ChannelFireballより。
GPデンバー5位のオーダー入りエルフの解説とプレイの様子。


同日のSCGコロンバス1位のエルフ、翌週のSCGサンディエゴ12位のエルフも似たリストでした。
BG系の疫病が増えている環境で課題だったサイド後が改善されるのですね。


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Getting Nassty―Elves in Denver *Top 8*
Posted by Matt Nass
January 13, 2013

http://www.channelfireball.com/articles/getting-nassty-elves-in-denver-top-8/

GPデンバーに向かうとき、僕はこれまでの中でも一番自信を持っていた。直前のインビテーショナルでトップ4に入っていたし、今回は僕が世界で一番得意なデッキ――エルフを持ち込んでいた。今の環境でエルフは良い位置にいるとも考えていた。

最近僕はプレイヤーとしての幅を広げようと努力していた。最も慣れたタイプのデッキを使うのはたしかに良いことだけど、そのデッキでは生きていけない場合もある。前にも言ったけれど、Guillaume Wafo-Tapaがコントロールデッキが良い位置にいる年にレベル7だったところから、クリーチャーデッキが環境を支配した次の年にはグレイビートレインを降りることになったのが分かりやすい例だ。
僕は「エルフの人」や「コンボの人」にはなりたくない。僕がなりたいのは良いマジックプレイヤーだ。だからインビテーショナルで完璧にフェアなグッドスタッフデッキ2つを使って上位に入れたことは特に自信になった。とはいえ、もう二度と緑の小さなヤツラやコンボを使わないということではないよ、もちろん。

たまたまインビテーショナルに、僕にエルフをテストしようと思わせるリストがあったんだ。Leon KornackiがLiving Wish用のサイドに孔蹄のビヒモスを入れたエルフデッキを使ってトップ8に入っていた。僕は以前Natural Orderを入れたエルフをプレイしていたことがあり、そのときはRegal Forceが唯一のサーチ先だった。
2つを合わせてみようと考えるのは難しいことではなく、そしてビヒモスをオーダーするのは格別だということが分かった。
(※訳注:Leon Kornackiのリスト:http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=51649

Wrapter(※訳注:Josh Utter-Leytonのこと)と僕でサイド前のゲームを何試合かこなし、孔蹄先生には心底感心させられた。しかし、Natural Orderプランが本当に輝くのはサイド後のゲームだった。BUGが疫病を何枚か貼りにきたとき、Progenitusをオーダーしてくるだけでよかった。

イラクサ、東屋、共生虫、死儀礼のおかげで、疫病の下でオーダーを撃つのは難しいことじゃない。さらに、リリアナから大祖始を守るための追加の生物を出せていることはしょっちゅうある。
レガシーのエルフがこれまでずっと抱えてきた問題はサイド後のゲームだったけど、このプランがあればサイド後にもフェアなデッキに有利に立ち回れる。

このデッキは良いと確信し、僕らはリストのあるべき形を見つけるために残りの時間を使った。
Deathrite Shamanはすぐに2枚から3枚、4枚と数を増やした。フェッチ可能な土地をたくさん入れなくてもフェッチ10枚は問題なく運用できることが分かり、これにより死儀礼はほとんど常にLlanowar Elvesとして機能する。

さらに、死儀礼とアンタップ生物(共生虫とレインジャー)のシナジーはうんざりするほど強く、ゲームをさっさと終わらせる。
Natural Orderはメイン3枚、サイド1枚になった。ゲーム1に複数枚引くのはうっとうしいが、サイド後のプランで大きな役割を持つためだ。

Wrapterの大きな貢献の一つがサイドボードのDryad Arborだ。一見何もしないように見えるかもしれないね。
フェアなデッキ相手のサイド後のゲームでは、東屋をフェッチしてきたくなることが多くある。東屋は揺籃の地と合わせて実質2マナを増やし、Natural Orderの餌となり、リリアナへの防御手段となる。その上、Quirion RangerやWirewood Symbioteでアンタップする対象にもなる。
これらを踏まえて、僕らのたどり着いたリストがこれだ:


* Main Deck
* 4 Deathrite Shaman
* 1 Llanowar Elves
* 1 Fyndhorn Elves
* 1 Birchlore Rangers
* 4 Heritage Druid
* 4 Nettle Sentinel
* 4 Quirion Ranger
* 4 Wirewood Symbiote
* 4 Elvish Visionary
* 1 Priest of Titania
* 1 Regal Force
* 1 Craterhoof Behemoth
* 3 Natural Order
* 4 Glimpse of Nature
* 4 Green Sun’s Zenith
* 4 Gaea’s Cradle
* 2 Verdant Catacombs
* 4 Misty Rainforest
* 4 Windswept Heath
* 2 Bayou
* 1 Forest
* 1 Savannah
* 1 Dryad Arbor

* Sideboard
* 1 Sylvan Library
* 1 Dryad Arbor
* 1 Natural Order
* 1 Progenitus
* 4 Cabal Therapy
* 2 Abrupt Decay
* 2 Mindbreak Trap
* 1 Thorn of Amethyst
* 1 Qasali Pridemage
* 1 Gaddock Teeg


