Channel Fireballより。
2012/6/24に行われたSCG Legacy Open DetroitでCaleb Durwardがエルフで2位になったときのレポート。
エルフのことをよく知らなかったので、鏡の精体を使った無限コンボやサイドのインアウトなど勉強になりました。
"Pointy-Eared Folk": 耳のとがった者たち
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Legacy Weapon - Pointy-Eared Folk
Posted by Caleb Durward
July 5, 2012
http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-pointy-eared-folk/
デトロイトでのレガシーオープンでエルフを使おうとは思っていなかった。
考えてさえいなかった。
Brainstormと独楽とForce of Willを入れたデッキが理想だった。
開催地に着いたとき、ほとんど知り合いがいなかった。知っているのはトレーダーではなくプレイヤーばかりで、彼らは自分のデッキしか持ってきていなかった。仲間のRobのカードを使って間に合わせでツギハギだらけのストームデッキを作ったが、Burning Wishが見当たらなかった。
まず私はJon Johnsonのところで足を止めた。彼はドレッジ相手にエルフをプレイしていた。
彼のデッキはゲームのあらゆる段階でやりたいようにやっているようだった。
私は何らかのエンジンをベースにしたデッキが大好きで、このデッキはとても楽しそうに見えた。
Jonは私の求めるBurning Wishを持っていなかった。
次にAriに会ったが、彼は笑って言った。
「Burning Wishだって?俺はAri Laxだよ。自分のストームデッキで使うに決まってるじゃないか。」
彼は、Griselbrand対策にReanimateとBriberyの入ったウィッシュボードを見せてくれた。
私は笑顔だったが、彼には私の顔が残念そうに見えたに違いない。
というのも、彼は自分のエルフデッキを私に使うように提案してきたんだ。数分間無意味な詮索をした末に、彼の提案にのることにした。
AriとChris Andersonがこのデッキの勝ち筋を親切に教えてくれた。
たいていの場合は典型的なエンジンを決めて勝つ。カードを引き、マナを生成し、勝利手段を探して、妨害を経由してプレイする。
しかしこのデッキには、限られたリソースでも無限コンボを決められるトリックがある。
これが教えてもらった最も簡単な3つのコンボだ:
1.
Priest of Titania、Mirror Entity、Wirewood Symbioteが出ている状況から始める。
1マナで鏡の精体を起動し、次にPriestをタップして3マナを出し、共生虫で自身をバウンスする(Priestをアンタップ)。結果として、1マナ増えて最初の状態になる(Glimpse of Natureを撃っていればキャントリップもつく)。
2.
Heritage Druid、Mirror Entity、Nettle Sentinel、Wirewood Symbioteから始める。
1マナで精体を起動し、ドルイドの能力でイラクサと共生虫ともう一体エルフをタップし、共生虫をバウンスする(イラクサでない方のエルフをアンタップ)。共生虫を再度唱えてイラクサをアンタップ――これで1マナ増えて最初の状態に戻る。
(※訳注:ドルイド、イラクサ、精体の3体タップから始めれば最初の1マナも不要ですね。)
3.
これはトリッキーだ。
2体のWirewood Symbiote、Mirror Entity、Heritage Druidから始める。
1マナを精体に使い、次に3体をタップして緑3マナを得る。寝ている共生虫をバウンスしてエルフをアンタップし、出し直す。マナプールには緑2マナ残っている。精体を起動し、再び遺産のドルイドを使う、これで緑4マナ。共生虫を2体ともバウンスして残り2体のエルフを起こし、共生虫をプレイし直す。
これで1マナ増えて最初の状態になる。
最後のルートでマナを出す必要がある場合は要注意だ――Glimpse of Natureは「引いてもよい」ではないので、自分のデッキを引ききってしまわないように気を付ける必要がある。
幸いGreen Sun’s Zenithをライブラリに戻すことができるので、これは起こりにくくなっている。
ループを省略するときだけ慎重になろう。例えば、Glimpseを2回唱えた後に「これを(3番のループを)10回繰り返します」と言ってしまうと、あなたは60枚ドローすることになる。こりゃだめだ。
一度無限コンボを決めれば、鏡の精体の起動とWirewood Symbioteのバウンスを繰り返して召喚酔いしていないエルフを全てアンタップし、精体で500/500になったそいつらでアタックできる。
週末を通して無限ループは3回決まった。3番のループが2回に、2番が1回。
レガシーのイベントを勝ち抜こうとしたとき、おそらくどこかでループを決めなきゃならない場面はあるが、ほとんどのゲームは良い手札をキープして正しい順序で使えば勝てるだろう。いくつかのゲームでは正しくフェッチを使う必要があったり(Wastelandが出ている、あるいは出てきそうな場合)、大量の妨害をくぐり抜けて勝つ道筋を導き出すことも必要になるだろう。
これが私がスリーブに入れたデッキだ:
Elves!
* Main Deck
* 4 Verdant Catacombs
* 2 Misty Rainforest
* 1 Wooded Foothills
* 1 Dryad Arbor
* 2 Savannah
* 3 Forest
* 1 Horizon Canopy
* 2 Gaea’s Cradle
* 1 Pendelhaven
* 2 Quirion Ranger
* 1 Regal Force
* 1 Viridian Shaman
* 3 Birchlore Rangers
* 4 Elvish Visionary
* 4 Wirewood Symbiote
* 4 Heritage Druid
* 4 Llanowar Elves
* 2 Fyndhorn Elves
* 3 Priest of Titania
* 2 Mirror Entity
* 4 Nettle Sentinel
* 4 Green Sun’s Zenith
* 4 Glimpse of Nature
* 1 Crop Rotation
* Sideboard
* 2 Humility
* 1 Meekstone
* 2 Thorn of Amethyst
* 1 Thalia, Guardian of Thraben
* 4 Faerie Macabre
* 1 Scavenging Ooze
* 1 Gaddock Teeg
* 1 Qasali Pridemage
* 1 Mortarpod
* 1 Umezawa’s Jitte
週末を通して、サイドボードのカードは2枚目のHumility以外は全て使った。これはショーテルデッキ相手のときしかサイドインしないのだが、やつらには勝てる。
一方、1枚目のHumilityは多くの仕事をする。
Chris Andersonのリストとのもう一つの違いは十手だ。
彼は十手は良かったと言っていたし、これなしでは私はトップ8に残れなかっただろう。
Round 1: RUG
ゲーム1、私はエルフをテーブルに並べ「ループを見るかい?」と言った。
私が何枚かカードを引いたあと、相手は投了した。
SB:
-1 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Humility, +1 Meekstone
ゲーム2、彼はDelver of Secretsからスタートし、ビートを開始した。
2,3ターン後、私は6ライフを残してHumilityを解決。彼の場にいる3/2飛行と2体の4/5を3体の1/1に変え、私はボードに7体の1/1を展開し始めた。
勝ち。
Round 2: ?
このラウンドでどうプレイしたのか思い出せない。
ごめんね。
Round 3: Jon Eldonの青白
これはなかったことになったフィーチャーマッチだ。
ゲーム1、彼は私の1ターン目Heritage Druidをウィル。彼がUmezawa’s Jitteを出しているあいだに私は手札を吐き出した。
十手は緑頂点してきたViridian Shamanで割り、彼はStoneforge MysticでBatterskullをサーチした。
幸い、十分な戦力とWirewood Symbioteが出ていた。彼のBatterskullによるブロックとアタックに対して、Germに出くわしたエルフを毎回バウンスした。
1,2ターンの後、Jonは場を片付けた。
SB:
-1 Birchlore Rangers
+1 Umezawa’s Jitte
ゲーム2、私はソープロ、ヴェンディからの瞬唱ソープロをくらった。Wrath of Godが私のボードを壊滅させ、そこから復旧することはできなかった。
相手の場にいる瞬唱と墓地に積み上がったクリーチャーを見て、私はサイドミスしたことを悟った。
SB:
-1 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Scavenging Ooze, +1 Mortarpod
ゲーム3、私は先攻で1マリし、彼は私の1ターン目マナ生物をソープロした。
それでも早期にGlimpseを使って爆発し、彼を倒した。
Round 4: Josh Glantzmanのマーベリック
これはビデオフィーチャーマッチだった。
ゲーム1、JoshはGaddock Teegをプレイし、私の手札にある2枚の緑頂点を腐らせた。
幸いなことに彼のデッキの残りは緑と白のクリーチャーばかりで、最後には私が彼を上回った。
SB:
-1 Green Sun’s Zenith, -1 Birchlore Rangers
+1 Umezawa’s Jitte, +1 Mortarpod
ゲーム2、私は十手ハンドをキープしたが、彼はそれを阻止するMother of Runesと、さらにLinvala, Keeper of SilenceをサーチするためのFauna Shamanまで出してきた。
倒せない3/4飛行を前にほとんど投了しかけの場面でBirchlore Rangersを手に入れて変異で出し、マザーで止まらない無色ダメージによって主導権を得ようとした。
しかし、彼はSwords to Plowsharesで対処した。
ゲーム3、彼は1ターン目Noble Hierarchからの2ターン目Knight of the Reliquaryという出だし。
私は3ターン目に勝利した。
カバレッジチームがうっかり――ほとんど事故で――同時に複数のエルフデッキをフィーチャーしてしまったため、さらにもう一つのエルフのフィーチャーマッチを見させられた多くの人がTwitterで愚痴を言っていた。
カバレッジマネージャーのGlenn Jonesはこの事態に次のようにツイートした:
「こんなことどうやって想像するんだい?Calebはいつもクレイジーなものしかプレイしないじゃないか。」
ナンテコッタイ。
Round 5: RUGテンポ
このマッチは典型的なエルフの動きで勝った。
ここで、私の車の同乗者に会った。RUGを使っていたJeremyも無敗で、私達はお互いに当たらないことを祈った。もし当たれば二人のうちどちらかはトップ8に進めるだろうが、一方、二人がともにトップ8に進む確率は、当たらない場合の方が高い。
Round 6: 親和(勝ってID2回で抜け)
ペアリングが発表され、Jeremyと私はハイタッチをした。
身内同士でプレイしなくていい。これはトーナメントマジックを素晴らしいものにし、旅を価値あるものにしてくれる友人達の間ではめったにない、最高の瞬間の一つだ。
ゲーム1、私はそこそこ良いハンドだったが、私が彼を倒す前に、彼のCranial PlatingとInkmoth Nexusが私をきっちり殺した。
このゲームはGreen Sun’s Zenithがあれば勝てるだろう。メインに入れたViridian ShamanをサーチしてWirewood Symbioteで使い回せばイージーウィンだからね。
SB:
-2 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Qasali Pridemage, +1 Umezawa’s Jitte, +1 Mortarpod
ゲーム2、彼は序盤にEthersworn Canonistを出し、私はViridian Shamanのための緑頂点をまたも持っていなかった。
彼のVault Skirgeに殴られながらお互いにドローゴーを続け、私は1ターンに1枚のElvish Visionaryをプレイするだけでまいっていた。
私の最終ターン、ついにMirror Entityを引き込み、自軍を全部15/15にした。彼は持っていたDispatchによって死なずに済んだが、場にいるクリーチャーでのチャンプはマストだった。
彼のターン、彼は最後の2枚のハンドを展開し、ミシュラン2枚を起動して、再びきっかり私を倒した。
私の知る限り、当時のスタンダードでの親和対エルフは、親和にとってつらいマッチアップだ。それをやってのけた対戦相手を称えよう。
Round 7: RyanのRUGアグロ(勝てばほぼ抜け)
この時点でJeremyは抜けが確定し、3人目の同乗者Rob Vacaは今のレガシーでは最悪のデッキである青白相殺ソプターを使って私と同じく1敗だった。
Ryanは知人で、イベントの前にお互いのリストについて少し話をしていた。
彼は、典型的なRUGテンポよりは青赤デルバーを彷彿とさせるような、かなりアグレッシブなRUGのリストを使っていた。緑はタルモとKird Apeのために入っている。
先ほどのラウンドでは彼と隣の席になり、二人とも勝ってID2回で抜けのところを落としている。
ゲーム1は、序盤のGlimpse of Natureのおかげでなんとか私がとった。
SB:
-1 Birchlore Rangers, -1 Heritage Druid
+1 Meekstone, +1 Humility
ゲーム2は土地3枚とHumilityのあるハンドをキープ。
火力がこちらを遅らせ、彼は順調に脅威を送り出した。私がやっとHumilityを張ったときには、彼はこちらよりも多くのクリーチャーを出しており、さらにMind Harnessがとどめとなった。
ゲーム3、私は2ターン目に手札を大量展開し、3ターン目に十手をプレイして装備。そのまま逃げ切った。
Round 8:
1敗ラインのオポトップとして、私は引き分ければトップ8に行くことができた。
しかし、例によって対戦相手はそうではなく、やる必要があった。
私のドローの申し出を断ったあと、対戦相手はシャッフルして手札を引いた。お互いにキープし、私がエルフを出した。
彼はそれを見下ろし、気遣うように言った。
「それはVeteran Explorerじゃないよ。」
「ああ、もちろん違う。」
(※訳注:Caleb DurwardはNic Fitを好んで使っていた。)
こちらが手札を展開しきったあと、彼はジェイスをプレイしてブレストした。
私はMirror Entityを出して彼を倒した。
SB:
-1 Birchlore Rangers, -1 Heritage Druid
+1 Thalia, Guardian of Thraben, +1 Gaddock Teeg
ガドックを入れるとき緑頂点を削らないように言われた。この伝説のヘイトベアーを出す前に手札のZenithは使い切ることができるためだ。
ゲーム2、彼は先攻で4枚になるまでマリガンした。再び後攻をやるか持ちかけそうになったが、 IDをするか、再度持ちかけそうになったがすんでのところで抑えた。
我々はマジックをするためにここまで来ていて、彼はマジックをすることを選んだプレイすることをために先攻を選んだ。
それをもう一度聞くことは失礼だ。
(※追記訳注:誤訳していました。高潮のさん、ご指摘ありがとうございました!)
彼は1ターン目にSensei’s Divining Topを出し、私はアタッカーを何体か展開した。彼はTerminusを奇跡で撃ち、私には数枚の手札だけが残された。
ゲームは少し前よりもだいぶ負けに傾いているように見えた。
最終的には、私は十分なプレッシャーを用意できて、彼はジェイスをプレイしたが、こちらが勝った。
準々決勝: Jon Eldon
スイスラウンドでもあたった青白石鍛冶プレイヤーだ。
このゲーム、私がマリガンしたときに何人かのジャッジが彼を脇に連れ出した。テーブルを離れるとき、彼が困惑した顔をしているのを見た。
時間が経ち、事情が飲み込めてきた。
ジャッジ達が彼に見当違いな話をして、何も起こらない。これが最良のシナリオだ。
その後は、ただ悪くなる一方だ。
たぶん私が他の冷血な出場者達と比べて感情移入しすぎなのだろうが、デッキ登録ミスみたいなことで対戦相手が自身を負かしてしまうのは愉快なことじゃない。
トップ8のリストは既にチェック済みのため、これがデッキ登録ミスでないことは分かっていた。つまり、おそらく何らかの取り調べが行われている。
私は何もすることがなく、気分が沈み、ジャッジと軽く話をした。このあともまだやるべきマジックは残っており、ゲームをするモードになっていなければそこでベストを尽くすことはできない。
注文していたピザをRobが持って来てくれて、ジャッジは親切にも待っている間に食べることを許してくれた。
カフェインとストレスは私の代謝をとても落としていた。朝から何も食べていなかったにもかかわらず、2,3切れがやっと喉を通っただけだった。
結局、ジャッジ達はJonと一緒に戻ってきた。
この若者はもはや私がスイスラウンドで相対したような大胆で思慮深いプレイヤーではなかった。彼はもうろうとしており、目は赤かった。
数分後、彼らは再び立ち去り、ジャッジは彼のデッキを取りに戻ってきて、私に次のラウンドに進むように言った。
私のこれまでで最も満足いかないマリガンはこうして終わった。
後に自宅に向かう車の中で、#twobatterskullsで話題になっていたビデオをRobが見せてくれた。Jonはヴェンディを出されたときにフェッチを使ってシャッフルし、彼のライブラリのボトムにあったBatterskullを手札に落とし入れていた。
私はびっくりし、このビデオをどう考えればいいのか分からなかった。
Jonは好ましい対戦相手だった。私は彼を裁いたり嫌悪したりする気になれなかった。幸い、私にはそれをする必要はない。
友人達が「準々決勝でbyeだなんてお前はツイてるな」とかそういうことを言っているのを聞いたが、私はツイてるなんて思えなかった(し、今も思わない)。私はマジックをするために長旅をしてきたのに、自分の対戦相手になるだろう人が過去をほじくり返されている間じっと待つ、極めて不快なラウンドをやるハメになった。
たとえ誰かが罰を受けるに値するとしても、私はその人の悲惨な状況から楽しみを取り上げることはできないし、そうしている人を見るとサディスティックだと思う。
イカサマ師や、犯罪者や、スーパーで列に割り込む人達はそれでも人間で、多くの場合、周囲の環境が彼らを作り出す。ある意味、彼らは学ぶべき教訓そのものだ。私たちは容易く学ばせてもらえることに感謝すべきだと思う。
私はジャッジの仕事を羨ましいとは思わないし、私たちのためにジャッジがいてくれるのを嬉しく思う。
私はゲームのプレイを研究し、彼らは今回のような状況について研究する。
結局、Jonがカメラの前でやったことと、私の彼に対する印象とは合っていない。一方で、これに厳しいペナルティを課さなければ、あらゆることにペナルティを与えられないことになる。
準決勝: Chris Andersonとのエルフミラー
Chrisとの対戦は、彼が入れていない十手を私はサイドに入れているため、私に有利なことは分かっていた。
それでも、Chrisはこのデッキについて週末ずっと助言をくれており、私は彼(とAri)の助けがなければこの場にはいなかっただろうから、トップ4をスプリットする申し出を断ったのはまったくひどいことのように思われた。加えて、彼は常に、いかなるときにもエルフを使ってきており、私が少しでもつまづけば負ける可能性はいくらでもあった。
組み合わせ表のもう一方はRUGを使うJeremyがLandsと対戦、絶望的なマッチアップだ。これもまたスプリットを受け入れる理由になる。
ゲーム1、初手をキープし、2ターン目にはGaea’s CradleとMirror Entityを含めて手札を全展開した。
「あのさ、鏡の精体はエムラよりいいと思うよ」と私は言った。
この週末の初めの頃、私はChrisにエムラを入れるべきかどうかをたずねた。私の理由は、いわばヘルメットをかぶりたかったというのと、このデッキの経験がなく、精体のループが複雑すぎるように思えたからだった。
Chrisは私の理由がいかにバカげているか、精体はコンボにもビートにも役立つのに、エムラを引くのは実質マリガンしているのと同じだということを力説した。
Chrisの忠告を聞いていなければ私はトップ8には残らなかっただろう。このゲームで安定して結果を残すには、友人の意見を聞くときと、自らの意見を聞くときをバランスさせることが重要だ。常に正しくあることは誰にもできない。
Chrisは自分のターンにカードを引き、盤上を片付けた。
SB:
-1 Viridian Shaman, -1 Birchlore Rangers
+1 Mortarpod, +1 Umezawa’s Jitte
Chrisは先攻でマリガンしたが、手札には満足なようだった。私は十手ハンドをキープした。
お互いにマナ生物を出し、Chrisは2ターン目に手札を展開しきって、最後に緑頂点でElvish Visionaryを持ってきた。
私は3マナを出し、頂点でPriest of Titaniaを持ってきた。Priestはボード上の両者のエルフの数を参照するので、ChrisはPriest(とMortarpod)に回答するか、このターン中に私を倒さねばならない。
彼はGlimpse of Natureを持っていたが私を殺すには燃料が足りず、私は自分のターンにRegal ForceでMortarpodを調達し、彼を倒した。
試合後、Lands対RUGの対戦が終わるのを待った。LandsがRUGを破った後、RobがJeremyを励ますハグをしようと近づいたが、Jeremyは相手にしようとしなかった。
「お前はいらないよ。いるのはピザだ。」
Jeremyは、大の大人から聞くことはほとんどない、不機嫌な子どものような声でそう言った。
彼の悔しさを思い、そのふてくされた顔を見て私は微笑んだ。
決勝: Lands
Landsについてはみんなまったく読みたくないんじゃないかな?そうだろう?
