐れることはない。レガシーで勝利を収めるのにブレスト、ウィル、ジェイスを使わなきゃいけないなんてことはないんだ。
最近の結果を見れば分かるように、多くのトーナメントのトップ8はいろんなタイプのデッキにあふれていて、そこには青いカードが入っていないデッキも含まれている。レガシーには驚くほどの多様性があり、たくさんのイノベーションがあり、手柄を上げるチャンスがいくらでも転がっている。近頃はマーベリックとRUGデルバーと奇跡の3つが最重要だと多くの人が言っているけど、結果はそうなっていない。

最近、僕はシアトルでのSCGレガシーオープンでウィル、ブレスト、カウンターの入っていないデッキを使って2位に入った。この上位フィニッシュは、レガシーに存在し得る、そして成功し得る幅広い可能性の一例にすぎない。
レガシーで勝つために青を使う必要がないのはなぜなのか、それを理解する助けとなるように僕が使ったデッキBWG Junk(BWG Rockという人もいるね)のデザイン過程をお届けしようと思う。
それじゃあリストを見てみようか。


BWG Junk, 2nd Place SCG Legacy Open Seattle 11-18-2012, by Matt Pavlic

[Business] (39)
4 《闇の腹心/Dark Confidant》
4 《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》
3 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
1 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
3 《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》

3 《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
3 《思考囲い/Thoughtseize》
3 《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
4 《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
3 《突然の衰微/Abrupt Decay》
2 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
2 《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
2 《森の知恵/Sylvan Library》
1 《情け知らずのガラク/Garruk Relentless》
1 《Maze of Ith》

[Mana Sources] (22)
3 《不毛の大地/Wasteland》
1 《Karakas》
4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
3 《湿地の干潟/Marsh Flats》
1 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
3 《Bayou》
2 《Scrubland》
1 《Savannah》
1 《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》
1 《沼/Swamp》
1 《森/Forest》
1 《平地/Plains》

[Sideboard] (15)
3 《Hymn to Tourach》
2 《破滅的な行為/Pernicious Deed》
1 《ウルヴェンワルドの足跡追い/Ulvenwald Tracker》
1 《美徳の喪失/Virtue’s Ruin》
1 《情け知らずのガラク/Garruk Relentless》
3 《外科的摘出/Surgical Extraction》
2 《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》
2 《機を見た援軍/Timely Reinforcements》


Junkはどんなデッキか

そもそもJunkとは何者で、なぜJunkをプレイすべきなんだろうか?
Junkは、まさにその本質からミッドレンジデッキで、アグロとコントロール両方の要素を持っている。Junkのゲームプランは大量の除去でボードをコントロールし、事前のハンデスによって脅威を守ることだ。そして邪魔者がいなくなったところで、大きく、コストパフォーマンスが高く、ボードにいる他のクリーチャーにサイズ勝ちする脅威を出しつつボードコントロールを続ける。JunkはRUGのような1体のクリーチャーで勝利を掴みとるデッキとは違う。2,3体のファッティを出し、前もって撃っておいたハンデスによってカウンターを使わずに守る。
Junkは最初の4ターンの間に相手を倒すようなデッキではなく、ガチガチのコントロールデッキが輝くようなとても長いゲームをするわけでもない。最も力を発揮するのは中盤戦だ。序盤の妨害が中盤戦でのアドバンテージを創り出し、コストパフォーマンスの高い脅威がライフ差を詰める。
だけど疑問が残るね:なぜJunkを使うべきなんだろう?今のレガシーのメタでJunkを使うことのメリットは何だろう?


「青だけが勝てる状況」の突然の衰微

これらの疑問への答えは、ラヴニカへの回帰からJunkの武器庫に新しく加わった2枚のカード、Abrupt DecayとDeathrite Shamanにある。
回答カードを満載し、相手の提示した問いに正しく答えることで勝利するデッキがいつも抱えることになる問題にJunkも悩まされていた。そのとき提示された一つの脅威への正しい回答を見つけられなかった場合、あっさり死んでしまうんだ。ブレストやポンダーの入った青デッキがやるようにはドロー操作やカード選択をすることはできない。
Abrupt Decayは実質的にほぼ万能な回答であり、この窮状を打開してくれる。衰微はただ回答であるだけでなく、打ち消されない回答だ。Maelstrom Pulse、Vindicate、Swords to Plowsharesはどれもコストパフォーマンスの高い強力なカードだけど、ゲームの転機となる重要な場面でこれらのカードでウィル、ピアス、デイズ、カンスペ、あるいは相殺独楽に突っ込むのはまったく良くない。必要な回答はこちらのライフをじりじり食いつぶしているデルバーへの除去かもしれないけど、奴を農場送りにする企ては正しい道具を持っていなければ実行できない。
あらゆる仕事には専用の道具がある。そしてAbrupt Decayは期待を裏切らない本当に素晴らしいオールインワンツールなんだってことが分かった。限定的なVindicateという枠を超えて、Abrupt Decayはカウンターもされない。ゲームの大事な場面でキーとなる除去を普通は簡単にカウンターできるRUGデルバーに対してJunkが有利になるポイントはここだ。Abrupt Decayは引いたらすぐに問題への解決策になり、コントロールプレイヤーが握っているカウンター呪文を否定する。

Abrupt Decay以前、青白奇跡を相手にしたときは簡単に相殺でロックされてしまう危険があった。彼らのマナカーブが0~2を主眼に構成されていたためだ。最近の奇跡デッキには改良が加えられ、相殺用のマナカーブを0~5に伸ばした構築が行われている。重要なのは3マナが濃くなっていることだ(4~6枚入っている)。これはこちらのVindicateやKnight of the Reliquaryをロックするのに重要なマナ域だ。
相殺を衰微で割ることにより、Junkは高効率な脅威を展開して速やかにゲームを終わらせる状況を相手に突きつけることがより簡単にできるようになる。これはマーベリックがやるような、小型の生物を横に並べて脅威にしている状況とはだいぶ違う――それだとTerminusやEngineered Explosivesを持つ奇跡の思う壺だ。4ターン以内にゲームを終わらせる1体の脅威を使うことにより、彼らはTerminusを無駄遣いするか、除去を見つけるか、Entreat the Angelsやジェイスのようなこちらをさらに上回る脅威を見つけるかのいずれかをしなきゃならなくなる。

ここでAbrupt Decayに戻ろう。一番大切なところだ。あなたがハンマーだとしたとき、あらゆる問題が釘になるんだ。Abrupt Decayというハンマーにとって、今のところレガシーで出くわすほぼ全ての問題が釘になる。十手?戦闘中に割ってしまおう。森知恵にまくられる?壊してしまおう。相殺にカウンターされていいとこなし?破壊しよう。聖遺にマナベースをやられる?恐れず殺そう。
ポイントは、レガシーで直面する問題のほとんどは3マナ以下の土地でないパーマネントで構成されているということだ。ジェイス、謙虚、Moat、Smokestack、The Abyss、Nether Void、エルズペスやガラクなどのコントロールデッキのボムだけは衰微で対処できない。しかし、あらゆる3マナ以下の土地でないパーマネントに対処できるということは、Vindicateやパルス、ソープロなどの別々の働きをする除去をどう組み合わせるかという悩みから解放されるということなんだ。有効な場面が限定されているカードを減らし、Abrupt Decayを入れよう。衰微は何の疑いも心配もなく、以下のカードたちを壊せる:

《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》
《闇の腹心/Dark Confidant》
《ルーンの母/Mother of Runes》
《貴族の教主/Noble Hierarch》
《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》
《相殺/Counterbalance》
《忘却の輪/Oblivion Ring》
《拘留の宝球/Detention Sphere》
《森の知恵/Sylvan Library》
《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
《なんとかとかんとかの剣/Sword of X and Y》
《動く死体/Animate Dead》
《アトランティスの王/Lord of Atlantis》
《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
《頭蓋囲い/Cranial Plating》
《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》
《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
《悪意の大梟/Baleful Strix》
《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》
《安らかなる眠り/Rest in Peace》
《エネルギー・フィールド/Energy Field》
《絵描きの召使い/Painter’s Servant》
《丸砥石/Grindstone》
《破滅的な行為/Pernicious Deed》
《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》
《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》
《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》
《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》

このリストはかなり先まで続くけど、よく出くわして、かつ悩まされたくないものはだいたいカバーできてるんじゃないかな。
Abrupt Decayは問題が何かを気にしない。たった2つのルールがあるだけだ:土地でないこと、そして(女でも子供でもOKだけど)4マナ以上のパーマネントではないこと。


死儀礼のシャーマン

2つ目はDeathrite Shamanだ。僕はいろんなところで記事を読み、シャーマンがモダンで素晴らしいという噂と結果を目にしていた。問題は、レガシーはモダンではないということだ。死儀礼にははじめ疑問を持っていた。モダンで素晴らしいカードが必ずしもレガシーでも価値があるとは限らないからね。みんながシャーマンを「考えるまでもなく4枚」と言ったけど、僕は疑っていた。考えるまでもなく4枚、というフレーズに値するカードはほとんどない。Swords to PlowsharesやBrainstorm、Mishra’s Workshop、それかみんなが禁止されるべきだと言うカードや良すぎて既に禁止されたカードぐらいだろう。
僕はメインデッキからいくつかカードを抜いてシャーマンをテストし始めた。僕の疑問は2つの要素からきていた。一つ、Junkにはマナ生物が必要か?二つ、死儀礼の能力にはデッキに入れるほどの価値があるか?
一つ目の疑問には通常はあきらかにノーだと言える。過去2年間、僕も他のみんなもMox DiamondやBirds of Paradise、Noble HierarchはJunkを一段強くするための答えだと褒めちぎっていた。「1ターン目Hymn to Tourach」という神話は無視するには魅力的すぎて、多くの人がその華やかなプレイで友達に何度もドヤ顔するためにカードディスアドバンテージを必ず伴うMox Diamondをプレイし始めた。もちろん1ターン目のヒム、ボブ、石鍛冶や複数回行動は素晴らしい。でも、それでゴールに到達というわけじゃない。Junkは22~24枚の土地を積んでいて、2~5枚はマナを出す以外の用途の土地になっている。不必要に土地を捨てれば、1ターン目にヒムは撃てるかもしれないけど2~4ターン目に失速して負けることになる。

個人的には、今のレガシーにおいてただちにカードディスアドバンテージに繋がるカードをプレイするのはゲーム終盤においても価値があるとは思えない。どのマナ加速にもそれぞれ副作用があり、デッキに入れる努力に見合う効果が得られなくなっていた。
この状況は、マナを安定させるとともに必要なときにはユーティリティクリーチャーにもなることができるDeathrite Shamanの登場によって変わった。死儀礼はマナ生物からユーティリティ生物に変わる反転カードみたいなもので、これはJunkがマナ生物に対して求めてやまなかったことだ。それぞれの能力がなぜ黒白緑ミッドレンジデッキにとって大きな一歩になるのかを見てみよう。

両者の墓地から土地を追放する能力は、ただ色を安定させてマナ加速するだけでなく、Knight of the Reliquaryのような相手の脅威を小さくすることにも繋がる。相手の土地を追放することでマナ加速をするとともにその後の戦闘で優位に立つことができる。
ロームを主軸にしたデッキ、あるいはただつよカードとして単にロームを入れているデッキは自分のカードから得られる価値が小さくなる。これはなかなか良いよ。レガシー全体で見ても使っている人は少ないけど、43 Landsにはドレッジやリアニのようにローム以外にも対処すべきカードが入っている。この能力で出るマナが必要ないときでも、単純にヤバい土地をどこかにやってしまえるだけでも意味がある。
このマナを出す能力はふつう最初の3,4ターンの間に重要になることが分かった。そこから先は残り2つのタップ能力に移ることになる。

インスタントとソーサリーを追放できることはDeathrite Shamanに備わったもう一つの素晴らしい能力だ。
青白コントロールにおいてSnapcaster Mageはあっさりと主役にのし上がった。でも、奇跡ベースのコントロールデッキが主流になり、今では彼の人気は衰えてきている。インスタントとソーサリーを追放する能力には瞬唱を弱くする以外に、ライフロスによってアドバンテージを得るという意味もある。これによってGlacial ChasmロックやSolitary Confinementを破ったり戦闘を優位に進めたりごちゃごちゃした盤面をすり抜けたりすることができる。
クリーチャーによる戦闘は複雑になりがちで、明らかな正解が分からないために盤面を動かすのを躊躇してしまうことは多い。聖遺やマザー、賛美の誘発などによって盤面が動きにくくなり、そうなるとふつうは装備品や回避能力やプロテクションといった状況を打開できるボムカードを待たざるを得ない状況になる。Deathrite Shamanは相手をちくちく刺すことで、このよくある膠着状態につけ込むことができる。
タルモが小さくなってしまうという議論もあるけど、インスタントとソーサリーはみんなが使っていて、相手に2点飛ばしながらタルモで殴るのに困ることはほとんどないよ。

クリーチャーを食べてライフを得る3つ目の能力も、生き残るためにライフゲインする必要のあるタイトなマッチアップで素晴らしい。RUGデルバー、バーン、青赤デルバーはもちろん、普通のマーベリックとのマッチアップですらライフトータルにはすごく気を払わなきゃならない。そして2点のライフが勝敗を分けることもある。この能力はライフを得る以外にリアニとドレッジへの優れた対策にもなる。
これら3つの能力が1つのパッケージになっていることが死儀礼をユニークな存在にしている。攻撃や防御に使える1/2クリーチャーでもあり、これはNoble Hierarchよりも使いやすい点だ。
さて、最新セットからの2枚の新顔が並外れていることが分かったところで、これらのカードを入れるために何を抜くのか見てみよう。


削るカード

新しいテクノロジーをデッキに組み込むときに最も重要な観点は、どれぐらいのカードを入れるかではなく現状のリストから何を、なぜ抜くかだ。
Abrupt Decayはそれまで1枚挿しのユーティリティカードが入っていた枠を埋める。Life from the LoamとEngineered Explosives、1枚のMaelstrom Pulseを3枚の衰微と入れ替えたけど、これはそんなに大仕事じゃなかった。除去とユーティリティをより良い除去とユーティリティに置き換えただけだ。

Deathrite Shamanにはもっと注意が必要だった。死儀礼は僕が1年以上前に既に抜いた枠を埋めることになる。手元のリストの素晴らしいカードをいくつか諦めなきゃならない。
Ulvenwald Trackerはすごく良いカードで、もし枠が作れれば真っ先にメインに戻すんだけど、死儀礼がどんな相手にも仕事をするのに対して足跡追いは力を発揮しないマッチアップがいくつかある。
さらにScavenging Oozeの2枚目が死儀礼と入れ替えられた。役割が重複していて、用途の広さでは死儀礼に軍配が上がったためだ。3枚のGreen Sun’s Zenithも入っているので、今のところ2枚目のウーズはなくても大丈夫そうだ。
3枚目の死儀礼のために抜いた最後のカードがQasali Pridemageだ。クァーサルが入っているのはMental Misstep時代のブレードコントロール向けのシルバーバレットの名残りだと思う。2011年にはQasali PridemageでBatterskullを割るのは素晴らしいプレイだったけど、2012年ではそうでもない。厄介なアーティファクトとエンチャントのほとんどは既にAbrupt DecayとMaelstrom Pulseで対処可能で、Batterskullは現時点では主要カードにはなっていない(もし本当に必要な場合は、Abrupt Decayで細菌トークンには対処することもできる)。クァーサルの活躍する場面が限定されているのに比べて、死儀礼の柔軟性の方がまさっている。仲間の何人かはこのカットには否定的だけど、これまでのところクァーサルを欲しいと思ったことはまったくないよ。Abrupt Decayが本当に輝いている。

これで、このデッキがどうしてこれまでよりも良くなれたのか、ラヴニカへの回帰からの新入りのために何を抜いたのかが分かったね。
だけどデッキの残りのカードチョイスについては説明できていないから、今度はそれをしていこう。この色には本当にたくさんの取りうる選択肢があって、どれを選ぶか、そして何枚入れるかの両方についてしっかりと考える必要がある。


カードチョイス

はじめに、僕らが使いたい一般的なカードを運用するためのマナベースについて簡単に見てみよう。Knight of the Reliquaryをある程度活用するミッドレンジデッキでは、ツールボックスに加えてデュアル、フェッチ、そして最も重要な基本土地について考えておくべきだ。
青白奇跡が成功しており、かつてマーフォークもそうだった大きな理由は盤石なマナベースにある。基本土地は長期戦において強力なマナベースを築く基礎になる。多くのデッキが欲張ってデュアルランドの柔軟性を享受しようと基本土地をケチっている。ここはモダンではなく、Wastelandがあるんだ。こちらをマナスクリューさせることを狙うデッキがあちこちにいて、そういうデッキはこちらよりも土地を攻めることに長けている。土地縛りゲームでRUGデルバーに勝つことはできないだろう。彼らに対しては違う軸から攻める必要がある:不毛は基本土地で克服するんだ。
こちらのマナベースの構築はDeathrite Shamanによってかなり強化されていて、こちらがある色を出せない状態にするには、相手は死儀礼に稲妻を撃たなきゃならない。僕は各色1枚ずつの基本土地を入れ、デッキの大半のスペルを基本土地からプレイできるように、また何枚か土地を並べるまで安定してマナが供給されるようにしている。不毛、もみ消し、そして血染めの月は、常に警戒していればそれで死んだりはしなくなる。奇跡やマーフォーク、ゴブリン、エルフはここにしっかり注意を払っているデッキで、たぶんもっと多くの人がそうすべきだ。沼をフェッチしてDeathrite Shamanという動きによって、時間をかけて何度も2ライフを奪えるようになるだけでなく、黒マナを潰される心配をすることなく続けてボブやパルスなどをキャストすることができるようになる。

必要な基本土地をしっかり持ってこられるようにするだけでなく、シャッフルしたり聖遺を大きくしたり死儀礼の餌にしたりできるように、8枚のフェッチを入れた。このデッキではいつも望みの土地を引っ張ってきたいし、可能な限りシャッフルをしたい。

Dryad Arborは多くの人が疑問に思う面白いカードだ。もともとは1ターン目の「緑頂点X=0」で加速するために入っていた。東屋は生贄に捧げられたり、突然出てきてアタックしたり、突然ブロッカーになったりする。ガラクと格闘してヴェールで呪われた状態にしたりもできる。相手のエンドにフェッチで出してブロッカーのいないジェイスに1点アタックを開始することもできる。フェッチから出してクリーチャーをブロックもできる。小さいけどたくさんのことができるユーティリティなんだ。

Karakasはほぼグリセルとエムラへの備えとして入っているんだけど、除去をかわす必要があるときにガドックをバウンスするのにも使える。

3枚の不毛も奇妙に見えるかもしれない。Hymn to TourachとVindicateを4枚ずつ入れたデッキから0枚ずつ入れたデッキへ進化する過程で、僕のJunkデッキの採る戦略の中で不毛が果たす役割は小さくなった。ヒムはSinkhole2枚分の働きをする可能性があったし、その後残っている土地へのVindicateによって相手を手札は一杯なのに何もできないまな板の鯉にすることができた。Spell PierceとDazeの流行によってVindicateとヒムはどんどん弱くなり、不毛4枚というプランも同様だった。
不毛を減らすのは神への冒涜だと言う人もいるけど、こちらはマナ縛りプランが得意なわけじゃない。RUGデルバーは相手をマナスクリューさせる名人だけどJunkはそうじゃない。単純なことだ。聖遺で不毛をサーチできるということも、必ずしもナチュラルドローする必要がない理由になっている。そして、Junkはとても色拘束がキツい。だから色マナの出る土地を追加で入れられることはすごく好ましい。
このデッキでの不毛は、純粋なマナ縛りテンポデッキの不毛以上にかなり明確な意図を持って使われる。不毛できるときに不毛を起動する。それで相手がスクリューしてくれればOKだね。スクリューしなくてもスローダウンしてくれればそれでもOKだけど、こういうプレイをする必要はないんだ。不毛は持っておいて、あるいはサーチしてきて相手のMaze of IthやAcademy Ruins、Rishadan Portなどを割るために使おう。

Deathrite Shamanについては既に述べたので、その他のクリーチャー選択の話をしよう。クリーチャーの枚数については変だと思うかもしれないけど、緑頂点でサーチしてこられることを思い出してほしい。
Tarmogoyfは本当は4枚積むべきなんだけど、何度も言うように枠がタイトなんだ。
Scavenging Oozeは1枚挿しとは思えないほどの仕事をするけど、枚数を増やすとゲーム後半に腹を空かせたままのウーズを出しておかなきゃならなくなる。それは良くないと思ったんだ。
Dark Confidantと聖遺が4枚なのはさすがに説明不要かな。カードを引くためにボブは出したいけど頂点でサーチすることができない。だからできるだけ多く入れる必要がある。聖遺はファッティであり、ユーティリティであり、勝利手段だ。だから常にいくらでも入れておきたくて、頂点と合わせて7枚入っている。
全体として、ビート要員とユーティリティ、カードドローとメインデッキでの対策がひと通り揃っている。ここにUlvenwald Trackerを加えるのはすごく良いんだけど、さっきも言ったようにウルヴェンワルドは状況を選ぶカードだ。

いろんな人が言っているように、Junkは回答カードが満載のデッキで、役者と舞台が噛み合い、ある脅威に対して適した回答を合わせて引けたときにだけ勝てる。仕事をするための正しい道具を手に入れられることを願い祈らなければならないという問題と闘うため、僕はさらに踏み込むことに決めた。
RUGの成功はブレストとポンダーによる8ブレスト体制に基づいている。コンボデッキはときどきPreordainも入れて10枚体制を取る。なぜだろう?彼らはいったい何をやっている?彼らは勝つために欲しいカードを選んでいる。僕はブレストを使わずに同じことやろうと思った。
Sensei’s Divining Topは昔からJunkに欠かせないパーツで、普通は3枚搭載される。僕は独楽がとても好きだけど、回すために毎ターン1マナを使うことで、探している回答をキャストするために使いたいマナが縛られてしまうことがときどきある。テストプレイの仲間やThe Sourceの人たちからアドバイスされて、2010年と2011年に僕はSylvan Libraryをテストし始めた。このカードは試してすぐにうまくいき、1枚から2枚に増やすのに時間はかからなかった。
森知恵はときどき単なるMirri’s Guileだ。でもそうでないとき、森知恵はカード量で相手を打ち倒すすごい仕事をする。コントロール相手のときやミラーみたいなマッチでは、こちらのクリーチャーに飛んでくるソープロと森知恵が合わさり大量の追加カードを引けることになる。彼らが簡単には除去できないカードを使って倒すことができるんだ。レガシーにおいて奇跡デッキはクリーチャー除去の専門家であり、スタックをコントロールするのも得意だ。しかしノンクリーチャーパーマネントへの除去は不足している。そう、彼らの鎧の薄いところを突こう:エンチャントだ。
森知恵はブレストを使うデッキたちに遅れを取らないようにしてくれるカードで、僕にはこれを減らすことはできない。マーベリックの場合、彼らが0~2枚の森知恵を取っているのに対してこちらは8枚(ボブ4独楽2森知恵2)だ。RUG相手にはほぼイーブン(ブレスト8枚に対してドロー強化8枚)だ。奇跡に対してもほぼイーブン(ブレスト4独楽4に対してボブ4独楽2森知恵2)。彼らにカード操作で打ち勝つことはできないかもしれないけど、間違いなく大きく負けてはいない。
これまで多くのJunkのリストが見落としていた重要なポイントは、勝つために必要なカードを見つけるための十分なドロー強化手段が入っていなかったってことだと僕は思ってる。

さて、カードを見つけることはできるけど、どのカードを見つける必要があるんだろう?回答と脅威だね。
手札破壊パッケージによって、これからどんなプランで相手を攻めていくべきか考えるための情報が得られるだけでなく、事前に脅威に対処して除去を無駄遣いしないようにもできる。Thoughtseizeは後になると対処しにくいジェイスや独楽(どちらも奇跡のメインカードだ)、相殺、薬瓶などを捨てさせることができる。
Inquisition of Kozilek3枚とThoughtseize3枚に分けているのは主に囲いのライフロスが理由だ。さっきも述べたようにほとんどの問題は3マナ以下で、審問はたいてい思い通りに仕事をしてくれる。しかし、ウィル、ジェイス、その他の厄介な大きいボムカードは審問では落とせず、Thoughtseizeで対処する必要がある。3枚ずつに分けることでRUGデルバー相手のライフロスという観点でも最低限度の価値が得られる。Cabal Therapyとのスプリットもたぶんいいだろうね。
どのように攻撃を組み立てるかを決めるための情報を得られるだけでなく、ハンデスはコンボ相手に何ゲームか取らせてもくれる。相手とレースをするか?こちらはコントロール側か?さらにカードを展開する時間はあるか?相手はコンボを仕掛けようとしているか?ウーズでなくガドックをサーチすべきか?これらの問いは全てハンデスで答えが出るよ。

手札から落とせなかったものは戦場から除去しなければならない。青いデッキはスタックをコントロールする。僕らはボードをコントロールする。
Abrupt Decayは万能のスター選手だけど、古くからの友人Swords to Plowsharesだってそうだ。ソープロを4枚から減らすのはお勧めしない。問答無用でなんでも殺せることは素晴らしくて、相手のライフゲインは問題にならない。一方、バーンやストームを相手にする場面など、自分のライフを増やせることが戦略上重要になることもある。
除去パッケージを仕上げるために、4マナ以上の脅威を倒せるようにする必要がある。4マナ以上の脅威はAbrupt Decayでは対処できないうえに強力で、速やかにゲームを終わらせてくる。現時点ではMaelstrom Pulseがこのデッキで最高の回答だと思う。Vindicateは土地に撃てるけど、さっき述べた理由で必須というわけじゃない。うようよいるトークンをゴブリンだろうが天使だろうがまとめて倒せるのは、たまに危険な土地を壊せることよりも少し良さそうだと思ってる。相手の聖遺を倒したいけど自分の聖遺は生き残らせたいという場面はあるかもしれない。自分のクリーチャーが死んでしまう場面がまったくないわけじゃないけど、お互いに1体ずつ出している状況について言えば、たいていは自分の生物を殺してしまうリスクよりも得られる恩恵の方が上回る。

ここまで、除去、カード操作、脅威、回答、そして土地について頑張って見てきた。あと話が残っているカードはGreen Sun’s Zenithと1枚のGarruk Relentlessだけだ。
緑頂点は単に脅威を引っ張りだしてデッキの安定性を増すとともにサイドボードの銀弾をサーチできるので、やっていることはカード操作に分類される。別に悪いことではないけどデッキには緑頂点を数に入れても20枚未満のクリーチャーしか入っておらず、その多くはサーチ可能だ。緑頂点を入れる理由はマーベリックとほとんど同じだけど、緑頂点を引くことに完全に頼りきっているわけじゃない。そんなにクリーチャーが濃いデッキでもないので4枚は必要ない。2枚まで減らしている人や1枚も入れない人もいる。僕の経験では3枚が良さそうで、次の大きな変化があるまではそのままだろうね。

Garruk Relentlessを見て混乱する人は多いんじゃないかと思う。彼は61枚デッキの1枚挿しだ。ここで統計と61枚デッキについて話すことはしないけど、多くの人は60枚にするためにガラクを抜くべきだと考えるだろうし、なんでリリアナじゃなくてガラクなんだ?って訊くんじゃないかな。これには2つの理由がある:メタとプレイスタイルだ。
最近のレガシーでは奇跡がすごい力を持っている。全体として、奇跡はマーベリックがメタに与えていた影響に切り込みを入れることになった。マーベリックが良すぎるんじゃないかという疑問に対する決定的な答えがTerminusだ。いくつかの重要な理由によりTerminusはマーベリックを粉砕する。マーベリックはゲームをするためにたくさんの生物をボードに並べる必要がある。教主が加速し、マザーが守備を固め、Scryb Rangerが聖遺やマザーを起こして悪さをし、サリアが追加マナを要求して相手を減速させ、聖遺がビートする。多様な能力と小型生物の柔軟性によって、Knight of the Reliquaryがマーベリックの脅威となる。この状況に持ち込むために、マーベリックのプレイヤーはふつう4体のクリーチャーをボードに並べる。奇跡プレイヤーにとって、これは1マナのラスゴでX対1交換をとる完璧なチャンスだ。ここでのアドバンテージはコストが1マナだというところにある。サリア税は問題にならず、ほとんどのプレイヤーはボードを流すためならいつだって平気で2マナ支払うだろう。マーベリックの優勢な盤面を、独楽で簡単に見つけられる1マナのカード1枚でひっくり返すことができるため、今のところマーベリックは不利なようだ。
それじゃあどうやってTerminusと闘おう?

やっぱりまずは敵を知ることだ。TerminusはX対1交換(X>1)をとるのが得意だ。Xが1に近づくと、相手がTerminusから得られる価値は小さくなる。彼らに1,2体のクリーチャーにTerminusを撃たせるためには、そのクリーチャーが回避能力やプロテクションを持っているか巨大であることが必要だ。
RUGはこれをNimble Mongooseでやっている。Junkはタルモ、聖遺、死儀礼をプレイすることでこれが可能だ。多くの場合、タルモは4/5か5/6で、聖遺は6/6まで育つ。どちらのクリーチャーもソープロを撃つに値する。もし相手がソープロを持っていたら、オーケー、もう1体出そう。相手が持っていなければ、彼らは3,4ターンのうちに除去手段を見つける必要があり、時間はそれほどない。フェッチやブレストがなければ相手が見られるのは独楽を使って最大で7枚だ。7枚は多いように思えるけど、思い出してほしい、一度に見られるのは3枚だけだ。もし彼らが除去をドローした場合、次に出す脅威はより短いクロックになる。マーベリックが教主をおかわりしても無視されてしまうのとは違って、聖遺をおかわりすることは相手を苦しめる。

とはいえ、本当に奇跡を苦しめるものといえば彼らには除去できないカード:プレインズウォーカーだ。延々とクリーチャーを生成し続けるものを出せば奇跡デッキに壊滅的な打撃を与えられる。なぜなら、トークン製造機に対する初期投資と比べて、トークンに対処するための投資は通常見合わないためだ。
Garruk Relentlessを投入しよう。ガラクははじめから2/2狼トークンを生成できて、無視はできない。奇跡以外の相手に対しては、2/2でボードを膠着させることによって攻撃と防御のバランスを変えることができる。奇跡に対してはTerminusを恐れすぎる必要がなくなる:相手は生み出され続ける2/2に対処する方法を見つけなきゃならない。
ガラクは除去としても使えて、2/3以下の生物は殺せる。ブロッカーや厄介なクリーチャーを除去できるのは素晴らしくて、さらにガラクを真の獣に変えることができる。1/1接死の狼はマーベリック相手のようなクリーチャー戦で輝く。聖遺はマザーのプロテクションがなければ攻撃できなくなり、狼から守るプロテクションを与えたところにインスタント除去を撃ち込んで差をつけることができる。考慮に入れなきゃならないことが増え、相手にとってゲームの複雑さが一層増すことになる。ふつう1/1の狼は他のクリーチャーが防御に回っているうちにアタックして何点かのライフを奪う。そしてこれを後押しするのが死儀礼だ。Ulvenwald Trackerがいれば、狼を聖遺に投げつけることで完全にクリーチャー戦を支配できるし、マザーの起動にレスポンスできるインスタントスピードの除去がさらに増えることになる。
2番目の能力によって東屋や狼トークンをサクって追加の聖遺をサーチするのは良い交換だ。奥義を起動することはあまりないけど、しばらく膠着状態になっている場合は特に忘れないでおこう。もし相手が気づいていなければ文字通りいきなり勝つことができる。

しかしLiliana of the Veilはどうなんだろう?リリアナはコストは1マナ軽いが、色拘束はキツい。お互いにディスカードさせる強力な能力を持っているけど、捨ててもいいカードを使うかロームのような長期的なアドバンテージを得るカードを一緒に使うべきだ。奥義は良いんだけど、パーマネント除去はリリアナの力がなくてもできる。クリーチャーは既に殺してしまっているだろう。リリアナはJunkデッキでは冗長なんだ。特に革新的なことはせず、あなたが既にできることをやる。
リリアナは奇跡とのマッチアップではとても弱い。奇跡の弱点を突けないからね。相手はこちらよりも多くのカードをドローし、ふつうはリリアナの奥義を使われた場合に備えてパーマネントはほとんどプレイせず、たとえその他全てのパーマネントをサクることになってもジェイスを守るだろう。彼らはこちらが睨みを効かせているうちは基本的にクリーチャーをプレイせず、Entreat1枚を使うだけで天使トークンをたくさん出してくる。
ガラクは弱点を突くだけでなく他のデッキに対しても強く、相手に予期せぬ脅威への対処を迫る。4マナと重いけど、マナを払うだけの価値はある。コントロール相手に強いだけでなくクリーチャー戦で力を発揮するというのは、同じマナ域の他のプレインズウォーカーにはできないことだ。エルズペスを除いてね。エルズペスはいくつかの理由で採用を見送った。黒と緑がメインのデッキにとってはマナコストが少しキツい。Lingering Soulsのおかげでみんなが白いトークンへの対策を入れている。1/1トークンは対処されやすい。奥義が奇跡に対して役に立たない。こういった理由でエルズペスよりもガラクを使いたくなったんだ。多くのデッキはまだエルズペスを入れているし、とても良いカードなのは間違いない。ただ今のメタには不十分だと思うんだ。

この記事はかなり長くなってしまったので、サイドボードについては次の記事で話すことにするよ。それまでに言えるアドバイスの中でも大切なのは、複数のマッチアップで役に立つサイドカードを探し、ある一つのマッチアップでしか機能しない死に札になりやすいカードはできるだけ入れないようにするってことだ。そのマッチアップがあまりにも不利で、なおかつサイドを取らなきゃいけないぐらい流行っているのでない限りは。


おわりに言っておきたいこと

カードドローと操作、脅威、回答の正しい一式、そしてしっかり作ったサイドボードとマナベースがあれば、自分の好きなデッキを使ってあるメタゲームの中で成功することは誰にでもできる。Junkの良いところは除去と妨害に速いクロックが合わさり、いろいろなメタゲームでうまく立ち回れることだ。これは多くの戦略に対する幅広い回答を持っているからできることなんだ。メインボードで全てのマッチアップをカバーできなかったとしても、Junkの色には強力なサイドカードがたくさんあり、どんな相手に対しても補強することができる。
今のマーベリック、RUG、コンボ、奇跡コントロールで構成されたメタゲームにおいて、Junkのカラーパイは良い位置につける準備が整っている。そのBrainstormは置いて、黒白緑のミッドレンジデッキのパワーを試してみるのもいいんじゃないかな。青を倒せることの楽しさはやってみなきゃ分からないよ。

それじゃあまた次回。

Matt Pavlic
StarCityGamesより。
青黒ニヴメイガスの解説。

構成は多少違いましたが、SCGオープンではバルチモア、ラスベガスと続けて上位に入っていましたね。
ピーキー好きにはうってつけではないでしょうか。


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U/B Nivmagus Primer
JOSHUA CHO
12/07

http://www.starcitygames.com/article/25321_UB-Nivmagus-Primer.html

やあ!

前の記事からだいぶ間があいちゃったね。ここのところイマイチな成績続きだったんだ。
負けるのは楽しい。みんな分かってるように、いつも同じではなく変動があるのは素晴らしいことで、それによって僕らは自分よりも才能のある人を倒すことができる。自分より良い相手にはあっという間にやられてしまうというのでは、マジックはすぐに退屈なものになってしまうだろうね。

その一方で、僕らが自分より悪いはずの相手に負けるのも変動があるためだ。
自分の負けをすぐにツキの無さ、変動、あるいは宿命のせいにしてブーブー言うのは避けなきゃいけない罠だ。対戦相手がタイミングバッチリなトップデッキをして、あなたが注意深く築き上げた「見事な」盤面を台無しにしてしまうこともある。それでも毎回負けた後には内省的になって、何が間違っていたかを理解しようとすべきだ。自分のしたミス、とりわけゲームを終わらせてしまうようなミスは自らの過ちから学ぶ機会を与えてくれる。より良いプレイヤーになるには、批判、特に自分自身からの批判に対して心をオープンにしていなければならない。

この長ったらしいイントロで言いたいのは、僕は最近たくさん負けて、それによって長い間じっくりと自分が何をしていたか見つめることができたってことだ。競技レベルのトーナメントに参加するうえでは、こういう機会がたくさんあるのは幸運でもあるけど災難でもあるね。

どうすればマンネリから抜け出せるか考えるのは楽しい。
ここ2ヶ月はほとんど惰性でトーナメントに足を運んでいて、ゲームを楽しめたことはほとんどなかった。
バルチモアでのSCGレガシーオープンのために面白いリストを探していたとき、たまたま先週金曜のGerryの記事(http://www.starcitygames.com/article/25283_Three-Formats-Six-Decklists.html)にたどり着いた。その記事でGerryは複数のフォーマットに渡っていくつかのデッキを考察していた。ほとんどチラ裏みたいな感じで、彼はNivmagus Elementalを主役にしたとても面白い青黒テンポのリストを載せていた。言うまでもなく僕は型破りなデッキをプレイするのが大好きで、そのデッキは期待通りの楽しさだったよ。


デッキ

U/B Tempo
Joshua Cho 24th Place at SCG Legacy Open on 12/2/2012

Creatures (12)
* 4 Death’s Shadow
* 4 Delver of Secrets
* 4 Nivmagus Elemental

Spells (32)
* 2 Clout of the Dominus
* 4 Brainstorm
* 4 Daze
* 4 Flusterstorm
* 4 Force of Will
* 2 Gut Shot
* 4 Snuff Out
* 4 Gitaxian Probe
* 4 Thoughtseize

Lands (16)
* 1 Island
* 1 Swamp
* 1 Misty Rainforest
* 4 Polluted Delta
* 3 Scalding Tarn
* 4 Underground Sea
* 2 Watery Grave

Sideboard
* 3 Pithing Needle
* 3 Tormod’s Crypt
* 1 Clout of the Dominus
* 1 Echoing Truth
* 1 Ensnare
* 2 Ghastly Demise
* 4 Erayo, Soratami Ascendant


Deck Techはここ(http://www.youtube.com/watch?v=fdHD2rztxEI&feature=youtu.be)で見られるよ。

僕がNivmagus Elementalに夢中だってことについては少し書いておいた方がいいだろうね。このカードが最初にスポイルされたときに一目惚れしてしまったんだ。
特にφマナスペルとストーム持ちのカードとのシナジーによって、このカードがモダンで力を発揮するだろうことはたやすく想像できた。PTラヴニカへの回帰で僕はNivmagus Elementalをコンボとして使った。ニヴメイガスを一気に膨らませてTainted StrikeかAssault Strobeで相手に致命的な一撃を加えるターンを作り出すことができるだろう。プロツアーでは思い通りにうまくはいかなかったけど、ニヴメイガスは注目すべきカードとして心に留めていた。

今回のニヴメイガスを使ったレガシーデッキは面白い方針を採用していて、プロツアーで使ったコンボ型とは異なるものになっている。このあいだのSCGインビテーショナルで使った、僕が慣れ親しんでいるまた別のタイプのデッキにそっくりだ。

バルチモアでのリストは、アトランタでのインビテーショナルで使ったリスト(http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=49543)から間違いなく進化している。
スペースを作るために緑を抜き、Nivmagus Elementalとそれを育てる軽いφマナスペル、Flusterstorm、追加の妨害、そしてとてもコストパフォーマンスの良いエレメンタル巨大化手段が入っている。

変わっているのは、他のデッキが使っているようなレガシーで使える強力なカードが入っていない。より「パワフルな」スペルが自由に使えるレガシーで、特にGut ShotやGitaxian Probe、Watery Graveといったカードに居場所はないように思えるだろう。しかし、このデッキは普通はディスアドバンテージになる要素、ペイライフを積極的に取り入れ、ゲームプランを推し進める手段にしている。

クリーチャー

このデッキのゴールは1マナ生物のうち1体をプレイし、ソイツを相手が対処不能な状態にまで育てることだ。
Death’s Shadowは仕事をさせるためにかなり頑張る必要のあるクリーチャーだ。1ターン目にフェッチを切りWatery Graveを持ってきて、それからThoughtseizeを撃つことによって15ライフでスタートし、序盤のDeath’s Shadowのお膳立てができることはしょっちゅうあるよ。

Delver of Secretsは今のところレガシーでは鉄板で、ひっくり返すためのスペルはたっぷり30枚入っている。

Nivmagus Elementalは非常に優れた序盤の生物だ。こちらには0マナで使えるスペルが多く入っているため、ニヴメイガスはダメージによる除去、たいていはLightning Boltに対して自然と耐性を持つことになる。

ニヴメイガスを使ったクールなトリック

ニヴメイガスを使うのに慣れるには少し時間がかかる。
簡単なトリックもあり、ブロックされたときや直接ダメージにレスポンスして、こちらの0マナスペルは全てパンプアップに使うことができる。
それ以外のトリックはなかなか気づきにくい。ニヴメイガスでできる格好いい動きをいくつか紹介しよう。

* ニヴメイガスが出ているときにあなたの呪文がカウンターされた場合、その呪文を追放して有効活用できることを覚えておこう。その呪文の効果を得たかったかもしれないが、しかし最悪でも2つの+1/+1カウンターにできるのは良いことだ。

* Flusterstormを使うとき、ストームによるコピーは1つずつ解決しよう。相手が1つ目のコピーに対して支払わないことを選んだら、すぐに残り全てのコピーを追放して最大の効果を得よう。

* 自分自身のスペルに対してDazeを使うことができる。Dazeを追放し、コストとして手札に戻した土地を再び出すことで1マナ呪文を使える状態を保てる。

* 加速する必要がある場合、あなた自身のニヴメイガスにSnuff Outを撃つことができる。Death’s Shadowとニヴメイガスが出ているなら、4ライフ払ったうえでSnuff Outを追放することによってパワーが6上がることになる。

妨害

多くの青デッキと同じく、このデッキはレガシーに生息するアンフェアなデッキを妨害するために0マナカウンターに強く依存している。
Force of Will、Daze、そしてThoughtseizeはコンボデッキと戦うときに必要な時間を稼ぐとともに、こちらの数少ないクリーチャーを守る手段でもある。Flusterstormはニヴメイガスを育てる最高の手段でありつつ追加のカウンターにもなっている。

土地

ゲームに勝つのに0か1マナのスペルしかほぼ使わないため、土地では少しインチキが可能だ。RUGデルバーとよく似て、このデッキは1枚か2枚の土地があれば機能する。
Watery Graveを入れる理由については既に触れた。それ以外の土地はかなり素直だ。

一つ覚えておいた方がいいのは、Liliana of the Veilをより気にしなければならないメタの場合、Dryad Arborを調達するためにフェッチランドを変更できるということだ。リリアナを気にしないのであれば、動きをスムーズにするためにお好みの青絡みのフェッチを使える。


問題となるカードたち

全てのデッキがそうであるように、こちらにとって対処が難しいカードを相手が入れているマッチアップがいくつかある。このデッキの場合、特に厳しいマッチアップが2つ3つある。

Abrupt DecayとSupreme Verdict

この2つのラヴニカへの回帰のカードはこちらのプランにとって深刻な脅威となる。通常クリーチャー除去は大きな問題にはならないが、これら2つは打ち消されない能力によってこちらのカウンターをすり抜けてくる。
というわけで、この2枚にどうやって対処するかには頭を絞る必要がある。衰微や評決が盤面に影響を与える前にThoughtseizeで捨てさせてしまうのが一番いい。そしてClout of the Dominusはこちらの勝利手段が衰微で死ぬのを防ぐ手段になってくれる。

CounterbalanceとSensei’s Divining Top

こちらの勝利手段が全て1マナなので相殺は本当に厳しいカードで、いったん相手が独楽とのコンボを完成させてしまえばこちらはほとんど完全にロックされてしまう。彼らは単に独楽を使ってカードを引き、それをライブラリトップに乗せるだけでこちらをゲームから閉め出してしまえる。
これに対抗するベストな方法は、先手先手でハンデスを撃つか、Pithing Needleを独楽に刺すか、あるいはコンボパーツのいずれかを解決させないかだ。

Engineered ExplosivesとAcademy Ruins

爆薬X=1によってこちらの脅威のうち裏返ったデルバー以外は使いものにならなくなってしまう。爆薬を使うデッキの多くはAcademy Ruinsを入れて繰り返し場に戻してくるので、この問題への対策は難しい。爆薬でロックされるのを防ぐための最良の選択肢は針だ。

Swords to Plowshares

ソープロはDeath’s Shadowに頼るデッキにとって大きな問題だ。ソープロによって2体以上のDeath’s Shadowを場に出すのが難しくなる。1体を農場送りにされるとこちらのライフが13になり、残りの死の影も死んでしまうためだ。
ソープロ入りのデッキ相手では、本当に必要なとき以外は死の影を追加で出すことには慎重になろう。


サイドボードの手引き

問題となるカードが明らかになったところで、よくあるマッチアップに対してどうサイドすべきかを見てみよう。

バーン

ある意味では、Death’s Shadowを大きくするために必死になる必要のないマッチアップだ。そのターン中に死の影で勝てるか、相手が何を持っているか完全に分かっているときを除き、できるだけペイライフしないことをオススメする。
何をケアすべきか明らかにするためにギタ調と囲いを使い、自分のライフトータルにはよくよく注意を払おう。速いクロックで相手を仕留められるようにすべきだが、彼らが軽いスペルの連打によってあなたをいきなり殺してくることは忘れちゃいけない。

In: 4 Erayo, Soratami Ascendant, 1 Clout of the Dominus
Out: 4 Snuff Out, 1 Thoughtseize

このサイドプランは相手がクリーチャー多めの場合には変わりうる。相手がFigure of Destinyなどの生物をアタック要員として採用している場合は、Gut Shotと追加のThoughtseizeが抜く候補になる。そうでない場合、このマッチアップで最大の死に札はSnuff Outだ。そしてバーンに対してすごい力を発揮するErayoをサイドインすることになる。Erayoをプレイして反転させ、相手が限られた手札でこちらに20点与えるのを難しくしてしまうことがバーン相手での主な勝利ルートだ。

盤面で圧力をかけ、相手が簡単にあなたに直接ダメージを打ち込めないようにしよう。カウンターはまさにあなたを殺す一撃を弾くために温存し、序盤に生物を出してクロックをかけよう。このことを忘れなければ、バーン相手はいくらか緊張感はあるもののかなり楽なマッチアップだと気づくはずだ。

RUGデルバー

このマッチアップについてはよく尋ねられる。そして実際のところこちらがかなり有利なんだ。
あなたは相手のデルバーとタルモを殺す手段を大量に持っていて、Nivmagus ElementalとDeath’s Shadowはマングースを含む相手の生物を簡単に上回ることができる。彼らにはこちらの脅威へのまともな対処手段がサイド後のPyroblastしかなく、ニヴメイガスを出して成長させればそのまま勝利まで連れて行ってくれる。

In: 4 Erayo, Soratami Ascendant, 1 Clout of the Dominus, 2 Ghastly Demise, 1 Ensnare
Out: 4 Force of Will, 4 Daze (on the draw), 4 Flusterstorm (on the play)

あなたの手札2枚を使って対処するに値するスペルを相手は入れていない。だからウィルは簡単に抜ける。Dazeは後手では常に悪く、こちらが展開で遅れを取ればRUGはあっさりそのまま勝ってくる。
先攻のときはDazeを有効に使うことができるので、Flusterstormを抜く。Flusterstormにはあまり良い対象がないのと、ニヴメイガスをそこまで巨大にしなくても相手の生物を上回れるためだ。

Cloutは相手が入れてくるであろうPyroblastを防ぐ優れた盾になり、Ghastly Demiseはマングース以外のクリーチャーを殺す追加の手段となり、Ensnareは相手が横に並べてきたときの突破手段を与えてくれる。
RUGデルバーは2つ目の有利なマッチアップだ。

青白奇跡

これはもっとも厳しいマッチアップの一つだ。さっき明らかにした問題カードを山ほど使って彼らのゲームプランは組み立てられている。
あなたは序盤に脅威を出し、相手がボードを掌握できるようになる前に倒せるように祈らなければならない。いったん彼らがゲームのコントロールを握ってしまったら、突破することはほぼ不可能だ。

In: 4 Erayo, Soratami Ascendant, 3 Pithing Needle
Out: 4 Snuff Out, 2 Gut Shot, 1 Flusterstorm

繰り返すが、ソープロ、評決、爆薬、そして相殺独楽は全てサイド後にも心配しなければならないカードたちだ。追加のCloutをサイドインするのはオススメできない。既に2枚入っているのと、相手に対抗し、早期にエラヨウを反転させるためにはメインボードのスペルの多くを残しておく必要があるためだ。Pithing Needleでは多くの場合Engineered Explosivesを指定し、続いて2番目に独楽を指定すべきだ。
ヌルいプレイは決してせず、最高の引きを祈ろう。それでもこのデッキにとって奇跡は間違いなく楽な相手ではない。

BUGデルバー

In: 4 Erayo, Soratami Ascendant, 1 Clout of the Dominus
Out: 1 Snuff Out, 4 Daze (on the draw), 4 Force of Will (on the play)

この試合はRUGとのマッチアップに似た展開になる。しかしPernicious Deed、Abrupt Decay、そしてときどき入っているTombstalkerのようなハードパンチャーには注意が必要だ。
あなたのクリーチャーは相手よりも大きくなるはずだが、それでもCloutは彼らのターゲット除去からこちらの脅威を守る手段としてとても重要になる。全体除去を解決させないようにすれば有利に進められるはずだ。


楽しいカードが大量に入っているだけでなく、複雑な選択肢がたくさんあるデッキをプレイしたいなら、このデッキを試してみることを強くオススメするよ。
毎ゲームすごく緊張感がある。ニヴメイガスを育てるためにどれぐらい積極的にスペルをピッチで撃っていけるか、あるいは死の影を大きくするためにどの程度まで自分にダメージを与えられるか。これらを考えるうえで相手のプランを知ることがとても重要になる。幸いこちらはGitaxian ProbeとThoughtseizeによって相手の手札を何度も見ることができる。この情報によって数ターン後までのプランを立て、先の展開の感触をつかみ、相手に(自分に)対して一気に畳み掛けるべきときはいつなのか、タイミングを図ろう。

今週末はロサンゼルスでのインビテーショナル前の最後のSCGオープンが開かれる。もし行こうかどうか迷っているなら、是非行くことをオススメするよ。インビテーショナルに招待されることは名誉という意味でも金銭面でもとても価値がある。僕はラスベガスには参加できないけど、ロサンゼルスでの今年最後のインビテーショナルに参加するのはすごく楽しみにしてる。読者のみんなとそこで会えますように!

いつも読んでくれてありがとう。

Josh Cho

StarCityGamesより。
コンボプレイヤーの頭の中その2(完結編)。前回の記事の続きです。

先日の翻訳の直後になんと続編が。
熱いうちに訳せ、ということで雨に降り込められているうちに翻訳。

これを8回戦以上やる人は本当に尊敬します。


※追記(2012/11/18)
元記事のコメント欄より。Carsten Kotterのコメント。
「トーナメントはフィクションだけど、このゲーム自体はフィクションじゃないよ。もし実際に大きなトーナメントでトップ8を賭けてプレイしていたら、僕は間違いなくこんな記事を書くのに十分なメモは取れないだろうね。それでも楽しんでくれたら嬉しいよ。」


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Eternal Europe - Concluding The Storm Experience
By Carsten Kotter
11/16/2012

http://www.starcitygames.com/magic/legacy/25212-Eternal-Europe-Concluding-The-Storm-Experience.html

前回の記事はたくさんの読者が楽しんでくれたみたいだ。記事では、カナディアンスレッショルド(RUGデルバーとも言うね)と大きなトーナメントのトップ8を賭けて戦うマッチの第1ゲームでCabal ANT(やっぱりANTという名前は違うんだけど、よく知られた名前ではあるから使わざるを得ないね)を使っているときの思考過程を僕の目線でなぞった。

物語を終わらせずに放っておくのはフェアじゃないと思うし、多くの読者からマッチを最後まで書いて欲しいと言われたから、今日はそれをやろう。

前置きは十分だ、物語に戻ろう!


レディ

ヨーロッパの奥地のどこかで開かれている大きなトーナメントのスイス最終ラウンド、僕はトップ8を賭けてプレイしている。ギリギリの勝負だったゲーム1は鍵となるリチュアルをブレストで引き込んで僕が取った。

タフなゲームが始まる。相手が悪いカードを抜き準備を整えたゲームが。
サイドボードの時間だ。
彼の変化に対抗するためのこちらの装備がこれだ:


Cabal ANT
Featured by Carsten Kotter on 2012-11-04 (Legacy)

Maindeck:
1 Tendrils of Agony
1 Ad Nauseam
1 Grim Tutor
4 Infernal Tutor
1 Past in Flames
4 Brainstorm
4 Ponder
4 Gitaxian Probe
2 Preordain

3 Cabal Therapy
4 Duress

4 Dark Ritual
4 Cabal Ritual
4 Lion’s Eye Diamond
4 Lotus Petal

2 Island
1 Swamp
2 Underground Sea
2 Volcanic Island
4 Misty Rainforest
4 Polluted Delta

Sideboard:
4 Xantid Swarm
3 Dread of Night
3 Abrupt Decay
3 Chain of Vapor
1 Bayou
1 Tropical Island


ステディ

RUGに対しては明確なサイドプランがある。PreordainとGitaxian Probeを抜き、土地2枚とXantid Swarm4枚を入れる。

ダブルチェックをしよう。どうしてこの選択をしたのか考える。
彼はおそらくコンボ対策を入れるために火力をいくつか抜くだろう。それでSwarmが生き残ればほぼ常に有利なゲームになる。たとえSwarmでアタックできなくても、必要なときにCabal Therapyをフラッシュバックできるのは素晴らしく良い。
Swarmのためには明らかに緑マナが必要なうえ、彼のマナ縛りに対抗するために追加のマナソースを入れられるのはさらに嬉しい。

うん、やはり堅実だ。

サイドアウトについても同じように考える。
僕は前にキャントリップがブレストとポンダーだけのデッキを使っていた。定業を落とすのは問題ない。
Probeも同じだ。情報収集のためにこれを残すのは大好きだが、それ以外のことの方がもっと重要だ。
やはり正しいだろう。これでいこう。

残念なのは信頼しているEmpty the Warrensを今回は家に置いてきてしまったことだ。Ad Nauseamを大量のゴブリンと入れ替えるのが好きなんだが。

この小さな疑念も今は過ぎてしまったことだ。入れるべき赤いカードはない。
戦いを始めよう。


ゴー!

リフル。ディール。リフル。相手に渡す。

「先攻やらせてくれない?」当然彼は却下する。

シャッフルしてカット。相手に返す。

7枚数える。

彼は秒でキープ。いいハンドみたいだな。

僕は拾い上げる:

Brainstorm ― いいぞ。
Brainstorm ― さらにいいぞ。
Xantid Swarm ― うん、働き者だ。
Duress ― 最高。土地を頼む。
Polluted Delta ― 注文通りだね。
Dark Ritual ― よし、もう1枚土地があれば素晴らしいハンドだ。
Island ― 行くっきゃない!

「キープ。」

彼はトロピを出してデルバー。ほら、いいハンドだ。

そしてエンド。

僕はLion’s Eye Diamondをドロー。かなりいいね。

デイズケアのためにXantidは待とう。Stifleをケアするか?それともブレストの威力を最大化するか?
もみ消されるリスクは受け入れよう。それでもデルバーがStifleをめくったときに心変わりできるようにフェッチは出しておく。

Polluted Deltaをプレイして、「エンド。」

彼はアンタップして、デルバーの誘発にスタックでブレスト――オーケー、ひっくり返してきたな――そしてPonderを公開。

デルバーで3点アタックして(残り17)、もう1枚のトロピを出してポンダー。
0マナカウンターを持っているか、あるいは1ターン目デルバーの力でそのまま行こうとしているようだ。彼がStifleを持っていないのは明らかだな。
彼はシャッフルし――よしよし――そしてエンド。

僕はVolcanic Islandをドロー。
よし、マナは良いな。ブレストを撃ち、どこまで行けそうか見てみよう。

島をプレイ。タップして、「ブレスト。」彼は一瞬考えて、そして解決する。
デイズでフェッチを切らせるかどうかを考えてたのか?

引いたのは:

Ponder
Cabal Therapy
Underground Sea

オーケー、4マナ出るターンまで待つべきだ。勝利手段を見つけるのにキャントリップが必要で、彼の手札に対処するためにデュレスもセラピーも撃ちたい。今フェッチを切る必要はないと思う。次のターンにまずデュレスを撃ってハンドをコントロールすべきだ。
LEDで既に赤マナは出るからボルカは絶対必要というわけじゃない。ボルカの上にセラピーを置いておこう。もし強制的にシャッフルさせられても、Swarmとデュレスで行けるだろう。

Volcanic Island、Cabal Therapyと戻す。「エンド。」

彼はアンタップ、ドローして3点アタック(残り14)。その後Brainstorm。

もみ消しケアのためにレスポンスしてフェッチを切ってもいいか。いや、不毛をくらわない方が大事だ。特にデュレスがある以上、セラピーは欲しい。

「オーケー。」

彼は2枚戻し、Scalding Tarnを出してエンド。

僕はセラピーをドローする。

Underground Seaをプレイし、タップして、「デュレス、対象はそちら。」

彼はFlusterstormをプレイ。あらら、てことはStifleを見つけたな。この状況でFlusterstormに意味があるとすればそれしかない。うーむ、他にも妨害を持ってるんだろうか・・・。

「手札は何枚?」4枚だ。

ともかくStifleは持っている。よし、支払わないでおこう。もし僕が別のスペルを使ったら、彼はDazeで同じことができてしまう。だからそれもしない。
次のターンにボルカを引き、そこからスタートだ。

「支払わない。エンド。」

彼はアンタップしてTarnを切る。ボルカをフェッチしてドロー。3点アタックする(残り11)。
時間がなくなりつつある。

彼がPonderを撃つ。「レスポンスしないよ。」
彼はしばらく考え、結局シャッフルしないことを選んでドロー。不毛を出して僕のアンシーを割る。
これはマズイな。もみ消しをケアしてる場合じゃなかったか。

彼はエンド。僕はボルカをドロー。さてどうする?
キャントリップを撃つことが必要で、見るカードの枚数を最大化したい。彼はDazeを持っているかもしれず、それが刺さってしまうのはマズイ。だからまずボルカを先に出し、ポンダーを撃つ。Stifleのせいでブレストの後にフェッチでシャッフルすることができない。

ボルカをプレイ、島をタップして、「ポンダー。」
僕が見たのは:

Lotus Petal
Bayou
Cabal Ritual

いいね、黒マナだ。あと必要なのはチューターだけになった。既に土地を出してしまったのは残念だな。土地が置ければSwarmをプレイするんだが。
ここはBayouをドローしよう。次のターンに儀式を引き、Stifle指定のセラピーを撃つ。フェッチを切ってリフレッシュした後にブレストで引くものに賭ける。

「並び替えてドロー。エンド。」

彼がアンタップし、ドローする。3点アタック(残り8)してからもう1体のデルバーとMisty Rainforestをプレイ。
これは次のターンに稲妻で死ぬかもな。
彼がエンドする。

僕はCabal Ritualをドロー。
よし、ここで勝ちにいく。チューターが必要だ。できることは何だ?彼が持っているものは?

「何枚持ってる?」彼は3枚を広げる。

オーケー、1枚はStifleで、残りは不明。
2つの選択肢がある。Swarmをブロッカーとして出し、彼がBoltを持っていた場合でももう1ターン生きられるようにする。もしくはここでセラピーを撃ってStifleを落とし、ブレストでチューターを引き込みつつ彼が他に何も持っていないことを祈る。
どちらもあまり良い勝負とは言えないな。

1ターン待つことにした場合、僕は追加で1枚のカードを見られるが、それは彼も同じだ。ここでセラピーを撃ち、彼が何も持っていないことに賭けるべきだと思う。最悪の場合でも、Deltaを切りトロピを持ってきて、とりあえずSwarmをブロッカーとしてキャストすることはできる。

Bayouを出し、タップして、「セラピー、対象はそちら。」彼はすぐに頷く。
「もみ消し。」
彼はDaze、Surgical Extraction、そして既に見えていたStifleを公開し、ディスカードする。

サージカルか、面白い。Past in Flamesはかなり難しくなったな。

ストームは1だ。儀式、儀式、LED、ブレストで5になり、3枚の土地を合わせて10マナが使える。Dazeによって9マナになるが、ストームカウントは増える。

フェッチを切りCabal Ritualを撃つ前にDark Ritualとブレストをプレイしておけば、彼のサージカルはCabal Ritualのスレッショルドを妨害するのには使えない。しかし、こちらはPast in Flamesを使えない。普通にチューター連打で彼を倒すためには、彼のスペルによるストームカウントが喉から手が出るほど欲しい。

彼がサージカルを撃ちたくなるようにしよう。そうすればPast in Flamesルートが解禁されるうえにストームも効果的に増やせる。
彼がCabal Ritualのスレッショルドを妨げるためにサージカルを使うように誘えるか、やってみよう。

「Deltaを切る、残り7。」アンシーを持ってくる。いずれにせよもう不毛はされないだろう。
演技を始めよう。

アンシーをタップ。「Dark Ritual、ストーム2。」解決する。「BBBが浮いてる。」
僕は墓地のカードを数える――ちょうど7枚だ――手札をチェックし、少しだけ顔をしかめる。もう数秒だけ考え、そして言う:

「Cabal Ritual、黒1マナ浮いてて、ストームは3。」

彼は考え、こちらの手札が何枚かたずねる。僕は答える。「2・・・いや、3枚だね。」
さあ来い、Dark Ritualは本当に美味しいターゲットだぞ。

熟考の末、彼はサージカルを撃ち、残り17。
ビンゴ。あとはブレストでチューターを探し当てるだけだ。

彼は僕の墓地からDark Ritualを追放し、こちらのハンドを見て、ライブラリには手を触れず、そして言う。「Dark Ritualはここでドローしたいカードじゃないだろ?」
僕は肩をすくめる。残念ながら、彼は自分が何をしているか理解しているようだ。

僕は島をタップする。「Cabal Ritualが解決する前にブレストをプレイ。ストームは5。黒1マナ浮きだ。」彼は頷く。
引いたのは:

Cabal Ritual
Misty Rainforest
Volcanic Island

くそ、使えない。

2枚の土地を戻してターンを返す。
彼がLightning Boltをめくってデルバーを裏返す――言った通りになってしまった――僕は場を畳んだ。

やっちまった。消極的にプレイしすぎた。あのFlusterstormの後、彼は有効牌を持っていなかった。可能性のある状況でDeltaを切らなかったことで本当に難しくしてしまった。このデッキで安全すぎるプレイはしちゃいけない。

オーケー、これぐらいにしよう。もう終わったことだ。ゲーム3に集中だ。


心を込めてもう一戦

「先攻いただくよ。結局こうなったね。」彼はニッコリ笑う。

僕はサイドボードを確認し、何も変更はなし。彼は既にシャッフルしている。

ワン、ツー、スリー。
リフル。ディール。リフル。

交換してシャッフル。返す。

7枚数える。拾い上げる:

Bayou ― 土地、いいね.
Island ― 基本土地、なおさらいいね.
Dark Ritual ― これは必要.
Misty Rainforest ― 3枚目、これで十分だよ。
Polluted Delta ― ちょっとフラッドだな。とはいえ対RUGで土地はグッドだ。
Past in Flames ― 面白い。役に立つのは間違いないだろう。
Infernal Tutor ― そして追加の道具か。

これは厳しい手札だ。デルバー相手に土地は素晴らしいが4枚はちょっと多い。1枚ある儀式はチューターで2枚に増やせて、Past in Flamesとともに勝利手段にはなるだろう。
妨害も、妨害を探すためのキャントリップもない。こういう手札は嫌いだ。

しかしマナ縛りへの耐性は重要だ。よく考えよう。

このハンドは嫌だが、キープせざるを得ないと思う。ここにある土地は全て彼に対してとても良い。まともな引きなら1ターン目デルバー以外には勝てるはずだ。
オーケー、納得した。

「キープ。」

彼もキープ。

もみ消されるのは心配してない。しかし彼にそれを悟られたくない。島からフェッチと行こう。

島をプレイ。「エンド。」

彼がドローする。トロピを出してエンド。
完璧だ、デルバーはない!