私は負けた。有利なマッチアップではあったけれども。
明るい面を挙げれば、対戦相手は「このトーナメント」のラウンド3で私が水没させたのと同一人物だ。
(※訳注:「このトーナメント」(原文ではリンク)はMステ入りZooでCalebが優勝した2011年7月のSCG Legacy Open Cincinnati。レポートはこちら(英語)→http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-getting-there-in-cincinnati/)
もし機会があればレポートのラウンド3を読んでみてほしい。後手のZooがベルチャーに勝ってしまうようなおかしな時期に開かれたトーナメントだが、このLandsとの対戦はこれまでで最も気に入っているレガシーストーリーの一つだ。
今週末のGPではエルフをプレイすることになりそうだ。このデッキは安定していて、パワフルで、RUGとマーベリックと青白とスニークショーとリアニに強い。
一方、まだ完成はしておらず、GPに向けてより多く妨害要素を入れることになるだろう。
読んでくれてありがとう。
Caleb Durward
2012/6/24に行われたSCG Legacy Open DetroitでCaleb Durwardがエルフで2位になったときのレポート。
エルフのことをよく知らなかったので、鏡の精体を使った無限コンボやサイドのインアウトなど勉強になりました。
"Pointy-Eared Folk": 耳のとがった者たち
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Legacy Weapon - Pointy-Eared Folk
Posted by Caleb Durward
July 5, 2012
http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-pointy-eared-folk/
デトロイトでのレガシーオープンでエルフを使おうとは思っていなかった。
考えてさえいなかった。
Brainstormと独楽とForce of Willを入れたデッキが理想だった。
開催地に着いたとき、ほとんど知り合いがいなかった。知っているのはトレーダーではなくプレイヤーばかりで、彼らは自分のデッキしか持ってきていなかった。仲間のRobのカードを使って間に合わせでツギハギだらけのストームデッキを作ったが、Burning Wishが見当たらなかった。
まず私はJon Johnsonのところで足を止めた。彼はドレッジ相手にエルフをプレイしていた。
彼のデッキはゲームのあらゆる段階でやりたいようにやっているようだった。
私は何らかのエンジンをベースにしたデッキが大好きで、このデッキはとても楽しそうに見えた。
Jonは私の求めるBurning Wishを持っていなかった。
次にAriに会ったが、彼は笑って言った。
「Burning Wishだって?俺はAri Laxだよ。自分のストームデッキで使うに決まってるじゃないか。」
彼は、Griselbrand対策にReanimateとBriberyの入ったウィッシュボードを見せてくれた。
私は笑顔だったが、彼には私の顔が残念そうに見えたに違いない。
というのも、彼は自分のエルフデッキを私に使うように提案してきたんだ。数分間無意味な詮索をした末に、彼の提案にのることにした。
AriとChris Andersonがこのデッキの勝ち筋を親切に教えてくれた。
たいていの場合は典型的なエンジンを決めて勝つ。カードを引き、マナを生成し、勝利手段を探して、妨害を経由してプレイする。
しかしこのデッキには、限られたリソースでも無限コンボを決められるトリックがある。
これが教えてもらった最も簡単な3つのコンボだ:
1.
Priest of Titania、Mirror Entity、Wirewood Symbioteが出ている状況から始める。
1マナで鏡の精体を起動し、次にPriestをタップして3マナを出し、共生虫で自身をバウンスする(Priestをアンタップ)。結果として、1マナ増えて最初の状態になる(Glimpse of Natureを撃っていればキャントリップもつく)。
2.
Heritage Druid、Mirror Entity、Nettle Sentinel、Wirewood Symbioteから始める。
1マナで精体を起動し、ドルイドの能力でイラクサと共生虫ともう一体エルフをタップし、共生虫をバウンスする(イラクサでない方のエルフをアンタップ)。共生虫を再度唱えてイラクサをアンタップ――これで1マナ増えて最初の状態に戻る。
(※訳注:ドルイド、イラクサ、精体の3体タップから始めれば最初の1マナも不要ですね。)
3.
これはトリッキーだ。
2体のWirewood Symbiote、Mirror Entity、Heritage Druidから始める。
1マナを精体に使い、次に3体をタップして緑3マナを得る。寝ている共生虫をバウンスしてエルフをアンタップし、出し直す。マナプールには緑2マナ残っている。精体を起動し、再び遺産のドルイドを使う、これで緑4マナ。共生虫を2体ともバウンスして残り2体のエルフを起こし、共生虫をプレイし直す。
これで1マナ増えて最初の状態になる。
最後のルートでマナを出す必要がある場合は要注意だ――Glimpse of Natureは「引いてもよい」ではないので、自分のデッキを引ききってしまわないように気を付ける必要がある。
幸いGreen Sun’s Zenithをライブラリに戻すことができるので、これは起こりにくくなっている。
ループを省略するときだけ慎重になろう。例えば、Glimpseを2回唱えた後に「これを(3番のループを)10回繰り返します」と言ってしまうと、あなたは60枚ドローすることになる。こりゃだめだ。
一度無限コンボを決めれば、鏡の精体の起動とWirewood Symbioteのバウンスを繰り返して召喚酔いしていないエルフを全てアンタップし、精体で500/500になったそいつらでアタックできる。
週末を通して無限ループは3回決まった。3番のループが2回に、2番が1回。
レガシーのイベントを勝ち抜こうとしたとき、おそらくどこかでループを決めなきゃならない場面はあるが、ほとんどのゲームは良い手札をキープして正しい順序で使えば勝てるだろう。いくつかのゲームでは正しくフェッチを使う必要があったり(Wastelandが出ている、あるいは出てきそうな場合)、大量の妨害をくぐり抜けて勝つ道筋を導き出すことも必要になるだろう。
これが私がスリーブに入れたデッキだ:
Elves!
* Main Deck
* 4 Verdant Catacombs
* 2 Misty Rainforest
* 1 Wooded Foothills
* 1 Dryad Arbor
* 2 Savannah
* 3 Forest
* 1 Horizon Canopy
* 2 Gaea’s Cradle
* 1 Pendelhaven
* 2 Quirion Ranger
* 1 Regal Force
* 1 Viridian Shaman
* 3 Birchlore Rangers
* 4 Elvish Visionary
* 4 Wirewood Symbiote
* 4 Heritage Druid
* 4 Llanowar Elves
* 2 Fyndhorn Elves
* 3 Priest of Titania
* 2 Mirror Entity
* 4 Nettle Sentinel
* 4 Green Sun’s Zenith
* 4 Glimpse of Nature
* 1 Crop Rotation
* Sideboard
* 2 Humility
* 1 Meekstone
* 2 Thorn of Amethyst
* 1 Thalia, Guardian of Thraben
* 4 Faerie Macabre
* 1 Scavenging Ooze
* 1 Gaddock Teeg
* 1 Qasali Pridemage
* 1 Mortarpod
* 1 Umezawa’s Jitte
週末を通して、サイドボードのカードは2枚目のHumility以外は全て使った。これはショーテルデッキ相手のときしかサイドインしないのだが、やつらには勝てる。
一方、1枚目のHumilityは多くの仕事をする。
Chris Andersonのリストとのもう一つの違いは十手だ。
彼は十手は良かったと言っていたし、これなしでは私はトップ8に残れなかっただろう。
Round 1: RUG
ゲーム1、私はエルフをテーブルに並べ「ループを見るかい?」と言った。
私が何枚かカードを引いたあと、相手は投了した。
SB:
-1 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Humility, +1 Meekstone
ゲーム2、彼はDelver of Secretsからスタートし、ビートを開始した。
2,3ターン後、私は6ライフを残してHumilityを解決。彼の場にいる3/2飛行と2体の4/5を3体の1/1に変え、私はボードに7体の1/1を展開し始めた。
勝ち。
Round 2: ?
このラウンドでどうプレイしたのか思い出せない。
ごめんね。
Round 3: Jon Eldonの青白
これはなかったことになったフィーチャーマッチだ。
ゲーム1、彼は私の1ターン目Heritage Druidをウィル。彼がUmezawa’s Jitteを出しているあいだに私は手札を吐き出した。
十手は緑頂点してきたViridian Shamanで割り、彼はStoneforge MysticでBatterskullをサーチした。
幸い、十分な戦力とWirewood Symbioteが出ていた。彼のBatterskullによるブロックとアタックに対して、Germに出くわしたエルフを毎回バウンスした。
1,2ターンの後、Jonは場を片付けた。
SB:
-1 Birchlore Rangers
+1 Umezawa’s Jitte
ゲーム2、私はソープロ、ヴェンディからの瞬唱ソープロをくらった。Wrath of Godが私のボードを壊滅させ、そこから復旧することはできなかった。
相手の場にいる瞬唱と墓地に積み上がったクリーチャーを見て、私はサイドミスしたことを悟った。
SB:
-1 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Scavenging Ooze, +1 Mortarpod
ゲーム3、私は先攻で1マリし、彼は私の1ターン目マナ生物をソープロした。
それでも早期にGlimpseを使って爆発し、彼を倒した。
Round 4: Josh Glantzmanのマーベリック
これはビデオフィーチャーマッチだった。
ゲーム1、JoshはGaddock Teegをプレイし、私の手札にある2枚の緑頂点を腐らせた。
幸いなことに彼のデッキの残りは緑と白のクリーチャーばかりで、最後には私が彼を上回った。
SB:
-1 Green Sun’s Zenith, -1 Birchlore Rangers
+1 Umezawa’s Jitte, +1 Mortarpod
ゲーム2、私は十手ハンドをキープしたが、彼はそれを阻止するMother of Runesと、さらにLinvala, Keeper of SilenceをサーチするためのFauna Shamanまで出してきた。
倒せない3/4飛行を前にほとんど投了しかけの場面でBirchlore Rangersを手に入れて変異で出し、マザーで止まらない無色ダメージによって主導権を得ようとした。
しかし、彼はSwords to Plowsharesで対処した。
ゲーム3、彼は1ターン目Noble Hierarchからの2ターン目Knight of the Reliquaryという出だし。
私は3ターン目に勝利した。
カバレッジチームがうっかり――ほとんど事故で――同時に複数のエルフデッキをフィーチャーしてしまったため、さらにもう一つのエルフのフィーチャーマッチを見させられた多くの人がTwitterで愚痴を言っていた。
カバレッジマネージャーのGlenn Jonesはこの事態に次のようにツイートした:
「こんなことどうやって想像するんだい?Calebはいつもクレイジーなものしかプレイしないじゃないか。」
ナンテコッタイ。
Round 5: RUGテンポ
このマッチは典型的なエルフの動きで勝った。
ここで、私の車の同乗者に会った。RUGを使っていたJeremyも無敗で、私達はお互いに当たらないことを祈った。もし当たれば二人のうちどちらかはトップ8に進めるだろうが、一方、二人がともにトップ8に進む確率は、当たらない場合の方が高い。
Round 6: 親和(勝ってID2回で抜け)
ペアリングが発表され、Jeremyと私はハイタッチをした。
身内同士でプレイしなくていい。これはトーナメントマジックを素晴らしいものにし、旅を価値あるものにしてくれる友人達の間ではめったにない、最高の瞬間の一つだ。
ゲーム1、私はそこそこ良いハンドだったが、私が彼を倒す前に、彼のCranial PlatingとInkmoth Nexusが私をきっちり殺した。
このゲームはGreen Sun’s Zenithがあれば勝てるだろう。メインに入れたViridian ShamanをサーチしてWirewood Symbioteで使い回せばイージーウィンだからね。
SB:
-2 Heritage Druid, -1 Birchlore Rangers
+1 Qasali Pridemage, +1 Umezawa’s Jitte, +1 Mortarpod
ゲーム2、彼は序盤にEthersworn Canonistを出し、私はViridian Shamanのための緑頂点をまたも持っていなかった。
彼のVault Skirgeに殴られながらお互いにドローゴーを続け、私は1ターンに1枚のElvish Visionaryをプレイするだけでまいっていた。
私の最終ターン、ついにMirror Entityを引き込み、自軍を全部15/15にした。彼は持っていたDispatchによって死なずに済んだが、場にいるクリーチャーでのチャンプはマストだった。
彼のターン、彼は最後の2枚のハンドを展開し、ミシュラン2枚を起動して、再びきっかり私を倒した。
私の知る限り、当時のスタンダードでの親和対エルフは、親和にとってつらいマッチアップだ。それをやってのけた対戦相手を称えよう。
Round 7: RyanのRUGアグロ(勝てばほぼ抜け)
この時点でJeremyは抜けが確定し、3人目の同乗者Rob Vacaは今のレガシーでは最悪のデッキである青白相殺ソプターを使って私と同じく1敗だった。
Ryanは知人で、イベントの前にお互いのリストについて少し話をしていた。
彼は、典型的なRUGテンポよりは青赤デルバーを彷彿とさせるような、かなりアグレッシブなRUGのリストを使っていた。緑はタルモとKird Apeのために入っている。
先ほどのラウンドでは彼と隣の席になり、二人とも勝ってID2回で抜けのところを落としている。
ゲーム1は、序盤のGlimpse of Natureのおかげでなんとか私がとった。
SB:
-1 Birchlore Rangers, -1 Heritage Druid
+1 Meekstone, +1 Humility
ゲーム2は土地3枚とHumilityのあるハンドをキープ。
火力がこちらを遅らせ、彼は順調に脅威を送り出した。私がやっとHumilityを張ったときには、彼はこちらよりも多くのクリーチャーを出しており、さらにMind Harnessがとどめとなった。
ゲーム3、私は2ターン目に手札を大量展開し、3ターン目に十手をプレイして装備。そのまま逃げ切った。
Round 8:
1敗ラインのオポトップとして、私は引き分ければトップ8に行くことができた。
しかし、例によって対戦相手はそうではなく、やる必要があった。
私のドローの申し出を断ったあと、対戦相手はシャッフルして手札を引いた。お互いにキープし、私がエルフを出した。
彼はそれを見下ろし、気遣うように言った。
「それはVeteran Explorerじゃないよ。」
「ああ、もちろん違う。」
(※訳注:Caleb DurwardはNic Fitを好んで使っていた。)
こちらが手札を展開しきったあと、彼はジェイスをプレイしてブレストした。
私はMirror Entityを出して彼を倒した。
SB:
-1 Birchlore Rangers, -1 Heritage Druid
+1 Thalia, Guardian of Thraben, +1 Gaddock Teeg
ガドックを入れるとき緑頂点を削らないように言われた。この伝説のヘイトベアーを出す前に手札のZenithは使い切ることができるためだ。
ゲーム2、彼は先攻で4枚になるまでマリガンした。
我々はマジックをするためにここまで来ていて、彼はマジックをすることを選んだ
それをもう一度聞くことは失礼だ。
(※追記訳注:誤訳していました。高潮のさん、ご指摘ありがとうございました!)
彼は1ターン目にSensei’s Divining Topを出し、私はアタッカーを何体か展開した。彼はTerminusを奇跡で撃ち、私には数枚の手札だけが残された。
ゲームは少し前よりもだいぶ負けに傾いているように見えた。
最終的には、私は十分なプレッシャーを用意できて、彼はジェイスをプレイしたが、こちらが勝った。
準々決勝: Jon Eldon
スイスラウンドでもあたった青白石鍛冶プレイヤーだ。
このゲーム、私がマリガンしたときに何人かのジャッジが彼を脇に連れ出した。テーブルを離れるとき、彼が困惑した顔をしているのを見た。
時間が経ち、事情が飲み込めてきた。
ジャッジ達が彼に見当違いな話をして、何も起こらない。これが最良のシナリオだ。
その後は、ただ悪くなる一方だ。
たぶん私が他の冷血な出場者達と比べて感情移入しすぎなのだろうが、デッキ登録ミスみたいなことで対戦相手が自身を負かしてしまうのは愉快なことじゃない。
トップ8のリストは既にチェック済みのため、これがデッキ登録ミスでないことは分かっていた。つまり、おそらく何らかの取り調べが行われている。
私は何もすることがなく、気分が沈み、ジャッジと軽く話をした。このあともまだやるべきマジックは残っており、ゲームをするモードになっていなければそこでベストを尽くすことはできない。
注文していたピザをRobが持って来てくれて、ジャッジは親切にも待っている間に食べることを許してくれた。
カフェインとストレスは私の代謝をとても落としていた。朝から何も食べていなかったにもかかわらず、2,3切れがやっと喉を通っただけだった。
結局、ジャッジ達はJonと一緒に戻ってきた。
この若者はもはや私がスイスラウンドで相対したような大胆で思慮深いプレイヤーではなかった。彼はもうろうとしており、目は赤かった。
数分後、彼らは再び立ち去り、ジャッジは彼のデッキを取りに戻ってきて、私に次のラウンドに進むように言った。
私のこれまでで最も満足いかないマリガンはこうして終わった。
後に自宅に向かう車の中で、#twobatterskullsで話題になっていたビデオをRobが見せてくれた。Jonはヴェンディを出されたときにフェッチを使ってシャッフルし、彼のライブラリのボトムにあったBatterskullを手札に落とし入れていた。
私はびっくりし、このビデオをどう考えればいいのか分からなかった。
Jonは好ましい対戦相手だった。私は彼を裁いたり嫌悪したりする気になれなかった。幸い、私にはそれをする必要はない。
友人達が「準々決勝でbyeだなんてお前はツイてるな」とかそういうことを言っているのを聞いたが、私はツイてるなんて思えなかった(し、今も思わない)。私はマジックをするために長旅をしてきたのに、自分の対戦相手になるだろう人が過去をほじくり返されている間じっと待つ、極めて不快なラウンドをやるハメになった。
たとえ誰かが罰を受けるに値するとしても、私はその人の悲惨な状況から楽しみを取り上げることはできないし、そうしている人を見るとサディスティックだと思う。
イカサマ師や、犯罪者や、スーパーで列に割り込む人達はそれでも人間で、多くの場合、周囲の環境が彼らを作り出す。ある意味、彼らは学ぶべき教訓そのものだ。私たちは容易く学ばせてもらえることに感謝すべきだと思う。
私はジャッジの仕事を羨ましいとは思わないし、私たちのためにジャッジがいてくれるのを嬉しく思う。
私はゲームのプレイを研究し、彼らは今回のような状況について研究する。
結局、Jonがカメラの前でやったことと、私の彼に対する印象とは合っていない。一方で、これに厳しいペナルティを課さなければ、あらゆることにペナルティを与えられないことになる。
準決勝: Chris Andersonとのエルフミラー
Chrisとの対戦は、彼が入れていない十手を私はサイドに入れているため、私に有利なことは分かっていた。
それでも、Chrisはこのデッキについて週末ずっと助言をくれており、私は彼(とAri)の助けがなければこの場にはいなかっただろうから、トップ4をスプリットする申し出を断ったのはまったくひどいことのように思われた。加えて、彼は常に、いかなるときにもエルフを使ってきており、私が少しでもつまづけば負ける可能性はいくらでもあった。
組み合わせ表のもう一方はRUGを使うJeremyがLandsと対戦、絶望的なマッチアップだ。これもまたスプリットを受け入れる理由になる。
ゲーム1、初手をキープし、2ターン目にはGaea’s CradleとMirror Entityを含めて手札を全展開した。
「あのさ、鏡の精体はエムラよりいいと思うよ」と私は言った。
この週末の初めの頃、私はChrisにエムラを入れるべきかどうかをたずねた。私の理由は、いわばヘルメットをかぶりたかったというのと、このデッキの経験がなく、精体のループが複雑すぎるように思えたからだった。
Chrisは私の理由がいかにバカげているか、精体はコンボにもビートにも役立つのに、エムラを引くのは実質マリガンしているのと同じだということを力説した。
Chrisの忠告を聞いていなければ私はトップ8には残らなかっただろう。このゲームで安定して結果を残すには、友人の意見を聞くときと、自らの意見を聞くときをバランスさせることが重要だ。常に正しくあることは誰にもできない。
Chrisは自分のターンにカードを引き、盤上を片付けた。
SB:
-1 Viridian Shaman, -1 Birchlore Rangers
+1 Mortarpod, +1 Umezawa’s Jitte
Chrisは先攻でマリガンしたが、手札には満足なようだった。私は十手ハンドをキープした。
お互いにマナ生物を出し、Chrisは2ターン目に手札を展開しきって、最後に緑頂点でElvish Visionaryを持ってきた。
私は3マナを出し、頂点でPriest of Titaniaを持ってきた。Priestはボード上の両者のエルフの数を参照するので、ChrisはPriest(とMortarpod)に回答するか、このターン中に私を倒さねばならない。
彼はGlimpse of Natureを持っていたが私を殺すには燃料が足りず、私は自分のターンにRegal ForceでMortarpodを調達し、彼を倒した。
試合後、Lands対RUGの対戦が終わるのを待った。LandsがRUGを破った後、RobがJeremyを励ますハグをしようと近づいたが、Jeremyは相手にしようとしなかった。
「お前はいらないよ。いるのはピザだ。」
Jeremyは、大の大人から聞くことはほとんどない、不機嫌な子どものような声でそう言った。
彼の悔しさを思い、そのふてくされた顔を見て私は微笑んだ。
決勝: Lands
Landsについてはみんなまったく読みたくないんじゃないかな?そうだろう?