僕はもう1枚のInfernal Tutorをドローする。
絶対に必要なものではない。彼がサージカルを引いていないことを祈ろう。

Misty Rainforestをプレイ。「エンド。」

彼はドローして、考え、不毛をプレイしてからエンド。
ははあ、マナトラブルだな。彼はたぶん今回もStifleか何かマナのかかるカウンターを握っているようだ。ウィルは持っていないだろう。もし持っていたらおそらくキャントリップか何かをキャストしているはずだ。
あるいは、ウィルは複数あるがそれ以外が弱いハンドをキープしたのかもしれないな。後で分かるだろう。

僕はLotus Petalをドロー。これも今必要なものじゃない。少なくともこれで赤マナは手に入れた。Deltaをプレイする前にStifleを誘い出せるかやってみよう。

「Mistyを切る。残り19。」彼は愛想よくStifle。
うまくいった。ここで安全なマナを手に入れる。

Deltaを出す、切って沼を持ってくる。「残り18。」
チューターを撃ってDazeに突っ込む必要はない。2枚のうち1枚を解決させ、リチュアルを手に入れる。彼にサージカルされないことを祈るのみだ。

「エンド。」

彼がアンタップしてドローし、ボルカを出す。
土地にたどり着いたか・・・。

トロピと不毛をタップしてタルモをプレイ。
多少はビートしてくるな。まだ大丈夫だ。

彼がエンドし、僕はXantid Swarmをドロー。
ナイスだ。

まずSwarmを出してチューターを守ろうか、それともはじめに儀式をチューターして彼がBoltをキャントリップで混ぜ込むように仕向けようか?

彼がウィルを持っているか知る必要がある、いや、僕が1ターン待つたびに彼はそれを見つけてしまうかもしれない。
今Swarmを使って僕らがどこにいるのか見てみることにしよう。

Bayouをプレイ、タップして、「Xantid Swarmだ。」彼は椅子の上でのけぞり、Brainstormをキャスト。2枚を戻し、そしてSwarmは解決。
ふむ、ウィルがないか、あるいは既にBoltがあるか。Boltがありませんように。

「エンド。」

彼はアンタップしてドロー、Mistyをプレイして切る(残り19)。Ponderを撃ってシャッフル。
ここまではいいぞ。

タルモで3点アタックし(残り15)、こちらのBayouに不毛。そしてNimble MongooseとDelver of Secretsの2体をプレイしてタップアウト。
よし!Boltはない。

彼はエンドし、僕はBrainstormをドロー。
さあどうする?うん、まずは大事なことからやろう。

「Xantid Swarmでアタック、誘発だ。」これはもちろん成功する。

チューターで2枚目の儀式を手に入れ、ペタルをプレイ、儀式をプレイ、2枚目のチューターをキャストしてさらに儀式をもう1枚手に入れられる・・・だめだ、赤マナがないぞ。ブレストをすぐに手札からなくすこともできないからテンドリルをチューターしてくることもできない。
どんなプランがある?

このターンは儀式を2枚に増やすのにチューターを撃つ。次のターンにSwarmでアタックし、儀式、チューター、儀式2回、ブレスト――ドローステップの1枚とここで引く3枚の中で戻せる2枚があれば良いんだが――そしてPast in Flames、3枚の儀式と勝利のチューターをフラッシュバックだ。

何をされると負ける?
このプランはチューターをサージカルに晒すことになる。彼が生き残る数少ない手段の一つだ。このプランでは彼にSwarmに対処する時間を与えることにもなる。うーむ。

SwarmはBoltで死ぬ。実際はデルバーにブロックされればStifleでも同じことだ。BoltとStifleを合わせて7枚、加えてこれらを探すための大量のキャントリップがある。

「手札は何枚ある?」彼は3枚を見せる。彼の墓地を確認する。5枚ある。

それ以外に6枚のパーマネントが場にあり、合計14枚。デッキには46枚残っていて、キャントリップを考慮しなくてもおよそ1/6の確率で当たりを引くことになる。彼がSwarmを止める確率は約15%。

それじゃあ、今すぐに勝てるか?
ブレストをキャストするしかない。うまくいかないケースは?何か土地を引いた場合、それを使ってチューターを撃ち、次のターンに勝つ準備はできる。マナ加速を引いた場合はそのまま勝つことができる。そうか、土地とマナ加速をどちらも引けない場合以外は今プレイしても失うものはないんじゃないか?
良さそうだ。

島をタップ。「ブレスト。」彼はSwarmを指差す。
引いたのは:

Polluted Delta
Polluted Delta
Cabal Ritual

これは簡単だ。沼、Delta、ペタルに加えて儀式で5マナを使える。チューターでもう1枚のCabal Ritualを持ってきて2枚ともキャスト、Past in Flames、これで勝ちだ。スレッショルドも問題ない。いけるよな?

自分の墓地を確認する。4枚だ。よし、Dark RitualとペタルとDeltaで既に7枚ある。

安全のためにダブルチェックしよう。沼を使ってDark Ritual。Infernal Tutorをキャストしてもう1枚のCabal Ritualを入手、浮きは黒1マナ。ペタルで赤マナ。Deltaを切って2枚のCabal Ritualをキャストするための土地を出し、スレッショルド達成。9マナだ。Past in Flamesをキャスト、儀式全てとチューターを再キャストしてテンドリル。

ブレスト、リチュアル、チューター、Cabal、Cabal、ペタル、PiFで既にストームは7だ。いける。2枚目のチューターは不要で、間違いなく2枚目の土地は要らない。

Polluted DeltaとInfernal Tutorを戻す。

彼は黙っている――神よ私はXantid Swarmを愛する――そして僕は手札を公開する。

「ゲームオーバーかな。」彼が確認のために言う。「そうだね。」

Polluted Deltaをプレイ。

「Lotus Petal、ストームは2。」

沼をタップ。「Dark Ritual、ストーム3。」

「Infernal Tutor、黒1マナ浮き、ストーム4。」チューターの上にCabal Ritualを置く。「問題なければ同時にDeltaも使うよ。残り14だ。」

Cabal Ritualを探しながらDeltaでアンシーも持ってくる。

「ペタルをサクって赤マナ、浮きはBR。」

アンシーをタップ。「Cabal Ritual、赤1マナ浮き、ストーム5。」

「スレッショルドで黒5マナ出る。もう1枚Cabal Ritualをキャスト、ストームは6。浮きマナは黒3赤1から黒8赤1に。」

「Past in Flames、ストーム7、黒5マナが浮いてる。」

「Cabal Ritual、Cabal Ritual、Dark RitualをフラッシュバックしてInfernal Tutor。テンドリルを持ってこようか?」

彼はFlusterstorm、Red Elemental Blast、そしてForce of Willという手札を見せる。
「そっちがSwarmを出した直後にウィルを引いたんだ。」彼は残念そうに笑う。

僕は申し訳なさそうに肩をすくめる。「よくあるよ。Swarmは本当におかしい・・・。」

「間違いないね。」彼がカードを片付ける。

よし!ついにトップ8だ!


トップ8到達

僕がCabal ANTを使って架空のトーナメントでトップ8になる物語はこれでおしまい。

ゲーム2で大失敗しているのは間違いないと思う。このゲームでの進め方やゲーム3でキープしたハンドについて、熟練のストームプレイヤーから意見をもらえたら嬉しいよ。正直に言うとあれがキープすべきハンドかどうか分からない。僕はキャントリップのあるハンドを良いと思いがちなんだけど、だからこそあの手札にトライしてみようと思ったんだ。手札をトップの神様に委ねすぎるのは本当に嫌いなんだよね・・・。

これはどうしたことだろう?僕は筆者だ。僕がみんなに教えるべきで、正しいプレイをみんなに聞くのは変じゃないか?
どうか大目に見てほしい。ストームは難しいんだ。このアーキタイプを使う他のプレイヤーにアドバイスを求めて教えを授かれるのは幸せなことだと思ってる。

さて、今日のレッスンはここまで。
もしこの僕のひとかけらを見てあなたがこのデッキに興味を持ったり、既にストームを使ってみたいと思っているなら、一番いいのはストームデッキをよく知っている人の話を聞き、継続的に議論をして彼らと自分のプレイを比べることだ。ストームに限らないけど、可能なかぎり学ぼうとしてほしい。

テンドリルストームほど深いアーキタイプはなかなかなくて、あらゆるちょっとしたミスが致命的になり得ることがこのデッキを難しくしている。このデッキで勝ちたいなら、常により良くなろうと努める必要がある。ある意味、人生と同じだね!

この完結編をみんなが楽しんでくれますように。
次回はまた日常に戻るつもりだよ。それじゃあまた今度:嵐(storm)を乗り切ろう!

Carsten Kotter


※訳注:話の流れには影響しませんが、原文で一箇所浮きマナが間違っていると思われるところを修正しています(原文:BBBBBBR、訳文:黒8赤1)。
StarCityGamesより。
コンボプレイヤーの頭の中。

コンボの駆け引きを見るのは大好きです。やるのは下手ですが。

しかしこれでたったの数ターンとは・・・。
原文のテンポの良さを残そうと頑張りましたが、難しいですね。


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Eternal Europe - The Storm Experience
By Carsten Kotter
11/02/2012

http://www.starcitygames.com/magic/legacy/25130-Eternal-Europe-The-Storm-Experience.html

数週間前にStanislav CifkaがPTラヴニカへの回帰を勝利した後、フィーチャーマッチ卓で見た彼のデッキがあまりにも退屈だったことにかなりの数の人々が不満を述べていた。(※訳注:Stanislav CifkaのデッキはSecond Breakfast。)
僕がこの反応を見て思ったのは、僕の経験と全く違う、ということだった。
僕が飽き飽きしていたのはジャンドミラーだ:生物をプレイ、生物を除去、ハンデスをそちらに、生物をプレイ、生物を除去・・・以下繰り返し。ある時点でどちらかのプレイヤーが新たな生物か除去をプレイできなくなり、攻撃が始まって人が死ぬ。取るべき選択は明らかで、一直線なプレイ。予測可能なただのマジックだ。

一方、Cifkaがプレイするのを見るのは楽しかった。多くのカードが領域から領域へ移動し、確率を操作し、そして、相手がドローしうるものは何で、それで彼を止められるのか、それとも彼はコンボを繋げきるのか、という問いが常に存在した。とてもたくさんの考えるべきことがあった。

たぶんこれは、単に僕がスペル主体のマジックが好きだってことなんだろう。僕は正しいブロックの仕方を見出すことよりもカウンター合戦を好む。1~3ターン目にマナカーブに沿ったクリーチャーを出すよりも大量の儀式をキャストすることを好む。たぶんこれは僕の個人的な嗜好だ。

でもここには何か別のものも関係している。
おそらくそれは親しみだ。本当に多くのプレイヤーがコンボのプレイを見るのを嫌う理由は、彼らがそのデッキや、経験が必要とされるプレイの流れを単に知らないからってだけなんじゃないだろうか?

ともかく、僕が見たCifkaのプレイの中で、全てのコンボプレイヤーが真似しようと頑張るべきなのは彼のコンボの始め方だ。彼のコンボターンに対戦相手が干渉できなさそうなのが明らかなとき、彼は何をしたと思う?手札をテーブルに表向きで置いたんだ!考えてみてよ。これはオール・インだ――もしそこで勝てなければ、その後も勝てやしない。だからそうすることには本質的に何のコストもかからないんだ。

それにもかかわらず、これは普通は完全に一方的になってしまうゲームに対戦相手を巻き込むための素晴らしいジェスチャーになっている。ただ座ってあなたがコンボするのを眺める代わりに、彼らはあなたのターンをあなたと共にプレイすることになる。あなたが下した判断について考え、試合の結末に参加することになる。もちろん、コンボターンはすぐには終わらないだろうけど、少なくとも「帰って風呂でも入りたいな」なんて考える以外のことを相手にさせてあげられる。

コンボは飽き飽きするようなものではないはずだ。(エンジンによる)コンボを動かすのは繊細なダンスみたいなもので、どのタイミングで何をして、どうすれば繋げきる可能性を最大化できるか、頭の中で描き出さなきゃならない。自分がどこにいて最終的にどこに行きたいのか、かなり明確な考えを持って進む必要がある。それなのに、AからBへ行く道はとても複雑だ。

とはいえ、「仕掛けること」はコンボをプレイする楽しみの一部でしかない。コンボをプレイする(そして観戦する)のを僕にとって本当に面白いものにしているのは、モダンのトップ8ではめったに見られない次のことなんだ:実際にコンボを始められるようにゲーム最序盤を組み立てながら、正しいパーツを見つけようと奮闘すること。

この手のゲームをするのは信じられないぐらいエキサイティングで、神経が磨り減る。数えきれないほど考えるべきことがあり、思考の速さが試され、気を散らしてくるいろんなものがある――スロープレイを告げる時計がチクタクとプレッシャーを与えてくるのは言うまでもなく。
正直に言うと僕はこう信じてる。もし見ている人がコンボプレイヤーの頭の中を駆け巡っているものを全て見ることができたら、コンボの試合を観戦するのはMTGに関して目にするものの中で想像しうる限り最高のものの一つになるだろうってね。
もしあなたもそう思うなら、見てみよう!


舞台セット

僕らはヨーロッパの奥地のどこかで開かれている大きなトーナメントに来ている。参加者は多くて、8ラウンドとトップ8シングルエリミがあるようだ。
今こそ大暴れするときだ。これが僕が持ち込んだものだ:


Cabal ANT
Featured by Carsten Kotter on 2012-11-04 (Legacy)

Maindeck:
1 Tendrils of Agony
1 Ad Nauseam
1 Grim Tutor
4 Infernal Tutor
1 Past in Flames
4 Brainstorm
4 Ponder
2 Preordain
4 Gitaxian Probe

3 Cabal Therapy
4 Duress

4 Cabal Ritual
4 Dark Ritual
4 Lion’s Eye Diamond
4 Lotus Petal

2 Island
1 Swamp
2 Underground Sea
2 Volcanic Island
4 Misty Rainforest
4 Polluted Delta

Sideboard:
4 Xantid Swarm
3 Dread of Night
3 Abrupt Decay
3 Chain of Vapor
1 Bayou
1 Tropical Island


リアニには当たらないことに賭け、ドレッジ相手はダイスロールに勝たなきゃならないけど、それ以外の全てを速度か十分な対策のどちらかで倒すプランだ。


カメラ

8時間後、さっき述べたプランは実際ここまでうまくいった。僕は6-1で、IDで抜ける準備ができている。ペアリングが発表される。僕は美味しく握手するのを楽しみにしている。しかし――ペアリングシートにズームイン――なんてこった!下あたりだ。僕はプレイしなきゃならない。
よろしい、全てを賭けたワンラウンドだ。


アクション

僕は自分の卓に座るとダイス、ペン、メモを取り出す。シャッフルを始める。準備完了。相手を待つ。来たるラウンドに向けてアドレナリンが徐々に増してくる。
とうとう対戦相手が到着する。彼はさっき2,3卓離れたところで見かけていた。彼はRUGデルバーを使っている。つまり、これはガチなゲームだ。

リフルシャッフル。ディールシャッフル。リフルシャッフル。そして相手に渡す。

僕らは軽口を叩き、お互いの良いゲームを願う。
カモォォォン、ダイス!――彼がロールに勝つ。
いいだろう、後攻だ。

シャッフル、カットして相手に返す。

7枚数える。

彼はキープだ。

僕は1枚1枚拾い上げる:

Grim Tutor ― いいね、これはいずれ必要になるものだ。
Lotus Petal ― まあいいか。
Duress ― 彼は青だ。こいつは助けになるな。
Dark Ritual ― ああ、いいマナだね。
Ponder ― 順調だぞ。
Cabal Ritual ― ちくしょう、最後のカードよ頼む、土地であってくれ・・・。
Lotus Petal ― おしい。

「マリガン。」

リフル。ディール。リフル。相手に渡す。彼がシャッフルとカットをする。6枚数える。

Misty Rainforest ― これだよ、ついにきた!さっきの手札に欲しかったね。
Lotus Petal ― いいね、おそらく。
Ponder ― いいねいいね。
Dark Ritual ― こういうマナは欲しいね。
Misty Rainforest ― これはキープだな。
Brainstorm ― 神!

「キープ。」

彼はトロピからスタートしてPonder――シャッフルこい!――並び替えてドローだ。

オーケー、少なくとも彼はタップアウトだ。Stifleはない。

ドローする――Lion’s Eye Diamondだ。素晴らしい!仕掛けるためのマナは揃った。

今はこれからキャントリップを撃っていくためのマナを確保するべきだな。

Mistyをプレイして切る――残り19――島を持ってくる。「ポンダーだ。」
彼は少し考えて――これをウィルはしないだろう・・・じゃあDazeか?――そして頷く。
僕が見たのは:

Lion’s Eye Diamond
Misty Rainforest
Underground Sea

土地はスレショ相手には常に良い。僕はLED、リチュアル、ペタルを既に持っていて、必要なのは起爆剤と妨害だ。
「シャッフル。」ドローする――Cabal Therapyだ。Probeを引きたいね!

「エンド。」

彼がアンタップしてドローする。Misty Rainforestを出す。こちらを観察する――タップアウトできるか考えているんだろう?――そしてトロピをタップしてNimble Mongooseを出し、エンド。
彼はこちらがコンボだと気づいたようだ。StifleかSpell Pierceがあるのか?

僕は島をアンタップしてドロー――もう1枚のセラピーだ。

そしてダンスが始まる。
そう、僕には2枚のセラピーを使うための信頼できる黒マナが必要だ。このMistyがDeltaだったらなあ。沼は不毛されない・・・彼がStifleを持っているかどうかだけが問題になるんだが。
前方確認のためにペタルを使ってセラピーを撃つ価値があるか?くそ、Probeが欲しい。

「手札は何枚?」彼は5枚を広げる。
多すぎるぞちくしょう。

ペタルと儀式とLEDと2枚の土地で8マナになる――Dazeをケアしてチューターと起爆剤をプレイするのにちょうど十分だ。だとするとペタルは無駄遣いできない。
そして、Brainstormを撃つことは必要だろう。これはピアスされたくない。

Misty Rainforestをプレイし、Lotus Petalをプレイ。彼は頷く。

よし、勝負の時だ。Brainstormをキャスト。

彼は考え、そして頷く。
3枚引く:

Ponder
Misty Rainforest
Brainstorm

長いゲームの始まりだ。
手札にあるカードは全て欲しい。チューターを探すためのキャントリップ、仕掛けるためのマナ加速、妨害をキャストしたり不確定カウンターをかいくぐったりするための土地。
次のターンにフェッチを切ってセラピー開始したくなりそうだけど、このターンは何もせずにいよう。
何をライブラリに混ぜ込もうか・・・僕はまだチューターを手に入れていない。だからできる限り多くのカードを見る必要がある――つまり、キャントリップは残す。彼が持っていそうなDazeや不毛を無効化するために土地が必要だ。儀式とLEDは仕掛けるために欠かせない。なるほど、余っていると言えそうなのは2枚のセラピーだけだ。でも彼がウィルを持っていないことを確かめるために少なくとも1枚は必要で、それは残す。
もう1枚はドローすることにして、Brainstormを隠しておこう。もしも彼が何らかの方法でこちらを強制的にシャッフルさせてきたときでも最高の手札になるようにしておく。

セラピー、ブレストの順に戻す。

「エンド。」

彼はアンタップし、フェッチを切る――エンドステップ中も青マナを残してきた。Stifleがあるのか、それともただのタイトなプレイか?――Volcanic Islandを持ってくる(お互い19)。ドローする。1点アタック(残り18)。

トロピをプレイしてタルモ。
よし、まだ不毛はない。余分な土地を出してきたな。青マナを立てておく必要があるのは間違いないようだ。Spell Pierceであってくれ!

彼がエンドする。

アンタップ。Brainstormを引く。

時間はどれぐらい残っている?
「タルモの大きさは?3/4かな?」彼は数える。「ソーサリー、土地、インスタントで3/4だね。」
4ターン。それで火力圏内だ。

手札は?「4枚。」
オーケー、妨害は限られている。2枚目のセラピーはどこかにやってしまおう。キャントリップで追加の妨害が手に入る可能性は高いだろう。もみ消しチェックの時がきた。

「Mistyを切って17。」「解決だ。」
それを聞きたかった。手札にあるのはSpell Pierceだ。それともスネアを入れているか?
後で見ることにしよう。アンシーを持ってくる――黒マナが必要だ。彼が不毛を持っていないことを祈ろう。

アンシーを出す。いくぞ。ピアスは効かない。

もう1枚のMistyを出す。島をタップして、「ポンダー。」解決する。
見えたのは:

Duress
Dark Ritual
Tendrils of Agony

僕はスペルを何枚持ってる?リチュアル、LED、ブレスト、セラピー、デュレス、今撃ったポンダー・・・6か?ぜんぜん足りないな。テンドリルは無意味だ。まだ仕事をしない。セラピーの狙いを定めるためにデュレスが欲しい。そして儀式はマナ縛りに対抗するのに役立つだろう。デュレスを引き、儀式をトップに残そう。

並び替えて、デュレスをドローする。

ここでデュレスを撃つか?彼がピアスかデイズを持っていたら儀式を強制的にシャッフルさせられてしまうし、ペタルを切る羽目にすらなるかもしれない。しかしここでデュレスを撃たずに彼が不毛を持っていた場合、僕はかなりマズイ状態に陥る。
タルモとマングースでライフは13まで落ちる。おそらくPast in Flamesかチューター連打をする必要が出てくるだろう。トップに積んだ儀式は間違いなく必要になる。

「エンド。」

彼がアンタップしてドロー。4点アタック。残り13。

そのままエンド。
よし、不毛はない。

アンタップしてリチュアルをドロー。のぞき見の時間だ。
アンシーをタップ、「デュレス。」

レスポンスしてブレスト。ちぇ、完璧な情報は得られない!

彼はDaze、Spell Pierce、Delver of Secrets、Tarmogoyf、そしてBrainstormを公開する。
オーケー、こういう手札から隠すものはForce of Willしかない。僕はセラピーをとっておくか、このターンに決められるならブレストを落とすために使う必要がある。
2枚のリチュアルとLEDにペタルと土地を合わせて11マナ得られる。デイズとピアスのために払うと残りは8マナで、もし起爆剤が見つかればセラピーを撃ったうえで勝てるだけのマナがある。でも色マナのトラブルに陥る可能性はあるな。
いや待てよ。
トップに積んであるテンドリルで何とかして勝てないか?

ここまでストームカウントは2だ。2枚のリチュアルとLED、ブレスト、セラピーで7。彼が2回カウンターを使うかカウンターとブレストを撃てば、それで20点だ。彼をそこに誘い込めるか?
アンシーが1枚寝ていて、黒マナはフェッチとペタルだけ。ブレストでテンドリルを引き込むつもりならすぐにMistyを切るわけにはいかない。ブレストでテンドリルを引きにいった場合、彼の助けを借りながらの20点に全てを賭けることになる。正しい判断をするには彼が何をカウンターしようとしているか知る必要がある。

時計は進み続ける・・・

そう、デュレスするものを決めなきゃならない。これ以上計算している時間はない。
ブレストかピアスなのは間違いない。ブレストを落とせば彼の手札を知っている状態になる。そのまま勝てるか?
彼がこちらの儀式かブレストにピアスを使った場合、このターンに勝つのは無理だ。うん、ピアスはどの場合にも問題になる。

「ピアスを落とすよ。」

オーケー、デイズと、おそらくブレストからのウィルがある。ストームは2だ。LEDで3、儀式で4、儀式で5、セラピーで6、ブレストで7――16点しかない。彼がウィルをトップに積んでいるとすると、最初の儀式かLEDをデイズされたときに十分なストームとマナを得るにはテンドリルをシャッフルしなければならない。そしてもう1枚の儀式をウィルされれば終わりだ。
相手のライブラリにあるだろうStifleを無効化するためにフェッチを切り、新たなカードを手に入れて次のターンにブレストを撃とう。

フェッチでアンシーを持ってきて(残り12)、「エンド。」

彼がアンタップしてドロー。4点アタック(残り8)してからトロピを使って2体目のタルモを出し、エンド。
デルバーが手札にあるんだろう?ウィルを持っているというのはたぶん正しいな。

アンタップ。Grim Tutorをドロー。こいつが欲しかったんだ!

よし、勝利の時間だ。
彼が隠したカードはForce of Willだったという想定は正しいものとしよう。
ペタルと3枚の土地があり、2枚のリチュアルとLEDで11マナある。ライフは8でAd Nauseamは無理だ。チューター連打とPast in Flamesルートが残っている。
手札にあるストームは6なので、3枚のチューターが必要だ。これに6マナかかる。加えてセラピーとブレストに2マナ。さらにテンドリルと最初のGrim Tutor・・・15マナ必要――遠い。Past in Flamesルートだな。

Grim TutorとPiFに7マナかかり、墓地から2枚の儀式をキャストするのに8マナ目が必要で、チューターをフラッシュバックしてテンドリルを撃つにはもう2マナ要る。合計10マナだ。これならデイズを撃たれてもぴったり勝てる。悲しいことに、この道筋では隠されていたウィルに負けてしまう。なんとかしてセラピーを組み込む方法を見つけなきゃならない。

LEDは最も大きくマナを伸ばせる。こいつは危険に晒したくない。

僕がブレストを撃って彼がそれをウィルした場合、こちらは10マナ出て彼のライフは18になる。セラピーにレスポンスで何かされない限りデイズを無視できて、そうなればGrimでテンドリルを持ってきてこちらの勝ちだ。
しかし、彼が何もスペルをキャストしなかった場合はこちらが死んでしまう。ストームが1足りない。たぶんペタルのプレイを我慢すべきだったんだろう。まあ今となっては仕方がない話だ。

こちらがセラピーをキャストして彼がウィルした場合、ブレストを撃ってスペルによるマナ加速を見つければチューターチューターテンドリルが可能だ。彼がカウンターしなかった場合、ウィルを落とせるがデイズに負けてしまう。この場合はブレストで2マナ追加できる何かを見つけられるように祈る必要がある。

リチュアルからスタートして彼がそれをカウンターした場合、やはりブレストでマナソースを探す必要があるが、セラピーからの場合よりもかなり難しい。チューター連打ルートから遠ざかってしまう。

よし、セラピーを撃つのが最も多くの道があり、起きうる事態に対応できそうだ。

アンシーをタップ。「そちらを対象にセラピー。」

彼は考え、解決を許可する。Force of Willをコールして1枚落とし、Daze、Delver、Brainstormがまだ手札にある。
彼がブレストで引き入れられるように上から2枚目にウィルを隠していなくてよかった!

ブレストでもう1枚のウィルを入手されたら勝てない。その可能性は無視しよう。ブレストで2枚目のデイズを見つけてこちらの最初の儀式に向けて撃ち、青マナを縛ってくる可能性はケアした方が良いかもしれない。

アンシーをタップしてDark Ritual。ストームは2。解決する。
彼はこちらのマナかストームが足りなくなるようにチューターまで待つつもりみたいだ。賢いね。
BBBが浮いている。

島をタップ、「ブレスト。ストームは3。」解決する。

ドローする――マナこい、マナこい、マナこい:

Cabal Therapy
Polluted Delta
Brainstorm

ちくしょう。

オーケー、彼がブレストかデイズをキャストするようにセラピーで誘うことはできる。だがいつも少し足りないな。
ブレストを信じるべきなんじゃないだろうか。よし、新たなカードが見たい。まずはGrim Tutorでシャッフルした方がいいか?たぶんいいだろう。
ともかく、僕はリチュアルとLEDをキャストしようとしている。彼がそれに対してストームを増やしてくれるか見てみようじゃないか。

「Lion’s Eye Diamondをプレイ、ストーム4。」
ここでついにデイズを使ってくるか?
いや、解決。

「Dark Ritualをプレイ。ストーム5、BBが浮いてる。」解決する。
マナはBBBBBだ。

彼がどこかでデイズを使い、こちらが考えるのをやめてもよくなればいいんだが。デイズによるストームカウントも本当に欲しい・・・ペタル、LED、そして黒5マナ。ブレスト、チューター、テンドリルでは16点しかない。
Past in Flamesをチューターし、ブレストでリチュアルを探し当てるのを祈るしかないと思う。LEDはPast in Flamesをフラッシュバックするためにサクろう。
よし、6手目だ。行くぞ。

「Grim Tutorをプレイしてストームは6、BBが残ってる。」彼がDazeを撃つ。ストームは7だ。

こちらはレスポンスでブレスト+LEDサクリをすることができる。上から3枚目にある未知のカードが何かのスペルかマナソースであれば、テンドリルを持ってくるだけで勝てる。単にデイズを支払った場合はPast in Flamesを持ってくる必要があり、その後ブレストを撃って新しくなったトップ3枚からリチュアル系を見つけられれば勝てる。こっちの方が期待できそうだ。

「払う。浮きは黒1マナ。」

彼は計算し始めて、チューターは解決(残りライフ5)。
僕が考えたことが彼の手がかりとなって、こちらの手札にはインスタントがあり、彼のブレストで何も見つからなければ死ぬということに気づいただろう。そして、彼が意味のあるものをトップに隠していないのは明白だ。

Past in Flamesを手に入れる。

「ペタルをサクって青マナ、ブレストをプレイ、優先権はまだこちら。LEDをサクってRRR、BRRRが浮いててストームは8だ。」
ブレストが解決する。

カモンリチュアル!

Infernal Tutor
Infernal Tutor

届いてくれ!

Cabal Ritual

きた!

2枚のチューターを戻す。

「Cabal Ritualをプレイ、RRが浮いてる。ストームは9。」

レスポンスしてBrainstorm。ストームは10。
ウィルくるな、ウィルくるな、ウィルくるな!

Cabal Ritualにデイズ。「払う。赤1マナが浮いてて、ストーム11。」
Cabal Ritualは解決。
よっしゃ!

「Past in Flamesをフラッシュバック、浮きはBB、ストーム12。」
解決する。

話はこれでおしまい。

「リチュアルたくさんとデュレス、セラピーを再キャスト、そしてGrim Tutorを再キャストしてテンドリル。」
彼は盤面を片付けた。


カット

これで1ゲーム。緊張、厳しい判断、そして正しいタイミングでのちょっとした運。これがコンボの素晴らしさだ。
たぶんどちらのプレイヤーにももっと良いプレイがあったと思う――とても複雑だということはコンボのもう一つの素晴らしい点だ。
疑問に思う人がいるかもしれないので言っておくと、これは実際にあったトーナメントのレポートではないよ。この大きなトーナメントは完全にフィクションだ。このゲーム自体はどうかって?それはあなたが判断してくれ。

このコンボカバレッジの実験を楽しんでくれて、これをカメラの前で実演する人を見るのを少しでも好きになってくれたら嬉しいよ。
もしコンボに興味まで持ってくれたなら、ぜひトライしてほしい!行こう――魅惑のゲームが待ってる。

それじゃあまた次回、これを覚えておいてほしい:真のアクションはあなたの頭の中にある!

Carsten Kotter

StarCityGamesより。
突然の衰微を使った黒緑Pox。

「※ただしSmallに限る」と書かずにいたい。
森知恵を簡単に割れるのは偉いですね。


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Abrupt Decay And Legacy Pox
By Reid Duke
09/27/2012

http://www.starcitygames.com/magic/legacy/24933-Abrupt-Decay-And-Legacy-Pox.html

先日楽しいことがあった。

それはSCGレガシーオープンアトランタでの短い旅のあいだのことだった。このトーナメントで、私は独楽、相殺、土地税、そしてジェイスの入った青白コントロールを使っていた。
ラウンド2で黒単Poxと対戦したときにそれは起こった。私は2タテで負けたんだ。

もちろん読者のみんなはこれを楽しいことだとは思わないだろう。先週末に私に起きた出来事に対してPCの画面の前で笑い転げたりする人はいないだろう。たしかに、私のトーナメントが「短い旅」に終わったことは笑えるかもしれない――これは本当に「短い」ものになってしまったしね――でもそれは笑うところが間違っている。
なぜこれがそんなに楽しいのかというと、私がPoxをプレイするのに絶望していた理由が「青白コントロールとのマッチアップが怖いから」だったためだ。

Thomas ButlerのPoxに敗れたことが、私にこのデッキに対する希望を与えた。フォーマットを変える力を持ったラヴニカへの回帰の新カードがPoxデッキで最高の働きをすることに気づいたとき、本当に興奮した。


B/G Pox
Featured by Reid Duke on 2012-09-30 (Legacy)

Maindeck:
1 Nether Spirit

4 Liliana of the Veil

1 Worm Harvest
4 Smallpox
4 Abrupt Decay
3 Sinkhole
4 Hymn to Tourach
3 Inquisition of Kozilek
4 Dark Ritual
2 Life from the Loam
2 Cursed Scroll
2 Pernicious Deed

4 Wasteland
4 Mishra’s Factory
2 Barren Moor
3 Urborg, Tomb of Yawgmoth
3 Swamp
4 Bayou
2 Polluted Delta
1 Verdant Catacombs
1 Bloodstained Mire
2 Marsh Flats

Sideboard:
2 Pithing Needle
1 Zuran Orb
4 Engineered Plague
2 Leyline of the Void
2 Extirpate
2 Spinning Darkness
1 Nether Void
1 Bojuka Bog


《突然の衰微/Abrupt Decay》

Abrupt Decayはラヴニカへの回帰で最もレガシーにインパクトを与えるであろうカードだ。トーナメントで4マナクリーチャーを見かけないフォーマットにおいて、Abrupt Decayに並ぶ力を持った軽い黒の除去はマジックの長い歴史の中に存在しない。
衰微はデルバーやタルモ、ボブ、聖遺に問答無用で対処できる。それに加えてCounterbalance、Land Tax、装備品、Sulfuric Vortex、そしてSylvan Libraryへの多用途な回答にもなる。打ち消されないという文言によって、あなたはAbrupt Decayに頼ってゲームを組み立てることが可能で、もはやRUGや石鍛冶にテンポで圧倒されることを恐れる必要はない。

私はInnocent Bloodのファンでもあるが、除去は布告系と対象を取るものに分散させておくのが良い。聖遺を出し、次々に教主や東屋を補充して生贄効果から守るバントに私はトーナメントで負けたことがある。

Poxプレイヤーはこういうカードが印刷されるのを長い間待ち望んでいた。生物でも土地でもないパーマネントに対処できないことはPoxデッキの弱点だ。ゲームが長引いたとき、Sylvan Libraryのようなカードが生み出す果てしないアドバンテージには骨が折れる。さらに、Poxのようなじっくりとした消耗戦ベースのデッキには、相手のリソースを確実に奪えないユーティリティカードを入れることは難しい。
さっき述べたように、相殺や土地税を相手にすることが許されないため私はPoxデッキを諦めた。Abrupt Decayはこれらのカードに対処するのにおあつらえ向きだ。

Abrupt DecayはPoxの最大の問題を解決すると同時に、このデッキの除去パッケージを明らかにアップグレードしてくれる。疑問の余地があるかい?


緑の追加

黒緑Poxは既に黒単に代わる選択肢として私の中に存在していた。特に、1月にAli Aintraziが使って素晴らしい結果を出したことは見逃せない。
Life from the Loamはゲーム終盤のカードアドバンテージエンジンをもたらし、Pernicious DeedやMaelstrom Pulseのようなカードにアクセスできるのもナイスだ。言うまでもなく、Abrupt Decayがある今、このデッキに緑を足さずにウトウトしている場合ではない。

Life from the Loamは強力なスタートの後でゲームを終わらせる手段になってくれる。Poxデッキのゴールはゲームをトップ勝負に持ち込むことで、そうなればLiliana of the Veil、Cursed Scroll、Mishra’s Factory、そして土地破壊によってそこそこのアドバンテージが得られる。
今回のバージョンでは、「そこそこのアドバンテージ」では表現が控えめすぎる。ゲームが長引くにつれて、Life from the Loamはフェッチランドによって継続的にアドバンテージを生み、Barren Moorによって圧倒的なエンジンをもたらし、Wastelandによって相手をロックする力を持つ。

発掘カードを入れることでNether Spiritを複数入れることができなくなってしまったのはバッドニュースだ。しかしマナを使ったりドローステップに引いてしまったりすることなくNetherを墓地に落とせることにより、このカードが劇的に強くなったことはグッドニュースだ。

Life from the Loamが2枚しかないデッキで、メインにBarren MoorとサイドにBojuka Bogを入れるのはためらう人がいるかもしれない。一般にレガシーでは戦場に出たときにタップする土地は推奨されない。しかし、Poxデッキは自らのSmallpoxやWastelandから相手よりも早く立ち直るために大量の土地を積んでいる。これらの効率の良くない土地は不便な場合はサイクリングしたり捨てたりすればよく、もしくは1ターン目に他にやることがないときにプレイすることもできる。序盤にプレイして後からロームを引くことを心配する必要はない。SmallpoxやWastelandによって墓地に送り、その後で欲しいときに手札に戻すことができる。

同様に、Worm Harvestはレガシーではたしかに重すぎで、これが初手にあるのを見てゾッとしたくはないだろう。しかしそのような場合でも、これはLilianaやSmallpoxで簡単に捨てることができて、ゲーム終盤に発揮されるパワーにはコストを払うだけの価値がある。
Poxは当初から貴重なごく僅かな勝利手段しか積んでおらず、さらに私はNether Spirit1枚とCursed Scroll1枚を元のリストから削っている。Worm Harvestはたった1枚のスロットしか要求せず、発掘によって直接墓地に落とせるため、ゲーム終盤の信頼できる勝利手段になる。現実的なトップデッキにはほぼ破られることはなく、プレインズウォーカーと戦う合理的な手段にすらなる。

そして、Life from the LoamによってZuran Orbをサイドにとれるようになる。あなたの難題となるバーンにとって、Zuran Orbは乗り越えられない壁になるだろう。

レガシーではPernicious Deedは便利だがあまりプレイされていないカードだ。単にパワーと汎用性を備えたカードであるだけでなく、特にPoxの1対1交換をするゲームプランで問題となるLingering Soulsやクリーチャーの大群戦略への回答になる。

今回のリストには入れなかったが、Maelstrom Pulseも同じくトークンへの回答として有効な選択肢であり、さらにJace, the Mind Sculptorを殺すこともできる。
私はゲーム1にチャンスを掴むためのカードを選抜し、それからサイドにPithing Needleを入れた。針はコントロールの独楽や石鍛冶の装備品も止めることができる。


マッチアップ

RUGデルバー

これは常に素晴らしいマッチアップで、Poxを使う理由でもある。Abrupt DecayはSulfuric VortexやSylvan Libraryのような厄介な置物への保険になり、タルモや虫が手に負えなくなるのを防ぐ追加の手段でもある。RUGプレイヤーはNimble Mongooseに頼るしかなくなるだろうが、あなたはスモポ、リリアナ、ディードを持っている。

相手のクリーチャーよりも多い除去を持っているのはとても楽しいね。

SB:

+1 Zuran Orb
+1 Nether Void

-1 Worm Harvest
-1 Sinkhole

既にメインは対RUGのようなマッチアップ向けに組み上げられているが、効率の良くないWorm Harvestは安全に抜くことができる。RUGデルバーはWorm以外の勝利手段に回答し続けることができないためだ。Zuran OrbはLife from the Loamと合わさって素晴らしく、焼き殺されることへの保険にもなる。このような有利なマッチアップでは時間稼ぎの手段は大歓迎だ。

Nether Voidは、高いけれども、着地させれば彼らをゲームから締め出せるだろう。

マーベリック

これはもう一つの素晴らしいマッチアップで、RUGと似たような感じだ。これら2つのデッキに共通しているものは?緑だ!緑の生物でアタックしようとする相手はみな苦戦することになる。
マーベリックは通常5枚のほぼ死に札となる除去呪文をメインに入れている。ありがたいことに、Poxにとっては「ほぼ死に札」は死に札と同じ意味だ。Swords to Plowsharesの対象を彼らに与える前に、あなたはハンデスによって簡単に彼らの手札を空にすることができる。

SB:

+2 Spinning Darkness

-2 Sinkhole

ここでは、Cursed ScrollがQasali Pridemageに割られたり、復活できる脅威が墓地対策で取り除かれたりする場合に備え、私はWorm Harvestを残す。マーベリックはRUGよりもかなり多くのマナソースを積んでいるため、Nether Voidの信頼性は落ちる。

Engineered Plagueで人間を指定するのはなかなか良いかもしれないが、Pernicious Deedがベストな働きをするようにベンチに残した方が良いだろう。

Stoneblade

このマッチアップはStonebladeに備わるカードアドバンテージとJace, the Mind Sculptorのため多少チャレンジングだ。
土地を割り手札を空にして、できる限りジェイスの着地を妨げよう。そうすれば、その他の回答は全て効果的だ。

SB:

+2 Pithing Needle

-1 Abrupt Decay
-1 Swamp

Poxデッキは広い範囲の土地枚数(23~26枚)で運用することができるが、私は2色目を快適に使い、有用な土地を全て搭載するために26枚一杯の土地をメインに入れている。余計な土地は次々にサクリファイスしたり捨てたりできるため、余り過ぎることはほとんどない。しかし、自分で不毛を使わないデッキを相手にする場合は気楽に1枚か2枚の沼をサイドアウトすることができる。

特にLingering Soulsを相手にするのが苦しい場合は、Night of Souls’ Betrayalをサイドに加えよう(これはマーベリックや部族デッキ相手にも使える)。未練、瞬唱、ヴェンディリオンを一度に流すことでエスパー石鍛冶の背骨を折ることができる。

青白コントロール

このマッチアップは簡単ではないが、今や勝つために必要な道具は揃っている。
最も簡単な勝利への道は回答されないリリアナだ。そのためハンデスはピアス、カンスペ、忘却の輪を落とすために使おう。相殺や土地税、ヴェンディリオンに対してAbrupt Decayを使う。独楽とジェイスにPithing Needleを使う。彼らのクリーチャー除去はまったく気にしなくて良い!

3色の構築は倒すのがかなり簡単になる。Wastelandに弱くなるうえに、3色目はサイドのElemental Blast用で、このマッチアップではまったく役に立たない。

SB:

+2 Pithing Needle

-1 Smallpox
-1 Swamp

Smallpoxはこのデッキで最高のカードだが、ソーサリースピードの生物が入っていないデッキ相手ではベストなカードではない。Pithing NeedleとAbrupt Decayによって彼らの主なエンジンは全て機能停止させることが可能で、ガレージの中でアイドリングしてスクラップにされるのを待っている壊れたビュイックが彼らに残されることになる。

ゴブリン

SCGインビテーショナルで力強い結果を残し、レガシーオープンでMax Tietzeが勝利して、ゴブリンは今週ホットなデッキだ。そのことがストレスを感じる理由にはならないが、他のデッキよりも多少リスペクトする理由にはなる。

SB:

+1 Zuran Orb
+2 Spinning Darkness
+4 Engineered Plague

-3 Sinkhole
-3 Inquisition of Kozilek
-1 Hymn to Tourach

サイドボードの対策が無いとき、ゴブリン相手は厳しいマッチアップだ。Poxは1対1交換が全てなのに対して、ゴブリンはテーブルに50体の生物を並べることが全てだからだ。
しかし、場をきれいにするため、Cursed Scrollに2枚のPernicious Deedと4枚のEngineered Plagueを加えることで、このマッチアップはまともに有利になる。

Poxはレガシーを揺さぶるのに最高の位置にいる。新たに印刷されるカードAbrupt Decayを最もうまく使うことができ、現在メインストリームのデッキとは完全に異なるやり方でフォーマットに攻め入ることができる。
試してみてくれ!

StarCityGamesより。
RtRのカードを使ったデッキのアイデア。

新環境の新デッキ予想に定評のあるCarsten Kotterがまたアイデアを記事にしてくれました。


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Eternal Europe - Impressions From The City
By Carsten Kotter
09/21/2012

http://www.starcitygames.com/magic/legacy/24904-Eternal-Europe-Impressions-From-The-City.html

さあ、スポイラーシーズンがやってきた。どこからともなく現れるマジックの未来からやってきたカードを目にして、あなたは毎日素敵な思いをしていることだろう。
そして今回スポイラーをチェックするのが楽しいのは、ただ素晴らしい新カードを見られるからだけではなく、セットの全体的なデザインがずば抜けているからでもある。新カード自体にワクワクするだけじゃなく、ラヴニカへの回帰でウィザーズがやったゲームの作り方についても僕は本当にエキサイトしてる。

このセットはここ数年で最もうまくデザインされていると思うぐらいまとまってる。本当に美しいカードがたくさんある。
コンボデッキをスローダウンさせられる影響力を持った対策カードもあるけど、「この対策カードに回答できるかい?無理?じゃあゲームオーバーだ」的な別ゲー化を避けられる程度の力に抑えられている。この別ゲー化のおかげでLeyline of the Voidみたいなカードを使うのはあまり面白くない。LeylineやGaddock Teeg、Grafdigger’s Cageの代わりに、安くて効率的でメインに入れられるユーティリティ生物を僕らは手に入れようとしている。

(今のところ一つ残念なのはRest in Peaceだ。ドレッジプレイヤーが築いた努力をこのカードが全て無にして、さらに復旧を不可能にすることを考えれば、ドレッジが今より幅を利かせるような状況になるとは僕には思えない。古典的な「対処するか死か」的な対策カードが結果的に重荷となってゲームを悪くしてしまわないか心配だ。実際、これまで僕らはドレッジに対処する道具を持っていなかったわけじゃない。けど、それ以外全ての美しくデザインされたカードの中でただひとつの例外なら忘れていられるね。)

Dryad Militantはドレッジに(今よりは)フェアなゲームをすることを強いる(Cabal TherapyとDread Returnを封じて)。ドレッジはお行儀よくIchoridとBridge from Belowからのたくさんのゾンビでじっくり勝たなきゃならない。

ストームとショーテルがJudge’s Familiar(Cursecatcher)をかいくぐって勝つのは簡単だけど、こいつによって重要な1ターンを稼ぐことでヘイトベアー(例えばThaliaかな?)を出せたり、もしくは相手が動けないようにマナベースを攻め始めたりできることはよくあるだろうね。

Deathrite Shamanはフェッチランドに溢れたフォーマットでは完全にサービスの良いBirds of Paradiseだ。いったん動き出せばNimble MongooseやSnapcaster MageからReanimateやLife from the Loamまで、なんでも殺すことができる、その方があなた自身を加速させるよりも良さそうならね――1ターンに1回ではあるけど。そして1マナであり、場に早く出ることによってこのわりと地味な妨害能力が実に問題になる。

セットの伝統的な見所である、過去最大のファッティも絵に描いたように見事だ。15/15トランプルで死亡したときにまた別のパワー15を残すというのは、間違いなくティミーたちを喜ばせるのに十分印象的だ。
その一方で、これはエムラやグリセルを上回るわけじゃない。Worldspine Wurmを場に出すことはすなわちゲームの終わりではない。これは強いインパクトがあり、驚くほどのサイズを持ち、なおかつエターナルフォーマットで現実的なバランスに収まっている完璧なカードだ。

このセットの残りの部分を見ると、Delver of SecretsやGeist of Saint Traftがいるようには見えない。つまり、面白さを損なうポイントまでゲームを短くしてしまう頭の悪い安すぎる脅威はおらず、代わりに効率が良く柔軟な回答たちを僕らはたくさん手に入れる。これらは2色を(そして少なくとも2マナを)使うという制約を使用者に課すことによってバランスが取られている。

回答カードについて話をすると、カウンターできないサイクルはイマイチ気が乗らないメカニズムだ。これは僕が呪禁を好きじゃないのと同じ理由だ――お互いに干渉する機会を減らす。
けれどもここには大きな違いがある。これらのカードは全て回答であって、脅威じゃない(例外であるLoxodon Smiterもカウンター以外の方法で簡単に対処することができる)。つまりこれらのカードのカウンターできない能力は、カウンター呪文の傘すら突き抜けて相手のプランを崩す力を持っているので、実際には干渉するチャンスを増やしそうだ――干渉されない能力によってより多くの干渉をもたらす、変な話だけどね。もしあなたが人々に干渉するのをやめさせるメカニズムを探しているなら、これはいい方法なんじゃないかな、うん。


命令に従って

全体的に見て、ラヴニカへの回帰はスライス食パンの発明以来の最高に良いものに見える。
このセットは軽くて柔軟なユーティリティカードに溢れていて、プレイヤーにいくつもの戦略を取らせてくれて、そのほとんどは単純なダメージレースをしたり頭の悪い切り札を叩きつけたりではなく、しっかりとやり取りのあるゲームプレイへ向かう戦略だ。

唯一少ないと思われるのは――ただ僕が見逃しているだけかもしれないけど――実戦レベルのパワーを引き出すために工夫してやろうと心の底から思わせるカードだ。
Birthing PodやSquandered Resources、Scapeshift、Pyromancer Ascension、Tendrils of Agony、そしてSurvival of the Fittest――そのカードを中心にしたオリジナルデッキを(少なくともレガシー向けに)本当に作りたいと思わせるカードで満足いくものがこのセットにはほとんどない。このちょっとしたごちそう以外には:

Jarad’s Orders / ジャラドの命令 (2)(B)(G)
ソーサリー
あなたのライブラリーからクリーチャー・カードを最大2枚まで探し、それらを公開する。それらの一方をあなたの手札に加え、他方をあなたの墓地に置く。その後、あなたのライブラリーを切り直す。


このカードはレガシーでプレイに値する別のOrderを想い起こさせる:Natural Orderを。4マナカード1枚のエンジンは、あなたのデッキが正しく準備されていれば1枚コンボになる。
どうやって正しく準備するのかって?聞いてくれて嬉しいよ。これまでの僕の研究で行き着いたのがこれだ:

Loyal Retainers / 忠臣 (2)(W)
クリーチャー - 人間(Human) アドバイザー(Advisor)
忠臣を生け贄に捧げる:あなたの墓地にある伝説のクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを戦場に戻す。この能力は、あなたのターンの間で、攻撃クリーチャーが指定される前にのみ起動できる。
1/1


こいつはかなり直接的だ:Loyal Retainersを手札に、そしてあなたの選んだ巨大な壊れたレジェンドを墓地に落とす(おそらく最高の選択肢として、オススメはIona, Shield of EmeriaかElesh Norn, Grand CenobiteかGriselbrandだ)。次に、あなたが7マナ使えるなら、忠臣を出してサクリファイスし、ぶっ壊れファッティをすぐさま場に出す。まだ7マナを用意できていない場合は、ごめん、次のターンまで待つ必要がある――それでも十分妥当だと思うけどね。

(そう、Loyal Retainersがひどく高いことは知っていて、Grim Tutorのようなポータル/スターターの他のお宝とともにプレミア製品で本当に再印刷されてほしい。ウィザーズがこの記事を読んで同意してくれることを願おう。念のために言っておくと、僕はちゃんとGrim Tutor一式を持っているよ。)

他に比較対象になるエンジンが3つある:Natural Order(Progenitusまたは最新の緑のマンモス脅威Worldspine Wurmを持ってこれる)、Gifts Ungiven、Intuition(両方ともファッティとUnburial Ritesを持ってこれて、Intuitionの場合はGigapedeによって必要なカードを2枚とも墓地に置ける)だ。

Natural Orderと比べると、あなたのクリーチャーを全て殺されることへの耐性があり、より広い範囲のファッティから選べる点とファッティが適切でない場面で別の選択肢を選べる点で柔軟性がある。
GiftsとIntuitionよりもJarad’s Ordersを使う大きな理由は、Unburial Ritesのフラッシュバックほど一撃に全てを賭けたコンボプランじゃなくなることで(Unburial Ritesがカウンターされたらコンボプランはいっかんの終わり)、デッキに残っている補助プランによって立て直しが可能だ。

どうしてJarad’s Ordersだとコンボに補助プランを用意できるんだろう?その理由は、僕がほとんどのJarad’s Ordersデッキに入れるべきだと考えているジャッジメントのちょっとした男前のためだ:

Genesis / 起源 (4)(G)
クリーチャー - インカーネーション(Incarnation)
あなたのアップキープの開始時に、起源があなたの墓地にある場合、あなたは(2)(G)を支払ってもよい。そうした場合、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す。
4/4


こいつはLoyal Retainersプランとは完全に違う方向を向いている。ゲームを終わらせてくれることを祈って1体のファッティを出す以外に、長距離プランが用意されている。
Genesisはまた別の、時間をかけるカード再利用エンジンとして使うことができる。通常ドローをしつつShriekmawを想起するために手札に入れたりすることを毎ターン行うことができる。Fleshbag Marauderも似たようなループが可能で、こちらはプロテクションや被覆、呪禁に対処できる。Qasali Pridemageによって場に長く残れるアーティファクトやエンチャントはなくなる。
軽くて、無限に再利用することでコントロール相手に効くクリーチャーを僕はまだ探してる。脅威をGenesisループで使いまわせるだけで十分かもしれないけどね。

もういくつか組み込めそうだ――黒緑なのでおそらくPernicious Deedが使える――Eternal Witnessを再利用することでボードを常にきれいにしておくこともできる(毎回少なくともX=3でDeedを起動すればね)。

Genesisは上で書いたような相手の妨害を乗り越えてコンボを決めるためのバックアップにもなる。一度忠臣が止められても、次のJarad’s OrdersでGenesisを墓地に落とせばその後何度もリトライできる。そうだ、一発目のOrdersでEternal WitnessとGenesisを持ってくれば、Ordersの再利用を止めるのはとても難しくなるぞ(Witnessのサクリ台は明らかに役に立ちそうだ)。そうなれば相手が回答を使い果たすまで忠臣のキャストと回収を繰り返す動きを始めることができる。

これがジャラドが僕らにやれと命令していることなら、最高の実現方法はどんなものになるだろう?
まず考えなきゃならないのは、こちらのコンボはすごく速いわけじゃないってことだ(4プラス3マナを使って、相手をすぐさま倒すのではなくファッティを出す)。だから相手とレースをするわけにはいかない。こちらの強みは、完全に別の角度から相手を攻めるコンボがハイブリッドされていることだ。

この手のフィニッシュ手段を探しているデッキの一つがNic Fitだ。このデッキは同じような機能を持つScapeshiftによるフィニッシュを既に組み込んでうまくいってる。ScapeshiftではなくOrdersを入れる理由は、柔軟性があること(Ordersはただフィニッシュ手段になるだけじゃない)と、マナベースを乱す必要がないこと(Stomping Groundsをレガシーで使うのかい?本当に?)、そしてこれが重要なんだが、実際は7枚以上の土地を場に並べる必要がなく土地破壊への耐性が向上することだ。

何ゲームかプレイして見込みのある結果を得られたリストはこんな感じだ:


Nic Fit
Featured by Carsten Kotter on 2012-09-23 (Legacy)

Maindeck:
4 Veteran Explorer
1 Scavenging Ooze
2 Eternal Witness
1 Knight of the Reliquary
1 Fleshbag Marauder
1 Loyal Retainers
3 Shriekmaw
1 Thragtusk
1 Genesis
1 Griselbrand

2 Liliana of the Veil

4 Jarad’s Orders
4 Green Sun’s Zenith
4 Cabal Therapy
3 Sensei’s Divining Top
3 Pernicious Deed

1 Dryad Arbor
4 Forest
1 Plains
3 Swamp
3 Bayou
2 Savannah
4 Verdant Catacombs
3 Windswept Heath
1 Karakas
1 Phyrexian Tower
1 Volrath’s Stronghold


今のところグリセルを入れているけどイオナやエリシュになるかもしれない。ファッティをドローしてしまうのは無様なのでメインのファッティは1枚だけにしておきたいんだ。Lilianaを出していないときに1枚引いても大丈夫なように、あなたは2枚入れておきたくなるかもしれないけどね。
どのファッティがこのデッキにとってベストなのかまだ分からないので、毎回ファッティを出したときにどれが欲しかったかを記録しておいてメインに入れるものを選ぼうと思う。残りは適切なマッチアップで使えるようにサイドボードに入れるよ。

このリストは明らかにまだ粗いけど、今のところテストではかなりうまくいってる。僕がまだ気づいていないけど読者のみんなならすぐに思いつくような改善点もあるんじゃないかな。

ひとつ言っておくと、まだリストは完成してないけど別のアプローチについても考えてる。JunkスタイルのアグロコントロールデッキでもJaradを使う価値があるかもしれないと思ってる。上で述べたGenesisの再利用エンジン(と忠臣コンボ)だけでなく、全てのルーンの母たちの母:Gloryを使うこともできる。

そのときのシチュエーションに最適な脅威に加えてあなたの軍勢にプロテクションを与える能力を得ることは、2BGを払ってでもやる価値があるように思う。守りの硬い相手にGenesisエンジンでじっくりと勝つプランも組み合わせられることを考えればなおさらだ。
さらにインスピレーションが必要な人には考える材料になるんじゃないかな。


レスト・イン・コンボピース

Rest in Peaceはやりすぎな対策カードで、このセットで一番嬉しくないカードの一つだと僕が言ったのを覚えているかな?
結局、このカードは愛すべき性質を持っていることが分かった。簡単にハードキャストできて両者に影響するLeyline of the Voidというのは、ただドレッジを倒す以外にも実際かなり面白い使い道がある。この2枚のカードを見てくれ:

Helm of Obedience (4)
アーティファクト
(X),(T):対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを、この方法でクリーチャー・カードかカードがX枚置かれるかするまで自分の墓地に置く。この方法によりクリーチャー・カードが墓地に置かれた場合、Helm of Obedienceを生け贄に捧げるとともにそのカードをあなたのコントロール下で戦場に出す。Xは0にできない。


Energy Field / エネルギー・フィールド (1)(U)
エンチャント
あなたがコントロールしていない発生源から、あなたに与えられるすべてのダメージを軽減する。
いずれかの領域からカードがあなたの墓地に置かれたとき、エネルギー・フィールドを生け贄に捧げる。


話をしようか。

気づいていない人のために言うと、Rest in Peaceが出ているときにHelm of Obedienceを起動すれば、Helmの能力によって相手の墓地にはカードが1枚も落ちないため、相手のデッキを完全に削り切ることができる。7マナと2枚のカードによる即死コンボだ。とても素敵だね。

以前からこれと同じことがLeyline of the Voidによって可能だったけれど、Leylineがない手札でゲームを始めた場合がすごくお粗末なデッキだった(LeylineとHelmをハードキャストするのはおそろしく遅い)。僕の考えでは、これが使われなかった大きな理由だ。
ここでRest in Peaceを使った場合、あなたは1ターン目にライブラリを操作して、2ターン目にRest in Peaceを出し、3ターン目にTutorを撃って、4ターン目にHelmを着地させることになる。これはLeylineよりもだいぶ安定したやり方に見える。

このちょっと重めのコンボをペインターコンボの代わりに使う理由はいくつかある。
まず真っ先にあるのがクリーチャー除去を無視できることで、現状のレガシーデッキたちを考えればこれはとても大きい。
2つ目は、コンボに加えてショーテルデッキのエムラを墓地から除去する手段を探す必要がないことだ。また、Rest in Peace(と起きた土地1つ)が出るとすぐに、ショーテルデッキはその名前になっているカードをキャストすることすらできなくなってしまう――あなたはHelmを出して結局彼らを倒してしまうだろう!

Rest in Peace / 安らかなる眠り (1)(W)
エンチャント
安らかなる眠りが戦場に出たとき、すべての墓地にあるすべてのカードを追放する。
いずれかのカードかトークンが、いずれかの領域からいずれかの墓地に置かれる場合、代わりにそれを追放する。


最後の理由は、コンボピースがどちらも単体でユーティリティになることだ。これまでに印刷された中でRest in Peaceがおそらく最強のドレッジ対策になるだろうことは既に述べたね(出す前に彼らがこちらを殺せないと想定してはいるけど)。だけどそれだけじゃない。それ以外のデッキの少なくとも半数はこのカードを本当に見たくない。

Rest in Peaceによってタルモは0/1に固定され、Nimble Mongooseは1/1のままになり、Knight of the Reliquaryが元の2/2のサイズを超えることはなくなる。ANTはCabal Ritualのスレッショルドを達成できなくなり、Past in Flamesルートを失う。リアニは何もできなくなり、Scavenging OozeやSnapcaster Mage、Lingering Soulsも墓地から恩恵を受けられなければかなり悪いカードになる。

Helmも同じで、場にあって最高のものではないけれども、ショーテルやリアニデッキを削り始めれば楽しくなってくると思うよ。奇跡デッキを相手にする場合、Helmだけでも十分勝利手段になる(多くのリストはクリーチャーレスだ)。特に独楽のタップにレスポンスしてEntreat the Angelsを取り除くのにも使えるからね。

Helm of Obedienceとの関係ばかり話しているのに、どうして上でEnergy Fieldを挙げたのかって?うん、これはRest in Peaceが一つ重要な点でLeyline of the Voidと違うはたらきをする:両プレイヤーに影響するからこそ可能なことなんだ。つまり、Rest in Peaceが出ているかぎりEnergy Fieldは決して誘発せず、対戦相手が直接対処するまではあなたをダメージから守り続ける。
これはほとんどコンボで、いくつかのデッキ(例えば少なくともサイド前のゴブリン、フィッシュ、カナスレ)はEnergy Fieldにまったく触ることができないし、他のデッキも直接Energy Fieldを壊すか、Rest in Peaceを壊してからあなたのカードを何か墓地に落とすかするまではスローダウンさせることができる――これは先にHelmで相手を倒すための時間としては十分に長い。

両方のシナジーを使うことにより、コンボフィニッシュを持った合理的で強力なプリズンコントロールデッキができあがる。たぶんこういうのじゃないかな?


Rest in Pieces
Featured by Carsten Kotter on 2012-09-23 (Legacy)

Maindeck:
2 Helm of Obedience
1 Ensnaring Bridge
1 Pithing Needle
4 Sensei’s Divining Top

2 Counterbalance
1 Detention Sphere
3 Energy Field
1 Humility
4 Rest in Peace

3 Enlightened Tutor
4 Brainstorm
4 Force of Will
3 Spell Pierce
4 Swords to Plowshares

2 Jace, the Mind Sculptor

7 Island
2 Plains
1 Seat of the Synod
3 Tundra
4 Flooded Strand
3 Polluted Delta
1 Academy Ruins
1 Karakas

Sideboard:
2 Engineered Explosives
2 Helm of Obedience
2 Counterbalance
1 Energy Field
1 Future Sight
1 Humility
4 Leyline of the Void
2 Oblivion Ring
2 Flusterstorm


これは僕がこれからテストしようとしているリストだってことには気をつけてほしい(メインは61枚になってるしね)。このデッキの構築において決してこのリストが正しいとは言えない。
Land Tax(に加えて加速とTaxとのシナジーのためのMox Diamond)との組み合わせもたぶん試すべきだろうし、重いカードのためにAncient Tombを何枚か入れたくなるかもしれないし、そしてたぶん――本当にたぶんだけど――クリーチャーに対するこのデッキ最大の防御エンジンがEnergy Fieldロックだということを考えると、ジェイスはこのデッキが求めているものじゃない。それでもジェイスはジェイスだし、Ensnaring Bridgeはある。

17枚のサイドボードも明らかに草案だけど、Oblivion Ring(プレインズウォーカーとChokeとShow and Tell対策)とLeyline of the Voidを入れることには自信を持ってる。
Leylineはこのデッキでは特に素晴らしくて、最速の墓地対策(墓地デッキはRest in Peaceが遅いという穴をついてくる)と、干渉手段をサイドアウトしてコンボデッキに変形する能力の両方を与えてくれる。3枚のチューター、4枚のHelm、そして8枚の「Leyline」によって、サイド後はショーテルレベルまでコンボピースを入れることができる。


夕陽の中へ

ラヴニカへの回帰が、脅威を強くするのに集中するのではなく、ここ数年続いてきたクリーチャーの強化よりも脅威と回答のバランスに強く焦点をあてて、マジックのデザインの新たな時代の始まりになることを僕は本当に願っている。
これまでのところ、このセットは言葉では表しきれないほど僕にとって印象的で、変に聞こえるかもしれないけど、僕のCounterbalanceがAbrupt Decayで破られるのが本当に楽しみだよ。楽しむための回答がマジックには必要だ、というのはシンプルな真実だね。

あなたが、マジックの最新セットへの僕の情熱を共有してくれたら、そしてそれを上回ってくれたら嬉しいよ。
僕の一番最近のデッキ構築の探検は、あなたが新カードでやりたいことについてもたぶん何かのアイデアの種になるんじゃないかな。そうだといいんだけど。
もし僕の言うことを真面目に聞くのに理由が必要なら、TerminusとOmniscienceについて僕がここSCGで最初に言っていたことを思い出そう――これまでも僕はかなり理に適ったことを言ってきたつもりだよ。
あなたはどう考えているか、コメントで教えてね。
ではまた次回:ギルドの都を楽しもう!