私は負けた。有利なマッチアップではあったけれども。
明るい面を挙げれば、対戦相手は「このトーナメント」のラウンド3で私が水没させたのと同一人物だ。
(※訳注:「このトーナメント」(原文ではリンク)はMステ入りZooでCalebが優勝した2011年7月のSCG Legacy Open Cincinnati。レポートはこちら(英語)→http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-getting-there-in-cincinnati/)
もし機会があればレポートのラウンド3を読んでみてほしい。後手のZooがベルチャーに勝ってしまうようなおかしな時期に開かれたトーナメントだが、このLandsとの対戦はこれまでで最も気に入っているレガシーストーリーの一つだ。
今週末のGPではエルフをプレイすることになりそうだ。このデッキは安定していて、パワフルで、RUGとマーベリックと青白とスニークショーとリアニに強い。
一方、まだ完成はしておらず、GPに向けてより多く妨害要素を入れることになるだろう。
読んでくれてありがとう。
Caleb Durward
StarCityGamesより。
マジック戦略記事の金字塔"Who’s the Beatdown?"を、筆者Mike Flores自身が深掘りするという趣旨。
こういうプレイング、戦略、戦術記事を読むのも好きなのでときどきやっていこうかなあと思っています。
オリジナルの"Who’s the Beatdown?"はDNで訳された方がいらっしゃいます。
短めの記事ですし未読の方はぜひ:
http://72743.diarynote.jp/200612211801140000/
http://regiant.diarynote.jp/201107161651198667/
今のレガシーは「ビートダウン側」の戦略が多様化&洗練されていて、はじめからコントロール側を選ぶつもりのデッキはなかなか息がつらそうですが、青白奇跡が頑張っていたりSCG OpenでLandsが優勝したりまだまだ終わってはいなさそうです。
それに、たとえショーテルミラーでもどちらかはコントロール側に立つのですよね。
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Eight Core Principles Of "Who’s The Beatdown?"
By Mike Flores
03/16/2012
http://www.starcitygames.com/magic/fundamentals/23775_Eight_CorePrinciples_Of_Whos_The_Beatdown.html
「Cursed Scrollが悪いんじゃないの?」――あなたの読者より。
先週末のFloresフライデー大殺戮の直後、編集者のピストル女子Lauren Lee(以前はハンガー戦闘員だった)が今後の探求に向けた14のトピックを陳列した。その中の最初のものが先日書いた"Lies Your Teacher Told You; Truths Mine Told Me"だ(※訳注:2012/3/14の記事)。
2つ目が、どれだけ難しいのか想像もできない過去への挑戦、"Who’s the Beatdown?"を最新のスタンダードの例を使って書きなおす、というものだった。
これまでの歴史の中で、最も象徴的で、最も影響力があり、「最高」と呼ぶのに身震いするような、そんなマジックの記事を一つだけ選び出すとしたら、間違いなくその記事は・・・"Timmy, Johnny, and Spike"だろう。
だが、ベスト中のベストの戦略記事を選ぶとすれば、それは・・・"Magic: The Intangibles"か"Information Cascades"か、たぶん"How to Win a PTQ"かな。
まあ冗談はさておき、何年もの間もっとも参照され、影響力の大きかった戦略記事の一つといえば、もちろん1999年に書いた"Who’s the Beatdown?"だ。
実際これは優れた、そして深いマジック記事だ。
今回私は"Who’s the Beatdown?"の物語を2012年の語り口で作りなおそうとするのではなく、記事に含まれる時代によらない知恵を8つのポイントとして選び出した:
私はよく"Who’s the Beatdown?"の単語数がSCGの規定に満たないことをジョークにしている。しかしそれでもこの記事は、マジックあるいは一般的なゲームの戦略について、たくさんの深く時代によらない真実を直接/間接的に述べており、これまで多くの敬意を受けながらも色褪せていない(例えばZvi Mowshowitzは彼自身の最高の記事"Who’s the Beatdown II: Multitasking"を書き、上の4番にも挙げた「勝利の確実性/inevitability」という概念をはじめて作った)。
ゆえに、この機会を使って8つのポイントそれぞれについてさらに深いところまで行ってみようじゃないか。
(※訳注:"Who’s the Beatdown II: Multitasking"の翻訳はこちらで読めます→http://72743.diarynote.jp/200705152108330000/ )
2種類のデッキがあり、その立場は流動的
デッキをそれ自身の分類(ビートダウンやコントロール、コンボ、さらにその中の8つぐらいのサブジャンル)で扱うよりも、ただ2つの分類「ビートダウン側かコントロール側か」にまで減らしたモデルで捉えた方がより役に立つ、というのが"Who’s the Beatdown?"の核となっている原則だ。
13年後の今以上に、1999年当時、この単純化は多くの議論を呼んだ。
「コンボデッキは存在しないっていうのか?」あるいは、「PVはアグロコントロールが最高のアーキタイプだと言っているが・・・そんなものはないっていうのか?」
"Who’s the Beatdown?"の主張は、ゲーム中の個々の状況においてそのような分類は役に立たない、というものだ。
実際、パズルは個々の状況――ヴォーロンとシャドウの質問「おまえは誰だ」と「おまえが欲するのは何だ」――次第で全て異なる。
(※訳注:ヴォーロンとシャドウはTVドラマ『バビロン5』に登場する異星人の種族。)
あなたは・・・
1. 相手を殺そうとする人なのか、それとも・・・
2. カードアドバンテージを得ようとする人なのか
この質問に究極的に答えるには、いつでもどこでも通用するあなたの立場や、プレイヤーまたは人としてのアイデンティティ(Joey Pascoは「親和(島)」を持っており青使いを自認している、というような)ではなく、単に目の前のゲームの状況においてあなたがどのように振る舞うかを述べることになる。
例としてJoeyの話を続けよう。
Joeyは島を愛している。
構築デッキを作るとき、彼はMana LeakやSnapcaster Mageを入れるのが大好きだ。・・・しかし彼がリアニ呪文やプレインズウォーカー、はたまたコンボを使うこともあるだろう。
表面的に(あるいは彼が"Who’s the Beatdown?"を読んだことがなければ)、自分を「青の人」だと考えているJoeyはいつも島を並べているときと同じように、かたくなに自分を「コントロール側」に位置づけてしまうかもしれない。
例えば緑赤ケッシグ相手にJoeyがSam Blackのエスパースピリットをプレイしている場合、このことがどんな問題を起こすか分かるかな?
昔は――"Who’s the Beatdown?"が書かれた1999年の頃は間違いなく――山と森が一緒に出てくればまず「ビートダウン側」だと考えられた。島ならとにかくコントロール側だったように。
しかしスピリット対ケッシグの状況で、スピリットデッキが攻めるよりもカードアドバンテージを重視したコントロール側のプレイをした場合、うまくいく可能性は低い。
デルバーの入ったデッキは1ターン目にパワー3を出すことができる(※訳注:スピリットデッキはデルバー入り)。
そして、このデッキにはカウンターも入っている。だがこのカウンター呪文は、カードアドバンテージを得るための時間を買う「コントロール」スペルとして使うよりも、テンポを保ち、クロックを守り、また相手のマナ加速を食い止めるために使うほうが良い。
もちろん、スピリットデッキにはいくつかの「ボードコントロール」も入っている(正統なコントロールデッキのように、Revoke ExistenceやDivine Offeringみたいな専用呪文すら入る)。
しかし実際には、流行りのVapor Snagが素晴らしい。なぜなら、このスペルは1枚で相手への通り道を作り、アグレッシブに時間をリソースとして食い尽くす手段の一つになっているからだ。
この勝負でカードアドバンテージをより重視するデッキはどちらだろう?
ケッシグはWhipflare(軽い赤のラス)のようなカードを使うし、Green Sun’s ZenithやPrimeval Titanによって青デッキのようにライブラリをサーチして2枚や3枚のカードを一度に手に入れ、大きなカードアドバンテージを得る。
ほとんどの読者がもう理解していることを繰り返し述べるかわりに、次のような世界を想像してみよう。
デルバーデッキが2ターン目にMana Leakを撃てるマナを揃えてドローゴースタイルを取り、最終的にケッシグをLingering SoulsとMoorland Haunt(アウトポスト!)で蹂躙するために、Vapor Snag(とかGut ShotとかDismember)をソープロに見立てて使う。こうも言おう、スピリット側はこれら除去呪文やGitaxian Probeのコストを普通に支払ってファイレクシアマナを台無しにする(コントロール側はライフ総量を保たなきゃいけないからね!)・・・。
こんなゲームをしていて、Joeyが勝てると思うかい?
これが"Who’s the Beatdown?"の物語の核心だ。
あなたの想像の中で、自分の立場を間違えたスピリットとケッシグは滑稽に見えただろうが、同じデッキでも何を目の前にしているかによって立場は流動的に変わる。
ケッシグに対して、成功しているスピリットデッキはマナ効率の悪さを突く。スピリットは脅威を突き出し、走らせて(さらに普通はどんどん盤上のパワーを追加して)、対戦相手の手がタイタンに届く前に勝とうとしなければならない。
ゲーム序盤はDelverへのGalvanic Blastのような一種のマナの交換になる。
中盤の間は問いの連続だ・・・もうじきタイタンが現れて主導権を奪われそうな差し迫った状況でこれは良い脅威なのか?もしくは、Drogskol Captainのオーバーラン的能力でスピリットが爆発するか?
そしてタイタンが現れ・・・トップデッキされたDungeon Geistに観衆はoohとかahとか声を漏らすのか(攻撃力と回避力のあるボディの追加だけじゃなくコントロール的な効果も持っているね)・・・それとも現状のカードパワー、カードアドバンテージ、勝利の確実性で我慢するのか?
ケッシグを黒青コントロールの前に置いてみよう。そのときケッシグはもはやコントロール側ではない。
相手はおそらく直前に戦ったスピリットデッキよりは文字通り青は少ないが、この状況ではケッシグはコントロール側の立場を失う。Galvanic Blastは最高のカードから最低のカードになり、タイタンは勝利を確実にする存在(そう、スピリットはこれを除去するか無効化するかダメージレースするかしかない)からお試しスペルになる。
並べたタイタンに何体回答できますか?というのも、これがあなたを倒せる最後のファッティなんです。
ビートダウンかコントロールになっているだろう?
スピリットを真のデルバーデッキの前に置いても同じことが起こり、スピリットはアグロ側からコントロール側にシフトする。
Lingering Soulsはカードアドバンテージの源となり、今やその仕事はDelverと価値ある相打ちをするか時間を稼ぐかだ。Drogskol Captainは相変わらず良いが、サイズの増加はアタックのためよりも、1/1スピリットを2/2にして相手が殴れないようにする意味合いの方が大きい。
見ての通り、ただ2種類のデッキしか存在しない・・・が、その立場は流動的なため、ゲームが始まるまであなたは自分がどちらなのかを知ることすらできない。
欲はスピードによってバランスされる
"Who’s the Beatdown?"では、ルームメイトのAl Tran――PTQでトップ8に残るプレイヤーだ――が前節で述べたような破滅的な配役ミスをおかし・・・予想の通り残念な結果に終わったことについて書いた。
彼の罪はなんだろう?
彼はスピードを無視して自らの欲を選んだ。
脅威に対処するために急いで自分のマナを使うのではなく、後のダメージ量を最大化するために待った(彼は自分をビートダウン側に位置づけてしまったんだ。対戦相手が1マナでパワー2のクリーチャーを「場に」出していたにもかからわず)。
手札にGalvanic BlastとIncinerateがあるとき、相手の1ターン目Stromkirk Nobleからの2ターン目Stormblood Berserkerから身を守るのに、Day of Judgmentを撃つまで待ってしまうというのも同じことだ。
あなたはDay of Judgmentで2対1交換をすごくしたいのかもしれない。対戦相手に欲張った7点を与えるために火力を温存しているのかもしれない。
しかしその過程で、あなたは6~12ダメージ(先攻か後攻かによる)を受けている自分に気づく。
そして4枚目の土地を置けなかったら?
19点かい?
かつてMike Longは「俺達は2対1交換じゃなくてマジックがしたいんじゃないのか?」と言っていた。
10ライフ以上残して5ターン目のアンタップ・ステップを迎えていたらどうだったかなんて知らないね。
とはいえ、普通コントロール側の役割ではカードアドバンテージを得るプレイをするように仕向けられる。
ここで必要なのは、ただ圧倒的なカードアドバンテージ差をつけることではなく、残された時間と長期的な戦略の両方に配慮して決断のバランスを取ることだ。
これとは別に、同型デッキと相対したとき、状況に応じてプランを立てるのに役立つガイドラインを"Who’s the Beatdown?"は与えてくれる(別のところで読んだことがあるかもしれないけど)。
「同じ結末を目指す2つのデッキがある場合、一般に、速い方が有利だ。」
これは勝利の確実性/inevitabilityの考え方とまったく同じではないが、関連している。
つまり、あなたと対戦相手がともにダメージ差によって相手を殺すプランを採用し、どちらも巨大なDivil’s Playをフィニッシュ手段としている場合、あなたは次の2つのうちどちらかを目指すことになる:
1. 相手に対してDevil’s Playが意味を持ち始めるポイントまでライフアドバンテージを広げる。
2. 特に序盤のビートダウンを受けてしまった場合、Devil’s Playに一刻も早く、より多くのマナが使える状態でアクセスする方法を見つける。
先攻か後攻かでプレイは変わる
特にこの点について、"Who’s the Beatdown?"は深く言及していない。
そう、いつも成り立つルールというのはたしかに存在しない。しかし、直感的にはみんな分かっていることだと思う。
例として赤単同士のミラーを挙げよう。
おそらく先攻のときにはあなたはよりアグロ側に立ちたいと考えるだろう。そしてうまくカーブに沿った引きをしたり、対戦相手が展開につまづいたときにはより大きな恩恵を得られる。
一方、後攻で自然にカードアドバンテージを得た(2番手を選びタダでカードを手に入れた)場合は、かわりにダメージを抑えるためにマナを使う権利がある。
勝利の確実性と一般則
マジック用語として勝利の確実性/inevitabilityという名前を使ったのはZvi Mowshowitzの"Who’s the Beatdown II: Multitasing"が最初だが、もともと暗黙のうちに存在はしていたものだ。
「同じ結末を目指す2つのデッキがある場合、一般に、速い方が有利だ」という自明の理に加えて、私の1999年の記事ではもう少し違うことを言っている。
ゲームの最序盤(例えば1ターン目)に下した決断は、目の前のゲームでどちらのプレイヤーが勝利の確実性を持つかに影響を与える。
2つ前の節に出てきたGalvanic Blast / Incinerate / Day of Judgmentのケースに戻ると、対戦相手のスピードに合わせず欲張った2対1交換をすることでそもそも受ける必要のない12ダメージを受け、良くない状況に追い込まれそうだということが分かった。
単純にStromkirk NobleをBlastした場合、状況はどう変わるのだろうか?
対戦相手は狂喜なしのStormblood Berserkerを出そうとするだろうか?
コントロール側にいるとき、ビートダウン側のアグロなスタートについていくことはできる。
だがビートダウン側はどうだろう?
彼らは何を引いたかに強く束縛され、それゆえに様々な権利をなくしている。ビート側の対戦相手が2ターン目に石のように何もせず、こちらがフリーパスを手に入れることはいつもあり得る。
兵は詭道なり
ここでは孫子の言葉を借りたが、この『兵法』で最も有名な1行は"Who’s the Beatdown?"においても輝いている。
ゲームプレイではごく一般的な注意点だが、多くのプレイヤーが取り入れていないのが「あなたが何者かを隠すことがゲームで優位を築く方法の一つだ」ということだ。"Who’s the Beatdown?"には次のようなシーンが出てくる:
私が青コントロールデッキを装い、対戦相手は彼の基本プラン通りのアクションを続ける。そして、彼のマナがタップしている間に私がコンボを決めて殺す。
どこかで聞いたことがないかな?
去年、私が双子デッキを使ったときのやり方(Gerry Thompsonが「コントロール型の」双子戦略と呼んだ方法)だよ!
12年経ったけど、新しいトリックはなにもない!
明らかにいつも使える超強力な手法というわけではないが(トップ8までいけば対戦相手はたいていお互いのデッキリストを知っている)、ときには使える道具になるし、対戦相手に自分の立場を勘違いさせて噛み合わない行動をしてもらえれば本質的に優位に立てる。
すなわち、次の節のようなことだ:
立場を見極め、アクションする
戦略的に正しいプレイをするための第一歩は、自分がビートダウン側とコントロール側のどちらの役割を担うべきかを見極めることだ。
オリジナルの"Who’s the Beatdown?"で私は以下のチェックリストを作った。これは今日再考すべきものだと思う:
特に3番は現在では微妙なところだ。
デルバーのようなデッキはコントロール側に立つ相手デッキよりも多くのカードドロー(Gitaxian ProbeやPonder)を積んでいるだろうし、いわゆる「コントロール」のためというよりはテンポを守るためにカウンターを使うだろう。・・・そう、自分で「ほとんどいつも」と言った、その例外を実際に見つけてしまった。
この立場を見極める手続きはほとんどのプレイヤーが十分に実行していない――各アーキタイプがこんなに洗練された現代でさえ。
この節のタイトルの後半、アクションをする部分は実際にはさらに重要だ。
もしあなたがJon Finkelのような「天才」なら、はじめに何をすべきかを考えたりすることなく、正しい行動が取れるだろう・・・。だが私達はただの人間で、まず調べ、多彩なオプションの中から選ぶ必要がある。
例えば、対戦相手がやりたいと思っている立場を乗っ取る方法はないだろうか?
もしそれがうまくいけば、相手の行動全てを邪魔してやることができる(つまり、彼は立場を見誤った行動をしてしまう)。
ではどうやってアクションを決めればいいのだろう?
"Who’s the Beatdown?"では一般化した答えまでは語られていない。そこで同列のプロセス理論から借りてくることにした:
(※訳注:PDCAそのままですね。)
マジックの特にタイトなゲーム(例えばレガシーで2ターンデッキを使っている場合など)では、フィードバックと修正は不可能だが、そうでない多くの場合(長期戦や普通のライフの取り合い)ではしっかり行うことができる。
重要なのは、アクションが戦略に則っていることと、戦略がゴールに向かっていることだ。
悪いマッチアップとは
前の節で「最高のデッキ」の一つの定義について話した。ビートダウン側とコントロール側の両方をこなせるデッキなんて可能なんだろうか?
1999年に私が"Who’s the Beatdown?"を書いたときには、この問いへの答えがイエスであることに気づいていなかった。
「ひどいマッチアップ」というのは、ひとつの役割が完全に駄目になる場合のことを言う。
私がJoey Pascoと実況をした2,3ヶ月前のオープンで、Caleb Durwardがトップ8に入ったときに使っていた黒青デッキを相手にクリーチャーデッキをプレイしている場面を想像してほしい。
U/B Control
by Caleb Durward
6th place at a SCG Standard Open Nashville on 2011-10-09
Maindeck:
1 Solemn Simulacrum
1 Spellskite
2 Consecrated Sphinx
2 Grave Titan
1 Skinrender
4 Snapcaster Mage
1 Karn Liberated
3 Liliana of the Veil
2 Mana Leak
1 Dissipate
3 Dismember
1 Doom Blade
1 Go for the Throat
1 Tribute to Hunger
1 Twisted Image
2 Victim of Night
3 Black Sun’s Zenith
2 Divination
3 Nihil Spellbomb
8 Island
9 Swamp
4 Darkslick Shores
4 Drowned Catacomb
Sideboard:
2 Spellskite
3 Azure Mage
1 Volition Reins
1 Dissipate
2 Flashfreeze
1 Negate
2 Sorin’s Thirst
2 Surgical Extraction
1 Black Sun’s Zenith
あなたはビートダウン側に立つだろう。
小さな生物をプレイし、アタックしたりする。
問題なのはCalebのデッキにはSnapcaster Mageと除去しか入っていないことだ。
いくつかの私が見た試合では、彼は対戦相手からよりも自分のDismemberから受けるダメージの方が大きかったんだ!