(※訳注:Carsten KotterがTerminus発売時に奇跡コントロールについて書いた記事はこちら(英語)→http://www.starcitygames.com/magic/legacy/24053_Get_Ready_To_Terminate.html
Omniscience発売前にOmni-Tellの原型を書いた記事はこちら(拙訳)→http://radish.diarynote.jp/201207060656014851/

Carsten Kotter

StarCityGamesより。
「全知かスニークか」「Gainsayのエンチャントレス」「独創的なMOレガシーデッキ」の3本立て。

工夫の余地はいくらでもある。だからやめられないんですよね。


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Creativity Isn’t Dead
By Drew Levin
08/22/2012

http://www.starcitygames.com/magic/legacy/24728-Creativity-Isnt-Dead.html

先週末、2つの大きなレガシートーナメントが開催された。インディアナポリスでは350人を超える人々がレガシー世界選手権に参加するためGen Conに集まった。同時に、350人を超える最高のMOプレイヤーたちがMagic Online Championship Series(MOCS)に参加するためノートPCに集まった。
2つのトップ8はかなり異なっているが、両トーナメントで同じカードが優勝した:Show and Tellだ。

優勝した2つのリストにはいくつか違いがある。

Gen Conの勝者は大量のエムラとグリセルを入れ、Sneak Attackをハードキャストして1998年にやっていたのと同じように怪物を突撃させる合理的な補助プランを備えた古き良きスニークショーを使った。


Sneak and Show
A Legacy deck, by Chris Bergeson
1st place at a Misc. tournament in Indianapolis on 2012-08-19

Maindeck:
4 Emrakul, the Aeons Torn
3 Griselbrand
1 Simian Spirit Guide

4 Show and Tell
4 Sneak Attack
4 Brainstorm
4 Ponder
2 Intuition
3 Overmaster
4 Force of Will
3 Spell Pierce
4 Lotus Petal

3 Island
1 Mountain
3 Volcanic Island
4 Scalding Tarn
2 Polluted Delta
2 Flooded Strand
1 Misty Rainforest
2 Ancient Tomb
2 City of Traitors

Sideboard:
4 Defense Grid
1 Pithing Needle
2 Relic of Progenitus
1 Ancient Grudge
1 Red Elemental Blast
2 Submerge
2 Wipe Away
2 Karakas


MOCSの勝者はよりShow and Tell中心にフォーカスしたデッキを使った。彼はShow and Tellがいったん解決してからは複数の勝利手段を持っていたが、その勝利はShow and Tellの解決に完全に依存していた。そのため、彼は2枚のPersonal Tutorと4枚のBurning Wishを積み、実質9枚のShow and Tellを搭載した。


Omni-Tell
A Legacy deck, by jacksad
1st place at a MO Championship on 2012-08-19

Maindeck:
2 Emrakul, the Aeons Torn
2 Griselbrand

2 Jace, the Mind Sculptor

4 Omniscience
3 Show and Tell
4 Burning Wish
4 Brainstorm
4 Ponder
4 Preordain
2 Personal Tutor
4 Daze
4 Force of Will
2 Lotus Petal

2 Island
4 Volcanic Island
2 Underground Sea
4 Scalding Tarn
2 Flooded Strand
1 Polluted Delta
3 Ancient Tomb
2 City of Traitors

Sideboard:
2 Grafdigger’s Cage
2 Pithing Needle
3 Red Elemental Blast
3 Massacre
1 Grapeshot
1 Petals of Insight
1 Pyroclasm
1 Show and Tell
1 Thoughtseize


MOCS勝者のjacksadはShow and Tellでコストを踏み倒す勝利手段パッケージとして2枚のグリセルと2枚のエムラ、そして4枚の全知を使った。全知がどのように人を殺すかよく知らない人のために言うと、よくある無限コンボは以下のものだ:

Step 1: 全知を場に出す。
Step 2: Burning Wishをキャストし、Petals of Insightを手に入れる。
Step 3: Petals of Insightを少なくとも相手のライフ分の回数キャストし、最終的にBurning Wish入りの3枚をトップに持ってくる。理屈の上では同時にForce of Willと青いカードを引くことも可能だが、もし相手がWillを持っていればShow and TellかBurning Wishに使っていたはずなので、ここで完璧な3枚を見つけようと苦心しすぎることはないだろう。
Step 4: Petals of InsightをAncestral Recallとして解決させてBurning Wishを引く。これを唱えてGrapeshotを手に入れ、可哀想な対戦相手めがけて撃ちこむ(数えきれないストームコピーとともに)。


どちらのデッキをプレイすべきか?

今のところどちらのショーテルデッキを使うのが良いのか、どうやったら評価できるだろう?
まずは2つのデッキを部品に分解することができる。

マナベースのレベルでは、スニークショーの方が少しだけ安定しており爆発力があるが、汎用性は失っている。スニークショーは基本土地を4枚積んでいるのに対してOmni-Tellは2枚だ。また土地を使わずにマナを得る手段をスニークショーは5枚積んでいるのに対してOmni-Tellは2枚だ。
しかしOmni-Tellは3色目を持ち、スニークショーにはできない全体除去をサイドボードに入れている。これによってクリーチャーの群れに効果的に干渉する能力を得ている。

ゲームプランのレベルでは、スニークショーの方が速度は上でゲームを終わらせる手段の数は多いが、ゲームを終わらせるパワーはOmni-Tellの方が高い。
このスニークショーのリストが追加のキャントリップと防御手段として、Eli KassisのイノベーションであるOvermasterを採用していることには注意が必要だ。このデッキを相手にする場合、OvermasterからのShow and Tellを打ち破らねばならない。

戦術レベルでは、スニークショーは怪物を場に転がしアタックするために8枚のキーカードのうち1枚を解決させるが、勝つためにできることはそれだけだ。例えば、このデッキは1ゲーム目に解決したEnsnaring Bridgeに対しては何もできない。Humilityも同じ、Peacekeeperも同じだ。お分かりの通り、スニークショーは勝つためにアタックする必要がある。

一方、Omni-Tellはよりじっくりと細く狭い勝利への道を行く―ゲーム中のどこかでShow and Tellを解決させる必要がある―しかし、そのキースペルをいったん解決させれば非常に広い範囲のカードで勝つことができる。例えば、勝つためにアタックする必要はない。このデッキにとってKarakasを破るのは取るに足らないことだ。Qasali Pridemageに対してはスニークショーよりもおそらく悪いが、Terminusに対してはかなり良い。

これはつまり、RUG相手など、妨害への耐性や相手への干渉手段よりもスピードが重要となるマッチアップではスニークショーの方が良さそうだが、長期戦になったりエムラやグリセルが勝利に直結しないマッチアップではOmni-Tellの方が良くなるということだ。環境にいるコントロールデッキが受動的な回答ベースのゲームをしようとすることが多いメタゲームにおいては、アタックせずに殺せることは非常に強力だ。

青白コントロールデッキは独楽でTerminusを準備してアタックを防ぎ、相殺を解決してスペルを防ぎ、Humilityを突き出してアタックによる勝利を防ごうとする。

アタックの要らないプランを持つことは重要だ。全知とジェイスはHumilityを破る2つの強力な戦略拠点だ。全知デッキは勝つためにShow and Tellをキャストする必要がある以上、ショーテルから出てくる相手のHumilityを打ち破れるようにもしておかねばならない。
青白コントロールデッキのパワーが高く、彼らのサイドボードには一様にエムラ/グリセルデッキへの「回答」としてHumilityが入っているため、私は今のところはスニークショーよりも全知を使うだろう。

もしもいま私が青白コントロールを使うことになったら、サイドボードにはShow and Tellとのマッチアップ向けに4枚のMeddling Mageを入れるだろう。Show and Tell対策にHumilityを使うのでは全知に負けることになる。
Meddling Mageを使うことにより、このマッチアップでの正しい役割―アグロ側―に立つことができる。全知デッキのあらゆる勝利手段に回答しようとすれば勝負に負ける。しかし彼らのクリティカルなカードを叩き、同時に2点アタックもすることによって、より多くのゲームを支配できる。

Meddling Mageを推すもう一つのポイントは、青白コントロールは昔から2マナ域が薄いという点だ。これは相殺でBurning Wishをカウンターするために2マナがトップに必要なときに問題となる。
もちろん、jacksadのリストで出番を待っているMassacreからMageを守れるようにする必要はあるだろう。しかしそれでも、無意味なHumilityを握りしめながら彼らがShow and TellとOmniscienceを揃えるのを待つよりは、Show and TellをMageで封じる方を私は選ぶ。


誰も聞いたことのない最高のレガシーデッキ

Andrew Cuneoという名前を聞いたことがないだろうか?
より若い世代にはMOのGainsayとして知られている彼は、2000年代初期にこのゲームを定義付けた元祖CMUプレイヤーたちの一人だった。Budde、Mowshowitz、Nassif、そしてForsytheらが率いるチームがフィーチャーされた団体戦プロツアー(※訳注:PT New York 2001)で彼はトップ4に入った。彼は優れたデッキビルダーで、ほとんどの人が到達できないレベルでこのゲームを理解している。
その知恵、彼のMOCSのリストを見てみよう:


G/U Enchantress
A Legacy deck, by Gainsay
5th place at a MO Championship on 2012-08-19

Maindeck:
4 Argothian Enchantress
4 Cloud of Faeries
2 Eternal Witness

4 Green Sun’s Zenith
1 Mindbreak Trap

4 Enchantress’s Presence
2 Carpet of Flowers
4 Elephant Grass
4 Seal of Removal
1 Seal of Primordium
2 Words of Wind
4 Utopia Sprawl
4 Wild Growth
1 Chrome Mox

7 Forest
2 Island
1 Savannah
2 Tropical Island
4 Misty Rainforest
3 Windswept Heath

Sideboard:
1 Tormod’s Crypt
1 Harmonic Sliver
1 Carpet of Flowers
2 Chill
1 Compost
1 Energy Field
1 Seal of Primordium
1 Krosan Grip
2 Mindbreak Trap
1 Gaddock Teeg
2 Jace, the Mind Sculptor
1 Lignify


まだ眉間にしわは寄せないで。これは普通のエンチャントレスデッキじゃない。これはまったく無駄のない、しっかりと造られたマシーンだ。

彼が使っているエンジンはよく知られている:軽いエンチャントベースのマナ加速Wild GrowthとUtopia Sprawlを燃料にしてEnchantress’s PresenceとArgothian Enchantress(と同じくGreen Sun’s Zenith)を組み合わせたカードドローエンジンだ。
残りの10枚の1マナエンチャントはジュースがうまく流れるように保ち、かつレガシーの広範囲に渡る問題への回答を与えている。

Cloud of Faeriesはコンボターン中の巨大なRitualであり、かつ終盤に相手を殺す手段になっている。
同じように、Eternal Witnessは序盤には重要なコンボパーツを拾うことができ、かつSeal of Removalと組み合わせて相手のボード全てを延々とバウンスすることができる。X1GGUを支払うごとにX個のパーマネントがバウンスされる。Xは場に出しているエンチャントレスの数であり、Words of Windを起動できる回数だ。

このデッキで印象的なのは無駄がまったくないことだ。繰り返そう:このデッキの全てのスロットはコンボエンジンのパーツになっている。
このデッキがともかく必要としている6枚のユーティリティクリーチャーが最終的に相手を殺す。もちろん、4枚のCloud of Faeriesと2枚のEternal Witnessで相手を殺すというのは特に華やかではないかもしれない。しかし、Griselbrandや20体のゴブリントークンなどのやり方で勝ったからといって追加のマッチポイントを貰えるわけではない。1勝は1勝だ。
もしあなたがこのデッキからなにも学んでいないなら、あなたのエンチャントレスデッキにエムラを突っ込むのをやめることを学ぼう。この授業を受ける方法はたくさんあるけれども、それでもこのデッキは、本当に美しいコンボエンジンをどのように作るか、をよく思い出させてくれる。

このデッキがForce of WillもBrainstormもなしでどうやってベルチャーのようなデッキに勝つのか尋ねる人がいるかもしれないので、一つストーリーを載せよう。MOCSの中でのGainsayとベルチャーを使う無名の対戦相手との一戦だ。このゲームは次のように終わった:

Turn 1(先手のベルチャー): ゴブリントークン20体。エンド。
Turn 1(Gainsay): 森、Elephant Grass。エンド。
Turn 2: TaigaとChrome Moxで支払ってアタック1点。エンド。
Turn 2: Elephant Grassのアップキープを支払い、Tropical Islandを出してWild Growthを付けてエンド。
Turn 3: アタック1点。エンド。
Turn 3: Elephant Grassの2回目のアップキープを支払い、森を出してArgothian Enchantress。エンド。
Turn 4: アタック1点。エンド。
Turn 4: Elephant Grassの3回目のアップキープを支払い、森を出してUtopia Sprawl。エンド。
Turn 5: アタック1点。エンド。
Turn 5: Elephant Grassを壊す。エンチャントをたくさんプレイしてEternal Witness。Elephant Grassを拾って出し直す。3枚のSeal of Removalと6マナが場にある状態でエンド。つまりElephant Grass 18ターン分だ。

彼は最終的に20体のゴブリントークンを全てバウンスし、Mindbreak Trapを引き込んで、1/1フライヤーと2/1の群れで相手を殺した。

どこまでも完璧だ。誰が相手を殺すのに専用のスロットを必要とするんだ?いや、まじめに、誰が必要とする?
それは補助輪だ。悪い構築だ。ReplenishとDark Ritualがアタックできるなら、誰がSigil of the Empty Throneを必要とするんだ?


なぜMOのレガシーが冗談になってしまうのか

これに関しては1つしかない。MOでレガシーをやりたい人にとって、カード供給の問題が不条理だ。
レガシーをMOCSのフォーマットとしたことはまったくもって良いことだが、Force of Willの価格が1枚あたり100チケットを超える状態は我々にとって大きな問題だ。

おそらく紙のレガシーデッキも結局はMOのレガシーデッキとだいたい同じ値段になる。問題なのは、レガシーをやる上で最も高価な部分が、最も強力な(そして現実に最も人気のある)色の、最も本質的なカードのうち1枚と一致してしまっていることだ。
私はデュアルランドが高価なことは喜んで受け入れる。Force of Willを入れるデッキ全てが特定のデュアルランドを使うわけではないためだ。デュアルランドを使わないForce of Willデッキもいくつかある。大量のフェッチランドと1,2枚のUnderground Sea、そして何枚かのDarkslick Shoresを入れたリアニのようなデッキはかなり合理的に使うことができるし、(アンシー4枚入りと)だいたい同じような結果を出せるだろう。Force of Willについて同じことは言えない。

結果的に、我々はこんな宝石を手に入れた:


Reanimator
A Legacy deck, by WWEHBK
32nd place at a MO Championship on 2012-08-19

Maindeck:
1 Sphinx of Uthuun
1 Platinum Emperion
1 Angel of Despair
1 Elesh Norn, Grand Cenobite
1 Griselbrand
1 Iona, Shield of Emeria
1 Jin-Gitaxias, Core Augur

4 Reanimate
4 Animate Dead
4 Careful Study
4 Brainstorm
4 Ponder
1 Deep Analysis
1 Darkblast
1 Crippling Fatigue
4 Entomb
4 Thoughtseize
4 Inquisition of Kozilek

3 Island
3 Swamp
2 Underground Sea
4 Polluted Delta
2 Marsh Flats
2 Misty Rainforest
2 Verdant Catacombs

Sideboard:
1 Bloodghast
4 Delver of Secrets
2 Shriekmaw
4 Snapcaster Mage
2 Coffin Purge
2 Ghastly Demise


このデッキは出した結果と機知に富んだ点の両面で印象的だ。
しかし供給不足の被害者はForce of Willだけではない。Lion’s Eye DiamondはMOで2番目に高価なカードで、これもまた1枚100チケットぐらいする。あなたがストームを使いたい場合、何が起きるだろう?そう、たいていの場合あなたはストームを使わない。
もしあなたがとりわけ先進的なら―そしてこれを前提にする必要があるが、特に熱いデッキを使いたいなら―これをプレイしよう:


Storm
A Legacy deck, by todesglupsch2501
13th place at a MO Championship on 2012-08-19

Maindeck:
4 Dark Ritual
3 Cabal Ritual
4 Seething Song
4 Rite of Flame
4 Manamorphose
4 Lotus Petal
2 Chromatic Star

3 Faithless Looting
4 Sign in Blood
4 Gitaxian Probe
3 Preordain
1 Ideas Unbound
3 Past in Flames
1 Infernal Tutor
4 Tendrils of Agony

1 Island
2 Gemstone Mine
3 Geothermal Crevice
1 Irrigation Ditch
4 Sulfur Vent
1 Volcanic Island

Sideboard:
3 Ancient Grudge
3 Pyroblast
1 Repeal
2 Duress
1 Grapeshot
4 Pyroclasm
1 Karakas


レガシーは金持ちのフォーマットだと考えている人がいたら・・・うん、それはやっぱりだいたい正しい。とはいえ、基本的にPauperのストームデッキを駆って350人超えのトーナメントで13位フィニッシュした人がいる。またある人はSphinx of Uthuunをデッキに入れて32位に入った。
レガシーで創造性は死んでいない―それが私たちに残された全てだ。

もしRUG、マーベリック、ショーテル、そして青白コントロールがレガシーの全てだと考えているなら、Seal of RemovalやGeothermal Crevice、Sphinx of Uthuunを買いに行き、オズの魔法使いからハートを貰おう。
ちょっとかき回してやろうと考えている人たちは常にいる。ばかげたことをしよう、これが私にできる最高のアドバイスだ。Seal of Removalに負けるまでこのカードを笑い者にしていた人はたくさんいた。
そして、SCGレガシーオープンで勝てるデッキを思い出す必要があるなら・・・


Blouses
A Legacy deck, by Philip Contreras
1st place at a SCG Legacy Open in Sacramento on 2012-03-18

Maindeck:
4 Birds of Paradise
4 Noble Hierarch
4 Qasali Pridemage
4 Troll Ascetic
4 Geist of Saint Traft

2 Spectral Flight
3 Unstable Mutation

4 Brainstorm
4 Daze
3 Psionic Blast
4 Spell Pierce

2 Forest
2 Island
4 Tropical Island
2 Tundra
2 Savannah
4 Misty Rainforest
2 Windswept Heath
2 Wasteland

Sideboard:
3 Chill
2 Threads of Disloyalty
2 Mindbreak Trap
2 Path to Exile
3 Submerge
2 Umezawa’s Jitte
1 Gaddock Teeg


こいつで楽しもう。

また来週。

Drew Levin

ChannelFireballより。
Cabal Therapy入門。

持たれていては困るカードを指定するのが原則ですが、もう少し踏み込んだことまで書かれています。

キャストしながらBolt指定(問題3)は元記事のコメント欄でL3ジャッジEric Levineが「アリだ」と書いていました。
そしらぬ顔でBoltを捨てるプレイングでさらに裏をかくこともできますね。


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Legacy Weapon―Therapy Session
Posted by Caleb Durward
September 5, 2012

http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-therapy-session/

Cabal Therapyはこのゲームで最もスキルを試されるカードの一つだ。正しく扱えばこのカードはThoughtseizeすら遙かに超えるパワーを持つ。複数枚のカードを落とすことができるためだ。
セラピーはときに1マナのHymn to Tourachよりも良い。私は1枚のセラピーで5枚のカードを落としたことがある(3枚は相手の手札を見ずに、そして2枚はフラッシュバックで)。

セラピーのスキルを得ることでいくらかの副産物も得られる。セラピーは、常にゲームの状況を分析して相手が持っている可能性のあるものを問うようにあなたを鍛えてくれる。優先順位を考え正しいタイミングでフラッシュバックしようとすることは、長い長いゆっくりとしたゲームにおいてさえ、あなたを常に集中した状態に保ってくれる。
本質的に、もしあなたがCabal Therapyをうまく使っているならば、あなたは良いマジックをプレイしていることになる。実にシンプルだ。

残念ながら、この「実にシンプル」というのが実は複雑だ。
幸い、このカードを正しく使っているときに得られる満足感は大きく、このゲームをするのに不可欠な経験をさせてくれる。

唱え方

まずは基礎から始めよう。

カード名を指定するのは解決時だ。もし対戦相手が何を指定するか尋ねてきたら、セラピーは解決している。レスポンスでスペルを使う機会は過ぎ去り、Counterbalanceの誘発も既に解決済みとなる。

セラピーのフラッシュバックが「戦場から離れたとき」系の能力を誘発させる場合、まずその誘発型能力が解決される。これは、競技RELで誘発型能力の前にセラピーの指定をしてしまった場合、あなたが誘発型能力で何もしなかったと対戦相手は主張できるという意味だ。
Veteran Explorerの場合、ライブラリサーチ中にセラピーの指定をすると手順の省略になる。対戦相手が順序に気づいていなければ、2枚の基本土地でキャストできたはずの(例えばSnapcaster Mageのような)カードを捨てるかもしれない。相手がレスポンスでスペルを使うためにあなたの省略に待ったをかけた場合、Cabal Therapyはまだ解決せず、あなたは再度指定するチャンスがある。
より低いRELでは、この省略はオススメしない。そこまで時間にシビアになる必要はないし、FNMでルールの際どいところを狙うことに価値はない。ゲームの状態をクリアに保ち、みんなでもっと楽しもう。

Cabal Therapyがミスディレされた場合のコントローラーはあなたで、自分でカードを指定する。Sarpadian Empires, Vol. VIIをコールするのが良いだろう。

単純計算では対戦相手の手札が多いほどあなたがヒットする確率は高くなる。一方、先手1ターン目にセラピーをキャストすると手がかりになる情報が何もない。(ベルチャーのような)いくつかのデッキ相手ではそれがあなたの唯一のターンになるとはいえ、たいていの場合は1,2ターン待ちたくなるだろう。

私が参加したこの間のイベントから、対戦相手の初動と私が何を指定したかのリストを挙げよう:

山、森: Green Sun’s Zenith
島から薬瓶: Silvergill Adept
山からVexing Devil: Lightning Bolt
Volcanic IslandからPonder: Force of Will
島からPreordain: Brainstorm

私が指定しているのはただ相手のデッキに入っていそうなカードというだけではなく、初手をキープする理由になるカードだ。Brainstormのようなカードはキープ理由になりやすく、またいつも4積みされる。
この理屈から、同じ初動に対するひどいコールのリストを挙げよう:

山、森: Primeval Titan
島から薬瓶: Merrow Reejerey
山からVexing Devil: Fireblast
Volcanic IslandからPonder: Forked Bolt
島からPreordain: Intuition

これらは全てデッキに入っているのが理に適っているカードではあるが、キープ理由にはならない。もしあなたがバーンをプレイしている場合、2枚のLightning Boltのある手札と2枚のFireblastのある手札、どちらをキープする可能性が高いだろう?
これはシンプルに聞こえるかもしれないが、複数枚引くことを許せるカードを指定することによって、より頻繁に複数枚落とすことができるようになるだろう。

論理問題

合理的な手札を考えることは相手のハンドを推測する良い方法だ。そして不規則なものごとや情報を筋の通ったストーリーにまとめる助けとなる。
このロジック、ストーリー、そして入り組んだ知識について例を使わずに説明するのは難しいので、いくつかのサンプル問題を用意した。
これらの問題は必ずしも白黒はっきりした正解があるわけではなく、ゲームや対戦相手に関するデータも足りないところがある。しかし、私がセラピーをキャストするときに考えていることを浮き彫りにする問題になっている。
正しいスパイクの(※訳注:トーナメント志向の)アプローチのために役立つように、全ての問題は多額の賞金のかかった競技RELでの状況を想定してほしい。


問題1

あなたはタッチ黒のエルフをプレイしており、赤単ゴブリン相手の3ゲーム目で後手だ。これがあなたの初手だ:

《Bayou》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《垣間見る自然/Glimpse of Nature》
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》
《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote》
《陰謀団式療法/Cabal Therapy》


対戦相手は山を出してエンドしてきた。あなたのターン、フェッチランドをドローした。
ここでセラピーを撃つか?もしそうするなら何を指定する?


問題2

スニークショー相手の後手。あなたは干渉手段の少ない黒白アグロをプレイしており、次の手札をキープした:

《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
《名誉回復/Vindicate》
《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
《金属モックス/Chrome Mox》
《Scrubland》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《不毛の大地/Wasteland》


対戦相手は島を出してエンドしてきた。あなたは僅かなターンしか猶予がないことを分かっており1ターン目にセラピーを撃ったところ、相手はレスポンスでBrainstormしてきた。
何を指定する?


問題3

あなたはRUG相手にNic Fitをプレイしている。これはPernicious Deedデッキだ。あなたは場に3枚の土地を出しており、手札にScavenging Oozeがある。両者とも墓地は貯まっている。
相手は脅威をテーブルに出してはいないが3枚の手札を持っている。そのうち1枚は数ターン前にDelver of Secretsを裏返したLightning Boltであることが分かっている。残り2枚は不明だがどうやらForce of Willがあるようだ。というのも前のターンにあなたがDoom Bladeをデルバーにキャストしたとき、まるでWillがあるのにピッチコストの青カードがないかのように彼が自分の手札を見つめてイライラしていたためだ。そこから彼は1枚のカードを引き、ターンを返してきた。
あなたはアンタップしてCabal Therapyをドローした。
これをキャストするか?もしそうするなら何を指定する?


問題4

あなたは再びNic Fitをプレイしているが、今度はエスパーBladeが相手だ。いま、相手の場にいるStoneforge Mystic2体とBatterskull1体をあなたの8/8のScavenging Oozeが抑えている。二人ともライフと土地は十分に持っているが、手札はそれぞれ1枚しかない(あなたの手札はこのターンにドローしたセラピーだ)。
これをキャストするか?もしそうするなら何を指定する?


問題1への回答

ゴブリンが1ターン目に動けない初手をキープすることは、特にコンボ系のデッキ相手では非常にまれだ。
Goblin Piledriverは2マナの中では最も強いプレッシャーとなるのでこれを持っているのは理に適っているが、対戦相手は3ターン目に死なないための妨害を何かしら持っている可能性の方がさらに高い。
ここでは、次のターンにエルフで場を溢れさせる前に、1ターン目にPyrokinesis指定でセラピーすべきだ。


問題2への回答

Cabal Therapyをフラッシュバックするためのクリーチャーがいないため、またファッティを出されると対処手段がないため、ここでのセラピーは普段よりもさらにうまく使わなければならない。
私はトーナメントでこの状況になったことがあり、Emrakul, the Aeons Tornを指定した。これはヒットし、対戦相手はセラピーから「隠した」カードをシャッフルしなければならなくなった。
これは揺るぎない答えというわけではなく、相手が違っていたら違うカードを指定したかもしれない。しかしここでの判断を私は気に入っている。


問題3への回答

これはうまくいけば1枚のカードで2枚を得ることができる状況だ。対戦相手が十分な腕前ならばCabal Therapyの指定は解決時にすることを知っているだろう。そうすると、こちらがセラピーをキャストしながらLightning Boltを指定することで、相手が捨てさせられる前にレスポンスでBoltを撃つよう仕向けることができる。その後セラピー解決前に巻き戻るため、あらためてForce of Willを指定することが可能だ。
彼の最後のスペルが除去でないとすれば、同じターンのうちにOozeを出してアンタップ後にゲームを支配することができる。
(L3ジャッジEric Levineに聞いたルールへのリンク(英語):http://rules.wizards.com/rulebook.aspx?numbers=true&rulenameonly=true&game=Magic&category=Tournament+Policy&q=4.2 。私はどちらも信じられなかったよ!-編集者)。

こちらがTherapyをキャストしてから待った場合、相手はレスポンスするかどうかを考え始める。これはこちらにとって良くない。
こちらがLightning Boltを知っていることを彼は分かっているため、まずこれをキャストするか否かを考えるだろう。もしレスポンスでBoltを撃つとすると、彼はこちらがForce of Willを指定することを考えるかもしれない。彼が持っていそうな限られたカードのうち、最も強力なのがWillだからだ(脅威やキャントリップなら既にキャストしているはず)。
このように、彼はBoltとWillの両方を失うのではなく、こちらのセラピーをBoltに使わせてWillをScavenging Oozeへの回答として残す可能性が高くなる。

私の答えでは、彼は間違いなくBoltを撃つことを思い浮かべるだろう。つまりこれは急いでレスポンスしてもらおうというプレイだ!この状況でゲームをスローダウンさせ、正しいプレイを考える鍛えられたプレイヤーも居るが、多くの人は本能にしたがって明らかに二流の手をとってしまう。それがゲームの流れに沿っているためだ。Boltは公開情報になっており、明らかにこちらは彼を止めようとしているため、対戦相手がBoltをキャストしたくなるのは間違いない。


問題4への回答

特に相手が十分な土地とStoneforge Mysticを場に出している場合、Batterskullは破壊しにくいカードだ。私はPernicious Deedデッキをプレイするとき、石鍛冶を除去するためにDeed X=5を使えるような状況にもっていくように努める。これによってBatterskullをハンデスに対して弱い手札に戻すことができる。
問題4の状況では、私はDeedか軽いクリーチャーを引くまではセラピーを残しておくだろう。軽いクリーチャーが手札にあればDeed後に気軽にサクることができる。そのクリーチャーがCIP能力を持っている場合には注意が必要で、あなたがセラピーをフラッシュバックするための優先権を得る前に対戦相手がSwords to Plowsharesでそれを追放する機会がある。

同じ状況で、もし相手が土地3枚で止まっていたら私はジェイス指定でセラピーを撃つだろう。


ここに挙げたものは始まりにすぎない。どんなスキルであろうとも鍵は練習だということは忘れないでほしい。


解決のさせ方

セラピーは両プレイヤーの手札枚数と墓地を高いレベルでコントロールする手段だということに気を付けるのが大切だ。
基本的なレベルでは、セラピーはTarmogoyfのためにクリーチャーを墓地に落とす簡単な方法になる。最近では、私はバーン相手に自分を対象にして撃ち、クリーチャーを自分の手札と場から墓地に落としてScavenging Oozeでライフに変換するために使った。3ライフを得ることは1枚の火力に等しい―相手のカード1枚を否定する―これは直感に反して効果的なリソースの使い方だった。

また別の週末、私は友人がビッグマナ相手にストームをプレイするのを見ていた。彼はPast in FlamesのためにBurning Wishをキャストして致死量のストームカウントを溜めたが、Empty the Warrensが手札に来てしまっていたため、Infernal Tutorの暴勇を達成できなかった。結局、彼はリスキーなAd Nauseamを撃って勝利した。
ゲームの後、私はPast in Flamesのおかげでセラピーが黒1マナでフラッシュバックできたことを指摘した。この場面ではThoughtseizeもまったく同じように機能しただろうが、Ad Nauseamのリソースとして必要になるライフ総量に優しくない。また、自分を対象にしたハンデスによってCabal Ritualのスレッショルドを達成することもできる。

テンペストブロックが一番古いブロックとしてリーガルだった頃の昔のエクステンデッドでは、私は自作のマシーンヘッドのようなデッキでセラピーをReanimateと一緒に入れていた。Cabal TherapyとTerminateによってほとんどいつも相手の墓地にReanimateの良いターゲットがあった。同様に、フラッシュバックコストにできるのがPutrid ImpとHapless Researcherしかいないのが悩みではあったが、その時期のリアニデッキにもセラピーを入れていた。


デッキデザインとの関係

ユニークで強力なレガシーの重要カードらしく、Cabal Therapyはデッキデザインに多くの制約を課す。安定してフラッシュバックするにはある程度の数のクリーチャーを出せるようにしておく必要がある。
またこのカードはあらゆるアーキタイプに対して良いというわけではない。アグロデッキは手札を使い切る傾向があるため、セラピーは既にアグロ相手に強いデッキで使うのがベストだ。
セラピーが中盤以降に無駄ツモになるという潜在的なディスアドバンテージを埋め合わせるのにUmezawa’s JitteやPernicious Deedのようなカードは良い方法だ。

プラス面としては、アグロデッキはデルバー、銀エラ、マトロン/リングリーダー、石鍛冶などのようなカードをゲーム序盤に使うことが多い。アグロデッキが終盤にカードを手札に持っていたら、通常それが何なのかは明らかだ(除去か火力か余った土地だ)。

Force of Willだけケアしておけば良いコンボデッキにはThoughtseizeよりもセラピーの方が良い。相手の手札から複数のWillを落とせるためだ。

何年もの間、多くのデザイナーが「価値」を求めてCabal Therapyをサーチするという誘惑に魅了されてきた。私はGifts UngivenパッケージやIntuitionの3枚にセラピーが入っているのを何度も見たことがある。残念ながらレガシーでは立ち止まっている時間はなく、重いドロースペルで1マナ妨害スペルを持ってきたくなることはほとんどない。
この方法を投げ捨て、ChannelFireballのTravis WooがCabal Therapyを4枚フル搭載したPast in Flamesデッキをデザインした。このデッキではBloodghastがよくあるサーチ先なんだ!
TravisはチューターとしてEntombを採用しているため、黒1マナより高いコストを支払うことなくフラッシュバックすることができ、さらにBloodghastを使っていればより低いコストでもう一枚フラッシュバックすることができる。このレガシーに耐えうるエレガントなやり方に私は衝撃を受けた。
(※訳注:Travis WooのPast in Flamesデッキの紹介はこちら(英語):http://www.channelfireball.com/home/woo-brews-setting-legacy-on-fire-with-past-in-flames/


エンジンとして

Cabal Therapyは非常に素晴らしい妨害スペルとしてだけではなく生贄装置としてもレガシーで活躍しており、多くの異なるアーキタイプで活用されている。


《老練の探険者/Veteran Explorer》


私はかなりの時間をNic Fitについて話すことに使ってきたが、よく知らない人のために言うと、このデッキはCabal TherapyをVeteran Explorerの生贄装置として使う。この勇敢で小さな緑クリーチャーを加えることによって、Pernicious Deedコントロールデッキは安定して大量の基本土地によりマナ加速する手段を得た。Nic Fitは普通よりも高いマナカーブを持つため1枚1枚のカードパワーは平均して高く、よくあるフェアなデッキよりも終盤に強い。

なぜうまくいくのか:

レガシーにはビッグマナ、つまり追加で出した基本土地を活用できるデッキがほとんどない。RUGやマーベリックのような多くのデッキは1枚や0枚の基本土地をサーチ用に積んでいるだけだ。私の経験から言うと最大の脅威はハイタイドで、このデッキは追加の基本土地によって1,2ターンはキルターンが早まる。

それ以外のマーフォークのようなデッキも多くの基本土地を積んでいるが、彼らは相手の場に大量の土地が出ると力を失う。DazeやWasteland、Aether Vialはどれも通常より早く死に札となり、軽い脅威はこちらの重いクリーチャーには敵わない。


《血の芸術家/Blood Artist》


最近Sam Blackが、Faithless Looting、Bloodghast、Carrion Feeder、Blood Artist、Goblin Bombardment、そしてLingering Soulsのシナジーをふんだんに使った革新的なゾンビデッキをデザインし、レガシーGPでトップ8に入った。

なぜうまくいくのか:

このデッキはどこから見てもシナジーだらけだ。そしてCabal Therapyはエンジンのパーツであり、重要な妨害パーツでもある。
セラピーは生贄装置として、Blood Artistを誘発させBloodghastとシナジーする。フラッシュバックカードとしてFaithless Lootingと共にうまくはたらく。

セラピーがない場合、それでもこのデッキはSwords to Plowsharesのようなよく見かけるカードに対して耐性を持ってはいるが、レガシーのアンフェアなデッキに対しては勝てなくなるだろう。デッキ全体のカードパワーが落ちることになってしまう。


《アカデミーの学長/Academy Rector》


レクターはNic Fitのいくつかのバージョンに入っていたが、最近Omniscienceが印刷されたことで大いに注目されることになった。今、いくつもの異なるデッキがこの強力な新しいエンチャントを活用しようとしている。
レクターとエムラ(これは全知と一緒にうまく動く)はともにLiving Wishでサーチできるため、これらの新手のデッキはとても安定している。

なぜうまくいくのか:

レガシーには他の生贄装置もあるが、それでもCabal Therapyは最もエレガントだ。少なくともより良いカードが印刷されるまではAcademy RectorやPattern of Rebirthと一緒にセラピーを使うべきだろう。


墓地デッキ

墓地ベースのデッキはセラピーを少し違うやり方で使う。彼らも相手への妨害によって利益を得るわけだが、ダメージを与える前にScavenging OozeやSurgical Extractionを落とすことによってコンボを守るために使うことが多くなる。
ドレッジやセファリッドブレックファーストのような自分のライブラリを削るデッキではセラピーを毎ゲーム見ることになる。これはハイタイドがForce of Willを必要なときに見つけられるようにしてあるのと同じだ。
Force of Willと違って、セラピーは墓地利用手段としての役割もこなす。ドレッジでは生贄手段はNarcomoebaをBridge from Belowのトークンに変えることができる。セラピーをナチュラルドローした場合でも、手札で腐っている発掘持ちやDread Return、釣り上げる対象を墓地に落とすために使える。

セラピーはほぼ防御用のカードとして入っているため、キャストするときに重視することが変わってくる。約1年前、Richard Feldmanがドレッジについての記事を書き、その中の一節が私を貫いた:

「対策カードを打ち破るためにセラピーを使うのは正攻法だ:怖いカードを考え、心に思い描き、その名前を大声で言う。これをCabal Therapyが解決したときにやるんだ。」-Richard Feldman

(※訳注:Erik Hegemannの記事にも出てきたRichard Feldmanのドレッジ記事はこちら(英語):http://www.starcitygames.com/magic/legacy/21777_The_Dark_Art_Of_Dredge_Fu.html

この方針は全てのデッキにおいて有効だ。Nic Fitを使っていてVeteran Explorerの誘発へのStifleにやられそうなら、Stifleを指定しよう!この話題についてドレッジ(とレガシー)のエキスパートDavid Thomasと話をしたとき、彼は似たような金言から話を始めた:

Cabal Therapyをキャストするときに重要なことを一つだけ挙げるとしたら何だろう?