そう、あなたはビートダウン側では満足な仕事ができない。
突如コントロール側にプレイを切り替える?
それはなかなかできるものじゃない。
自然は真空を嫌う。
もしあなたが先にアタックを仕掛けようとしても・・・Calebもそれをやるだろう。
彼は3ターン目のLiliana of the Veilのような先回りしたプレイをするだろうし、あなたがクリーチャーを場に保てないのでLillyは去らない。
(※訳注:「自然は真空を嫌う」は、自然界では足りない部分が何らかの物質で埋められるはたらきがある、という諺。)
このゲームを何と呼んだらいいのだろう?
もしカードアドバンテージだらけの黒青デッキが場を固定してしまったら?
私のビートダウンフレンドであるあなたは良い状況にはない。
もはやそこに役割はない。
最後には彼は何らかの脅威を手に入れ、あなたを打ち倒すだろう。
サイドボーディングで重荷を取り除く
「抜くことによる追加」つまりマイナスを取り除くことで得るものがある、という考え方は多くの人が理解していると思う。
元の"Who’s the Beatdown?"では、ほとんど見込みのないマッチアップでも賢いサイドボーディングによって対戦相手が苦手とする役割を手に入れることができる、というようなことを述べた。
デッキデザイナーPatrick ChapinとGrixis Desperate Ravingsでの彼のお気に入りの戦略を挙げよう。
Grixis Control
by Patrick Chapin
2nd place at a GP Orlando on 2012-01-15
Maindeck:
1 Inferno Titan
2 Snapcaster Mage
2 Olivia Voldaren
2 Liliana of the Veil
1 Sorin Markov
4 Desperate Ravings
3 Forbidden Alchemy
2 Ponder
1 Batterskull
3 Mana Leak
3 Pristine Talisman
2 Ratchet Bomb
1 Ancient Grudge
2 Curse of Death’s Hold
1 Doom Blade
1 Go for the Throat
1 Black Sun’s Zenith
1 Devil’s Play
2 Whipflare
4 Island
2 Mountain
2 Swamp
4 Blackcleave Cliffs
1 Copperline Gorge
4 Darkslick Shores
2 Drowned Catacomb
2 Shimmering Grotto
4 Sulfur Falls
Sideboard:
1 Ratchet Bomb
1 Curse of Death’s Hold
2 Ancient Grudge
2 Blue Sun’s Zenith
2 Dissipate
1 Mana Leak
2 Negate
1 Karn Liberated
1 Liliana of the Veil
1 Life’s Finale
1 Sorin’s Vengeance
最近Patrickはこの手のデッキを使ってグランプリの決勝に進出した。
このデッキはトレードオフの連続だ。ベースはコントロール側に立つデッキで、より数の多いデッキYと競えるようにするためにデッキXとの相性は悪化させる、という選択をPatrickは絶え間なくし続けなければならない。
PatrickはTwitterの#PTDKAで私に、人間デッキ対策のサイド戦略のブレインストーミングを持ちかけてきた。人間デッキの攻めは非常に速く、単体除去に対してトークンが自然にカードアドバンテージとなり、Doomed Travelerのようなクリーチャーは、リリアナなどの先回りした対応の効果を薄める。
最終的に、Patrickが既にFaithless Looting、Desperate Ravings、Liliana of the Veilを積んでいること、またChapinのトレードマークでもある、何でもプレイできる「野心的なマナベース」を活かして、サイド後リアニデッキに変身することを提案した。
人間デッキは明確にビートダウン側だが、同時にカードアドバンテージ手段が多く、Patrickのデッキのアイデンティティを実質台なしにしてしまうためいくぶん問題だった。Strangleroot Geistのような他のアグロなカードも似たような影響があり、ついていくためにマナカーブに合った正しい回答を見つけ出すのはチャレンジングだ。
それなら、ビートダウン側に回ろう。
奴らを生かしたまま勝ってしまおう。
4ターン目に流すのでは遅すぎるのなら、4ターン目に乗り越えられない脅威を出してしまおう。
受動者から能動者になるんだ!
エリシュの常在型能力はDoomed TravelerとStrangleroot Geistをともに断固として、ゴホン、常在させない。
(※訳注:・・・オヤジギャグらしい。)
Patrickは結局このアイデアを使わなかったけど、その理由は単に私がちゃんと、今ここでやったように"Who’s the Beatdown?"の文脈で説明しなかったからだと思っているよ。
LOVE
MIKE
マジック戦略記事の金字塔"Who’s the Beatdown?"を、筆者Mike Flores自身が深掘りするという趣旨。
こういうプレイング、戦略、戦術記事を読むのも好きなのでときどきやっていこうかなあと思っています。
オリジナルの"Who’s the Beatdown?"はDNで訳された方がいらっしゃいます。
短めの記事ですし未読の方はぜひ:
http://72743.diarynote.jp/200612211801140000/
http://regiant.diarynote.jp/201107161651198667/
今のレガシーは「ビートダウン側」の戦略が多様化&洗練されていて、はじめからコントロール側を選ぶつもりのデッキはなかなか息がつらそうですが、青白奇跡が頑張っていたりSCG OpenでLandsが優勝したりまだまだ終わってはいなさそうです。
それに、たとえショーテルミラーでもどちらかはコントロール側に立つのですよね。
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Eight Core Principles Of "Who’s The Beatdown?"
By Mike Flores
03/16/2012
http://www.starcitygames.com/magic/fundamentals/23775_Eight_CorePrinciples_Of_Whos_The_Beatdown.html
「Cursed Scrollが悪いんじゃないの?」――あなたの読者より。
先週末のFloresフライデー大殺戮の直後、編集者のピストル女子Lauren Lee(以前はハンガー戦闘員だった)が今後の探求に向けた14のトピックを陳列した。その中の最初のものが先日書いた"Lies Your Teacher Told You; Truths Mine Told Me"だ(※訳注:2012/3/14の記事)。
2つ目が、どれだけ難しいのか想像もできない過去への挑戦、"Who’s the Beatdown?"を最新のスタンダードの例を使って書きなおす、というものだった。
これまでの歴史の中で、最も象徴的で、最も影響力があり、「最高」と呼ぶのに身震いするような、そんなマジックの記事を一つだけ選び出すとしたら、間違いなくその記事は・・・"Timmy, Johnny, and Spike"だろう。
だが、ベスト中のベストの戦略記事を選ぶとすれば、それは・・・"Magic: The Intangibles"か"Information Cascades"か、たぶん"How to Win a PTQ"かな。
まあ冗談はさておき、何年もの間もっとも参照され、影響力の大きかった戦略記事の一つといえば、もちろん1999年に書いた"Who’s the Beatdown?"だ。
実際これは優れた、そして深いマジック記事だ。
今回私は"Who’s the Beatdown?"の物語を2012年の語り口で作りなおそうとするのではなく、記事に含まれる時代によらない知恵を8つのポイントとして選び出した:
1. 2種類のデッキがあり、その立場は流動的
2. 欲はスピードによってバランスされる
3. 先攻か後攻かでプレイは変わる
4. 勝利の確実性と一般則
5. 兵は詭道なり
6. 立場を見極め、アクションする
7. 悪いマッチアップとは
8. サイドボーディングで重荷を取り除く
私はよく"Who’s the Beatdown?"の単語数がSCGの規定に満たないことをジョークにしている。しかしそれでもこの記事は、マジックあるいは一般的なゲームの戦略について、たくさんの深く時代によらない真実を直接/間接的に述べており、これまで多くの敬意を受けながらも色褪せていない(例えばZvi Mowshowitzは彼自身の最高の記事"Who’s the Beatdown II: Multitasking"を書き、上の4番にも挙げた「勝利の確実性/inevitability」という概念をはじめて作った)。
ゆえに、この機会を使って8つのポイントそれぞれについてさらに深いところまで行ってみようじゃないか。
(※訳注:"Who’s the Beatdown II: Multitasking"の翻訳はこちらで読めます→http://72743.diarynote.jp/200705152108330000/ )
2種類のデッキがあり、その立場は流動的
デッキをそれ自身の分類(ビートダウンやコントロール、コンボ、さらにその中の8つぐらいのサブジャンル)で扱うよりも、ただ2つの分類「ビートダウン側かコントロール側か」にまで減らしたモデルで捉えた方がより役に立つ、というのが"Who’s the Beatdown?"の核となっている原則だ。
13年後の今以上に、1999年当時、この単純化は多くの議論を呼んだ。
「コンボデッキは存在しないっていうのか?」あるいは、「PVはアグロコントロールが最高のアーキタイプだと言っているが・・・そんなものはないっていうのか?」
"Who’s the Beatdown?"の主張は、ゲーム中の個々の状況においてそのような分類は役に立たない、というものだ。
実際、パズルは個々の状況――ヴォーロンとシャドウの質問「おまえは誰だ」と「おまえが欲するのは何だ」――次第で全て異なる。
(※訳注:ヴォーロンとシャドウはTVドラマ『バビロン5』に登場する異星人の種族。)
あなたは・・・
1. 相手を殺そうとする人なのか、それとも・・・
2. カードアドバンテージを得ようとする人なのか
この質問に究極的に答えるには、いつでもどこでも通用するあなたの立場や、プレイヤーまたは人としてのアイデンティティ(Joey Pascoは「親和(島)」を持っており青使いを自認している、というような)ではなく、単に目の前のゲームの状況においてあなたがどのように振る舞うかを述べることになる。
例としてJoeyの話を続けよう。
Joeyは島を愛している。
構築デッキを作るとき、彼はMana LeakやSnapcaster Mageを入れるのが大好きだ。・・・しかし彼がリアニ呪文やプレインズウォーカー、はたまたコンボを使うこともあるだろう。
表面的に(あるいは彼が"Who’s the Beatdown?"を読んだことがなければ)、自分を「青の人」だと考えているJoeyはいつも島を並べているときと同じように、かたくなに自分を「コントロール側」に位置づけてしまうかもしれない。
例えば緑赤ケッシグ相手にJoeyがSam Blackのエスパースピリットをプレイしている場合、このことがどんな問題を起こすか分かるかな?
昔は――"Who’s the Beatdown?"が書かれた1999年の頃は間違いなく――山と森が一緒に出てくればまず「ビートダウン側」だと考えられた。島ならとにかくコントロール側だったように。
しかしスピリット対ケッシグの状況で、スピリットデッキが攻めるよりもカードアドバンテージを重視したコントロール側のプレイをした場合、うまくいく可能性は低い。
デルバーの入ったデッキは1ターン目にパワー3を出すことができる(※訳注:スピリットデッキはデルバー入り)。
そして、このデッキにはカウンターも入っている。だがこのカウンター呪文は、カードアドバンテージを得るための時間を買う「コントロール」スペルとして使うよりも、テンポを保ち、クロックを守り、また相手のマナ加速を食い止めるために使うほうが良い。
もちろん、スピリットデッキにはいくつかの「ボードコントロール」も入っている(正統なコントロールデッキのように、Revoke ExistenceやDivine Offeringみたいな専用呪文すら入る)。
しかし実際には、流行りのVapor Snagが素晴らしい。なぜなら、このスペルは1枚で相手への通り道を作り、アグレッシブに時間をリソースとして食い尽くす手段の一つになっているからだ。
この勝負でカードアドバンテージをより重視するデッキはどちらだろう?
ケッシグはWhipflare(軽い赤のラス)のようなカードを使うし、Green Sun’s ZenithやPrimeval Titanによって青デッキのようにライブラリをサーチして2枚や3枚のカードを一度に手に入れ、大きなカードアドバンテージを得る。
ほとんどの読者がもう理解していることを繰り返し述べるかわりに、次のような世界を想像してみよう。
デルバーデッキが2ターン目にMana Leakを撃てるマナを揃えてドローゴースタイルを取り、最終的にケッシグをLingering SoulsとMoorland Haunt(アウトポスト!)で蹂躙するために、Vapor Snag(とかGut ShotとかDismember)をソープロに見立てて使う。こうも言おう、スピリット側はこれら除去呪文やGitaxian Probeのコストを普通に支払ってファイレクシアマナを台無しにする(コントロール側はライフ総量を保たなきゃいけないからね!)・・・。
こんなゲームをしていて、Joeyが勝てると思うかい?
これが"Who’s the Beatdown?"の物語の核心だ。
あなたの想像の中で、自分の立場を間違えたスピリットとケッシグは滑稽に見えただろうが、同じデッキでも何を目の前にしているかによって立場は流動的に変わる。
ケッシグに対して、成功しているスピリットデッキはマナ効率の悪さを突く。スピリットは脅威を突き出し、走らせて(さらに普通はどんどん盤上のパワーを追加して)、対戦相手の手がタイタンに届く前に勝とうとしなければならない。
ゲーム序盤はDelverへのGalvanic Blastのような一種のマナの交換になる。
中盤の間は問いの連続だ・・・もうじきタイタンが現れて主導権を奪われそうな差し迫った状況でこれは良い脅威なのか?もしくは、Drogskol Captainのオーバーラン的能力でスピリットが爆発するか?
そしてタイタンが現れ・・・トップデッキされたDungeon Geistに観衆はoohとかahとか声を漏らすのか(攻撃力と回避力のあるボディの追加だけじゃなくコントロール的な効果も持っているね)・・・それとも現状のカードパワー、カードアドバンテージ、勝利の確実性で我慢するのか?
ケッシグを黒青コントロールの前に置いてみよう。そのときケッシグはもはやコントロール側ではない。
相手はおそらく直前に戦ったスピリットデッキよりは文字通り青は少ないが、この状況ではケッシグはコントロール側の立場を失う。Galvanic Blastは最高のカードから最低のカードになり、タイタンは勝利を確実にする存在(そう、スピリットはこれを除去するか無効化するかダメージレースするかしかない)からお試しスペルになる。
並べたタイタンに何体回答できますか?というのも、これがあなたを倒せる最後のファッティなんです。
ビートダウンかコントロールになっているだろう?
スピリットを真のデルバーデッキの前に置いても同じことが起こり、スピリットはアグロ側からコントロール側にシフトする。
Lingering Soulsはカードアドバンテージの源となり、今やその仕事はDelverと価値ある相打ちをするか時間を稼ぐかだ。Drogskol Captainは相変わらず良いが、サイズの増加はアタックのためよりも、1/1スピリットを2/2にして相手が殴れないようにする意味合いの方が大きい。
見ての通り、ただ2種類のデッキしか存在しない・・・が、その立場は流動的なため、ゲームが始まるまであなたは自分がどちらなのかを知ることすらできない。
欲はスピードによってバランスされる
"Who’s the Beatdown?"では、ルームメイトのAl Tran――PTQでトップ8に残るプレイヤーだ――が前節で述べたような破滅的な配役ミスをおかし・・・予想の通り残念な結果に終わったことについて書いた。
彼の罪はなんだろう?
彼はスピードを無視して自らの欲を選んだ。
脅威に対処するために急いで自分のマナを使うのではなく、後のダメージ量を最大化するために待った(彼は自分をビートダウン側に位置づけてしまったんだ。対戦相手が1マナでパワー2のクリーチャーを「場に」出していたにもかからわず)。
手札にGalvanic BlastとIncinerateがあるとき、相手の1ターン目Stromkirk Nobleからの2ターン目Stormblood Berserkerから身を守るのに、Day of Judgmentを撃つまで待ってしまうというのも同じことだ。
あなたはDay of Judgmentで2対1交換をすごくしたいのかもしれない。対戦相手に欲張った7点を与えるために火力を温存しているのかもしれない。
しかしその過程で、あなたは6~12ダメージ(先攻か後攻かによる)を受けている自分に気づく。
そして4枚目の土地を置けなかったら?
19点かい?
かつてMike Longは「俺達は2対1交換じゃなくてマジックがしたいんじゃないのか?」と言っていた。
10ライフ以上残して5ターン目のアンタップ・ステップを迎えていたらどうだったかなんて知らないね。
とはいえ、普通コントロール側の役割ではカードアドバンテージを得るプレイをするように仕向けられる。
ここで必要なのは、ただ圧倒的なカードアドバンテージ差をつけることではなく、残された時間と長期的な戦略の両方に配慮して決断のバランスを取ることだ。
これとは別に、同型デッキと相対したとき、状況に応じてプランを立てるのに役立つガイドラインを"Who’s the Beatdown?"は与えてくれる(別のところで読んだことがあるかもしれないけど)。
「同じ結末を目指す2つのデッキがある場合、一般に、速い方が有利だ。」
これは勝利の確実性/inevitabilityの考え方とまったく同じではないが、関連している。
つまり、あなたと対戦相手がともにダメージ差によって相手を殺すプランを採用し、どちらも巨大なDivil’s Playをフィニッシュ手段としている場合、あなたは次の2つのうちどちらかを目指すことになる:
1. 相手に対してDevil’s Playが意味を持ち始めるポイントまでライフアドバンテージを広げる。
2. 特に序盤のビートダウンを受けてしまった場合、Devil’s Playに一刻も早く、より多くのマナが使える状態でアクセスする方法を見つける。
先攻か後攻かでプレイは変わる
特にこの点について、"Who’s the Beatdown?"は深く言及していない。
そう、いつも成り立つルールというのはたしかに存在しない。しかし、直感的にはみんな分かっていることだと思う。
例として赤単同士のミラーを挙げよう。
おそらく先攻のときにはあなたはよりアグロ側に立ちたいと考えるだろう。そしてうまくカーブに沿った引きをしたり、対戦相手が展開につまづいたときにはより大きな恩恵を得られる。
一方、後攻で自然にカードアドバンテージを得た(2番手を選びタダでカードを手に入れた)場合は、かわりにダメージを抑えるためにマナを使う権利がある。
勝利の確実性と一般則
マジック用語として勝利の確実性/inevitabilityという名前を使ったのはZvi Mowshowitzの"Who’s the Beatdown II: Multitasing"が最初だが、もともと暗黙のうちに存在はしていたものだ。
Zviの定義:
あるプレイヤーが現在おかれた状況から長期戦を勝つ見込みがある場合、そのプレイヤーは勝利の確実性を持つ、と言う。
あるプレイヤーがあるマッチアップの1ターン目に勝利の確実性を持つ場合、そのプレイヤーはそのマッチアップについて勝利の確実性を持つ、と言う。
「同じ結末を目指す2つのデッキがある場合、一般に、速い方が有利だ」という自明の理に加えて、私の1999年の記事ではもう少し違うことを言っている。
ゲームの最序盤(例えば1ターン目)に下した決断は、目の前のゲームでどちらのプレイヤーが勝利の確実性を持つかに影響を与える。
2つ前の節に出てきたGalvanic Blast / Incinerate / Day of Judgmentのケースに戻ると、対戦相手のスピードに合わせず欲張った2対1交換をすることでそもそも受ける必要のない12ダメージを受け、良くない状況に追い込まれそうだということが分かった。
単純にStromkirk NobleをBlastした場合、状況はどう変わるのだろうか?
対戦相手は狂喜なしのStormblood Berserkerを出そうとするだろうか?
コントロール側にいるとき、ビートダウン側のアグロなスタートについていくことはできる。
だがビートダウン側はどうだろう?
彼らは何を引いたかに強く束縛され、それゆえに様々な権利をなくしている。ビート側の対戦相手が2ターン目に石のように何もせず、こちらがフリーパスを手に入れることはいつもあり得る。
兵は詭道なり
ここでは孫子の言葉を借りたが、この『兵法』で最も有名な1行は"Who’s the Beatdown?"においても輝いている。
ゲームプレイではごく一般的な注意点だが、多くのプレイヤーが取り入れていないのが「あなたが何者かを隠すことがゲームで優位を築く方法の一つだ」ということだ。"Who’s the Beatdown?"には次のようなシーンが出てくる:
私が青コントロールデッキを装い、対戦相手は彼の基本プラン通りのアクションを続ける。そして、彼のマナがタップしている間に私がコンボを決めて殺す。
どこかで聞いたことがないかな?
去年、私が双子デッキを使ったときのやり方(Gerry Thompsonが「コントロール型の」双子戦略と呼んだ方法)だよ!
12年経ったけど、新しいトリックはなにもない!
明らかにいつも使える超強力な手法というわけではないが(トップ8までいけば対戦相手はたいていお互いのデッキリストを知っている)、ときには使える道具になるし、対戦相手に自分の立場を勘違いさせて噛み合わない行動をしてもらえれば本質的に優位に立てる。
すなわち、次の節のようなことだ:
立場を見極め、アクションする
戦略的に正しいプレイをするための第一歩は、自分がビートダウン側とコントロール側のどちらの役割を担うべきかを見極めることだ。
オリジナルの"Who’s the Beatdown?"で私は以下のチェックリストを作った。これは今日再考すべきものだと思う:
1. ダメージ源が多いのはどちらか?通常そちらがビートダウン側だ。
2. 除去の量が多いのはどちらか?通常そちらがコントロール側だ。
3. カウンターとドローの量が多いのはどちらか?ほとんどいつもそちらがコントロール側だ。
特に3番は現在では微妙なところだ。
デルバーのようなデッキはコントロール側に立つ相手デッキよりも多くのカードドロー(Gitaxian ProbeやPonder)を積んでいるだろうし、いわゆる「コントロール」のためというよりはテンポを守るためにカウンターを使うだろう。・・・そう、自分で「ほとんどいつも」と言った、その例外を実際に見つけてしまった。
この立場を見極める手続きはほとんどのプレイヤーが十分に実行していない――各アーキタイプがこんなに洗練された現代でさえ。
この節のタイトルの後半、アクションをする部分は実際にはさらに重要だ。
もしあなたがJon Finkelのような「天才」なら、はじめに何をすべきかを考えたりすることなく、正しい行動が取れるだろう・・・。だが私達はただの人間で、まず調べ、多彩なオプションの中から選ぶ必要がある。
例えば、対戦相手がやりたいと思っている立場を乗っ取る方法はないだろうか?
もしそれがうまくいけば、相手の行動全てを邪魔してやることができる(つまり、彼は立場を見誤った行動をしてしまう)。
余談:
「最高のデッキ」を、多くのマッチアップでビートダウン側とコントロール側の両方をこなせるデッキだと定義した点でZviと私は一致している。
ではどうやってアクションを決めればいいのだろう?
"Who’s the Beatdown?"では一般化した答えまでは語られていない。そこで同列のプロセス理論から借りてくることにした:
1. 何がゴールか?ゴールを設定する。
2. ゴールに到達するまでの戦略を考え、それに則ってアクションをする。
3. フィードバックを得る。戦略は機能しているか?
4. 必要ならば修正する。
(※訳注:PDCAそのままですね。)
マジックの特にタイトなゲーム(例えばレガシーで2ターンデッキを使っている場合など)では、フィードバックと修正は不可能だが、そうでない多くの場合(長期戦や普通のライフの取り合い)ではしっかり行うことができる。
重要なのは、アクションが戦略に則っていることと、戦略がゴールに向かっていることだ。
悪いマッチアップとは
前の節で「最高のデッキ」の一つの定義について話した。ビートダウン側とコントロール側の両方をこなせるデッキなんて可能なんだろうか?
1999年に私が"Who’s the Beatdown?"を書いたときには、この問いへの答えがイエスであることに気づいていなかった。
「ひどいマッチアップ」というのは、ひとつの役割が完全に駄目になる場合のことを言う。
私がJoey Pascoと実況をした2,3ヶ月前のオープンで、Caleb Durwardがトップ8に入ったときに使っていた黒青デッキを相手にクリーチャーデッキをプレイしている場面を想像してほしい。
U/B Control
by Caleb Durward
6th place at a SCG Standard Open Nashville on 2011-10-09
Maindeck:
1 Solemn Simulacrum
1 Spellskite
2 Consecrated Sphinx
2 Grave Titan
1 Skinrender
4 Snapcaster Mage
1 Karn Liberated
3 Liliana of the Veil
2 Mana Leak
1 Dissipate
3 Dismember
1 Doom Blade
1 Go for the Throat
1 Tribute to Hunger
1 Twisted Image
2 Victim of Night
3 Black Sun’s Zenith
2 Divination
3 Nihil Spellbomb
8 Island
9 Swamp
4 Darkslick Shores
4 Drowned Catacomb
Sideboard:
2 Spellskite
3 Azure Mage
1 Volition Reins
1 Dissipate
2 Flashfreeze
1 Negate
2 Sorin’s Thirst
2 Surgical Extraction
1 Black Sun’s Zenith
あなたはビートダウン側に立つだろう。
小さな生物をプレイし、アタックしたりする。
問題なのはCalebのデッキにはSnapcaster Mageと除去しか入っていないことだ。
いくつかの私が見た試合では、彼は対戦相手からよりも自分のDismemberから受けるダメージの方が大きかったんだ!
そう、あなたはビートダウン側では満足な仕事ができない。
突如コントロール側にプレイを切り替える?
それはなかなかできるものじゃない。
自然は真空を嫌う。
もしあなたが先にアタックを仕掛けようとしても・・・Calebもそれをやるだろう。
彼は3ターン目のLiliana of the Veilのような先回りしたプレイをするだろうし、あなたがクリーチャーを場に保てないのでLillyは去らない。
(※訳注:「自然は真空を嫌う」は、自然界では足りない部分が何らかの物質で埋められるはたらきがある、という諺。)
このゲームを何と呼んだらいいのだろう?
もしカードアドバンテージだらけの黒青デッキが場を固定してしまったら?
私のビートダウンフレンドであるあなたは良い状況にはない。
もはやそこに役割はない。
最後には彼は何らかの脅威を手に入れ、あなたを打ち倒すだろう。
サイドボーディングで重荷を取り除く
「抜くことによる追加」つまりマイナスを取り除くことで得るものがある、という考え方は多くの人が理解していると思う。
元の"Who’s the Beatdown?"では、ほとんど見込みのないマッチアップでも賢いサイドボーディングによって対戦相手が苦手とする役割を手に入れることができる、というようなことを述べた。
デッキデザイナーPatrick ChapinとGrixis Desperate Ravingsでの彼のお気に入りの戦略を挙げよう。
Grixis Control
by Patrick Chapin
2nd place at a GP Orlando on 2012-01-15
Maindeck:
1 Inferno Titan
2 Snapcaster Mage
2 Olivia Voldaren
2 Liliana of the Veil
1 Sorin Markov
4 Desperate Ravings
3 Forbidden Alchemy
2 Ponder
1 Batterskull
3 Mana Leak
3 Pristine Talisman
2 Ratchet Bomb
1 Ancient Grudge
2 Curse of Death’s Hold
1 Doom Blade
1 Go for the Throat
1 Black Sun’s Zenith
1 Devil’s Play
2 Whipflare
4 Island
2 Mountain
2 Swamp
4 Blackcleave Cliffs
1 Copperline Gorge
4 Darkslick Shores
2 Drowned Catacomb
2 Shimmering Grotto
4 Sulfur Falls
Sideboard:
1 Ratchet Bomb
1 Curse of Death’s Hold
2 Ancient Grudge
2 Blue Sun’s Zenith
2 Dissipate
1 Mana Leak
2 Negate
1 Karn Liberated
1 Liliana of the Veil
1 Life’s Finale
1 Sorin’s Vengeance
最近Patrickはこの手のデッキを使ってグランプリの決勝に進出した。
このデッキはトレードオフの連続だ。ベースはコントロール側に立つデッキで、より数の多いデッキYと競えるようにするためにデッキXとの相性は悪化させる、という選択をPatrickは絶え間なくし続けなければならない。
PatrickはTwitterの#PTDKAで私に、人間デッキ対策のサイド戦略のブレインストーミングを持ちかけてきた。人間デッキの攻めは非常に速く、単体除去に対してトークンが自然にカードアドバンテージとなり、Doomed Travelerのようなクリーチャーは、リリアナなどの先回りした対応の効果を薄める。
最終的に、Patrickが既にFaithless Looting、Desperate Ravings、Liliana of the Veilを積んでいること、またChapinのトレードマークでもある、何でもプレイできる「野心的なマナベース」を活かして、サイド後リアニデッキに変身することを提案した。
人間デッキは明確にビートダウン側だが、同時にカードアドバンテージ手段が多く、Patrickのデッキのアイデンティティを実質台なしにしてしまうためいくぶん問題だった。Strangleroot Geistのような他のアグロなカードも似たような影響があり、ついていくためにマナカーブに合った正しい回答を見つけ出すのはチャレンジングだ。
それなら、ビートダウン側に回ろう。
奴らを生かしたまま勝ってしまおう。
4ターン目に流すのでは遅すぎるのなら、4ターン目に乗り越えられない脅威を出してしまおう。
受動者から能動者になるんだ!
エリシュの常在型能力はDoomed TravelerとStrangleroot Geistをともに断固として、ゴホン、常在させない。
(※訳注:・・・オヤジギャグらしい。)
Patrickは結局このアイデアを使わなかったけど、その理由は単に私がちゃんと、今ここでやったように"Who’s the Beatdown?"の文脈で説明しなかったからだと思っているよ。
LOVE
MIKE
StarCityGamesより。
M13の気になるアイツについて。
(リンクしていただいたみなさま、ありがとうございます。開設のいきおいで訳してまいりましたが、このペースはちょっとしんどいので少し落とすことになりそうです。短めの記事を挟めると良いのですが、あまり見かけないんですよね。)
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Eternal Europe - So What Did You Bring To Class?
By Carsten Kotter
06/29/2012
http://www.starcitygames.com/magic/legacy/24387-Eternal-Europe-So-What-Did-You-Bring-To-Class.html
祝おう、Land Taxのお帰りだ!
ひとつだけ気になるのは、僕とDCIは偶然一致しただけなのか、それとも僕の記事を読んだナイスな人達が何かはたらきかけてくれたのか。どっちにせよ、再びParfaitデッキを広げて楽しめるようになったことには感謝だね。
(※訳注:Carsten Kotterは6/15にレガシー禁止カードの分析記事の中でLand Taxは解禁でいいんじゃね?と書いていた。)
僕はこのまたとない旧友に会えてとても嬉しいけれど、正直言ってLand Taxが今のレガシーに革命を起こすとは思えない。マナカーブはめちゃくちゃ低く(それだけTaxの起動は難しく)、起動しても見返りはそんなに大きくなく、Land Taxを実際に機能させるために必要なデッキスペースを割くことなく、Squadron Hawkを使えば似たような悪さをはたらける。
それでも機能しだしたときのパワーは高いし、このカードを使っていろいろ面白いことができるのを僕は知ってる。まだ言わないけどね。
みんなに知らせるに足るリストができたら今後記事にするよ。
大丈夫、他にもおもしろいものがあるから。
今日僕が教室に持ってきたのはこいつだ。
なんでも唱えられるだって?・・・いいじゃないか。
「着地したら勝つカード」の限界をウィザーズは明らかに押し広げようとしていて、この最新の反則カードはM13でお披露目だ。
GPアトランタではぎりぎりリーガルじゃないけど、次のGPヘントは揺るがすかもしれないね。
この他に類を見ない呪文はOmniscienceじゃなくて"Omnipotence"とでも呼ぶべきかもしれない(「全知」って名前はライブラリを全部手札としてプレイできるようなカードの方が合ってるだろう?)けれど、ともかく誰もこのカードのパワーは否定できまい。
とどのつまり、ハイタイドがデッキ全体で実現しているマナ生成エンジンを1枚のナイスなデッキパーツに凝縮したもの、それがOmniscienceだ。
アクセスできるスペルならなんでもキャストし放題というのは本当に壊れてる。10マナっていう値札がなければね。
何か革新的な構築や、レガシーの広大なカードプールに眠る隠れた秘宝を見つけだして、この大きな大きな課題をうまく避ける方法を思いついた人がいたら、みんなが彼を「全知」として見上げ、彼のアイデアに褒賞を授けることを厭わず・・ってちょっと待った、今のナシ。
Show and Tellしましょう。さんざんいろんなところでうまくいってるし。結局これでしょう。
おまけにフレイバー的にも完璧で「トレイリアのアカデミーでの実物提示教育。今日のテーマはいかにして無限マナを出すか」――冗談だよ。
実物提示の時間
僕のアイデアはこれだ:
Teacher’s Pet
Featured by Carsten Kotter on 2012-07-01 (Legacy)
Maindeck:
4 Omniscience
4 Brainstorm
1 Flusterstorm
4 Force of Will
2 Misdirection
3 Spell Pierce
4 Griselbrand
4 Burning Wish
4 Ponder
4 Preordain
3 Show and Tell
4 Lotus Petal
3 Island
1 Mountain
2 Ancient Tomb
3 City of Traitors
1 Flooded Strand
1 Misty Rainforest
1 Polluted Delta
4 Scalding Tarn
1 Underground Sea
2 Volcanic Island
Sideboard:
4 Leyline of the Void
2 Echoing Truth
1 Flusterstorm
1 Red Elemental Blast
1 Eye of Nowhere
1 Grapeshot
1 Overmaster
1 Petals of Insight
1 Pyroclasm
1 Show and Tell
1 Virtue’s Ruin
そう、このリストはいわゆるショーテルデッキとはやや違っている。Show and Tellが見つからないときの補助プランになるSneak Attackのようなカードが入っていないし、Hive MindやDream Hallsとは違ってOmniscienceをハードキャストすることはできない。
それらのかわりに、Show and Tellプランに全てを賭ける。
たったひとつのプランに全てを託さなきゃいけないなんて、スニークショーやハイブマインド、ドリームホールではなくあえてこのデッキを選ぶ理由なんてあるのかな?
教育の時間
みんな大好きスニークショーから始めよう。
2つのアドバンテージがある。
第一に、クリーチャーによる勝利が不可能(Humilityとか、Karakasだけでも結構面倒だよね)なときの別の勝ち手段になる。
二つ目に、Show and Tellの解決後、アンタップステップを待つことなく勝つことが可能だ。
この2点はドリームホールとハイブマインドがエンチャントを握っている場合にもあてはまるけれど、それと比べてもまだ2つの大きな利点がある。
ひとつには、エムラやProgenitusのかわりにGriselbrandを入れている。これは正しい方向を向いた大きな一歩だ。
このデカくてワルイ破滅のデーモンファーザーはEmrakul, the Aeons TornよりもShow and Tellの「対象」として優れている。なぜならグリセルは着地してすぐに(次のターンを待たずして)勝ってしまうことがよくあるからだ。7~14枚の新しいカードを残して除去されたとしても、それらのカードを使って次のターンにはOmniscienceで勝つはずだ。
他にファッティの選択が問題になるポイントとして、Omniscienceを貼った状態で引くとしたらどれか、を考えると、この場合はグリセルとエムラどちらでもいい。相手がKarakasを出している状況ではエムラを支持する意見がありそうだけど(そう、Time Walkできるからね)。
とはいったものの、Omniscienceデッキの持つ最大の利点は、デッキスペースの効率性だ。
ConfluxやBeacon of Immortality、Pact of the Titanのようなひどいカードにスロットを無駄使いする必要はない。それらのかわりにハイタイドや青黒ANTみたいにたくさんのキャントリップを積める。つまり伝統的なショーテルデッキよりもかなり安定したデッキになる。
そのうえ、さらに捗る勝利手段が入った。Burning Wishだ。
願いはこのデッキにとってマジでパーフェクトなカードだ。Show and Tellをサーチすることもできるし、いったんOmniscienceが出れば願い1枚でゲームに勝てる。
どうやるんだって?
よろしい、まず願いでPetals of Insightを手に入れて100回プレイする(もちろん毎回ボトムに送るんだ)。十分なストームを稼いだらさらに何度かInsightを唱えてもう一枚Burning Wishを手に入れ、Grapeshotを持ってきてぶっ放す。
ヘッドジャッジがOKすればだけど、ライブラリの枚数が3で割り切れないときにかぎり、Petals of Insightを使ってデッキ内の好きな3枚の組み合わせを用意することができる(ボトムに送るときに好きな順序に並べ替えられるからね)。**
なんでそんなことをするのかって?
Stifleをはじくためのカウンターが必要かもしれないし、対戦相手はLeyline of Sanctityを出しているかもしれない。つまり回答が必要な場面だね。
Burning Wishによる即死コンボ以外にも、Omniscienceによって、無制限にスペルをキャストできる能力、つまりGGと書かれているGriselbrandを出すこともできるし、キャントリップを狂ったように撃ちまくる(そしてGriselbrandやBurning Wishを見つける)こともできる。
その他、マナソースとShow and Tellを守る手段が入っている。
マナベースは単純にスニークショーから拝借した。Ancient Tombを1枚City of Traitorsに変えたのは、ダメージが問題になることが予想以上に多かったのと、丁寧にプレイすれば土地を失うことはそれほどなかったためだ。
防御用パッケージとしてはMisdirectionを1枚減らしている。これはOmniscienceを勝ち手段とするにはなにかしら有効牌を握っている必要があり、ピッチカウンターが多すぎて手札を使い果たしてしまうのは都合が悪いためだ。
サイドボードを見てみよう。普通のサイド用カードが8枚、ウィッシュボードが7枚となっている。
ウィッシュボードとしてはPetalsとGrapeshotが一番必要な勝利手段だ。Show and Tellはまた別の勝ち手段、Overmasterは相手のカウンター呪文を搾り上げるのに申し分なくて、Eye of Nowhereはこちらを勝てなくする置物への対処だ。最後にPyroclasmとVirtue’s Ruinはマーベリックのヘイトベアーを片付けるためのもので、パイロは早く、Ruinは信頼性が高い。
そう、Ruinを撃つための1枚のUnderground Seaには価値がある(Virtue’s RuinはOmniscienceのもとで撃たれることが多いのは事実だけど、それでも)。コンパクトな除去パッケージは実際すごくよくて、相手に並べさせるように動いて4ターン目に流すというコントロールデッキに似たプレイがときどき可能になる。これはキャントリップで積み込むときのとても強力なオプションだ。
いつも入れておくカードとしてキャントリップが付いていないLeylineが正しいかどうかは自信がないけど、このスロットに4枚の墓地対策は欲しいね。ドレッジとリアニは数少ないこちらよりも速いデッキで、対策すべきだ。
Red Elemental BlastとFlusterstormはコントロールを相手にしたときメインのカウンターパッケージをかなりアップグレードしてくれるし、カウンター以外の問題(それぞれMeddling Mageとハンデス)に対して便利だ。最後に、Echoing Truthはパーマネントによるいろいろな妨害に対して昔から使われている手段だね。
School’s Out
今のところ、このリストではまだ数十ゲームしかプレイしていなくて、調整の余地は残っている。
けれど、この骨組みの持つ力とハイブマインドやドリームホールと比べたカードの質の向上によって、Omniscience Show and Tellはスニークショーと最も近くで「最高のショーテルデッキ」のタイトルを争える、そしてOmniscience型は安定性と妨害への耐性の面で一歩先んじられるんじゃないかと思う。少なくとも理屈の上では。
僕が正しいかどうかは時間が明らかにしてくれるだろう。
そしてあなたはShow and Tellの次の進化形を手にする。もしあなたがデカブツを出したり、スペルをタダで唱えたり、7枚のカードを引いたりすることが好きなら、このデッキはすぐに選択肢に入る。単純にパワーの高いカードとキャントリップが大量に入っていて、このデッキをプレイするのはたいして難しくない。やるのは2枚のピースを見つけること、それだけだ。
今日はここまで。
このデッキでできる僕が見逃している面白いトリックや、その他なんでも言いたいことがあればコメントで教えてね。
それじゃあまた次回、知ったかぶりになろう!
Carsten Kotter
(※訳注:このあと、Wizards R&Dのカードデザイン思想へのコメント、Petals of Insightを何度もプレイしてライブラリ操作をする手順を省略してもいいのか、という話題で脚注がありますが本題からは外れるので省略。⇒実際に起こりそうでだいじそうな気がしたので脚注2は訳すことにしました。)
** Four Horsemenデッキに与えられた運命のように、Petalsを何度もプレイしてライブラリを並べ替えることが遅延行為にあたるのかどうかが分からない。これは、ルールに書かれている文言をそのまま受け取れば、そのプレイヤーが数学を得意かどうかによって変わってしまいそうだ。ライブラリを任意の順序に並べ替えるのに必要な繰り返し回数が有限なのは明らかだが、ある状態から厳密に何回必要なのかを言うことが僕にはできない――特に今回のように3枚のかたまりを見ることになる場合は。ジャッジコールした場合どのように解決されるのか、誰か教えてもらえれば感謝します。
(※追記訳注:Four Horsemenは、Basalt Monolithでマナを出して自身をアンタップ→Mesmeric Orb誘発で自分のライブラリ1枚削り、という手順を、戦場にナルコ3体&墓地にDread ReturnとシャルムとBlasting Station、という状況になるまで繰り返すデッキですが、エムラが入っていて揃う前のどこかで誘発して墓地が空になってしまう可能性がある(シャッフル後も何度でも誘発する可能性がある)ため、「何回繰り返せばよいかを決めることが原理的に不可能。」
一方、Omniscience + Petals of Insightの場合は「何回繰り返せばよいかは決定可能(欲しいカードが見えた時点で決まる)だが、回数の計算が複雑。」
The Source: Four Horsemenスレの#131 http://www.mtgthesource.com/forums/showthread.php?21377-Deck-The-Four-Horsemen-Orb-Monolith&p=616506&viewfull=1#post616506 には「決定不可能だから遅延行為」と書いてありますが、信じていいのか分かりませんし、やはりジャッジの判断を仰いだ方がよさそうですね。)
※脚注の誤訳を修正。分詞構文が課題だなあ。
M13の気になるアイツについて。
(リンクしていただいたみなさま、ありがとうございます。開設のいきおいで訳してまいりましたが、このペースはちょっとしんどいので少し落とすことになりそうです。短めの記事を挟めると良いのですが、あまり見かけないんですよね。)
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Eternal Europe - So What Did You Bring To Class?