「ただそれが良いカードだからという理由で指定しないことだ。相手に持っていてほしくないカードが何かを特定する必要がある。」

暗闇での、つまり最初の1,2枚の土地セットを見ただけの状態でのセラピーヒット率はどれぐらい?

「手札を見ていない場合は50~60%ぐらいだね。」

特にドレッジを使っているとき、相手が持っていると分かっているカードを指定する?それとも違うものを指定する?
例えば、マーフォークがLord of Atlantisを銀エラで公開した場合や、エスパーBladeが石鍛冶でBatterskullをサーチした場合はどうする?

「知っているカードを指定するのは、そのカードがこちらを止める唯一の手段になっている場合だけだ。例えば、Dread Returnで相手を倒す、もしくはゾンビを大量発生させようとしている場合、Force of Willを指定するだろうね。Ichoridビートの準備ができている場合はBatterskullを指定するだろう。全て状況次第だよ。」


いまのところこれで全部だ。このカードについてはもっともっと考えるべき部分があると感じているが、いつものように永遠に続く努力は時間によって区切られる。
私は何か重要なことを見逃しているだろうか?私の考えは明確さに欠けるだろうか?あなたが気に入っているCabal Therapyのエピソードはどんなものだろうか?

また来週。

Caleb Durward

StarCityGamesより。
Shardless Agentを使ったBUGコントロールデッキの紹介。

rainさんのBUG Nic Fitの翻訳記事(http://77832.diarynote.jp/201208310207474760/)を読んでふと思い出し翻訳。
組み合わせを模索するのが楽しいカードですね。

※今月は多忙につきしばらく更新休みます。RtR楽しみ。


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Legacy Avant-Garde: BUG Is Not A Shard, It’s Shardless
By Brian DeMars
08/07/2012

http://www.starcitygames.com/magic/legacy/24636-Legacy-Avant-Garde-BUG-Is-Not-A-Shard-Its-Shardless.html

Wizards of the CoastはPlanechaseとCommanderでホームランを打った。エターナルプレイヤーたちは乾杯し、賛成の拍手を贈る。

まず、この記事(と私の新しいレガシーデッキ、Shardless BUGの議論)の前に言わせてほしい。
新しく、面白く、そしてエターナルでのみ使える奴らをCommanderとPlanechaseの構築済みデッキで印刷するというWizards of the Coastの決断に私は本当に惚れている。このとても賢明な判断をしたことに最高のA++の評価を送りたい。

エターナルで、レガシーとヴィンテージの両方で、既に私は以下のカードたちをかなりプレイしてきた:

《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
《狼狽の嵐/Flusterstorm》
《悪意の大梟/Baleful Strix》

『スタンダードには良すぎるが、ヴィンテージとレガシーにはぴったりだ。』


先週、私はR.I.W.(※訳注:ショップの名前)で入荷されたカードの山を眺めていた。
(それまで見たことがなかった)1枚のカードが山から私の方にはみ出している。それは金色で目についた。そして、まさに「僕を使って!僕を使って!」と叫んでいたんだ。

このカードだ:

《断片無き工作員/Shardless Agent》(1)(G)(U)
アーティファクト クリーチャー - 人間(Human) ならず者(Rogue)
続唱(あなたがこの呪文を唱えたとき、あなたのライブラリーの一番上のカードを、コストがより低い土地でないカードが追放されるまで追放する。あなたはそれをそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。追放されたカードを一番下に無作為の順番で置く。)
2/2

『はじめ、無価値なロボットがいた―今は逆立ちして価値あるロボットになった。』


二度見してしまったよ、「ふーん・・・何だって??」
「どうしてこのカードを知らなかったんだろう・・・」と思った。一式揃えるため、店にあったシングル2枚と、この甘美な青緑アーティファクトクリーチャーが2枚入っているPlanechase 2012の構築済みChaos Reignsを買った。
(はっきり言うと、私はマジックのカードの価値を予測して「投資アドバイス」をすることは普段はしないが、特にこのシングルについては値段が比較的安い今買っておくのがとても賢明に思える。Shardless Agentは来年には簡単に2倍や3倍の値段で見かけるカードになるだろう。)

買い物が終わった後、家に帰ってこの新しい玩具/道具のうまい使い方を考え始めた。ミシガンでは毎週水曜の夜に30~40人のプレイヤーが集まるレガシー大会が開かれている。私はそこで素晴らしいShardless Agentデッキを披露することに決め、「価値の街」へと続く道を歩き始めた。


手作りデッキ: "Shardless BUG Control"

そのトーナメント向けに最終的に作り上げ、大会での使用感から少しだけ手を加えたものがここにある。私の考えでは、このデッキはただ単に「面白い」あるいは「ギミック満載」なだけでなく、パワフルで汎用性を備えていると思う。間違いなく私は再びこの75枚を使ってレガシートーナメントに立ち向かうだろう。
さあ、じっくり見てくれ。


Shardless BUG Control
Featured by Brian Demars on 2012-08-05 (Legacy)

Maindeck:
4 Shardless Agent
2 Vendilion Clique
2 Snapcaster Mage
4 Tarmogoyf

2 Jace, the Mind Sculptor

4 Force of Will
3 Ghastly Demise
4 Brainstorm
4 Ancestral Vision
4 Hymn to Tourach
2 Sensei’s Divining Top
3 Pernicious Deed

1 Forest
1 Island
1 Swamp
2 Bayou
2 Tropical Island
2 Underground Sea
3 Misty Rainforest
3 Polluted Delta
3 Verdant Catacombs
4 Wasteland

Sideboard:
2 Nihil Spellbomb
1 Tormod’s Crypt
2 Scavenging Ooze
1 Ghastly Demise
1 Go for the Throat
2 Krosan Grip
2 Umezawa’s Jitte
1 Vendilion Clique
3 Thoughtseize


このデッキが「何者で」「何をするのか」、簡単に紹介しておこう:

何よりもまず、Shardless BUGはデッキ名にもなっているカード、Shardless Agentを最大の効率で使うために構築されている。Shardless Agent自体とてもパワフルではあるが、これはデッキの基軸となるカードであって、デッキは完全にこのカードを中心に組む必要がある。先祖にあたるBloodbraid Elf入りジャンドデッキがそうだったように、続唱の効率を最大化しなければならないのが制約だ。
青いデッキで続唱の価値を最大化するのは、ジャンドの場合よりも厳しい制約になりやすい。青はカウンターと共に使った方がうまくいくためだ(ご存知の通り、カウンターは続唱でめくると完全な無駄カードになり、スタック上には自分で唱えたShardless Agent以外の対象がない)。

そう、つまりCounterspellやMana Leakなしで青をプレイすることになる。

私がこのデッキを構築したときの頭の中では、Shardless Agentの一回のキャストで続唱メカニズムによってただ2対1交換をとるだけでなく、続唱で何がめくれようとも3マナ2/2としては破格のCIP能力を持つようにデッキを作っておくことをビジョンとして描いた。

次なる大きな一歩は、すぐこれに思い当たったことだった:

《断片無き工作員/Shardless Agent》
《祖先の幻視/Ancestral Vision》

『Ancestral Agent』


HypergenesisやLiving Endを続唱するのと同じように、Ancestral Visionも続唱することができる。Ancestral Visionは「フェアな」やり方で、単純に待機させてAncestral Recallを待つプレイをした場合でも、レガシーでとても良いカードだということに注意してほしい。そのうえで、フェアな方法に加えてコンボによって「アンフェアに」Ancestral Visionを普通にキャストできるため、Visionはこのデッキではまさに狂ったカードになる。

このデッキにできる動きの中でほぼ最強なのがShardless AgentでAncestral Visionをめくることだ。そしてこの動きの準備をする手段がデッキには十分にあり、Brainstorm、Sensei’s Divining Top、Jace, the Mind Sculptorが入っている。

もし似たようなカードがあったとすると、1UGの2/2アーティファクトクリーチャーでテキストボックスにこう書いてあることになる:「カードを3枚引く。」
こんなカードがあれば完全にぶっちぎりの強さで、私はヴィンテージでそれを4枚使うだろうし、疑問の余地なく制限される必要があるだろう。そしてこう考えてみよう:その壊れたカードよりも、あなたがこのBUGデッキでAncestral Visionを続唱した場合の方が良い。なぜなら相手が1枚のカウンターで防げるのは2/2かVisionのどちらかだけだからだ!
加えてAncestral VisionはTarmogoyfを一段強くするというのもかなり強い。

Ancestral Recallのレベルまではいかないが、残りの続唱可能なカードも同じように強力だ。続唱でHymn to Tourach、Tarmogoyf、Sensei’s Divining Top、Snapcaster MageをめくってもAgentから最大の価値を引き出せる。これらがデッキに入っているのはそのためだ。

Shardless BUGは基本的には2対1交換デッキだ。1つのスペルが解決するたびに本質的な意味でカードアドバンテージが得られる。
デッキに入っているHymn to Tourach、Snapcaster Mage、Shardless Agent、Ancestral Vision、Pernicious Deed、そしてJace, the Mind Sculptorは全て直接カードアドバンテージを生み出す。
その他のカード、Sensei’s Divining Top、Vendilion Clique、Ghastly Demise、Brainstormは直接にはカードアドバンテージを生み出さないが非常にコストパフォーマンスの良いカードたちで、こちらのカードを入れ替えるか相手のカードと1対1交換をとる(そしてその後瞬唱で2対1をとる)。

Force of Willは2対1ではないが、実際にプレイできるカウンター呪文が限られているため入れるしかないと考えている。このデッキは既に大量のカードアドバンテージを生み出せるため、ピッチで撃つことは大きな問題にはならない。
そして普段は0マナでキャストするのにマナコストが5で続唱でめくるリスクがないというのは明らかに素晴らしい!

《破滅的な行為/Pernicious Deed》

『スーパーユーティリティ。』


Shardless BUGのようなデッキにとってPernicious Deedは完璧なカードだ。序盤にHymnやWillをすり抜けた相手のパーマネント全てを機能停止させる汎用的な回答になるためだ。
マーベリックやデルバーのようなデッキを相手にするとき、Pernicious Deedは彼らがテンポを使って築いたものをほぼ全て流し、2または3対1交換をしばしばとる。DelverとNimble Mongooseを流したり、教主と東屋と3マナ生物を流したりする夢を実現し、Shardless BUGのカードアドバンテージ生物を繰り返しレッドゾーンに送り込むための道をあける。

頻繁にあったのが、X=2でディードを起動することだった。これはまさに相手の盤面へのWrath of Godで、こちらの戦場にはShardless Agentが残って邪魔されない2ダメージを刻むことになった。
あるゲームでは、工作員はAncestral Visionをめくってカードを3枚プラスし、ディードX=2で相手のボードを流したときに生き残り、そしてUmezawa’s Jitteを持って「武器を持ち、敵を討て」をやり遂げた。
この逆立ちロボットはなかなかいいぞ!

言い忘れていた大事なカードについて話そう。モダンのバントデッキに4枚入れてから私の中で再燃しているカードだ。

《タルモゴイフ/Tarmogoyf》

『君はタルモが好きだって言ってたじゃないか・・・。』


ここ1年かそこらで、人々はTarmogoyfがいかに素晴らしいかを忘れ始めているようだ。タルモが良いカードだと考えていないわけではないが、しばらくの間タルモには声がかからず、みんなはおそらく単にSnapcaster Mageなどの方に目がいっているのだろう・・・。

Tarmogoyfがやること、またタルモがデッキにもたらすものは今でも間違いなく卓越している。タルモはいまだに2マナにしては異常に巨大で、何もないところから相手を素早く殺すことができて、小さな生物の群れを止めることができる。
タルモはこの青いデッキにとって間違いなくパーフェクトなクリーチャーで、タルモを続唱するのはたいていとても嬉しいことだ。

もう一つの注意点: Shardless Agentは小さく、時折死ぬ。そして死んだとき(アーティファクトクリーチャーであることの効用で)、Tarmogoyfはこの1枚のカードだけで+2/+2される!このデッキはPernicious Deedも積んでいて、これはエンチャントだ(しかも自分で墓地にいくことができる)。そしてJace, the Mind Sculptorだ。
Shardless BUGは十分なカードタイプを積んでいて自力で7/8の化物タルモを作り出せるので、このデッキのTarmogoyfはたいてい他の多くのデッキよりも良い。

このデッキにはユーティリティ土地をたっぷり4枚入れる十分なスペースがあった。Wastelandはまさにただつよなのでこのカードを選んだが、Mishra’s Factoryを入れるケースやこれらを2枚ずつ入れるケースも考えられて、そうするのもアリだと思う。Pernicious DeedとMishra’s Factoryのコンビを使えるのは大きい。

《不毛の大地/Wasteland》

『アンタップ、Ancestral Visionからカウンターを取り除いて、その土地を不毛だ。』


私がWastelandを選んだ理由はこうだ:

* 2枚の不毛がある手札はしばしばそれだけで勝ちになる。
* いざというときに相手のミシュランを自分のミシュランでブロックしようとしてスペルで除去されるよりも、相手のミシュランを除去できる方が良さそうだと思った。
* 初動Ancestral Visionに続けて不毛で相手の呪文のプレイを妨げることはタダでTime Walkするのに等しい。私はTime Walkが好きだ。
* カードアドバンテージを大量に生み出せるため、相手のリソースと1対1交換をとれるカードが欲しかった。Shardless BUGと比べて対戦相手の方がリソース不足から回復しづらい(彼らはAncestral Recallを持たない)ため、1対1交換をすることはより多くのカードを引けるこちらにとってとても良い。
* コンボデッキ相手にワンチャン作れる可能性はMishra’s FactoryよりもWastelandの方が高い。コンボはこのデッキが勝率を削っている部分だ。


マッチアップ

青白Stoneblade

青白Stonebladeと「プレイするチャンスがある」と言える権利があるのはShardless BUGをプレイする強いインセンティブの一つだ。
私が参加したレガシーイベントに居た強いプレイヤーの一人、Brian Hockeyを相手にStonebladeとの試合をして、その後も何ゲームかプレイしたが、彼が言うにはこのマッチは「おおむね勝ち目がない」そうだ。

Shardless AgentはまさにStonebladeが決して相手にしたくない類のカードで、全く同じことがHymnや精神ジェイス、そして特にAncestral Visionについても言える。

《クローサの掌握/Krosan Grip》

『Oh, そのBatterskullに全てを賭けるのか・・・厄介だな・・・。』


サイド後はBUGにはBatterskull対策のKrosan Gripが入る。バターは石鍛冶デッキで問題になるほぼ唯一のカードだ。
そしてサイド後はThoughtseizeも使えるようになるためStoneblade側はさらに難しくなる。

Batterskull以外にも多くの理由があって、私はKrosan Gripを入れておくのが本当に良いと考えている。
Shardless BUGはAgentのために1,2マナのカードで溢れており、しかもこのデッキにはSpell PierceやSpell Snareを入れられないため、Counterbalanceが問題になるだろうと想定していた。
加えて―これはStonebladeとはあまり関係ないが―いまだにHumilityデッキやThopter-Sword-Ensnaring Bridgeデッキが存在する(私はそのことを尊敬している)。Gripはこれらのデッキに対しておそらく最も有効なカードだ。

Stonebladeは基本的に瞬唱などによって2対1交換をとりにいくデッキだ。そしてこのマッチアップでは、Ancestral VisionやShardless Agent、BUGの瞬唱(BUGにはHymn to Tourachというより優れた対象がある)が生むカード/ボードアドバンテージ以上のものをStonebladeが稼ぎ出すことは明らかに不可能だ。

マーベリック

私はとても簡単にマーベリックに勝つことができた。そしてこのマッチアップは非常にShardless BUG側が有利だと主張したい。
まず、彼らはトドメの火力を持っていない。これはカウンターなしでかなり楽にゲームをコントロールできるということだ。マーベリックの生物をただ殺すだけで、あなたにダメージを与えることはできなくなる。

マーベリックにとって最高の攻撃方法は、不毛とThaliaによってあなたをマナスクリューさせることだ。しかし、4枚のAncestral Visionがロックを続けるのを難しくし、少なくともそう長くは続かない。
私から言えるのは、Pernicious Deedはマーベリック相手にまったくもって強力なカードだということだ。このスペルを見つけ、Pridemageをケアしてマナを残しつつ解決させることは勝利の鍵になる。

このデッキ相手のサイド後はUmezawa’s Jitteが大きい。また、追加2枚の対象をとる除去もこちらのライフを保つのに役立つ。

通常、このBUGデッキはコンボデッキよりもクリーチャーデッキを相手にしたいし、このデッキの戦略はシンプルに2対1交換をとっていくことによってクリーチャーを氷河期に返してやる(絶滅させる)ことだ。

RUG Delver

クリーチャーを使うあらゆるデッキの中で、おそらくRUGがShardless BUGに対して最も良い相性を持っている。これは単純にRUGが火力を積んでいてトドメに使うことができるためだ。RUGがより多くの火力を積むほど、RUG側に有利になる。

他のアグロコントロールデッキにはないもう一つのRUGの利点としてNimble Mongooseの存在がある。このカードはGhastly DemiseとGo for the Throatをかわす能力を持っている。

《破滅的な行為/Pernicious Deed》

『どーん!デルバーとマングースは死ぬ。』


私が参加したGatYourGameOnlineのトーナメントのスイスラウンドで唯一負けたのがRUG Delverだったが、これはギリギリの勝負だったし、このゲームはトリマリ、ダブマリだった。私はNihil Spellbombをサイドインしないというミスも犯した。(こちらのカードの多くを封じる)Nimble Mongooseを小さくできるため、Nihil Spellbombは間違いなくキーカードだろう。
Pernicious Deedを引いて3,4ターン目に解決させるのがおそらく強力で、これは覚えておいたほうが良い。RUGは火力スペルを手札に持っておくべきなので、Ponderや序盤のクリーチャーのためにタップアウトしたタイミングでのHymn to Tourachはとても良い動きになる。

《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
《漁る軟泥/Scavenging Ooze》

『ライフゲインをどうにかしなきゃならないときもある。』


一般的に言って、RUGの引きがとても良く、こちらの引きが普通ならほぼ彼らが勝つだろう。しかしRUGがマナカーブに沿った動きができず大量ダメージを叩き出せない場合、こちらの引きが普通以上なら負けることはないだろう。私はお互いに引きが良い場合もこちらが有利ではないかと考えている。
Ancestral Visionの待機が明けるまで長生きすることができればあなたはリソースで著しく上回ることができる。これはサイド後には特に重要になる。サイド後は十手とウーズによってライフゲインをしたり、より効率良くボードをコントロールしていわゆる十手ゲーやウーズゲーができる。

対クリーチャーデッキのまとめ

このデッキを選ぶ最高の理由になるのが、レガシーでプレイされるポピュラーなクリーチャーデッキを文字通り粉砕できることだ。(メタのバランスによって)コンボや他のクリーチャーデッキに勝てるように手を広げざるを得ないクリーチャーデッキたちはShardless BUG相手には明らかに曇ってしまう。


スニークショー

正直に言うとスニークショー相手にプレイする機会がまだないのだが、推測するとこれは最悪のマッチアップだろう。

スニークショーに対してはカウンターがとても有効で、これはShardless Agent作戦が噛み合わない種類のマッチアップだ。

しかし、さじを投げるほどの相性ではないと考えている。

メインにForce of Will、Vendilion Clique、そしてHymn to Tourachが入っていることを思い出そう。これらはスニークショーと戦うときの真っ当な道具になる。
サイド後はハンデスとヴェンディを増量できる。これで安定して十分有利になるわけではおそらくないが、勝機は増えるだろう。

《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》

『ヴェンディはレガシーで最高の対コンボ作戦だ。だから搭載した。』


より良いサイドボードがあるとも思うのだが時間と手間がかけられず、そこまでの調整はできなかった。

ストーム

このマッチアップは実は心配しておらず、かなりの勝機があると考えている。ハンデスを多めに積んでいることは、ストーム相手にはSpell Pierceよりも良い。ヒム+囲い+ヴェンディリオン+攻撃的なクロックを休みなく続けられることは大いに勝つ力になってくれる。

《Hymn to Tourach》
《思考囲い/Thoughtseize》

『コンボデッキ相手では、Shardless BUGは手札をたくさん捨てさせる必要がある。』


Pernicious Deedは、他のクリーチャー除去が腐るのとは対照的に多くのゲームを取らせてくれる。ストーム側がLion’s Eye DiamondやLotus Petalなどを場に出さざるを得なくなったとき、それらを壊すことができる。そして彼らがEmpty the Warrensを使う必要がある場合(これはBUGが手札を攻撃できるため起きやすい)、ゴブリンたちを簡単にDeedすることができる。

リアニメートとドレッジ

これらのデッキに対するゲーム1はかなり難しいが、このマッチアップで役立つカードがたくさんサイドボードに入っており、相手の墓地をコントロールするカードはサイドに5枚ある。
こちらが1ゲーム目を取れる確率が高いのはドレッジよりもリアニ相手だが、このデッキの強力なスペルをうまく引ければ多くの選択肢が生まれる。

《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
《漁る軟泥/Scavenging Ooze》

『救援物資の墓地対策だ・・・。』


対ドレッジで覚えておくべきなのは、Shardless BUGはPernicious Deedを3枚積んでおり、苦しい状況からでもワンチャン作れるということだ。

対コンボのまとめ

Shardless BUGはコンボよりも青いクリーチャーデッキ相手の方が楽に戦えるけれども、コンボデッキに対して大きなビハインドを背負っているわけではないと思う。
今のサイドボードには(既に有利であるにもかかわらず)対アグロ用のカードを多く入れすぎていて、メタった特定のコンボデッキ相手に特に刺さるカードを積むようにサイドを調整することが可能だ。


おわりに

いろいろな異なるデッキを相手にレガシーの7回戦をプレイした上で結論づけると、Shardless BUGはただ「本物の」デッキ(大規模なレガシートーナメントで躊躇なく使えるという意味で)というだけでなく、このデッキはとても強くてメタに合った選択だったと言える。

頭に入れておくべきなのは、Ancestral Visionを入れられることはレガシーにおいて大きな特権になるということだ。
Visionはまったく狂っていて、相手にするのは骨が折れる。このカードが入った力のあるデッキが既にいろいろ存在する。そしてそれらのデッキでさえ、Shardless BUGのようにVisionを「すぐにタダで」唱えるなんていう最強の使い方はできない。

BrainstormでVisionをトップに積み込みShardless Agentでめくることができた場合、多くのマッチアップでほとんど負けようがなくなる。単純にカードアドバンテージが圧倒的で、それ以降相手がやりたいこと全てを簡単に止めることができる。


この記事を読んだ人が楽しんでくれたなら、そしてもし今日紹介したこのデッキをプレイしたいと思ってくれたなら嬉しい。ヴィンテージに関心のある人向けには次の記事でマジック最古のフォーマットについてある議論をしようと思っている。
次のSCGレガシーオープンで試すために新しくて面白いデッキを探している人がいれば、このデッキも一つの候補になるんじゃないかな。私がデッキを選ぶときの基準のほとんどをこのデッキは満たしている:「捨てたマッチアップ」がなく、パワーが高く、強力なドロー能力(AgentからのVision)があり、様々なデッキに対して戦略レベルで優位に立つ方法を持ち、そして大事なことを言い忘れていたが、大量のカードを引くことができる。

《祖先の幻視/Ancestral Vision》

対戦相手:「手札は何枚ある?」
私:「ちょうど11枚だよ。まだ土地はプレイしてない。そっちは何枚?」
対戦相手:「2枚(ため息)。」
私:「素晴らしい。」


読んでくれてありがとう!

Cheers,

Brian DeMars

StarCityGamesより。
名前は聞くけど馴染みの薄いデッキ、Landsの紹介とマッチアップ分析記事。

Bobby KovacsはLandsで6月のSCGデトロイトを優勝し、GenCon 2012 Legacy Championshipでもトップ8に入りました。
以前訳したエルフの大会レポート(http://radish.diarynote.jp/201207112029505216/)でCalebが決勝で敗れた相手ですね。

高い&使い回しの効かないパーツが多いのがネックですが、パワーありそうです。

※サイト内検索で過去記事を探してくださる方がいるようなので、これまでに訳した記事の一覧を作りました。
 http://radish.diarynote.jp/201209010235483768/


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Landing On The Top Of The Loam
By Bobby Kovacs
08/28/2012

http://www.starcitygames.com/magic/legacy/24762-Landing-On-The-Top-Of-The-Loam.html

「ハハッ、君のデッキがこのデッキに勝てるとは思えないね!」―Chris Kronenberger

2010年6月19日のオハイオ州ベリア市。僕はGPTで青白赤ランドスティルを使っていて、奇跡的にトップ4に進んだ。だけどツキはそこまで、Chris Kronenbergerが自分でデザインして使っていたローグな青コントロールデッキに僕は負けた。
GPTで勝とうとしていたのはbyeのためではなく、ただ賞品のためだった(その月の初め頃、僕は既にGPTを勝っていた―大きなレガシーのトーナメントというのはなかなかないんだ)。
僕は4位の賞品を受け取り、足りなかった2枚のExplorationを買った。その次の週から「Lands」でのレガシーが始まったんだ。

僕が何者か知らない人のために自己紹介をさせてほしい。
名前はBobby Kovacs。数学の学位を持っていて、既婚で、家を持っていて、レガシーではLandsをプレイしてる。1994年からマジックを始めて、オデッセイと神河物語の間だけやめていた。
ラヴニカのリリースと同時に競技としてのマジックを始めた。戦績は以下の通りで、そこまで良いものじゃない。

1. SCGオープンで複数回のトップ64
2. SCGレガシーオープン:デトロイトでの優勝
3. PTQサンフアンでのトップ8
4. 2012レガシー選手権でのトップ8

のろのろと進んでる感じだね。

僕は2010年から休むことなくLandsを使い続けてきた。これはお気に入りのデッキで、ウィザーズがTime Spiralみたいなおかしなカードをさらに解禁しない限り、使うのはたぶんやめないだろうね。
頑固だと言う人もいるし、クレイジーだと言う人もいる。このデッキについて考えるのが何よりも好きなんだ。
もし君の好きなアイスがチェリーガルシアだったら、チャンキーモンキーは買わないだろう?もしトヨタのスープラが大好きなら、ビュイックのスカイラークを買いに行ったりはしないだろう?