By Carsten Kotter
06/29/2012
http://www.starcitygames.com/magic/legacy/24387-Eternal-Europe-So-What-Did-You-Bring-To-Class.html
祝おう、Land Taxのお帰りだ!
ひとつだけ気になるのは、僕とDCIは偶然一致しただけなのか、それとも僕の記事を読んだナイスな人達が何かはたらきかけてくれたのか。どっちにせよ、再びParfaitデッキを広げて楽しめるようになったことには感謝だね。
(※訳注:Carsten Kotterは6/15にレガシー禁止カードの分析記事の中でLand Taxは解禁でいいんじゃね?と書いていた。)
僕はこのまたとない旧友に会えてとても嬉しいけれど、正直言ってLand Taxが今のレガシーに革命を起こすとは思えない。マナカーブはめちゃくちゃ低く(それだけTaxの起動は難しく)、起動しても見返りはそんなに大きくなく、Land Taxを実際に機能させるために必要なデッキスペースを割くことなく、Squadron Hawkを使えば似たような悪さをはたらける。
それでも機能しだしたときのパワーは高いし、このカードを使っていろいろ面白いことができるのを僕は知ってる。まだ言わないけどね。
みんなに知らせるに足るリストができたら今後記事にするよ。
大丈夫、他にもおもしろいものがあるから。
今日僕が教室に持ってきたのはこいつだ。
全知 / Omniscience (7)(U)(U)(U)
エンチャント
あなたはあなたの手札にある土地でないカードを、それらのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。
なんでも唱えられるだって?・・・いいじゃないか。
「着地したら勝つカード」の限界をウィザーズは明らかに押し広げようとしていて、この最新の反則カードはM13でお披露目だ。
GPアトランタではぎりぎりリーガルじゃないけど、次のGPヘントは揺るがすかもしれないね。
この他に類を見ない呪文はOmniscienceじゃなくて"Omnipotence"とでも呼ぶべきかもしれない(「全知」って名前はライブラリを全部手札としてプレイできるようなカードの方が合ってるだろう?)けれど、ともかく誰もこのカードのパワーは否定できまい。
とどのつまり、ハイタイドがデッキ全体で実現しているマナ生成エンジンを1枚のナイスなデッキパーツに凝縮したもの、それがOmniscienceだ。
アクセスできるスペルならなんでもキャストし放題というのは本当に壊れてる。10マナっていう値札がなければね。
何か革新的な構築や、レガシーの広大なカードプールに眠る隠れた秘宝を見つけだして、この大きな大きな課題をうまく避ける方法を思いついた人がいたら、みんなが彼を「全知」として見上げ、彼のアイデアに褒賞を授けることを厭わず・・ってちょっと待った、今のナシ。
Show and Tellしましょう。さんざんいろんなところでうまくいってるし。結局これでしょう。
おまけにフレイバー的にも完璧で「トレイリアのアカデミーでの実物提示教育。今日のテーマはいかにして無限マナを出すか」――冗談だよ。
実物提示の時間
僕のアイデアはこれだ:
Teacher’s Pet
Featured by Carsten Kotter on 2012-07-01 (Legacy)
Maindeck:
4 Omniscience
4 Brainstorm
1 Flusterstorm
4 Force of Will
2 Misdirection
3 Spell Pierce
4 Griselbrand
4 Burning Wish
4 Ponder
4 Preordain
3 Show and Tell
4 Lotus Petal
3 Island
1 Mountain
2 Ancient Tomb
3 City of Traitors
1 Flooded Strand
1 Misty Rainforest
1 Polluted Delta
4 Scalding Tarn
1 Underground Sea
2 Volcanic Island
Sideboard:
4 Leyline of the Void
2 Echoing Truth
1 Flusterstorm
1 Red Elemental Blast
1 Eye of Nowhere
1 Grapeshot
1 Overmaster
1 Petals of Insight
1 Pyroclasm
1 Show and Tell
1 Virtue’s Ruin
そう、このリストはいわゆるショーテルデッキとはやや違っている。Show and Tellが見つからないときの補助プランになるSneak Attackのようなカードが入っていないし、Hive MindやDream Hallsとは違ってOmniscienceをハードキャストすることはできない。
それらのかわりに、Show and Tellプランに全てを賭ける。
たったひとつのプランに全てを託さなきゃいけないなんて、スニークショーやハイブマインド、ドリームホールではなくあえてこのデッキを選ぶ理由なんてあるのかな?
教育の時間
みんな大好きスニークショーから始めよう。
2つのアドバンテージがある。
第一に、クリーチャーによる勝利が不可能(Humilityとか、Karakasだけでも結構面倒だよね)なときの別の勝ち手段になる。
二つ目に、Show and Tellの解決後、アンタップステップを待つことなく勝つことが可能だ。
この2点はドリームホールとハイブマインドがエンチャントを握っている場合にもあてはまるけれど、それと比べてもまだ2つの大きな利点がある。
ひとつには、エムラやProgenitusのかわりにGriselbrandを入れている。これは正しい方向を向いた大きな一歩だ。
このデカくてワルイ破滅のデーモンファーザーはEmrakul, the Aeons TornよりもShow and Tellの「対象」として優れている。なぜならグリセルは着地してすぐに(次のターンを待たずして)勝ってしまうことがよくあるからだ。7~14枚の新しいカードを残して除去されたとしても、それらのカードを使って次のターンにはOmniscienceで勝つはずだ。
他にファッティの選択が問題になるポイントとして、Omniscienceを貼った状態で引くとしたらどれか、を考えると、この場合はグリセルとエムラどちらでもいい。相手がKarakasを出している状況ではエムラを支持する意見がありそうだけど(そう、Time Walkできるからね)。
とはいったものの、Omniscienceデッキの持つ最大の利点は、デッキスペースの効率性だ。
ConfluxやBeacon of Immortality、Pact of the Titanのようなひどいカードにスロットを無駄使いする必要はない。それらのかわりにハイタイドや青黒ANTみたいにたくさんのキャントリップを積める。つまり伝統的なショーテルデッキよりもかなり安定したデッキになる。
そのうえ、さらに捗る勝利手段が入った。Burning Wishだ。
願いはこのデッキにとってマジでパーフェクトなカードだ。Show and Tellをサーチすることもできるし、いったんOmniscienceが出れば願い1枚でゲームに勝てる。
どうやるんだって?
よろしい、まず願いでPetals of Insightを手に入れて100回プレイする(もちろん毎回ボトムに送るんだ)。十分なストームを稼いだらさらに何度かInsightを唱えてもう一枚Burning Wishを手に入れ、Grapeshotを持ってきてぶっ放す。
ヘッドジャッジがOKすればだけど、ライブラリの枚数が3で割り切れないときにかぎり、Petals of Insightを使ってデッキ内の好きな3枚の組み合わせを用意することができる(ボトムに送るときに好きな順序に並べ替えられるからね)。**
なんでそんなことをするのかって?
Stifleをはじくためのカウンターが必要かもしれないし、対戦相手はLeyline of Sanctityを出しているかもしれない。つまり回答が必要な場面だね。
Burning Wishによる即死コンボ以外にも、Omniscienceによって、無制限にスペルをキャストできる能力、つまりGGと書かれているGriselbrandを出すこともできるし、キャントリップを狂ったように撃ちまくる(そしてGriselbrandやBurning Wishを見つける)こともできる。
その他、マナソースとShow and Tellを守る手段が入っている。
マナベースは単純にスニークショーから拝借した。Ancient Tombを1枚City of Traitorsに変えたのは、ダメージが問題になることが予想以上に多かったのと、丁寧にプレイすれば土地を失うことはそれほどなかったためだ。
防御用パッケージとしてはMisdirectionを1枚減らしている。これはOmniscienceを勝ち手段とするにはなにかしら有効牌を握っている必要があり、ピッチカウンターが多すぎて手札を使い果たしてしまうのは都合が悪いためだ。
サイドボードを見てみよう。普通のサイド用カードが8枚、ウィッシュボードが7枚となっている。
ウィッシュボードとしてはPetalsとGrapeshotが一番必要な勝利手段だ。Show and Tellはまた別の勝ち手段、Overmasterは相手のカウンター呪文を搾り上げるのに申し分なくて、Eye of Nowhereはこちらを勝てなくする置物への対処だ。最後にPyroclasmとVirtue’s Ruinはマーベリックのヘイトベアーを片付けるためのもので、パイロは早く、Ruinは信頼性が高い。
そう、Ruinを撃つための1枚のUnderground Seaには価値がある(Virtue’s RuinはOmniscienceのもとで撃たれることが多いのは事実だけど、それでも)。コンパクトな除去パッケージは実際すごくよくて、相手に並べさせるように動いて4ターン目に流すというコントロールデッキに似たプレイがときどき可能になる。これはキャントリップで積み込むときのとても強力なオプションだ。
いつも入れておくカードとしてキャントリップが付いていないLeylineが正しいかどうかは自信がないけど、このスロットに4枚の墓地対策は欲しいね。ドレッジとリアニは数少ないこちらよりも速いデッキで、対策すべきだ。
Red Elemental BlastとFlusterstormはコントロールを相手にしたときメインのカウンターパッケージをかなりアップグレードしてくれるし、カウンター以外の問題(それぞれMeddling Mageとハンデス)に対して便利だ。最後に、Echoing Truthはパーマネントによるいろいろな妨害に対して昔から使われている手段だね。
School’s Out
今のところ、このリストではまだ数十ゲームしかプレイしていなくて、調整の余地は残っている。
けれど、この骨組みの持つ力とハイブマインドやドリームホールと比べたカードの質の向上によって、Omniscience Show and Tellはスニークショーと最も近くで「最高のショーテルデッキ」のタイトルを争える、そしてOmniscience型は安定性と妨害への耐性の面で一歩先んじられるんじゃないかと思う。少なくとも理屈の上では。
僕が正しいかどうかは時間が明らかにしてくれるだろう。
そしてあなたはShow and Tellの次の進化形を手にする。もしあなたがデカブツを出したり、スペルをタダで唱えたり、7枚のカードを引いたりすることが好きなら、このデッキはすぐに選択肢に入る。単純にパワーの高いカードとキャントリップが大量に入っていて、このデッキをプレイするのはたいして難しくない。やるのは2枚のピースを見つけること、それだけだ。
今日はここまで。
このデッキでできる僕が見逃している面白いトリックや、その他なんでも言いたいことがあればコメントで教えてね。
それじゃあまた次回、知ったかぶりになろう!
Carsten Kotter
(※訳注:このあと、Wizards R&Dのカードデザイン思想へのコメント
** Four Horsemenデッキに与えられた運命のように、Petalsを何度もプレイしてライブラリを並べ替えることが遅延行為にあたるのかどうかが分からない。これは、ルールに書かれている文言をそのまま受け取れば、そのプレイヤーが数学を得意かどうかによって変わってしまいそうだ。ライブラリを任意の順序に並べ替えるのに必要な繰り返し回数が有限なのは明らかだが、ある状態から厳密に何回必要なのかを言うことが僕にはできない――特に今回のように3枚のかたまりを見ることになる場合は。ジャッジコールした場合どのように解決されるのか、誰か教えてもらえれば感謝します。
(※追記訳注:Four Horsemenは、Basalt Monolithでマナを出して自身をアンタップ→Mesmeric Orb誘発で自分のライブラリ1枚削り、という手順を、戦場にナルコ3体&墓地にDread ReturnとシャルムとBlasting Station、という状況になるまで繰り返すデッキですが、エムラが入っていて揃う前のどこかで誘発して墓地が空になってしまう可能性がある(シャッフル後も何度でも誘発する可能性がある)ため、「何回繰り返せばよいかを決めることが原理的に不可能。」
一方、Omniscience + Petals of Insightの場合は「何回繰り返せばよいかは決定可能(欲しいカードが見えた時点で決まる)だが、回数の計算が複雑。」
The Source: Four Horsemenスレの#131 http://www.mtgthesource.com/forums/showthread.php?21377-Deck-The-Four-Horsemen-Orb-Monolith&p=616506&viewfull=1#post616506 には「決定不可能だから遅延行為」と書いてありますが、信じていいのか分かりませんし、やはりジャッジの判断を仰いだ方がよさそうですね。)
※脚注の誤訳を修正。分詞構文が課題だなあ。
Channel Fireballより。
「マーフォークについて、グリセル入りペインター、土地税関連のアイデア」
の3本立て。
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Legacy Weapon - Shifts in the Format
Posted by Caleb Durward
June 27, 2012
http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-shifts-in-the-format/
ついこの間のインビテーショナル(※訳注:2012/6/17に行われたSCG Invitational Indianapolis)はいくつかの理由で重要だ。
まず、Griselbrandはこのフォーマットを破壊したりしておらず、ウィザーズがグリセルを禁止しなかったのは正しかったことが分かった。
2つ目に、何人かがメタゲームの結果としてマーフォークを持ち込んだ。マーフォークは良い成績を上げ1人のプレイヤーをトップ8に送り込んだ。
普段RUGを使っているJustin Uppalと話したところ彼はマーフォークを絶賛しており、それで私は日曜のレガシーオープンはマーフォークでいくことに決めた。
インビテーショナルでは多くの人が青単マーフォークを使っていたが、かつて齋藤は実にダイレクトに、いかにPerishが優れているかを私に見せつけてくれた(※訳注:齋藤友晴が2010年GPコロンバスで優勝したときに使っていたタッチ黒マーフォークのこと)。
レガシーで緑が最も優秀なクリーチャーを擁するかぎり、私は青単よりも齋藤のマーフォークを好む。副産物として、黒マナはDismemberをライフロスなしに撃たせてくれる。
もう一つ別の観点からインビテーショナルのリストで気に入らないのは、4枚フル搭載したPhantasmal Imageだ。このデッキに合うカードなのは認めるし、こいつがいかに効果的にバカでかいレジェンドを処理するかも分かってるが、それでも複数枚引くのは間が抜けている。
例えば、ImageはSilvergill Adeptで公開できないし、除去入りデッキ相手で自分の場に1体の脅威しかいないときにプレイするのも危険だ。したがって、脅威の薄い手札をさらに薄めることになるし、またImageは追加の1ターンをもぎ取るための妨害スペルの枠を奪ってしまっている。
これが私の使ったリストだ。
* Main Deck
* 4 Underground Sea
* 4 Mutavault
* 3 Island
* 2 Misty Rainforest
* 2 Scalding Tarn
* 1 Flooded Strand
* 4 Wasteland
* 4 Cursecatcher
* 4 Silvergill Adept
* 4 Merrow Reejerey
* 4 Coralhelm Commander
* 4 Lord of Atlantis
* 2 Phantasmal Image
* 4 Aether Vial
* 4 Daze
* 4 Force of Will
* 1 Stifle
* 1 Spell Pierce
* 1 Dismember
* 3 Standstill
* Sideboard
* 2 Perish
* 2 Dread of Night
* 2 Submerge
* 2 Tormod’s Crypt
* 1 Nihil Spellbomb
* 1 Surgical Extraction
* 1 Sower of Temptation
* 2 Kira, Great Glass-Spinner
* 1 Hydroblast
* 1 Pithing Needle
親和、MUD、マーベリックといったデッキを倒し、RUG相手に1勝1敗、スニークショーとハイタイドに負けて3敗だった。
一日を通してメインデッキにはとても満足だった。
Standstillとの相性は悪いが、Stifleは1ゲーム目に相手に見せておくカードとしては最高だ。たとえそれがForce of Willのピッチコストとしてだったとしても。
ほとんどの対戦相手は残りのマッチをStifleを意識して動いてくれる。なにしろStifleを1枚だけ入れる奴なんていないからね。
プレイした後の調整として、メインに1枚Sower of Temptationを入れるためにSpell Pierceを抜くつもりだ。このカードが着地したときは毎回勝った。Imageのコピー先としても素晴らしいしShow and Tellへの回答にもなる。
経験則から言って、もしコンボに対しても優れているならSowerはメインに入るカードだ。
サイドボードでは2枚目のPithing NeedleやHydroblastを入れるためにSurgical Extractionを抜こうと思う。
Dread of Nightは1枚Virtue’s Ruinに変えるべきだ。
週末を通して、多くの人がマーフォーク算に苦心しているのを見かけた。
たとえあなたがマーフォークをプレイしていなくても相手にする機会はあるだろうから、これは大事なスキルだ。
ロードのサイズは常に2/2プラス周りのロードの数。
Cursecatcherのサイズは周りにいるロードのサイズと同じ。
Silvergill Adeptはロードのサイズに+1/+0で、Mutavaultはロード+1/+1。
珊瑚兜ははじめは分かりにくいと思うが、戦場の珊瑚兜以外の部分が分かってしまえば計算は簡単だ。
これらのルールを覚えておけばCursecathcerとMutavaultと2体のLoard of Atlantisのアタックで13ダメージ受けることが盤面をひと目見るだけでわかる。
Merrow Reejereyを使うのをすっかり忘れている人も見た。
このカードはただ相手のクリーチャーをタップするだけでなく、自分の土地をアンタップしたり戦闘後にクリーチャーをアンタップして警戒を持たせたりできることを覚えておこう。
たぶん最も重要なのは自分のAether Vialを起こすことで、これによってこのデッキに用意された強力な相互作用が引き起こされる。瓶をタップしてReejereyを出し、マーフォークを手札から唱えて瓶を起こし、もう1体Reejereyを出す。
追加で1体ロードを出せるかどうかが勝敗の分かれ目になることがよくある。
もしあなたがマーフォークを倒せるか不安なら、Pithing Needleと合わせて単体除去を使うのが一番確実だ。
それはそれで打撃にはなるが、針は瓶を刺すだけじゃない。もし対戦相手が瓶を出していないかゲームが終盤に突入しているなら、Coralhelm Commander、Mutavault、Wastelandが良いターゲットだ。
よく効く除去としてはソープロ系が一番ありふれているが、Force of WillやKiraのカウンターもできるRed Elemental Blastが理想的だ。
Kiraについて言えば、もしあなたがKarakasを出しているならKiraのシールドをはずすのに使え、1枚の除去スペルで殺すことができる。Kiraがアタックしてきた場合はMaze of Ithも同じように機能する。
多くの部族デッキと同じくマーフォークは相手の十手にカウンターが載っているのは見たくない。
ラワンはパワフルな奴だが、今のレガシーでは狭すぎる。
ペインター
この週末はペインターで相手をすり潰している人も見た。
私はまだペインターにはGriselbrandをつっこんでみたことがない。
その挑戦受けて立とう!
* Main Deck
* 3 Volcanic Island
* 2 Misty Rainforest
* 2 Scalding Tarn
* 1 Flooded Strand
* 1 Island
* 3 Ancient Tomb
* 2 City of Traitors
* 4 Seat of the Synod
* 1 Great Furnace
* 3 Mox Opal
* 4 Brainstorm
* 4 Force of Will
* 4 Show and Tell
* 4 Griselbrand
* 4 Painter’s Servant
* 4 Grindstone
* 4 Sensei’s Divining Top
* 3 Red Elemental Blast
* 4 Intuition
* 3 Relic of Progenitus
* Sideboard
* 2 Spellskite
* 2 Pithing Needle
* 1 Kira, Great Glass-Spinner
* 1 Misdirection
* 2 Pyroblast
* 4 Goblin Welder
* 3 Jace, the Mind Sculptor
今このデッキをプレイしない理由はいくつかある。
はじめに、スニークショーをPainter’s ServantとGrindstoneで殺すにはエムラクールの誘発にスタックで追放するために墓地対策(Relic of Progenitusとか)を入れる必要がある。
逆に良い面としては、GriselbrandはShow and Tellへの回答になる。
もう一つの理由は、Sneak Attackによく効くPithing Needleのような他のデッキへの対策がこのデッキに刺さってしまうことだ。
針は青を指定したPainter’s ServantがいればRed Elemental Blastできるが、対処が必要な妨害のごく一部にすぎない。
最後の理由は、ブルーカウントが16しかないForce of Willデッキだということだ。
これは私が最後にペインターを使ったときの14よりは多い。幸いPainter’s Servantが出ていれば、Griselbrandや余ったGrindstoneなどなんでもウィルのピッチコストにあてることはできる。
マーベリックはアーティファクト除去とクリーチャー除去の量が多くきついマッチアップだが、数を減らしつつある。
Relic of Progenitusはふつうメインには入らないが、RUGやリアニの海ではたしかに理に適っていそうだ。
最有力デッキのほとんどがBrainstormを使っている状況ではRed Elemental Blastはメインに入れるのに最高のカードだ。
Red Elemental Blastといえば、このカードがマーフォークに対していかに良いかをさっき話した。私はペインターで出たトーナメントで青単デッキに負けたことは一度もない。
サイドにジェイスというのを私はやったことがない。
見たことはある。たしかChristian Valentiのリストだったと思う。
例えばHumility入りコントロールのようにShow and Tellが理想的でないデッキに対して、ジェイスがまた別の勝ち手段になるというアイデアだ。
なにしろこのデッキはジェイスを2ターン目に着地させることが可能だ。
Humilityといえば、Painter’s Servantと一緒には使えないと思うかもしれない。
M10でのルール変更前はどちらのカードも同じ種類別(※訳注:ルール用語の種類別/layer)だったので依存性があった。そのため、HumilityはPainter’s Servantによる色変更を妨げた。
しかし今では色変更と能力変更は第5種と第6種に分けられている。そのためPainter’s Servantがあらゆるものの色を変え、そのあとでHumilityがPainterの能力を除去する。
Painter’s ServantとHumilityの両方が出ているときにGrindstoneを起動すれば、あなたは相手を削り切ることができる。
Land Taxの禁止解除
普段私は、禁止されない、というのが好きだ。みんなが自分のカードを使えるべきだからだ。それが大事なところだ、いいかい?
ましてや、禁止解除はもっと好きだ。そのカードが本当に危険でなくなったのなら。
Mind Twistのようなカードは、Grim Monolithや2マナランドやMetalworkerのいるフォーマットではかなり安定して2ターン目に手札全てを捨てさせられるため危険だ。
一方、Land Taxはだいぶ安全だ。
そう、このカードは強い。それがはじめに禁止された理由だ。
しかし、今のレガシーはこのカードを禁止せざるを得なかった頃のレガシーとはかなり違う。
土地を置くのをスキップすることはサリアのいるフォーマットでは致命的になりうるし、Aven MindcensorやQasali Pridemageはメインに入る土地税への回答だ。さらにLand Taxを運用するのに必要なたくさんの基本土地をマナベースに入れる余裕はない。
このエンチャントがカウンターされたらどうなるだろう?
レガシーで最近Scroll Rackを使おうとしてみたことはあるかい?
筆者はある。が、特に感銘は受けなかった。
さらに、Aether VialやDelver、Noble Hierarchデッキは2枚目以降の土地を置かないようにしてLand Taxの起動を防ぐこともできてしまう。これらのデッキとLand Taxデッキが勝てないコンボも合わせてメタゲームの大部分を占めている。
Land Taxは明らかに強力だが、来たるGPに向けた良い選択には見えない。
簡単に思いつくアイデアはたいして良いものじゃない。
もちろんSeismic Assaultとともにプレイすることはできるが、大量の基本土地を入れるためにデッキの色は制限される。
こんなデッキになるんじゃないかな。
* Main Deck
* 4 Land Tax
* 4 Seismic Assault
* 2 Zuran Orb
* 2 Enlightened Tutor
* 3 Scroll Rack
* 2 Sensei’s Divining Top
* 4 Lightning Helix
* 4 Path to Exile
* 1 Swords to Plowshares
* 1 Lightning Bolt
* 2 Isochron Scepter
* 2 Humility
* 1 Oblivion Ring
* 2 Mox Diamond
* 2 Terminus
* 1 Pithing Needle
* 1 Blood Moon
* 1 Undiscovered Paradise
* 7 Plains
* 8 Mountain
* 3 Plateau
* 3 Arid Mesa
* Sideboard
* 2 Red Elemental Blast
* 2 Pyroblast
* 2 Tormod’s Crypt
* 2 Relic of Progenitus
* 3 Cursed Totem
* 1 Engineered Explosives
* 1 Ethersworn Canonist
* 1 Solitary Confinement
* 1 Grafdigger’s Cage
もしLife from the Loamを入れたいなら森が1枚入るが、要らないと思う。
結局のところロームが機能し始めるのは必要なものが既に揃ってからだ。いったんそうなれば相手を殺るのにはLand TaxとSeismic Assaultで十分だ。
Luminarch AscensionとEntreat the Angelsは勝ち手段の良い補強になるが、Humilityとうまくかみ合わない。
Humilityは今の環境では素晴らしいカードだ。
そう、こちらを殺すために相手に残されるのは1/1生物だけだが、Lightning Helixの入ったデッキとダメージレースをするにはもう2、3体は必要になる。HumilityはShow and TellやQasali Pridemageのような厄介な脅威への回答にもなる。
エルズペスは良い選択で、2枚までは入るだろう。しかし私はLand Taxのもとでうまく運用できるIsochron Scepterが好きだ。
その他、火力はSeismic Assaultプランとよくかみ合う。
このデッキの主な問題は今のメタにあからさまに合わないことだ。
スニークデッキには本当にまったく勝てないし、このデッキがやりたいことに対処する手段をほとんどのデッキが持っている。
赤白が最後にレガシーで輝いていたのはいつだったろう。
あのデッキ、Rifterは、Eternal Dragonを手札に戻しLightning Riftで相手を殺していた。ガラスの大砲デッキで、クリーチャーデッキを倒しコンボに負けていた。
(※訳注:ガラスの大砲は"glass cannon": 高い攻撃力と低い防御力を併せ持つこと。)
同様に、上のリストはコンボに負け、ひとつやふたつのクリーチャーデッキにはたぶん勝つだろう。しかし、環境でベストなデッキがコンボである今、おそらく赤白を使うのは得策じゃない。
たぶん、今の奇跡デッキに似た青白のシェルが合っているだろう。
Caw BladeでSquadron Hawkが恐ろしく強かったのは、結局ジェイスのブレスト1回であまった鷹をフレッシュなカードと交換できたからだ。
アクティブなLand Taxがあれば、ジェイスとBrainstormどちらでも基本土地を使って鷹と同じトリックができるし、同じ基本土地を毎ターンサーチして場をつなぐことができる。これによって、青白デッキはLand Taxの価値を最大化したまま基本土地の枚数をより少なく、例えば6枚に減らせる。そんなデッキにはBlood Moonの代わりにBack to Basicsが入るだろう。
その他のアイデア:
Land Taxは手札を満杯まで増やせるためディスカード手段としてはたらく。これはTombstalkerやPlanar Birth + Zuran Orbみたいなカードを使うときに有効だろう。
いくつかのParfait(※訳注:ヴィンテージのMeandeck Parfait?)のリストはPlanar BirthとLand Taxのシナジーをベースに、Sacred Mesaをマナの使い道として採用していた。
2,3回起動するだけの時間を得られれば、Land Taxは遅いMana Severanceとなり、Goblin Charbelcherが勝利手段になる。
エンチャントレスは限界までエンチャントを積むデッキだ。2色デッキなのでLand Taxは良い補強になりえる。
このデッキでコンボしようとするとき、1回起動したときのデッキ圧縮には意味がありそうに見える。さらに、Land TaxはSolitary Confinementとダイレクトにシナジーがある。
Scroll Rackはカードを引かないドローエンジンなので、Chains of Mephistophelesは黒をタッチする場合の良い銃弾だ。
PsychatogとTerravoreはLand Taxデッキの素晴らしいフィニッシャーになりえる。
Caleb Durward
「マーフォークについて、グリセル入りペインター、土地税関連のアイデア」
の3本立て。
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Legacy Weapon - Shifts in the Format
Posted by Caleb Durward
June 27, 2012
http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-shifts-in-the-format/
ついこの間のインビテーショナル(※訳注:2012/6/17に行われたSCG Invitational Indianapolis)はいくつかの理由で重要だ。
まず、Griselbrandはこのフォーマットを破壊したりしておらず、ウィザーズがグリセルを禁止しなかったのは正しかったことが分かった。
2つ目に、何人かがメタゲームの結果としてマーフォークを持ち込んだ。マーフォークは良い成績を上げ1人のプレイヤーをトップ8に送り込んだ。
普段RUGを使っているJustin Uppalと話したところ彼はマーフォークを絶賛しており、それで私は日曜のレガシーオープンはマーフォークでいくことに決めた。
インビテーショナルでは多くの人が青単マーフォークを使っていたが、かつて齋藤は実にダイレクトに、いかにPerishが優れているかを私に見せつけてくれた(※訳注:齋藤友晴が2010年GPコロンバスで優勝したときに使っていたタッチ黒マーフォークのこと)。
レガシーで緑が最も優秀なクリーチャーを擁するかぎり、私は青単よりも齋藤のマーフォークを好む。副産物として、黒マナはDismemberをライフロスなしに撃たせてくれる。
もう一つ別の観点からインビテーショナルのリストで気に入らないのは、4枚フル搭載したPhantasmal Imageだ。このデッキに合うカードなのは認めるし、こいつがいかに効果的にバカでかいレジェンドを処理するかも分かってるが、それでも複数枚引くのは間が抜けている。
例えば、ImageはSilvergill Adeptで公開できないし、除去入りデッキ相手で自分の場に1体の脅威しかいないときにプレイするのも危険だ。したがって、脅威の薄い手札をさらに薄めることになるし、またImageは追加の1ターンをもぎ取るための妨害スペルの枠を奪ってしまっている。
これが私の使ったリストだ。
* Main Deck
* 4 Underground Sea
* 4 Mutavault
* 3 Island
* 2 Misty Rainforest
* 2 Scalding Tarn
* 1 Flooded Strand
* 4 Wasteland
* 4 Cursecatcher
* 4 Silvergill Adept
* 4 Merrow Reejerey
* 4 Coralhelm Commander
* 4 Lord of Atlantis
* 2 Phantasmal Image
* 4 Aether Vial
* 4 Daze
* 4 Force of Will
* 1 Stifle
* 1 Spell Pierce
* 1 Dismember
* 3 Standstill
* Sideboard
* 2 Perish
* 2 Dread of Night
* 2 Submerge
* 2 Tormod’s Crypt
* 1 Nihil Spellbomb
* 1 Surgical Extraction
* 1 Sower of Temptation
* 2 Kira, Great Glass-Spinner
* 1 Hydroblast
* 1 Pithing Needle
親和、MUD、マーベリックといったデッキを倒し、RUG相手に1勝1敗、スニークショーとハイタイドに負けて3敗だった。
一日を通してメインデッキにはとても満足だった。
Standstillとの相性は悪いが、Stifleは1ゲーム目に相手に見せておくカードとしては最高だ。たとえそれがForce of Willのピッチコストとしてだったとしても。
ほとんどの対戦相手は残りのマッチをStifleを意識して動いてくれる。なにしろStifleを1枚だけ入れる奴なんていないからね。
プレイした後の調整として、メインに1枚Sower of Temptationを入れるためにSpell Pierceを抜くつもりだ。このカードが着地したときは毎回勝った。Imageのコピー先としても素晴らしいしShow and Tellへの回答にもなる。
経験則から言って、もしコンボに対しても優れているならSowerはメインに入るカードだ。
サイドボードでは2枚目のPithing NeedleやHydroblastを入れるためにSurgical Extractionを抜こうと思う。
Dread of Nightは1枚Virtue’s Ruinに変えるべきだ。
週末を通して、多くの人がマーフォーク算に苦心しているのを見かけた。
たとえあなたがマーフォークをプレイしていなくても相手にする機会はあるだろうから、これは大事なスキルだ。
ロードのサイズは常に2/2プラス周りのロードの数。
Cursecatcherのサイズは周りにいるロードのサイズと同じ。
Silvergill Adeptはロードのサイズに+1/+0で、Mutavaultはロード+1/+1。
珊瑚兜ははじめは分かりにくいと思うが、戦場の珊瑚兜以外の部分が分かってしまえば計算は簡単だ。
これらのルールを覚えておけばCursecathcerとMutavaultと2体のLoard of Atlantisのアタックで13ダメージ受けることが盤面をひと目見るだけでわかる。
Merrow Reejereyを使うのをすっかり忘れている人も見た。
このカードはただ相手のクリーチャーをタップするだけでなく、自分の土地をアンタップしたり戦闘後にクリーチャーをアンタップして警戒を持たせたりできることを覚えておこう。
たぶん最も重要なのは自分のAether Vialを起こすことで、これによってこのデッキに用意された強力な相互作用が引き起こされる。瓶をタップしてReejereyを出し、マーフォークを手札から唱えて瓶を起こし、もう1体Reejereyを出す。
追加で1体ロードを出せるかどうかが勝敗の分かれ目になることがよくある。
もしあなたがマーフォークを倒せるか不安なら、Pithing Needleと合わせて単体除去を使うのが一番確実だ。
それはそれで打撃にはなるが、針は瓶を刺すだけじゃない。もし対戦相手が瓶を出していないかゲームが終盤に突入しているなら、Coralhelm Commander、Mutavault、Wastelandが良いターゲットだ。
よく効く除去としてはソープロ系が一番ありふれているが、Force of WillやKiraのカウンターもできるRed Elemental Blastが理想的だ。
Kiraについて言えば、もしあなたがKarakasを出しているならKiraのシールドをはずすのに使え、1枚の除去スペルで殺すことができる。Kiraがアタックしてきた場合はMaze of Ithも同じように機能する。
多くの部族デッキと同じくマーフォークは相手の十手にカウンターが載っているのは見たくない。
ラワンはパワフルな奴だが、今のレガシーでは狭すぎる。
ペインター
この週末はペインターで相手をすり潰している人も見た。
私はまだペインターにはGriselbrandをつっこんでみたことがない。
その挑戦受けて立とう!
* Main Deck
* 3 Volcanic Island
* 2 Misty Rainforest
* 2 Scalding Tarn
* 1 Flooded Strand
* 1 Island
* 3 Ancient Tomb
* 2 City of Traitors
* 4 Seat of the Synod
* 1 Great Furnace
* 3 Mox Opal
* 4 Brainstorm
* 4 Force of Will
* 4 Show and Tell
* 4 Griselbrand
* 4 Painter’s Servant
* 4 Grindstone
* 4 Sensei’s Divining Top
* 3 Red Elemental Blast
* 4 Intuition
* 3 Relic of Progenitus
* Sideboard
* 2 Spellskite
* 2 Pithing Needle
* 1 Kira, Great Glass-Spinner
* 1 Misdirection
* 2 Pyroblast
* 4 Goblin Welder
* 3 Jace, the Mind Sculptor
今このデッキをプレイしない理由はいくつかある。
はじめに、スニークショーをPainter’s ServantとGrindstoneで殺すにはエムラクールの誘発にスタックで追放するために墓地対策(Relic of Progenitusとか)を入れる必要がある。
逆に良い面としては、GriselbrandはShow and Tellへの回答になる。
もう一つの理由は、Sneak Attackによく効くPithing Needleのような他のデッキへの対策がこのデッキに刺さってしまうことだ。
針は青を指定したPainter’s ServantがいればRed Elemental Blastできるが、対処が必要な妨害のごく一部にすぎない。
最後の理由は、ブルーカウントが16しかないForce of Willデッキだということだ。
これは私が最後にペインターを使ったときの14よりは多い。幸いPainter’s Servantが出ていれば、Griselbrandや余ったGrindstoneなどなんでもウィルのピッチコストにあてることはできる。
マーベリックはアーティファクト除去とクリーチャー除去の量が多くきついマッチアップだが、数を減らしつつある。
Relic of Progenitusはふつうメインには入らないが、RUGやリアニの海ではたしかに理に適っていそうだ。
最有力デッキのほとんどがBrainstormを使っている状況ではRed Elemental Blastはメインに入れるのに最高のカードだ。
Red Elemental Blastといえば、このカードがマーフォークに対していかに良いかをさっき話した。私はペインターで出たトーナメントで青単デッキに負けたことは一度もない。
サイドにジェイスというのを私はやったことがない。
見たことはある。たしかChristian Valentiのリストだったと思う。
例えばHumility入りコントロールのようにShow and Tellが理想的でないデッキに対して、ジェイスがまた別の勝ち手段になるというアイデアだ。
なにしろこのデッキはジェイスを2ターン目に着地させることが可能だ。
Humilityといえば、Painter’s Servantと一緒には使えないと思うかもしれない。
M10でのルール変更前はどちらのカードも同じ種類別(※訳注:ルール用語の種類別/layer)だったので依存性があった。そのため、HumilityはPainter’s Servantによる色変更を妨げた。
しかし今では色変更と能力変更は第5種と第6種に分けられている。そのためPainter’s Servantがあらゆるものの色を変え、そのあとでHumilityがPainterの能力を除去する。
Painter’s ServantとHumilityの両方が出ているときにGrindstoneを起動すれば、あなたは相手を削り切ることができる。
Land Taxの禁止解除
普段私は、禁止されない、というのが好きだ。みんなが自分のカードを使えるべきだからだ。それが大事なところだ、いいかい?
ましてや、禁止解除はもっと好きだ。そのカードが本当に危険でなくなったのなら。
Mind Twistのようなカードは、Grim Monolithや2マナランドやMetalworkerのいるフォーマットではかなり安定して2ターン目に手札全てを捨てさせられるため危険だ。
一方、Land Taxはだいぶ安全だ。
そう、このカードは強い。それがはじめに禁止された理由だ。
しかし、今のレガシーはこのカードを禁止せざるを得なかった頃のレガシーとはかなり違う。
土地を置くのをスキップすることはサリアのいるフォーマットでは致命的になりうるし、Aven MindcensorやQasali Pridemageはメインに入る土地税への回答だ。さらにLand Taxを運用するのに必要なたくさんの基本土地をマナベースに入れる余裕はない。
このエンチャントがカウンターされたらどうなるだろう?
レガシーで最近Scroll Rackを使おうとしてみたことはあるかい?