これが僕のLandsのリストだ:


Lands
A Legacy deck, by Bobby Kovacs
1st place at a SCG Legacy Open Detroit on 2012-06-24

Maindeck:
4 Life from the Loam
3 Raven’s Crime
3 Intuition
4 Exploration
2 Manabond
1 Crucible Of Worlds
1 Ensnaring Bridge
1 Engineered Explosives
1 Oblivion Stone
1 Zuran Orb
4 Mox Diamond

1 Forest
2 Bayou
3 Tropical Island
1 Urborg, Tomb of Yawgmoth
1 Misty Rainforest
1 Verdant Catacombs
1 Windswept Heath
2 Creeping Tar Pit
4 Wasteland
1 Ghost Quarter
4 Rishadan Port
4 Maze of Ith
1 The Tabernacle at Pendrell Vale
1 Glacial Chasm
3 Tolaria West
3 Tranquil Thicket
1 Academy Ruins
1 Karakas
1 Bojuka Bog

Sideboard:
4 Chalice of the Void
1 Cursed Totem
1 Engineered Explosives
2 Trinisphere
4 Dark Confidant
3 Krosan Grip


このリストのカードチョイスにはかなりの議論がある。Patrick Chapinは僕のリストへのコメントの中で「Manabondは明らかに4積みすべきだ」と言っていた。
Manabondは良いカードで、これが初手にあるのは大好きだ。
だけどこのカードはときどき良くないことがある。Manabondは土地でないカードを捨てさせるので、相手に情報を与えてしまう。Intuitionやアーティファクトが手札にあるときには誘発させたくない能力なんだ。

Raven’s CrimeはEnlightened Tutorよりかなり弱いとみんなに言われた。
RUG DelverとスニークショーがはびこっているときはRaven’s Crimeの方がいい。Ensnaring Bridgeを解決させるためにカウンターを捨てさせられるのがただつよなんだ。
多くの人がマーベリックを使っているときはEnlightened Tutorの方がいい。Cursed Totemで完封できるからね。
Oblivion Stoneは今のメタでは必要ないとも言われたけど、スニークショーとプレインズウォーカーを考えれば必要だと思う。

Krosan GripはRUG Delverに溢れたレガシーでは良くないように見えるけど、Blood MoonやBack to Basics、Leyline of the Voidのようなサイド後に壊す必要のある置物があるんだ。
LandsにMindslaverを入れるのを好む人もいるし、Smokestackが好きな人もいるし、Worm Harvest派もいる。このデッキの機能性はやりたいことをなんでもやらせてくれて、どんなアーティファクトでも入れられる。このデッキには正しい構築も間違った構築もない。
僕が注目している2つのリストを挙げよう:


Lands
A Legacy deck, by Alex Olson
2nd place at a SCG Legacy Open Kansas City on 2012-08-12

Maindeck:
4 Life from the Loam
3 Enlightened Tutor
3 Intuition
4 Exploration
2 Manabond
1 Crucible Of Worlds
1 Ensnaring Bridge
1 Engineered Explosives
1 Cursed Totem
1 Zuran Orb
4 Mox Diamond

1 Forest
1 Bayou
1 Savannah
3 Tropical Island
1 Misty Rainforest
2 Verdant Catacombs
2 Wooded Foothills
1 Creeping Tar Pit
1 Mishra’s Factory
4 Wasteland
1 Ghost Quarter
4 Rishadan Port
4 Maze of Ith
1 The Tabernacle at Pendrell Vale
1 Glacial Chasm
3 Tolaria West
2 Tranquil Thicket
1 Academy Ruins
1 Karakas

Sideboard:
4 Chalice of the Void
1 Engineered Explosives
1 Oblivion Stone
1 Tormod’s Crypt
4 Dark Confidant
3 Thalia, Guardian of Thraben
1 Mishra’s Factory


Lands
A Legacy deck, by Felix Munch
16th place at a GP Ghent on 2012-07-22

Maindeck:
4 Life from the Loam
1 Worm Harvest
3 Intuition
4 Exploration
1 Manabond
1 Sylvan Library
1 Crucible Of Worlds
1 Ensnaring Bridge
1 Engineered Explosives
1 Oblivion Stone
1 Smokestack
1 Zuran Orb
4 Mox Diamond

1 Forest
1 Bayou
1 Savannah
3 Tropical Island
1 Urborg, Tomb of Yawgmoth
1 Verdant Catacombs
1 Windswept Heath
1 Riftstone Portal
1 Creeping Tar Pit
1 Celestial Colonnade
2 Mishra’s Factory
4 Wasteland
1 Ghost Quarter
4 Rishadan Port
4 Maze of Ith
1 The Tabernacle at Pendrell Vale
1 Glacial Chasm
2 Tolaria West
2 Tranquil Thicket
1 Horizon Canopy
1 Academy Ruins
1 Karakas
1 Bojuka Bog

Sideboard:
4 Chalice of the Void
1 Cursed Totem
1 Engineered Explosives
1 Ensnaring Bridge
1 Tormod’s Crypt
4 Dark Confidant
2 Gilded Drake
1 Raven’s Crime


僕のも含めたこれらのリストの大部分は似通っているものの、それぞれ独自性を持っている。
AlexのリストはCreeping Tar PitとMishra’s Factoryで勝つ。FelixはWorm Harvest、Celestial Colonnade、Mishra’s Factory、Creeping Tar Pitを勝利手段にしている。そして僕はCreeping Tar Pitだけだ。正しい戦略も間違った戦略もない。
これらのリストに共通しているのは、こんなの相手にしたくない!ってことだ。もしLandsを相手にした経験があれば、このデッキがどれだけ爆発的で色々な角度から攻撃できるかを知っているだろうね。今年僕が倒した相手で、試合の後に「Landsについて聞いたことはあったけど、どんな動きをするのか知らなかった」と言ってきた人は数え切れないよ。

理屈は単純だ。対戦相手をゲームから閉めだしてロックする。彼らの土地をRishadan PortとWastelandで縛るか、Academy RuinsとOblivion Stone / Engineered Explosivesを組み合わせるかしてロックするんだ。
いったんその状況になってしまえばCreeping Tar Pitで相手を殺すことができる。14分で終わることもあれば41分かかるときもある。

1ラウンド中に7,8分間相手をロックして生殺しのまま時間をかけることが多くある。これは以下に挙げる4つのトーナメントの記録の中にも見られる。賢明なプレイヤーはある時点で勝ち目がないことに気づき、続く2ゲームを連取するために投了するが、これはそんなに頻繁にはない。

SCG Legacy Open: Cincinnati
Round 1: Jeremy Souther - Affinity - Won 2-0
Round 2: Ramah Triplett - Junk - Drew 1-1-1
Round 3: Chris Funk - U/W Stoneblade - Won 1-0-1
Round 4: Troy Tasker - Bant - Won 2-0
Round 5: Justin Swalding - Shot in the Dark - Won 1-0-1
Round 6: Josh Glantzman - Punishing Maverick - Drew 1-1-1
Round 7: Justin Brisentine - RUG Delver - Won 2-0
Round 8: Terell Boaz - U/W Stoneblade - Won 1-0-1
Round 9: Chris Anderson - Elves - Lost 0-2

SCG Legacy Open: Columbus
Round 1: Donald Halinka - Enchantress - Won 2-1
Round 2: Gary Smith - Hive Mind - Lost 0-2
Round 3: Lukas Parson - RUG Delver - Won 2-0
Round 4: Dan Musser - Mono-Blue Control - Lost 0-2
Round 5: Alex Hamilton - Welder MUD - Won 2-1
Round 6: Eric Lennartz - Esper Stoneblade - Won 2-1
Round 7: Chris Brinkerhoff - Dredge - Won 2-0
Round 8: Riley Curran - Elves - Lost 0-2
Round 9: Jason Coleman - Sneak and Show - Won 2-1

SCG Legacy Open: Detroit
Round 1: John Plazza - Goblins - Won 2-1
Round 2: Ryan Skoczen - Maverick - Won 2-1
Round 3: Nicholas Smith - Maverick - Lost 1-2
Round 4: Andrew Dilley - RUG Delver - Won 2-0
Round 5: Thomas Reddinger - Team America - Won 2-0
Round 6: Raymond Perez - Maverick - Won 2-0
Round 7: Kurt Burbulla - B/W Stoneblade - Won 2-0
Round 8: David Goldfarb - Affinity - Won 2-0
Round 9: David Goldfarb - Affinity - Won 2-0
Round 10: Jeremy Stowe - RUG Delver - Won 2-1
Round 11: Caleb Durwurd - Elves - Won 2-1

2012 Legacy Championship
Round 1: Jesse Liu - Esper Stoneblade - Won 2-0
Round 2: Joe Krause - Goblins - Won 1-0-1
Round 3: Dan Powers - Sneak and Show - Won 2-0
Round 4: Dylan Jones - Sneak and Show - Won 2-0
Round 5: Michael Rabey - RUG Delver - Won 2-1
Round 6: Mark Sun - RUG Delver - Won 2-1
Round 7: Nicholas Rouse - RUG Delver - Won 2-1
Round 8: Ben Steiner - Hive Mind - 0-0-3
Round 9: Brad Campbell - Goblins - 0-0-3
Round 10: Ben Steiner - Hive Mind - Lost 0-2


このデータから何が言えるか

1. LandsはRUG Delverに負けない。
RUG Delverはレガシーフォーマット全体に対して有利なデッキではあるけれども、RUGがとてもツイていて、かつLandsがとても遅いハンドでない限りRUGにチャンスはない。Raven’s Crimeが手札を攻め、Wastelandがマナベースを攻め、Maze of Ithがクリーチャーを止める。

2. LandsはどんなタイプのStonebladeにも負けない。
装備品を持ったクリーチャーによるアタックは4枚のMaze of Ithと再利用されるEngineered Explosivesには無力だ。

3. Landsはマーベリックに簡単には負けない。
マーベリックはScavenging OozeやKnight of the ReliquaryやAven Mindsensorのような非常に厄介なカードをいくつか積んでいる。しかし、Explorationなどの加速手段、IntuitionやTolaria Westのようなサーチ手段のおかげでこのマッチアップは有利だ。Cursed Totemはマーベリックには回答不可能なカードで、このデッキを完封する。

4. 部族のうちゴブリンとマーフォークはLandsにとって非常に良いマッチアップだ。
Glacial Chasmロックをかいくぐるのに4枚のWastelandでは不十分なことが多い。メインにTukTuk Scrapperを入れたゴブリンにはチャンスがあるが、Raven’s Crimeはマーフォークのカウンターを封じてEnsnaring Bridgeを解決させる。

5. ドレッジの勝敗は彼らの初手によって決まる。
ドレッジのメインにはGlacial Chasmを除去する手段がなく、だいたい80%ぐらいのゲームでこのカードがドレッジを黙らせる。普通はEnsnaring BridgeやThe Tabernacle at Pendrell Valeでゲーム終了だ。さらにメインにBojuka Bogと再利用手段が入っている。

6. 親和相手はほとんどbyeに等しい。
親和は土地が非常に脆弱なうえ、Landsには彼らの盤面を機能停止させるカードが大量に入っている。Engineered Explosives、Oblivion Stone、Glacial Chasm、Ensnaring Bridge、The Tabernacle at Pendrell Vale、そしてMaze of Ithは全てこのマッチアップで非常に優れたカードだ。

7. スニークショーはみんなが良くないと考えているマッチアップだ。僕はそれには賛成しない。
Show and Tellはスニークショーにとってのぶっ壊れカードだが、同じようにLands側にとっても壊れたカードだ。1枚のKarakasと3枚のTolaria Westによって、スニークショーの生物をバウンスするのはあまりにも簡単すぎてやっちゃいけないような気さえする。Rishadan PortとWastelandが彼らの土地を縛る。Raven’s Crimeで1ターン内に「手札全捨て」をさせることで彼らの戦略は崩壊する。Dan Powersが手札に策を練っていたときにKarakasを捨てさせたよ。そしてCursed TotemはGriselbrandのドローを封じる。

8. エルフはキツいマッチアップだ。
このマッチアップで主にやる必要があることは、3ターン目までにGlacial Chasmを出し、その後ただちにScavenging Oozeに対処する手段を用意することだ。爆薬とRuinsは多少は役にたってくれるが、勝ちには繋がらない。相手のエルフたちがどれもマナを生み出すのでTabernacleは効かない。Chalice of the Void、Cursed Totem、そしてキルターンを早めるDark Confidantで勝ちを狙えるサイド後が重要になる。

9. コンボデッキはやはりキツいマッチアップだ。
Landsはベルチャープレイヤーがゴブリンを出してくれるのを当てにするしかない。もしそうしてくれればTabernacleとRaven’s Crimeでイージーウィンすることができる。Belcherコースだった場合の結末は悲惨だ。
Ad Nauseumデッキは簡単に壊せる基本でない土地とChrome Moxに頼っているため、ベルチャーよりはだいぶ楽に勝つことができる。Raven’s CrimeはAdデッキの速度を落とし、4,5ターン目に手札を空にさせることを狙える。
ハイブマインド相手はほぼ自動的に負けになる。こちらがLife from the Loam、Raven’s Crime、Urborg, Tomb of Yawgmoth、Mox Diamond、Mox Diamond、Exploration、フェッチという3ターンでハンドを捨てさせられる完璧な初手でもない限りは。かなりバカげてるよね。
Spiral Tideも自動負けになることがかなり多い。Portで土地を寝かせるだけでは足りないことが多く、彼らはレスポンスでHigh Tideをキャストしてしまう。このマッチは勝てないことはないが、何度も正しいタイミングで正しいカードを引かなきゃならない。

Landsはそんなにありふれたデッキじゃない。デトロイトでのSCGレガシーオープンでLandsをプレイしていたのは僕一人だけだった。Landsがその力のわりにプレイされているのを見かけない理由は2つある。
1つ目の理由はこのデッキが安くないことだ。Tabernacleだけで300ドルを超える。Exploration、Maze、Port、Intuition、Wasteland、その他のカードを加えると2000ドルを若干超えてしまう。これはRUG Delverの約33%増しだ。

Landsは他のデッキでも使えるカードをたくさん積んだデッキではない。Force of WillやTarmogoyf、Vendilion Cliqueなら他のデッキで手軽に使える。
Maze of Ith1枚はマーベリックで使うことができる。TabernacleやExploration、Rishadan Portのようなカードになると転用先はかなり狭い。これは、このデッキを構築するのに専念する必要が出てくるってことだ。

Landsが使われないもう一つの理由はこのデッキをプレイするのがとても難しいことだ。ただデルバーを裏返して6~7ターン殴ったり手札のGoblin PiledriverやWarchiefをVialから出すのではなく、Tolaria WestやIntuitionのサーチ先のようなたくさんの意思決定が要る。親和相手にはIntuitionでロームと廃墟とアーティファクトを持ってくるのかもしない。コンボ相手にはロームとUrborgとRaven’s Crimeを持ってくるだろう。
Landsはゲームの2,3ターン先をプレイする必要がある。

嘘のように聞こえるかもしれないけど、Caleb Durwardを相手にしたデトロイトでの決勝を例として取り上げよう。
僕は相手のエンドにIntuitionをキャストしたとき、Glacial Chasm、Tabernacle、そしてTropical Islandを持ってきた。
(ロームによって)次のターンにはChasmを手に入れ、数ターンの間は負けなくなることが分かっていた。Tropical Islandをサーチしたのは、彼がその後のターンにViridian ShamanでMoxを割ってきてもChasmを回すための緑マナを確保するため。Tabernacleは、Viridian ShamanをサーチしてMox Diamondを割るのではなくPriest of Titaniaをサーチすることを相手に考えてもらうための囮だ。これを全てIntuitionが解決するまでに考えておく。
選んですぐ次の日に回せるようなデッキではないんだ。どうプレイすれば良いか学ぶのにかなりの時間がかかる。

Landsコミュニティは日々少しずつ少しずつ成長している。
今年のGenConでは3人のLandsプレイヤーに出会った。これは最近のトーナメントでこのデッキが目立った活躍をした成果だろう。大きなトーナメントのメタでRUG DelverとエスパーStonebladeがある程度の割合を占めている限り、上位にLandsを見かけることが今後も続くだろうね。
真のチャレンジをする意気込みがあって、Landsの「リベリオン」に加わりたい人がもしいたら、やるべきことはこれだ:

1. 自分でTabernacleを買う。
2. 本当のマジックをプレイする。

シンプルだね。
この物語/与太話を楽しんでくれたなら嬉しいよ。それじゃあまた、SCGアトランタで会おう!

StarCityGamesより。
渦まく知識/Brainstormについて。
掲載からわずか1年ちょっとでSCG Classicに入った記事です。

日本にも、この記事より1年以上前に書かれたブレストに関する素晴らしい記事があります。

http://43458.diarynote.jp/200905100158003828/

ちょうどレガシーを始めた頃にこちらの記事に出会って衝撃を受けてからはや3年。
使いこなしてます、と胸を張って言うにはまだまだ修行が足りないなあと思います。

やっぱりこのカードは楽しい!


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SCG Classic―Pondering Brainstorm
By AJ Sacher
11/22/2011

http://www.starcitygames.com/magic/fundamentals/23152_SCG_Classic_Pondering_Brainstorm.html

これは2010年7月29日に掲載された記事である。

マジックプレイヤーの結束を強める一つの方法は、お互いにクイズのような質問をしあって答えを議論すること。これは僕のお気に入りの娯楽だ。僕らが大好きなこのゲームから外れることなく、それでも新たな発見があって、この議論は頭をほぐす機会になる。熱っぽい討論も平和な会話もいつだって楽しい。
その中で何度も耳にした質問の一つが、このゲームで最もスキルが必要なカード、についてのものだ。

Gifts UngivenとFact or Fictionはいつも話題にのぼる。Cabal Therapyは青くないスペルで頂点に立つカードとしてしょっちゅうもてはやされるが、僕の考えではSensei’s Divining Topには負ける。チューターや基本的な除去のようなシンプルなカードが挙げられることすらある。
しかし、僕に言わせればナンバーワンのカードにはほとんど議論の余地はない。その栄誉はマジック史上で僕が一番好きなカードに与えられる。
もちろん、Brainstormのことだ。

Brainstormそれ自体がこのゲームの要となり、最終的に禁止の鉄槌(正確には制限の鉄槌)を下されるまでの間、ヴィンテージを定義付けた。この強力なインスタントとあまりにも似すぎていただけで、Ponderもまた斧を振るわれた*。
今レガシーがこれだけポピュラーなフォーマットになり、それを支える原動力としてBrainstormとの関わりは再び急激に増している。レガシーを競技としてプレイする人が増えるにしたがってBrainstormを正しく扱うプレイヤーの数もどんどん増えているが、学べることはまだまだあると僕は感じている。

過去に異なる場面で何度か言ってきたように、これまでも今も、レガシーは最もスキルを要するフォーマットだ。そのとても大きな理由はBrainstormの存在による。
はじめて参加したグランプリ、GPコロンバスよりもかなり前、僕はこのカードの使い方を知る人が集う秘密クラブの一員みたいなものだった。本当に多くの人がこのカードをとても下手に使うのを見て、この地区のレガシーイベントでいつも同じプレイヤーが良い順位をキープしているのはなぜなのか、だんだん分かってきた。ブレストが制限される前のヴィンテージにも同じことが言えた。
今日の記事ではこのカードについてくまなく探検してみよう。

なぜ一つの記事を1枚のカードに費やすのかって?そうだな、えーと・・・Brainstormは史上最もスキルを要するカードで、レガシーで最も優れたカードで、ほとんどいつも最も多くプレイされているカードだ。2日後のグランプリのフォーマットを定義付けるカードで、いくつか議論しておくのは当然だと思う。

Brainstormはキャントリップではない。

Brainstormは一見たいした仕事をしないように見えるため、よく考えずにキャストしてしまうことが多い。ここで問題なのは、Brainstormがキャントリップよりずっと深いカードなのに、これをキャントリップとみなしてしまっていることだ。
Optはキャントリップだ。Serum Visionsはキャントリップだ。Mental Noteはキャントリップだ。このキャントリップ気質は伝統的なNimble MongooseとWerebear入りのスレッショルドデッキからくるものだが、今日のスレショデッキは先祖よりも多少進化している。デッキのカードをどんどん使ってただ墓地を肥やすだけでなく、その先に続くもう少し複雑なゲームプランを持っている。

僕が目にするBrainstormに関するミスのほとんどは忍耐の欠如からくるものだ。
Josh Raydenは僕がマジックを始めた頃に多くのことを教えてくれた友人だが、彼はBrainstormのパワーについて素晴らしい名言を持っていた。彼はおおげさにこう言った。
「決してこのカードをキャストしようと思わないことだ。」

そしてこれは正しい。正直言って、このカードはキャストするには良すぎる。

Brainstormは情報によって力が増幅されるカードだ。多くの情報を得れば得るほどBrainstormはより良いカードになる。
土地とスペルがほどよく混ざった強い手札を持っていることを想像してみよう。そのときBrainstormはあなたに何をしてくれるだろう?
たいしたことはしない。しかし人々はこれをとりあえずキャストしてしまう。
長く待てば待つほど、あなたはより多くのカードを見ることになり、どのカードが必要でどれが必要でないかを正確に言えるポイントまでゲームは進行する。それにしたがってブレストしよう。

ブレインストーマーが犯す最大の罪は、不用意な1ターン目のキャストだ。これは自分のスペルの力を自分で奪ってしまっているようなものだ!
かつては2ターン目のアップキープにMystical Tutorを撃つことで最大の価値を得ることができた(もしくはEntomb、これは今でもできる)。しかし現在もはやこのプレイはできず、このようにカードを無駄に使うことにプレイヤーが弁解する余地はほとんどない。これをやった場合、2枚のカードを引いて1枚を戻すのとほぼ同じで、この文脈ではBrainstormはシャッフルしない1マナのSee Beyondのようなものだ。

ライブラリトップに戻した知っているカードのうち1枚を次のターンにすぐ引くことになるため、1枚だけ戻しているのと同じことになる。
そして1ターン待っていれば、カードをドローし、「それから」さらに3枚深く掘ることになったはずなので、見るカードが1枚減っているのと同じようなものだ。1ターン待つことにより、1ターン目にブレストを唱える人よりも1枚多くのカードを見ることができる。

このミスをしてしまう理由は、毎ターンできる限りマナを使うというルールが頭に刻み込まれているためだ。
2ターン目にTarmogoyfをキャストする予定なら、Brainstormを使うにはその次のターンを待つ必要がある、そうだろう?
そして、僕は「待つ必要がある」じゃなくて「待つチャンスがある」と捉えている。3ターン目のBrainstormによって1ターン目に使うよりも追加で2枚のカードを知り2枚深く掘ることは、ほとんどいつだって1ターン目に1マナを余らせてでもやる価値がある。

加えて、相手が1ターン目にTropical IslandやPolluted Deltaをプレイしていた場合はどうなるだろう?相手が何をプレイしているのかあなたにはまだ分からない。そこでBrainstormしたくなるかな?
待つことにより、あなたは自分の手札とゲームプランについてだけでなく、何を相手にしているかについてもより多くの情報を得られる。これが重要な理由は、Brainstormで何を戻すかを正しく決められるようになるからだけではなく、相手が今後プレイする土地によって彼らのアーキタイプが明確になり、その結果あなたのプランが変わりうるからでもある。

考えてみよう。相手のデッキがすぐさま正体を現すこともしばしばある。こんなふうに:

山からラッキー。

Taigaをフェッチしてナカティル。

平地を出してAether Vial。

セットランド、Mox DiamondからのExploration。

などなど。つまり、相手が何を使っているかをはっきり物語るスタートは数多くある。
あなたが推測をしなければならなくなるケースの多くは青絡みのデュアルかフェッチから始まる場合だ。Tropical Islandはカナディアンスレッショルドやニューホライズンのようなスレショ系デッキを意味しているかもしれない。タルモをタッチしたマーフォークや出だしの遅いLandsの可能性すらある。アルーレンや超起源やショーテルの一種かもしれない。
これは誰にも分からない。

青絡みのフェッチの場合は上に挙げたデッキのどれかかもしれないし、ストームコンボかもしれないし、マーフォークかもしれないし、その他諸々かもしれない。

待つことにより、あなたは相手にしているアーキタイプが何かを見定めることができる。また、初動を見ればそれ以上の情報がなくとも警戒警報をオフにできる場合も多い。
突然、Tarmogoyfのために2ターン目にタップアウトしたくなくなることもある。相手のプレイしているデッキにDazeが入っていないと分かっている場合、僕は単にTarmogoyfをプレイして次のターンにブレストで情報を得ることができる。しかし不明瞭な出だし(もしくは島からVialのように明らかなマーフォーク)の場合はDazeを撃たれる可能性が高く、僕はよりゆったりとターンを返すようになり、何気なくフェッチランドを置き、再びパスをする。

したがって、1ターン目のBrainstormはマナカーブに沿っているという議論は数多くのゲームで成り立たない。なぜならその状況で2マナスペルを何が何でも使うべきではないからだ。
DazeをケアしてTarmogoyfを出し、次のターンにブレストで情報を得るだけでなく、直後にフェッチを切ることによってカード入れ替えの価値を1ターン目にキャストする場合と比べて最大化できる。

言うまでもなく、1ターン目にブレストをキャストするためにフェッチを切らねばならないなら、その必要もないのに基本土地を持ってきて色マナを窮屈にするか、そうすべきでないのにWastelandに身をさらすかのどちらかになる可能性がある。

Brainstormのタイミングはエターナルフォーマットで最も重要なスキルの一つだ。

ブレストを1ターン目に撃つことの他に、何もすることがないときにこれをキャストしてしまうプレイヤーが多い。これはなおさら難しい問題だ。
僕の尊敬する上手いプレイヤーが、ほとんどいつも攻勢に出ている状況でBrainstormをプレイするのを見てきた。僕自身はかなり保守的な傾向がある。つまり、引き金を引くことができる最後の瞬間まで待ち、最大の情報を手に入れ、可能な限り深くライブラリを掘るのを好む。
他のプレイヤーはそれよりかなり早く発射する。何かチャンスを得たときにそれを連鎖させ、より大きなアドバンテージに増幅させようとしているんだね。
しかし、この一連のプレイはとてもリスキーで、Brainstormでハズレを引いたときに大きな罰を受けることになる。

待つことにより、Brainstormに付加価値がつくプレイができるように準備を整えておいた方が何かと都合がいいだろう。単にカードを濾過するだけでなく、Brainstormは多くの繊細な意味を持つカードだ。ほんのちょっとしたプレイが勝敗の分かれ目になり得る。
手札入れ替えの意味をなくしてしまったり潜在的な情報を得るのに失敗したりする以外に、早期に撃ってしまうことも、こういったオプションをゲーム終盤に使う可能性を閉ざしてしまう。

Brainstormが秘めた特殊能力の中で一番よく知られているのは、このカードが青いことだ。Force of Willのピッチコストにできることは表面的には大して魅力的な能力には思えないだろう。しかし十分な数のレガシーのゲームをこなせば、これにまつわることが何度も何度も起こることに気づくはずだ。
Brainstormを撃ってSense’s Divining Topをドローした場合、あなたは別の、潜在的により重要な青いスペルをピッチコストに使わざるを得なくなる(あるいは他に青カードがなく、カウンターできなくなるかもしれない)。しかしあなたがもう少し辛抱してTopをナチュラルドローした場合、カードを選ぶのには独楽が使え、そしてBrainstormはまだ手札にあって将来代替コストでカウンターを撃つために使うことができる。

もう一つのかなり知られたBrainstormの使い方は1枚か2枚の最高のカードをハンデスから隠すことだ。以下は今週末に向けたテストプレイの中で僕に起きた例だ:

僕はストームコンボを相手に相殺ソプターをプレイしていた。こちらの初手はブレスト、独楽、相殺、2枚の島、2枚のフェッチだった。
僕は土地をプレイして独楽をプレイせずにエンドした。相殺はこちらの唯一の防御カードで、これをDuressされるリスクは取れなかったからだ。案の定、彼はDuressからスタートし、僕はブレストを使ってもう1枚のBrainstormとEnlightened Tutorと土地を手に入れた。ここでまず独楽を、次に相殺を戻した。彼はEnlightened Tutorを落とし、私はドローして相殺をキャストした。僕のライブラリトップは独楽だと分かっている。
もし僕が単純に1ターン目に独楽をプレイしていたら、Duressで相殺を落とされて無防備にさせられていただろう。それだけでなく、シャッフルで混ぜ込むために1枚目に土地を戻していたら、Duressで独楽を落とされた上、相殺をプレイした後のライブラリトップは1マナだと分かっておらずフェッチを切った後のランダムなカードになって、2ターン目が無防備になっていただろう。そのうえもう1枚の独楽を持ってくるためにチューターを使う必要まである。

例えばForce of Willのような1枚の良いカードを隠し、その下に不要牌を埋めてシャッフルすることはこの例よりももっとよくある状況だが、2枚のカードを守ることが正しい状況を知っておくことは重要だ。

Brainstormは独楽なしで相殺をヒットさせるのにも使える。必要なのは独楽を探すためにBrainstormを使わず、手札に残しておくことだ。そしてカウンターしたいスペルを相手がキャストし、適切なマナコストのカードがあなたの手札にあるときに相殺の誘発にスタックでBrainstormを撃ち、トップをめくる前に正しいコストのカードを置いてタダでスペルをカウンターする。

Brainstormは解決したStandstillの被害を最小限に抑えるのにも使える。クロックがない、もしくはとても遅い相手にStandstillを置かれた場合、Standstillを割る前に対戦相手の手札が7枚かできれば8枚になるまで待ち、向こうのエンドステップにBrainstormを撃つプレイができる。
この動きのために使える能動的なインスタントというのは数少なく、同様に相手が自分のエンドステップに使う価値のある能動的なインスタントというのもほとんどない。これはつまり、相手のStandstillをAncestral Recallから「3枚引いて2,3枚捨てる」カードに変えたことになる。
この動きのためにIntuitionのようなカードを使ったときの問題は、相手がカウンターを持っている場合、Intuitionをカウンターしてクリンナップステップにディスカードする必要のあるカードを減らし、アドバンテージの損失を小さくできてしまうことだ。相手がBrainstormにカウンターを使いたがるなら、そうさせておけばよい。

デッキの中にある必要のあるカードをデッキに戻せることは皆が知っているBrainstormの能力だ。悪いカードや死に札を交換することを言っているのではない。デッキが機能するために絶対にライブラリの中になければならないカードについての話だ。
小さなものでは、フェッチ可能な土地を戻して後からフェッチしてこられるようにできる。大きなところでは、Progenitusを戻すことでNatural Orderしてくることが可能になる。このBrainstormの使い方についてはいろんなところで書かれているけれども、手札ではなくライブラリにあることが必要なカードを入れたデッキを使っているのにBrainstormを早期に撃ってしまうプレイヤーがいる。もしこの手のカードが入ったデッキを登録したなら、あなたはアグレッシブにブレストする権利を公式に放棄したことになる。早期に撃つことでキーカードをドローして手札で腐らせてしまうことを心配して、あなたは保守的になる必要がある。

初めのほうで言ったように、僕はBrainstormをとっておくように教えられた。そしてこれは最適なアプローチだと信じている。例外は少なくて、アグレッシブに撃つアプローチよりも多くの情報を得られる。
それはそれとして、僕は柔軟性が大事だと思っている。ライブラリを掘るべきなのはいつか、また我慢すべきなのはいつかを知る必要がある。これらの状況は動的かつ複雑で、完全なルールブックは存在しない。しかし、Brainstormの引き金を引くか否かを考えるための明確なサインを僕はいくつか知っている。

1 - シャッフル手段を既に持っているか?
もしそうでないなら、僕はほぼ間違いなく待つ。無駄ツモを2回して足踏みすることはまったく許容できないし、しばしば避けられない。

2 - 手札から取り除きたい2枚を既に持っているか?
もしそうでないなら、僕はおそらく待つ。ライブラリに混ぜ込んでも良いカードが十分にない状況でブレストを撃つと、マナを使うためにフェッチを切る必要がある場合に悲惨なことになる。(シャッフルしないために)フェッチを切らず展開を遅らせるか、またはシャッフルによって有用なカードを特に理由もなく捨てるかのどちらかをすることになってしまう。
この原則はよく見逃されている。プレイヤーたちはまるでライブラリに戻せるカードを引くことを想定しているようだが、完璧な土地とスペルを引かないとは言い切れない。常に不要牌があるという前提をおくことはできない。
加えてこの状況では、単に無駄な土地3枚を引き、そのうち1枚を手札にあったBrainstormと入れ替えただけに終わる可能性がある。

3 - 相殺によって何かをカウンターする必要があるか?
まだTopを出しておらず(トップレスとも言うね、冗談)、デッキに相殺がある場合、Brainstormを手札に残しておくかなり強い動機がある。

4 - Duressから守る必要があるか?
これは面白いポイントだ。というのも、実際はコンボに対してForce of Willを守る価値のない場面があるためだ。Willをトップに逃したとしても、相手はDuressを撃ったそのターン中に殺しにくるだろう。
しかし、これは独楽を出しているかもう2枚のドロースペルを持っている場合には当てはまらない。独楽を出している場合、Force of Willを隠したうえで、それにインスタントスピードでアクセスできる。隠したWillを引くために手札のスペルを使うつもりなら、少なくとも2枚は持っていないと相手にドロースペルを落とされてライブラリトップにアクセス不能になってしまうことを覚えておこう。
これらの状況では、相手がコンボピースを揃える前にゲームを終わらせるためにアグレッシブにBrainstormを使うことが正当化される。しかしそれでも、独楽か2枚のドロースペルでこのトリックを使うか、あるいはForce of WillをDuressさせてBrainstormでもう1枚を探すかの判断に僕はたいてい慎重過ぎるほど慎重になる。加えて、Duressが解決した後にForce of Willを使うためのピッチコストを残しておく必要がある。この選択はゲーム中のたくさんの要因を考慮した十分な計算による複雑な判断にもとづいて行われるものだ。
何が言えるかって?このカードにはスキルが必要だってことさ!