筆者はある。が、特に感銘は受けなかった。
さらに、Aether VialやDelver、Noble Hierarchデッキは2枚目以降の土地を置かないようにしてLand Taxの起動を防ぐこともできてしまう。これらのデッキとLand Taxデッキが勝てないコンボも合わせてメタゲームの大部分を占めている。
Land Taxは明らかに強力だが、来たるGPに向けた良い選択には見えない。
簡単に思いつくアイデアはたいして良いものじゃない。
もちろんSeismic Assaultとともにプレイすることはできるが、大量の基本土地を入れるためにデッキの色は制限される。
こんなデッキになるんじゃないかな。
* Main Deck
* 4 Land Tax
* 4 Seismic Assault
* 2 Zuran Orb
* 2 Enlightened Tutor
* 3 Scroll Rack
* 2 Sensei’s Divining Top
* 4 Lightning Helix
* 4 Path to Exile
* 1 Swords to Plowshares
* 1 Lightning Bolt
* 2 Isochron Scepter
* 2 Humility
* 1 Oblivion Ring
* 2 Mox Diamond
* 2 Terminus
* 1 Pithing Needle
* 1 Blood Moon
* 1 Undiscovered Paradise
* 7 Plains
* 8 Mountain
* 3 Plateau
* 3 Arid Mesa
* Sideboard
* 2 Red Elemental Blast
* 2 Pyroblast
* 2 Tormod’s Crypt
* 2 Relic of Progenitus
* 3 Cursed Totem
* 1 Engineered Explosives
* 1 Ethersworn Canonist
* 1 Solitary Confinement
* 1 Grafdigger’s Cage
もしLife from the Loamを入れたいなら森が1枚入るが、要らないと思う。
結局のところロームが機能し始めるのは必要なものが既に揃ってからだ。いったんそうなれば相手を殺るのにはLand TaxとSeismic Assaultで十分だ。
Luminarch AscensionとEntreat the Angelsは勝ち手段の良い補強になるが、Humilityとうまくかみ合わない。
Humilityは今の環境では素晴らしいカードだ。
そう、こちらを殺すために相手に残されるのは1/1生物だけだが、Lightning Helixの入ったデッキとダメージレースをするにはもう2、3体は必要になる。HumilityはShow and TellやQasali Pridemageのような厄介な脅威への回答にもなる。
エルズペスは良い選択で、2枚までは入るだろう。しかし私はLand Taxのもとでうまく運用できるIsochron Scepterが好きだ。
その他、火力はSeismic Assaultプランとよくかみ合う。
このデッキの主な問題は今のメタにあからさまに合わないことだ。
スニークデッキには本当にまったく勝てないし、このデッキがやりたいことに対処する手段をほとんどのデッキが持っている。
赤白が最後にレガシーで輝いていたのはいつだったろう。
あのデッキ、Rifterは、Eternal Dragonを手札に戻しLightning Riftで相手を殺していた。ガラスの大砲デッキで、クリーチャーデッキを倒しコンボに負けていた。
(※訳注:ガラスの大砲は"glass cannon": 高い攻撃力と低い防御力を併せ持つこと。)
同様に、上のリストはコンボに負け、ひとつやふたつのクリーチャーデッキにはたぶん勝つだろう。しかし、環境でベストなデッキがコンボである今、おそらく赤白を使うのは得策じゃない。
たぶん、今の奇跡デッキに似た青白のシェルが合っているだろう。
Caw BladeでSquadron Hawkが恐ろしく強かったのは、結局ジェイスのブレスト1回であまった鷹をフレッシュなカードと交換できたからだ。
アクティブなLand Taxがあれば、ジェイスとBrainstormどちらでも基本土地を使って鷹と同じトリックができるし、同じ基本土地を毎ターンサーチして場をつなぐことができる。これによって、青白デッキはLand Taxの価値を最大化したまま基本土地の枚数をより少なく、例えば6枚に減らせる。そんなデッキにはBlood Moonの代わりにBack to Basicsが入るだろう。
その他のアイデア:
Land Taxは手札を満杯まで増やせるためディスカード手段としてはたらく。これはTombstalkerやPlanar Birth + Zuran Orbみたいなカードを使うときに有効だろう。
いくつかのParfait(※訳注:ヴィンテージのMeandeck Parfait?)のリストはPlanar BirthとLand Taxのシナジーをベースに、Sacred Mesaをマナの使い道として採用していた。
2,3回起動するだけの時間を得られれば、Land Taxは遅いMana Severanceとなり、Goblin Charbelcherが勝利手段になる。
エンチャントレスは限界までエンチャントを積むデッキだ。2色デッキなのでLand Taxは良い補強になりえる。
このデッキでコンボしようとするとき、1回起動したときのデッキ圧縮には意味がありそうに見える。さらに、Land TaxはSolitary Confinementとダイレクトにシナジーがある。
Scroll Rackはカードを引かないドローエンジンなので、Chains of Mephistophelesは黒をタッチする場合の良い銃弾だ。
PsychatogとTerravoreはLand Taxデッキの素晴らしいフィニッシャーになりえる。
Caleb Durward
StarCityGamesより。
SCG Open Indianapolis (2012/6/15-17) でStandard 32位、Legacy 21位のAdam Prosakのデッキ解説記事。
前半がスタンのエスパーミッドレンジ、後半がレガシー青黒テゼレット。
テゼレットは後日の調整版も書かれており、後半のみ翻訳。
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Esper Midrange And Legacy Tezzeret
By Adam Prosak
06/28/2012
http://www.starcitygames.com/magic/standard/24381-Esper-Midrange-And-Legacy-Tezzeret.html
(前略)
楽しいデッキといえば、SCGインビテーショナルでドレッジを使ったよ。
ドレッジは楽しくないって?そうだね、でもドレッジは知ってるデッキなんだ。コロンバスではRUG Delverを使って、3敗した相手は全てコンボデッキだった。コンボ相手に信頼できないRUGをインビテーショナルで使う気にはなれなかったんだ。他のレガシーデッキで今年使っていたのはドレッジだけ。SCGインビテーショナルでは知ってるデッキをプレイするのが一番だからね。
だけど日曜のレガシーオープンはまた別の話。何か楽しいデッキを使いたかった。
誰かが少し前のSCGレガシーオープンで入賞したテゼレットデッキを教えてくれて、リストを見せてくれた。興味を惹かれたけど僕はゼロからデッキを組み上げようと思った。
まず4枚ずつのForce of WillとThoughtseizeが欲しかった。このフォーマットの壊れたデッキ達に対抗するにはそれがスタートポイントだと思う。
これまではテゼレット用に十分な量のアーティファクトとForce of Willの両方を運用するのは明らかに無理があったけど、プレーンチェイスの新顔がデッキの組み方を変えてくれた。
Baleful Strixは本物だ。
単純にプレイに値する青いアーティファクトとして、Baleful StrixはForce of WillとTezzeret, Agent of Bolasの同時運用という可能性を開いた。
そのうえBaleful Strixはプレインズウォーカーを守るなかなかの仕事をするし、Force of Willが働かない状況ではBaleful Strixが最高に機能する。
有名人を引き合いにだすわけじゃないけれど、Chris AndersenはレガシーでのElvish Visionaryの力を示してくれた。Baleful Strixは僕らのElvish Visionaryなんだ。
(※訳注:Chris AndersenはElvesでレガシーオープンに何度も入賞している。)
それから、これはEnsnaring Bridge+プレインズウォーカーデッキだ。
Jace, the Mind Sculptorは追加のテゼレットとして、橋で守られながらボードを支配するプレインズウォーカーとして入れてある。
Ensnaring Bridgeについて、このカードはただデッキに入れておくだけで結構な数の勝ち星を稼いでくれる。スニークショーは基本的に何もできなくなるし、さらに良いことにレガシーデッキの多様性のためスニークショーはメインに対策を入れる余裕がない。
カウンターを構えたりカードドローしたりで手札を減らしにくいこともあるけど、それでもEnsnaring Bridgeは最良のカードの一つだ。
このデッキのもう一つの特徴で、他であまり見かけないのはAncient Tomb / Chrome MoxとBrainstormの組み合わせだね。
しょっぱなから爆発的な右ストレートを繰り出すだけのデッキではないけど、爆発的なシーケンスは用意されている。
Ritualsは入っていないけれど、このデッキはAd Nauseamデッキのようにプレイできることがよくある。2ターン目にプレインズウォーカーを呼べる不条理なハンドがくるときがたまにあり、ほとんどの場合は少しだけ盤面を整えてちょっとだけドローを操作してからパワフルなアクションをする。
たしかに専用デッキに入っているAd Nauseamほどのパワーはプレインズウォーカーにはないけど、ジェイスをプレイするまでもないことはしょっちゅうある。Adとは違って毎回のようにジェイスブッパに全てを託す必要もないからね。
(※訳注:後半の "but you don’t have to go all in on playing a Jace, the Mind Sculptor very often." の訳は自信がない。。⇒rainさんから教えていただきました。thx!)
Maindeck:
4 Baleful Strix
3 Trinket Mage
3 Vendilion Clique
3 Jace, the Mind Sculptor
3 Tezzeret, Agent of Bolas
4 Brainstorm
4 Force of Will
4 Thoughtseize
3 Chrome Mox
3 Ensnaring Bridge
1 Chalice of the Void
1 Nihil Spellbomb
1 Pithing Needle
1 Sensei’s Divining Top
1 Seat of the Synod
1 Vault of Whispers
4 Island
1 Swamp
2 Misty Rainforest
4 Polluted Delta
1 Scalding Tarn
3 Underground Sea
1 Urborg, Tomb of Yawgmoth
3 Ancient Tomb
1 Academy Ruins
Sideboard:
3 Chalice of the Void
1 Cursed Scroll
1 Engineered Explosives
1 Grafdigger’s Cage
1 Tormod’s Crypt
4 Leyline of the Void
2 Liliana of the Veil
2 Perish
うまくまとまっていないデッキなのは認めるよ。何が必要なのかよく分かっていなかったんだ。
それはラウンド中に、特にマーベリックを相手にしたときに明らかになった。マーベリックの素晴らしいユーティリティ達を前にして本当に何一つ役に立つ道具がなかったんだ。Evan Wagstaff(彼は最近何度も対戦しているとても印象的なプレイヤーだ)と引き分け、Drew Levinに負けたけど、どちらもプレイしていたのはマーベリックだった。
もう1敗は赤単バーンでこのマッチアップは今後100万年は勝てないだろうね。
インディアナポリスのあと地元の大会に出る機会があって、少しデッキをいじったらとても良かったよ。
Maindeck:
4 Baleful Strix
3 Trinket Mage
3 Jace, the Mind Sculptor
4 Tezzeret, Agent of Bolas
4 Brainstorm
4 Force of Will
2 Temporal Mastery
4 Thoughtseize
3 Chrome Mox
3 Ensnaring Bridge
1 Pithing Needle
1 Relic of Progenitus
2 Sensei’s Divining Top
1 Darksteel Citadel
2 Seat of the Synod
2 Vault of Whispers
3 Island
1 Swamp
1 Flooded Strand
1 Marsh Flats
4 Polluted Delta
3 Underground Sea
1 Urborg, Tomb of Yawgmoth
3 Ancient Tomb
Sideboard:
3 Chalice of the Void
1 Cursed Scroll
2 Cursed Totem
1 Engineered Explosives
1 Ensnaring Bridge
1 Grafdigger’s Cage
1 Relic of Progenitus
1 Tormod’s Crypt
1 Welding Jar
3 Engineered Plague
アーティファクト土地の増量:
アーティファクトカウントが少なめで、テゼレットの+1能力で何も見つからないかもしれないのは合理的じゃない。Ensnaring Bridgeをプレイしたあとは奥義を使うことを考えるとアーティファクトカウントは重要だ。
Darksteel Citadelはかなりクールで、破壊されない5/5生物はいくつかのデッキに対して非常に強い。SCGレガシーオープンのときよりもTrinket Mageでサーチしたいことが多かったよ。
Temporal Masteryの採用:
このデッキで僕が好きなところの一つがAncient TombとChrome Mox経由で爆発的にカードを引けて、なおかつBrainstormとSense’s Divining Topのおかげで比較的安定していることだ。
Temporal Masteryはデッキの安定性を損なわず、爆発的な部分にフィットしている。地元のトーナメントでMastery2枚を試して、かなり感動した。Chrome Mox、Force of Will、ジェイス、Brainstormはどれも手札にあるTemporal Masteryを有益に活用できるし、Sensei’s Divining TopとテゼレットによってMasteryから追加のアドバンテージを得られる。
Masteryのために一時的に2枚目のTopを追加してみたけど、Topは引きたくないときよりも欲しいときの方が多いカードだね。序盤の盤面構築の補助としてTopを使う余裕はないけど、中盤から終盤では素晴らしいカードだ。
(※訳注:Masteryから独楽でアドバンテージ、というのは追加ターンに無駄ツモしてしまう確率を減らせることを指している、と思われる。)
サイドボードの再構築:
Cursed Totemは明らかにマーベリック用だけどEngineered Plagueも実はかなり仕事をする。Plagueの役割はサリアやマザーを殺すSulfur Elementalと似ているけれど、PlagueはおまけにNoble Hierarchも殺す。そんなのたいしたことないと思うかもしれないけど、Noble HierarchはよくEnsnaring Bridgeを渡ってきてどこかで対処しなきゃいけなくなるんだ。なぜか部族デッキが増えてきていることもサイドにPlagueを入れる理由の一つだね。
Cursed Scrollは多くの生物デッキ相手にすごく仕事をするし、Plagueが生物を撃ち落とせるサイズに保つ補助になる。
このデッキは間違いなく未完成品で、僕が普段はレガシートーナメントに出る機会がないのが残念だよ。もし近いうちにSCGオープンや他のレガシートーナメントでこのデッキをプレイしたいと思ってくれたなら、しっかりデッキを研究してほしい。爆発力があったり、妨害力があったり、安定していたり、型破りだったりするデッキはあるけれど、その全てを兼ね備えたデッキはほとんどないんだ。
Adam Prosak
SCG Open Indianapolis (2012/6/15-17) でStandard 32位、Legacy 21位のAdam Prosakのデッキ解説記事。
前半がスタンのエスパーミッドレンジ、後半がレガシー青黒テゼレット。
テゼレットは後日の調整版も書かれており、後半のみ翻訳。
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Esper Midrange And Legacy Tezzeret
By Adam Prosak
06/28/2012
http://www.starcitygames.com/magic/standard/24381-Esper-Midrange-And-Legacy-Tezzeret.html
(前略)
楽しいデッキといえば、SCGインビテーショナルでドレッジを使ったよ。
ドレッジは楽しくないって?そうだね、でもドレッジは知ってるデッキなんだ。コロンバスではRUG Delverを使って、3敗した相手は全てコンボデッキだった。コンボ相手に信頼できないRUGをインビテーショナルで使う気にはなれなかったんだ。他のレガシーデッキで今年使っていたのはドレッジだけ。SCGインビテーショナルでは知ってるデッキをプレイするのが一番だからね。
だけど日曜のレガシーオープンはまた別の話。何か楽しいデッキを使いたかった。
誰かが少し前のSCGレガシーオープンで入賞したテゼレットデッキを教えてくれて、リストを見せてくれた。興味を惹かれたけど僕はゼロからデッキを組み上げようと思った。
まず4枚ずつのForce of WillとThoughtseizeが欲しかった。このフォーマットの壊れたデッキ達に対抗するにはそれがスタートポイントだと思う。
これまではテゼレット用に十分な量のアーティファクトとForce of Willの両方を運用するのは明らかに無理があったけど、プレーンチェイスの新顔がデッキの組み方を変えてくれた。
Baleful Strixは本物だ。
単純にプレイに値する青いアーティファクトとして、Baleful StrixはForce of WillとTezzeret, Agent of Bolasの同時運用という可能性を開いた。
そのうえBaleful Strixはプレインズウォーカーを守るなかなかの仕事をするし、Force of Willが働かない状況ではBaleful Strixが最高に機能する。
有名人を引き合いにだすわけじゃないけれど、Chris AndersenはレガシーでのElvish Visionaryの力を示してくれた。Baleful Strixは僕らのElvish Visionaryなんだ。
(※訳注:Chris AndersenはElvesでレガシーオープンに何度も入賞している。)
それから、これはEnsnaring Bridge+プレインズウォーカーデッキだ。
Jace, the Mind Sculptorは追加のテゼレットとして、橋で守られながらボードを支配するプレインズウォーカーとして入れてある。
Ensnaring Bridgeについて、このカードはただデッキに入れておくだけで結構な数の勝ち星を稼いでくれる。スニークショーは基本的に何もできなくなるし、さらに良いことにレガシーデッキの多様性のためスニークショーはメインに対策を入れる余裕がない。
カウンターを構えたりカードドローしたりで手札を減らしにくいこともあるけど、それでもEnsnaring Bridgeは最良のカードの一つだ。
このデッキのもう一つの特徴で、他であまり見かけないのはAncient Tomb / Chrome MoxとBrainstormの組み合わせだね。
しょっぱなから爆発的な右ストレートを繰り出すだけのデッキではないけど、爆発的なシーケンスは用意されている。
Ritualsは入っていないけれど、このデッキはAd Nauseamデッキのようにプレイできることがよくある。2ターン目にプレインズウォーカーを呼べる不条理なハンドがくるときがたまにあり、ほとんどの場合は少しだけ盤面を整えてちょっとだけドローを操作してからパワフルなアクションをする。
たしかに専用デッキに入っているAd Nauseamほどのパワーはプレインズウォーカーにはないけど、
(※訳注:
Maindeck:
4 Baleful Strix
3 Trinket Mage
3 Vendilion Clique
3 Jace, the Mind Sculptor
3 Tezzeret, Agent of Bolas
4 Brainstorm
4 Force of Will
4 Thoughtseize
3 Chrome Mox
3 Ensnaring Bridge
1 Chalice of the Void
1 Nihil Spellbomb
1 Pithing Needle
1 Sensei’s Divining Top
1 Seat of the Synod
1 Vault of Whispers
4 Island
1 Swamp
2 Misty Rainforest
4 Polluted Delta
1 Scalding Tarn
3 Underground Sea
1 Urborg, Tomb of Yawgmoth
3 Ancient Tomb
1 Academy Ruins
Sideboard:
3 Chalice of the Void
1 Cursed Scroll
1 Engineered Explosives
1 Grafdigger’s Cage
1 Tormod’s Crypt
4 Leyline of the Void
2 Liliana of the Veil
2 Perish
うまくまとまっていないデッキなのは認めるよ。何が必要なのかよく分かっていなかったんだ。
それはラウンド中に、特にマーベリックを相手にしたときに明らかになった。マーベリックの素晴らしいユーティリティ達を前にして本当に何一つ役に立つ道具がなかったんだ。Evan Wagstaff(彼は最近何度も対戦しているとても印象的なプレイヤーだ)と引き分け、Drew Levinに負けたけど、どちらもプレイしていたのはマーベリックだった。
もう1敗は赤単バーンでこのマッチアップは今後100万年は勝てないだろうね。
インディアナポリスのあと地元の大会に出る機会があって、少しデッキをいじったらとても良かったよ。
Maindeck:
4 Baleful Strix
3 Trinket Mage
3 Jace, the Mind Sculptor
4 Tezzeret, Agent of Bolas
4 Brainstorm
4 Force of Will
2 Temporal Mastery
4 Thoughtseize
3 Chrome Mox
3 Ensnaring Bridge
1 Pithing Needle
1 Relic of Progenitus
2 Sensei’s Divining Top
1 Darksteel Citadel
2 Seat of the Synod
2 Vault of Whispers
3 Island
1 Swamp
1 Flooded Strand
1 Marsh Flats
4 Polluted Delta
3 Underground Sea
1 Urborg, Tomb of Yawgmoth
3 Ancient Tomb
Sideboard:
3 Chalice of the Void
1 Cursed Scroll
2 Cursed Totem
1 Engineered Explosives
1 Ensnaring Bridge
1 Grafdigger’s Cage
1 Relic of Progenitus
1 Tormod’s Crypt
1 Welding Jar
3 Engineered Plague
アーティファクト土地の増量:
アーティファクトカウントが少なめで、テゼレットの+1能力で何も見つからないかもしれないのは合理的じゃない。Ensnaring Bridgeをプレイしたあとは奥義を使うことを考えるとアーティファクトカウントは重要だ。
Darksteel Citadelはかなりクールで、破壊されない5/5生物はいくつかのデッキに対して非常に強い。SCGレガシーオープンのときよりもTrinket Mageでサーチしたいことが多かったよ。
Temporal Masteryの採用:
このデッキで僕が好きなところの一つがAncient TombとChrome Mox経由で爆発的にカードを引けて、なおかつBrainstormとSense’s Divining Topのおかげで比較的安定していることだ。
Temporal Masteryはデッキの安定性を損なわず、爆発的な部分にフィットしている。地元のトーナメントでMastery2枚を試して、かなり感動した。Chrome Mox、Force of Will、ジェイス、Brainstormはどれも手札にあるTemporal Masteryを有益に活用できるし、Sensei’s Divining TopとテゼレットによってMasteryから追加のアドバンテージを得られる。
Masteryのために一時的に2枚目のTopを追加してみたけど、Topは引きたくないときよりも欲しいときの方が多いカードだね。序盤の盤面構築の補助としてTopを使う余裕はないけど、中盤から終盤では素晴らしいカードだ。
(※訳注:Masteryから独楽でアドバンテージ、というのは追加ターンに無駄ツモしてしまう確率を減らせることを指している、と思われる。)
サイドボードの再構築:
Cursed Totemは明らかにマーベリック用だけどEngineered Plagueも実はかなり仕事をする。Plagueの役割はサリアやマザーを殺すSulfur Elementalと似ているけれど、PlagueはおまけにNoble Hierarchも殺す。そんなのたいしたことないと思うかもしれないけど、Noble HierarchはよくEnsnaring Bridgeを渡ってきてどこかで対処しなきゃいけなくなるんだ。なぜか部族デッキが増えてきていることもサイドにPlagueを入れる理由の一つだね。
Cursed Scrollは多くの生物デッキ相手にすごく仕事をするし、Plagueが生物を撃ち落とせるサイズに保つ補助になる。
このデッキは間違いなく未完成品で、僕が普段はレガシートーナメントに出る機会がないのが残念だよ。もし近いうちにSCGオープンや他のレガシートーナメントでこのデッキをプレイしたいと思ってくれたなら、しっかりデッキを研究してほしい。爆発力があったり、妨害力があったり、安定していたり、型破りだったりするデッキはあるけれど、その全てを兼ね備えたデッキはほとんどないんだ。
Adam Prosak