5 - 優勢か?
もし相手より優勢かイーブンであれば、僕は待つ可能性が高い。劣勢な場合、押し切られる前に相手に追いつくことがとても重要になる。一方で、強いプレッシャーを受けていないならば待つことは十分にペイする。

6 - このマナが必要になるだろうか?
ブレストフェッチをした後、残りのマナをタップしてすぐにクリーチャーをキャストし、Dazeされる人をときどき見かける。これはブレストのプレイというよりはDazeケアについての話だとは分かっているが、この記事でどうしても触れたい話題だ。というのもこれは起こりすぎなほど起きている本当に悪いプレイだからだ。
フェッチを起こしたまま単にクリーチャーを唱えれば、相手にDazeを使わせずに次のターンのブレストシャッフルまで可能だ。相手はもしDazeを使えばただカードを1枚ドブに捨てることになる**。

7 - Brainstormをより良くするエンジンがデッキに入っているか?
Life from the LoamやCrucible of Worldsが動き出していれば、Brainstormは文字通りAncestral Recallになる。これらのカードアドバンテージエンジンを動かす予定があるなら、動き始めてから使ったほうがBrainstormはより良いものになる。

たとえソーサリータイミングでのBrainstormであっても、カードを戻すときには自分が何をしているのかを慎重に考えてほしい。すぐにシャッフルする場合は答えは簡単で、悪いカードを2枚捨てることになる。
しかし戻したカードのうち1枚または両方を再び引こうとしている場合、これを正しく行うことは信じられないほど重要だ。シャッフルしない理由がシャッフル手段がないからであっても、手札が良すぎて2枚を捨てられないからであっても。

Tarmogoyfをこのターンではなく次のターンにキャストするつもりなら、Thoughtseizeされないようにタルモをトップに置こう。良くないカードを直感的に積むだけなら簡単だが、そうすると最高のカードをDuressやThoughtseize、Hymn to Tourach、Vendilion Clique、Cabal Therapyによって失う可能性を残すことになる。

上から2枚目に積むカードが意味を持つ場面を知っておくことは大事だ。そういう場面はあまり頻繁にはないため見落としやすいが、いざその場面になったときには極めて重要になるためだ。
さっきのCounterbalanceとSensei’s Divining Topの例を取り上げよう。もしDuressされなかったとしても、僕は相手のエンドステップにBrainstormを使って上から2枚目に1マナスペルを積み込んでおき、相殺がすぐに効果を発揮するようにしただろう。

この記事はだいぶ長くなったし吸収すべき情報をたくさん書いてしまったので、最後のいくつかの注意点は簡潔に述べようと思う。

Zooを相手にするとき、こちらにシャッフル手段がない場合でも相手のPath to Exileを利用できることを覚えておこう。

ブレストで戻すカードを手に入れるためにDazeの代替コストが使える。そのうえこれはフェッチ可能な土地だ。

最後に、常にプランを持とう。Brainstormによって何を探し何を戻すのか、キャストする前に明らかにしておこう。
ライブラリの上にどんな3枚の組み合わせがあってもその後の道筋を思い描けるぐらいまで自分のデッキをよく知るべきだ。そして心の目で見たことが気に入らないなら、さらなる情報を得るまで待つ以外にやることはない。
自分のデッキリストも正確に覚えておくべきだ。これによって探しているカードが見つかるおよその確率を計算し、トライに値するかどうかを考えることができる***。

締めくくりとして、Brainstormを我慢することをとにかく覚えよう。やがて来る、より大きな価値をブレストから得られる瞬間を探そう。
ブレストがただ手札にあり、そしてやることがないというのはこのカードをキャストする理由にはならない。Jace, the Mind Sculptorの能力とは違い、ブレストはある特定のタイミングで使う必要がある。ブレストはインスタントで、使うチャンスは一度だけだ。だから正しく使おう。

スティーブ・マーティンのようにさようなら!

AJ Sacher


P.S. 僕はこの記事のパート2を計画しているが、GPに間に合うように仕上げることはできなさそうだ。途中までは書いており、今回の記事に載せたいくつかの原則に立ち戻りながらPonderについても同じように議論をして、プレイするときにキーとなる両カードの違いを指摘する。実際のプレイに出てくる多くの状況を例として挙げ、私ならどうするかを書いている。頭の体操として面白いものになるように、またできればBrainstormとPonderについて議論されてきたたくさんの原理を示したいと思っている。
(※訳注:面白そうなのですが、AJ Sacherの連載はこの記事で終了し、続編は少なくともSCGには掲載されていないようです。)

* Preordainを見るとPonderやBrainstormの制限と矛盾しているように思えるかもしれないが、BrainstormとPonderが殺された本当の理由は、壊れた制限カードを探すのにこれらが役に立ちすぎるとウィザーズが考えたためだ。ブレストポンダーと違って判断する前に3枚目のカードを見ることができないため、この新たに印刷されたカードセレクターは正常だとみなされている。

** 別にもう一つ考えておくべきなのは、ダブルDazeをケアする必要がときどきあるということだ。実際はこの状況はかなり珍しい。何かをケアしているとき、多くの人は盤面をそのまま見て相手が2枚のDazeを持っているかもしれないと考える。しかし、その時点までのゲームの進行から対戦相手の手札を読んでみよう。もしあなたが6枚の土地を出しており、相手がブレストからのシャッフルを2回している場合、彼はおそらくDazeをライブラリに戻しているため、2枚のDazeを持っている可能性は低い。

*** 確率はそれだけではプレイする価値があるかどうかを教えてくれない。成功に繋がる可能性を考えて評価する必要がある。つまり、シャッフル手段を引く確率が60%あるが引けなかったら死ぬという場合、望むものを手に入れられそうではあるが僕は待つことにするだろう。盤上の確率計算はベストな判断をしようとするときに必要となる優れた情報の一部に過ぎず、判断それ自体ではない。

P.P.S. 1枚のマジックのカードに4000単語の説明では不十分だと言わんばかりに、何人かの人からEnlightened Tutorベースのコントロールデッキのアップデート版について尋ねられた。これだよ:


Enlightened Tutor Control
Featured by AJ Sacher on 2010-08-01 (Legacy)

Maindeck:
4 Brainstorm
4 Force of Will
2 Counterspell
4 Swords to Plowshares
4 Enlightened Tutor

2 Jace, the Mind Sculptor

1 Moat
1 Porphyry Nodes
4 Counterbalance
4 Sensei’s Divining Top
1 Crucible Of Worlds
1 Engineered Explosives
1 Ensnaring Bridge
1 Pithing Needle
1 Sword of the Meek
2 Thopter Foundry
1 Tormod’s Crypt

1 Seat of the Synod
6 Island
2 Plains
2 Tundra
1 Underground Sea
4 Flooded Strand
3 Misty Rainforest
2 Polluted Delta
1 Academy Ruins

Sideboard:
1 Engineered Explosives
1 Relic of Progenitus
1 Ethersworn Canonist
4 Meddling Mage
1 Back to Basics
1 Circle of Protection: Red
1 Future Sight
1 Humility
1 Porphyry Nodes
1 Threads of Disloyalty
1 Wheel of Sun and Moon

StarCityGamesより。レガシーについての後半のみ翻訳。
Stonebladeか青白コンか。レガシーではずっとStonebladeをやり込んでいるBen Friedmanの記事です。

次はちょっと間が空くと思います。


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Standard And Legacy Observations After DC
By Ben Friedman
08/09/2012

http://www.starcitygames.com/magic/standard/24658-Standard-And-Legacy-Observations-After-DC.html

(前略)

ゲームのテンポを支配して相手を倒したいという想いはレガシーにも存分に注いでいる。
このコラムの読者なら分かってるように、僕はしょっちゅうStonebladeを使う。先週日曜のSCGレガシーオープンでは友人のKurt SpiessとReid Dukeは青白コントロールを選んで素晴らしい成功を収めたけどね。
青白コントロールは僕のプレイスタイルの好みに合ってないんだ。必要に応じてビートダウン側に回ったりすることは絶対ないし、相手にやりづらい防御姿勢を強いる石鍛冶バターもない。でもそういう部分がないかわりに、青白コントロールはゲームを固定したり、相手がやりたそうなことを全部潰したりするのが得意だ。

僕の見方では、Stonebladeとコントロールの間にはいくつかのマッチアップで重要な違いがあって、それがデッキを切り替えるべきかどうかを教えてくれる。

Stonebladeは石鍛冶バターのおかげでマーフォークとのマッチアップがかなり改善する。
カウンターにバックアップされた魚軍団にコントロールがなかなか回答できないのをいいことに、マーフォークは単純にTerminusをはじくForce of Willを握っておくか2枚のMutavaultを引くかするだけでたいていはゲームに勝ててしまう。
Standstillもコントロールを崩壊させるね。コントロールはゲームをひっくり返す1枚のスペルをその場で解決させなきゃならないのに、マーフォークはそのスペルをシンプルにカウンターして強烈な一撃を加えられる。

Stonebladeは3ターン目バターによってマーフォークからイニシアチブを奪うことができる。マーフォークはBatterskullを倒すための悲惨な時間を過ごすハメになる。毎ターンの4ライフと攻撃に立ちはだかる大きなブロッカーはマーフォークを完全に停止させる。
もちろん、4枚のソープロと4枚の瞬唱に加えてサイド後に入る2枚のPath to Exileによって、Stonebladeはほとんど常に島渡りロードを盤上から排除しておける。それによって瞬唱は効果的に銀エラやメロウと相打ちできる。
Stonebladeはジェイスや石鍛冶を用意するために相手を失速させることに長けていて、これもコントロールと比べた利点だ。コントロールは通ることを祈りながら大振りな一手を放たなきゃならない。それ以外に銀エラや珊瑚兜が渡ってくるのを止める手段がないからね。

マーフォークとのマッチでは前を行くStonbladeだけど、RUG Delverとのマッチでは道を譲る。RUG DelverはStonebladeプレイヤーをいたるところで苦しめていて、エスパーカラーでは簡単には回答できないカードを持ってる。経験を積んだRUG使いを相手にしたいStonebladeはいないよ。サイドのSulfuric VortexとAncient Grudgeも、装備品パッケージを無効化してStonebladeに入ったカードの多くをダメにする。
Stonebladeが生きて土地を置くことができればRUGのSpell PierceとDazeをくぐり抜けてわからせられる、と僕は思ってしまいがちなんだけど、やっぱりこのマッチアップはあらゆる面で簡単じゃないね。

一方コントロールにとっては、Terminusと爆薬がマングース、タルモ、デルバーへの完璧な回答だ。タルモとDazeとサイドのいくつかの対策カードを除く全てが1マナのRUG相手では、相殺独楽が本当に狂ってる。
現時点で一番良いデッキのRUG Delverを相手にコントロールが有利なマッチアップを楽しめるというのも頷けるね。

マーベリックについてはどうかと言うと、経験的にはどちらのデッキも若干有利だ。メインに1マナ全体除去を4枚積んでるコントロールの方が少し良さそうかな。
それでもヤバいカードはヤバい。ChokeとSylvan Libraryの2つはどちらのデッキにとっても対処が面倒なパーマネントだ。違いは、コントロールの方がより多くのベーシックの平地を積んでいることで、Chokeのもとではコントロールの方が力を出せる。
ふつうコントロールはマーベリック相手では相殺を抜く。ゲームに影響を与えないからね。このマッチアップはコントロールの方が少し有利だとは言ったけど、そんなに違いはないね。

コンボとのマッチアップはたいていはStonebladeの方がちょっといい。サイド前は無駄牌がコントロールほど多くないし、サイド後は死に札を抜いてハンデスを増量できる。
ふつうコントロールはデッキに無駄牌を残しながらコンボを相手にすることになる。だけど相殺独楽でかなりの数のコンボデッキはゲームオーバーだね。
そういうわけで、このマッチアップはStonebladeが少しだけ有利だと言おう。僅差だけどね。

今度はこれら2つ同士のマッチだ。正直言うとどちらのデッキが有利なのか僕には分からない。
ハンデスと複数の角度からの攻めによってコントロールの出鼻をくじいて重要スペルを解決させられるから、Stonebladeが良いと言いたい気がする。相殺には爆薬である程度対処できるし、コントロールは除去を全てサイドアウトするわけにはいかないから、Stonebladeへの回答はある意味引き伸ばされて薄くならざるをえない。
コントロールがStonebladeに相殺独楽ロックを決めた場合、ゲームが進むにつれてコントロールが大きなアドバンテージを得るのはたしかだ。だけどStonebladeの方がジェイスを通すのは得意だという点で少しだけ有利に思える。

なるほど、それじゃあどうしたらいいんだろう?2つの素晴らしいデッキの間でにっちもさっちもいかず、どちらが良いか明確には選べない。
僕は2つのうち片方を多少快適にプレイできる。加えて、Stonebladeよりもコントロールの方が引き分けになる確率は高い。ほとんどの場合、実際にゲームに勝つには2枚のEntreat the Angelsのうち1枚を見つける必要があるからね。

クリーチャーデッキに対してコントロールが持つ利点のいくらかをStonebladeに導入できないだろうか?
現実には僕は相殺パッケージには合ってない。だけど、多くのStonebladeデッキが1枚や2枚のPonderをマナベースを補うために入れているのを知ってる。Stonebladeが効果的にマーベリックやRUG Delverに回答する手段としてTerminusを入れるのを僕は大好きだけど、Terminusをトップに積み込む方法がジェイスとブレストだけでは入れる価値はないだろう。
Sensei’s Divining Topを単にカードの質を高めるエンジンとして使ったらどうだろう?そう、それがワシントンDCのSCGレガシーオープンで使ったリストから今使っているリストへの変化にすごく近い。
これによって対戦相手の最初の猛攻をいったん捌いてからじっくり勝つのがちょっと得意になった。やはりTerminusにアクセスできることで、最初の猛攻を首尾よく生き残る可能性はかなり高まる。

こんなのはどうだろう?


Esper Stoneblade
Featured by Ben Friedman on 2012-08-12 (Legacy)

Maindeck:
2 Vendilion Clique
4 Snapcaster Mage
4 Stoneforge Mystic
1 Trinket Mage

3 Jace, the Mind Sculptor

4 Brainstorm
1 Counterspell
3 Force of Will
2 Spell Pierce
1 Spell Snare
4 Swords to Plowshares
1 Inquisition of Kozilek
2 Thoughtseize

1 Batterskull
1 Umezawa’s Jitte
2 Engineered Explosives
1 Sensei’s Divining Top

2 Island
1 Plains
1 Glacial Fortress
4 Tundra
3 Underground Sea
1 Scrubland
4 Flooded Strand
4 Polluted Delta
1 Riptide Laboratory
1 Academy Ruins
1 Karakas

Sideboard:
1 Sensei’s Divining Top
1 Disenchant
1 Force of Will
1 Intuition
3 Surgical Extraction
2 Cabal Therapy
3 Lingering Souls
3 Terminus

(※訳注:ちなみに、Ben FriedmanがワシントンDCでうまくいかなかったリストはこちら→http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=48426


逆に、Stonebladeをお手本にしてコントロールを少し改造することもできる。ハンデスでStoneblade相手とコンボ相手のマッチアップを改善してみよう。


U/W Control
Featured by Ben Friedman on 2012-08-12 (Legacy)

Maindeck:
1 Vendilion Clique
2 Snapcaster Mage

3 Jace, the Mind Sculptor

2 Entreat the Angels
4 Brainstorm
2 Counterspell
4 Force of Will
2 Spell Pierce
4 Swords to Plowshares
3 Terminus

2 Land Tax
3 Counterbalance
4 Sensei’s Divining Top
1 Vedalken Shackles
1 Engineered Explosives

5 Island
2 Plains
3 Tundra
2 Underground Sea
4 Flooded Strand
2 Marsh Flats
2 Misty Rainforest
1 Academy Ruins
1 Karakas

Sideboard:
1 Engineered Explosives
1 Relic of Progenitus
1 Counterbalance
1 Disenchant
3 Surgical Extraction
1 Vendilion Clique
1 Elspeth, Knight-Errant
1 Terminus
4 Thoughtseize
1 Vindicate


Kurt SpiessはサイドにRed Elemental Blastをとったバージョンのコントロールをプレイしていて、これはマーフォークとのマッチアップでの問題を軽減するのは間違いないと思う。この赤いカードはコンボとのマッチアップでもたしかに役に立つ。多くのコンボデッキは効率よく揃えるために青いカードを入れているからね。これはコントロールが進む方向性としては一番いいかもしれないし、この選択がどこに行き着くか見届けるのはエキサイティングだね。
彼と僕とでこのデッキをできるだけ良いものに仕上げたい。このデッキを一週間かけて改造して、すぐ次回のSCGオープンで使いたいと思っているんだ。
(※訳注:Kurt Spiessの青白タッチ赤コントロールはこちら→http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=48420

来週から2週間、大きなトーナメントに出るのは少し休憩するけど、GPボストン-ウースターとM13リミテッドの練習はするだろうね。明らかに僕の大きな穴になっているから、今こそリミテッドを上達すべきときなんだ。
来週はSCG Open Kansas Cityでスタンダードとレガシーがどう変わったか以外に、リミテッドについても書くつもりだよ。

それでは。

Ben Friedman

ちょっと筆休めにThe Sourceより。

先日のSCG Legacy Open Washington DCで8位のストーム。"Grinding Station"という名前でThe Sourceにスレッドがあるテンドリル4積みのタイプのようです。

メインは速度を犠牲にして青に強い構成をとり、青以外にはサイド後から願い型ANTに変形してスピードアップするとのこと。
SCGのリストはサイドにDread of Night4枚で対マーベリックシフトでしたね。


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Re: Iterations of Storm #4
by OurSerratedDust
08/06/2012 03:05 PM

http://www.mtgthesource.com/forums/showthread.php?24405-Iterations-of-Storm&p=663632&viewfull=1#post663632

このデッキ(※訳注:SCGワシントンDCトップ8のテンドリル。http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=48456)は’Grinding Station’というストームデッキにかなり近いね。2回使ったことがあってすごく強いんだけど、今のメタでは少し遅いかも。
よくある青いデッキなら安定して蹂躙できるのは本当に素晴らしいよ。

Grinding Stationの開発者Jonaとチャットして、こんなリストが出来上がった:

4 Brainstorm
4 Ponder
4 Duress
4 Gitaxian Probe
2 Sensei’s Divining Top
2 Thoughtseize
2 Past in Flames
4 Tendrils of Agony
2 Empty the Warrens
1 Rain of Filth
4 Dark Ritual
4 Cabal Ritual
4 Lotus Petal
4 Lion’s Eye Diamond

1 Swamp
2 Island
4 Scalding Tarn
2 Underground Sea
1 Volcanic Island
4 Polluted Delta
1 Badlands

Sideboard:
1 Thoughtseize
2 Chain of Vapor
1 Ill-Gotten Gains
4 Infernal Tutor
3 Burning Wish
1 Ad Nauseam
1 Wipe Away
2 Sensei’s Divining Top

青相手ではなにもサイドせず、青以外が相手のときはこんな風にサイドしてたよ:

-3 Tendrils of Agony
-2 Empty the Warrens
-2 Thoughtseize
-1 Duress
-2 Past in Flames
+1 Ad Nauseam
+4 Infernal Tutor
+3 Burning Wish
+2 Sensei’s Divining Top

予想される対策(もしあれば)によっては、ハンデスの代わりにGitaxian Probeをサイドアウトできた。
サイドアウトしたカードにBurning Wishですぐアクセスできて、この変形サイドはマジでクールだよ。
サイド後は願いが素晴らしかった。青相手のときもSpell Snareを使っていないと分かれば、テンドリル、総出、過去を持ってくるためにたぶん願いをインするね。

このデッキはSpell Snareのない青デッキを本気で倒すためにチューニングされていて、それでいてハンデスやアグロにも(少なくともゲーム2と3は)勝てる。
JonaはBurning Wishをメインに入れていて、これはマーベリックとのマッチアップをかなり楽にしてくれる。もし僕がもう一度このデッキを選ぶことになったら、願いはメインに入れるだろうね。

TCGplayerより。
今のレガシーについて。

世はまさに群雄割拠の戦国時代。
そんなレガシーが好きです。


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An Unpredictable Legacy
Colin Chilbert
7/26/2012 10:23:00 AM

http://magic.tcgplayer.com/db/article.asp?ID=10605

やあみんな!いろいろドタバタしてたせいでしばらくぶりだね。でもまたレガシーの話をしに大工仕事から戻ってこれて嬉しいよ。

この二ヶ月、2つのグランプリのおかげでレガシーにはたくさんの重大なことが起こっている。そして、その結果このフォーマットがどんな形になるのか見届けるのはとても面白いよ。なにしろ正直言って「まったく手がかりがない」から、これは特に興味深いね。
オーケー。そう、たぶんこの言い方は正しくない。
実際はレガシーのメタゲームは極めて予測が難しいってだけの話だ。特に今はね。

レガシーのような広大なカードプールがあると、フォーマットにあり得るデッキの数というのは青天井だ。まずこのことが、メタを予測し、読み、理解する妨げになる。そのうえいつも、カナスレやマーベリックのようなトップに位置するデッキを選ぶ人の数は少なく、次に一握りのかなり良いTier 2デッキたちが続き、その次には他のありとあらゆるデッキが続く(ふつうこれは、見たこともないローグたちにより生じるランダム性、などと言われる)。
これは単に全体を動かしているシステムに過ぎず、僕らはこのシステムの中でメタと、Tierがどのように構成されるかを考えることができる。
もちろん、まったく思いもつかないローグデッキにあたって0-2することまで想像したりはしないけど、レガシーではデッキの種類が広くバラついていて、メタを把握して予測するときにこのバラつきを考慮しなきゃいけないのはたしかだ。
それでもこのバラつきを超えた向こう側、トップグループのデッキに絞りこめば考えるのは比較的簡単になる。

しかし今のレガシーではこのシステムに問題がある。Tierの上の方が曇り、混乱していて見通せないんだ。
結局、メタを考えるのは簡単じゃなさそうだね。

ポイントはTier 2にある。Tier 2は力のある無数のデッキたちが身を乗り出し、スポットライトを浴びるのを待っている回転ドアみたいだ。いまTier 2にいるデッキの数はすごく多くて、正確にメタを予測したり、あるイベント向けに完璧に対策したデッキを用意するのはほとんど不可能に近い。
これが理由で、最近のいくつかのレガシーイベント(GPアトランタ、SCGセントルイス、GPヘント、SCGラスベガス)はそれぞれまったく異なるものになり、このフォーマットはほぼなんでもありのようになっている。戦えるデッキが豊富にあるモダンのメタゲームみたいな気がするね。
これは悪いことじゃないし、それどころか素晴らしいことで、レガシーのようなフォーマットにとってかつてなかった領域だ。レガシーが創設されて以来、こんなにオープンな状況は見たことがないよ!
歴史的に、どの時期を見ても3つか4つの頭ひとつ抜けたデッキがあった。でも今は、数十個のデッキのうち一つを選び、トーナメントで活躍することができると思う。

上で挙げた4つのトーナメントのトップ8を見てみよう:

GPアトランタ:
2 Canadian Threshold
Esper Stone-Blade
UW Delver Stone-Blade
Maverick
Goblins
Belcher
Zombies

SCGセントルイス:
Esper Stone-Blade
Belcher
Merfolk
BUG/Team America (no Delvers)
BW Stone-Blade
Elves
TES
UW Miracles

GPヘント:
ANT
Elves
Show and Tell
Esper Stone-Blade
Maverick
Junk
UW Miracles
UW Landstill Miracles

SCGラスベガス:
2 Esper Stone-Blade
2 Dredge
Goblins
Canadian Threshold
Belcher
Maverick

(石鍛冶デッキのバリエーションを分けるかまとめるかといった)アーキタイプ定義の曖昧さがなければ、それぞれのトーナメントのトップ8には少なくとも6種類(!)のデッキがあり、全体では16~18というとんでもない数になる。
18!これは尋常じゃない数字だよ!なによりめちゃくちゃなのは、この数字がレガシーで戦えるデッキ全体を表しているわけじゃないことだ。なかでもリアニ、スニーク、青赤デルバーがトップ8に入っていないのは目立つね。
これはTierの上の方に浮上しているデッキの多さを証明しているし、この環境で考えられるあらゆる角度からの攻撃に現実的に対処するのがいかに難しいかを示している。

1つのトーナメントのトップ8に6種類のデッキが入ることはないわけじゃないけど、4つの連続したトーナメントでそれが起きるというのは驚くべきことだ。
たしかに、どれかのデッキが頭角をあらわして成功を続けたり、何か別の変化があったりするのが常で、今のような状態は長く続くものじゃない。それでも今のレガシーの状況は、このフォーマットの行く先について、僕らにいくつかの結論と問いを与えてくれる。


グリセル様?むしろグリセル坊やだ!

GPアトランタの話をすると、リアニとスニークはどちらも崇拝されていたデッキで、明らかにレガシーの最有力候補だった。
どちらもグランプリの前に行われたトーナメントでは素晴らしい結果を残していたし、グリセルの首めがけて熊手で突進する村人たちが大勢いた。幸い、彼らの嘆きは6月の禁止改訂に聞き入れられることはなく、グリセルは大惨事を起こし続けることを許された。
かと思いきや、成功と人気によりグリセルは吊るし上げられ、対策が彼を地上に引きずり下ろし、上に挙げた4つのトップ8にはたった1枚も入ることはなかった。

GPアトランタのトップ8のすぐ下に複数のリアニがいるように、グリセルデッキは完全に力を失ったわけじゃない。だけどこのことは、メタへのシンプルな適応によってグリセルデッキがトップ8から押し出されたことをはっきり示している。素晴らしい!レガシープレイヤーたちは適応能力を持ってるんだ!
それでもやっぱり次の禁止改訂ではあの嘆きを思い出すのかな?このデッキを抑えるにはちょっとしたメタへの適応で十分だ。熊手は納屋にしまっておいて、時期尚早な禁止暴動は最小限にとどめよう。

とはいえ、リアニとスニークが本来持っている力を疑うのはよそう。どちらのデッキも本当に強く、環境に溢れた対策がこれらのデッキをシングルエリミから押し出し、Tier 1から押し出しているだけだ。
さっきも言ったようにレガシーのTier 2はデッキの回転ドアで、ニッチな競争相手だったデッキがベストデッキの座に飛び上がるのは時間の問題なんだ。対策が下火になればリアニやスニークは簡単にトップに返り咲くよ。


部族の復活

Cavern of Soulsがスポイルされたとき、これで部族が勢いづくだろうと思った。はじめは徐々にだったけど、今や部族デッキは完全にレガシーで独り立ちし、復活したように見える。
Cavern of Souls以前、部族デッキには何か足りないように見えたし、基本的にはまぐれでトップ8に名を連ねるだけだった。洞窟という輝かしい増援のおかげで部族は最悪のマッチアップの一つをひっくり返し、近頃では一大勢力だ。
エルフ、ゴブリン、そして(もう一つの新たな玩具、Master of the Pearl Tridentを得た)マーフォークはどれもレガシーで理に適った戦略で、今のオープンな状況が続く限り、少なくとももうしばらくは存在し続けるだろうね。


レガシーに明確なTierの構造はあるのか?(そして果たしてそれは必要か?)

この二ヶ月間、カナスレ、マーベリック、リアニ、そしてエスパー石鍛冶は、「その他大勢」を裏返したものを僕らがTier 1だと考えていることを教えてくれた。
だけど最近の結果を見たとき、Tier 1とTier 2を成功の度合いによってはっきりと分けることができるかな?こう考えてみよう:

上に挙げたTier 1デッキはトップ8スロットの10/32=31%を占めている。
同様に、Tier 2デッキはトップ8スロットの69%を占めている。

これを見ると疑問が出てくる。Tier 1と2を分ける点というのはあるんだろうか?
例えばベルチャーは4つのトーナメントでトップ8に3回入っていて、これはマーベリックの回数と同じで、カナスレより1回少ないだけだ。これはベルチャーがTier 1だということを意味しているのかな?もしあなたがレガシー好きの集団に聞き取り調査をしたとしたら、答えはたぶんノーだろう。
だけどこれは何かヘンだ。ベルチャーは青いデッキの海の中で複数回のトップ8入りを誇る、力のあるデッキなのは間違いない。どうして僕らは、同じぐらいトーナメントを勝つ力を示したデッキを別々の分類に分けてしまうのだろう?

正直言うと、僕は現時点では特に違いはないんじゃないかと思ってる。トップ8入りしている各デッキはどれもトーナメントでしっかり活躍できて、カナスレやエルフ、ベルチャー、テンドリル等のようなデッキの間に大きなギャップはない。
もちろんメタのシフトによっていくつかのデッキはつらくなるかもしれないけど、レガシーは愉快なフォーマットだ。今週強かったデッキがあっさりと次の週に勝てなくなり、ただドアが回転するだけで、二ヶ月もすればTier 1デッキになったりする。これは、デッキが決して絶滅しないレガシーの、あるいはエターナル一般の本来の姿だ。
ポイントは、あらゆる意味で僕らはTier 1と2をミキサーに投げ入れて、そのぐちゃぐちゃなものをトーナメントに持っていった方が良さそうってことだ。それが素晴らしいチョイスになる可能性は高い。


予測不能なメタを予測する(もしくは、しない)

4つのトップ8にはあらゆるアーキタイプが(プリズンはさすがにひどいので除いて)何らかの形で含まれていて、つまりどんなアーキタイプにもチャンスがあるってことだ。アグロ、コントロール、コンボ、これら2つの組み合わせ、本当にそのどれでもいい。これはもうグーチョキパーのじゃんけん関係をとっくに超えて、グーチョキパーとかげスポックじゃんけんすら超えてる!
レガシーはこれらアーキタイプが均衡する未知の状態に達していて、メタの移り変わりや、メタそれ自体すら捉えるのがものすごく難しい。

メタゲームは本当に数十ものデッキの手に委ねられているのだろうか?可能性のあるデッキを一つ一つ全てリストアップすればメタを量れるのだろうか?もしそうした場合、それはもはやメタと呼べるんだろうか、あるいはただのレガシーデッキの集まりなんだろうか?
言いたいのは、このように色々なデッキがバランスしている中で、合理的な予想のもとに自信を持ってトーナメントを渡り歩くことはできないってことなんだ。青いデッキと当たることを想像しながら、一日中マーベリックや部族、コンボと立て続けに6回戦やるかもしれないし、その逆もあり得る。
今はピンポイントに対策を立てることはできないし、ひいては現実のメタゲームや次のトレンドの移り変わりをピンポイントに予想することなんてできやしない。力を持っている特定のデッキやアーキタイプを倒そうとギアを入れたとしても、その相手に当たる保証はなくて、そういう努力をするのは疑問だね。
白眉のデッキを選んで、何に出会うか予想しながらトーナメントを歩いていけるスタンダードとは違い、レガシーイベントはかなり当てずっぽうでやることになる。毎ラウンド何に当たるか分からない。
だけどそれにもかかわらず、僕は傾向が見られるだろうと思ってる。少し時間はかかるかもしれないけど、密集した数十のデッキたちの中で何かが変化するだろう。これは大胆な予想かもしれないけれど、それでも予想がここにある:

1. 以上のような背景のもと、今のメタではより素直なデッキ構築が行われるはずだ。たくさんのデッキが息をしている状況ではあらゆる相手を倒せるようなデッキを作りたくなる。そうすると、対策カードは特定の相手にキツく刺さるものよりも、多くの状況で役に立つものが好まれるだろう。

2. 尖った対策カードが減って丸いものになると、コンボデッキが成功するチャンスが増す。コンボデッキ自体ではなく部屋にいる相手みんなを倒すことに力を注ぐと、コンボがうまいことやる道が舗装されることになる。

3. コンボデッキが強くなると、フェアなゲームをするデッキは弱くなる。このことは部族戦略を減少させ、マーベリックはぎりぎりだけど残るだろう。

4. コンボデッキが強くなると、青いデッキが強くなる。そして新たなサイクルが生まれる。

メタのシフトのショートバージョンはこうなる:

今のメタ→丸いデッキ構築→コンボが脅威となる→真面目な青いデッキがトップに戻る

さっきも言ったようにこれは単なる予想にすぎないけれど、メタの裏をかいて先頭に立とうとするプレイヤーたちがいる限り、デッキ構築には傾向が見られるだろうね。


最終結論:予測不能なレガシーは健全なレガシーだ

上で述べたように、レガシーはいろんなアーキタイプが均衡した状態になっている。このバランスがレガシーに多様性を持たせ、活気を与えている。そして多様性はレガシーが健全な印だ!

今ほど健全な期間はレガシーにはほとんどなくて、さっき言ったようにここまで健全なのを見たのは初めてだよ。
いつものように青いデッキたちはグッドだ。これからも何があっても良いだろうね。でも僕らには、マーベリックやエルフ、ゴブリンのように青いデッキと対等に戦えるフェアなデッキがたくさんある。
ANTがGPヘントで活躍したように今はコンボも存在感があり、ドレッジとベルチャーは安定してトップ8に居座り、ショーテルとリアニはいつも再び爆発するんじゃないかと不気味だ。
コントロールだって良いよ!青白奇跡はソリッドで、壊れたデッキたちに対抗することで他のフェアなデッキを自然と盛り立ててもいる。

レガシーの今のバランスは、楽しくて、エキサイティングで、挑戦しがいのあるフォーマットを提供してくれていて、素晴らしいものだと思う。
僕らはこれを楽しみ、オープンな状況を活用した方が良いだろうね。レガシーが「怒った大型犬 vs. 大型犬 vs. 足は悪いが心はタフな中型犬」の構図に戻ってしまう前に。

読んでくれてありがとう!

Colin

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