メインの60枚は大会の1,2日前に完成できたけど、サイドボードにはもういくつか議論が必要だった。
東屋1枚、大祖始1枚、オーダー1枚のパッケージは外せず、コンボ対策のセラピー4枚も減らせなかった。相殺はやはり問題なので、衰微を2枚入れられるようにしておくのはたぶん良いだろうと考えた。最適とは言えないし、相殺はかわすのがこちらのメインプランではあったけれど、疫病への回答にもなるのはやはりナイスだった。

サイドボードの残りの部分は主に次の2点から考えた:一つ、エルフはコンボデッキなので、どのマッチアップでも多くのカードを入れ替えることはできない――入れ替え枚数は少ない方が良い。二つ、エルフはふつう多くのコンボデッキに速度面でかなわない。そのため、強力なアンチコンボカードがどうしても必要だ。

はじめ僕らはThorn of Amethystに頼ろうとしたけど、2ターン目の妨害では速さが足りなさそうだと気がついた。さらに、1ターン目のカードとしては既にセラピーを入れていた。
本当に必要なのはゲームが長引いたときでも仕事をするカードだった。そしてMindbreak Trapはその状況で完璧なカードだ。

頂点のサーチ先2枚のための白タッチは最後の方で加えた変更だ。頂点とオーダー入りのデッキでのガドックはあまり筋が良くないけど、それでも価値があるように思えた。

サイドボーディングをするとき、最もよくサイドアウトされるのはPriest of TitaniaとHeritage Druid、Nettle Sentinelだ。ティタニアは除去のあるデッキにはすごく弱いのでサイドアウトされる。ドルイドとイラクサは相手がコンボを止めるのに長けているときは弱くなる。自身ではマナを生まないためだ。Natural Orderプランを採用する場合、このことは他のエルフデッキ以上に問題になる。
「サイド時の入れ替え枚数は少ない方が良い」という点は十分に考慮できなかった。コンボデッキは構成が大きく変わっても動くようにはできていない。

トーナメントの中では、重要な場面がいくつかあった:

大会中に2回、僕はエルフたちでアタックするのを忘れた。これは明らかに普段起きることじゃない。エルフを使うにはかなりの集中力が必要で、精神的にとても消耗する。それで僕はプランAがうまくいかなかったときにできるはずの攻撃を忘れてしまった。特に共生虫やQuirion Rangerを使ってガチャガチャやっているとき、彼らでアタックするのを忘れないようにするのは難しくなる。
たしかにそれほど大きな問題にはならず僕はトップ8に入ったけれど、これは心に留めておくべきことだ。恥ずかしいことに、僕が共生虫のアタックを忘れた場面のうち1回はSam Blackとのフィーチャーマッチの最中だった。

また別の興味深いゲームは、初日無敗の記録を賭けたマッチの中でのことだ。対戦相手は2ターン目にRest in Peaceを出し、こちらの死儀礼を無力化してきた。続くターンに彼はEnergy Fieldをプレイ。僕は投了した。
この手のカードへの回答をメインに入れることが正しいとは思えないけど、デッキを全て引ききったとしても勝てないことが確定しているというのはかなり苛立たしいことだった。結局ゲーム2と3は僕がうまくゲームを引き寄せ、マッチを取った。

一番面白かったのは、連続してGPでトップ8に入っているHarry Corveseとの試合だった。彼はBUG Shardless Agentを使っていた。
ゲーム1、僕はQuirion RangerとWirewood Symbiote、Dryad Arbor、Gaea’s Cradleを出し、緑頂点X=7を解決させてRegal Forceをサーチした。残念なことにリーガルで引いたのは全て土地だった。

Harryは共生虫を除去したが、こちらにはまだHarryの4/5タルモを食い止めるリーガルが残っていた。次にHarryはShardless AgentでRegal Forceに向かってアタックし、墓地にアーティファクトを落としてタルモをサイズアップさせてきた。続いて僕はDeathrite Shamanをトップ。1ターンの後、HarryはAbrupt Decayを見つけて死儀礼にプレイした。僕はレスポンスしてこちらの唯一の黒マナを使ってインスタントを追放しつつ(彼のライフは低かったからね)、できるだけ何食わぬ顔をしながらQuirion RangerでDeathrite Shamanをアンタップし、緑マナ能力を起動してAgentを追放した。

幸運にも、僕が両者の墓地で唯一のアーティファクトを除去したことにHarryは気づいておらず、4/5になったタルモでRegal Forceに向かってアタックしてきた。
僕がエルフデッキのコンボ要素をプレイするのにすごく精神力を使ってミスをするのと同じように、Harryもエルフデッキのコンボ要素に対処しようとして疲れていたんだと思う。

ゲーム2、僕は強い盤面を作ってNatural Orderを解決させた。孔蹄のビヒモスと大祖始がサーチ先の選択肢だった。ビヒモスをサーチすればHarryのライフを4まで落とし、場には死儀礼、レインジャー、東屋、ビヒモスが残る。大祖始もHarryにかなり速いクロックを突きつけ、彼はPerishのようなカードがなければ死ぬことになる。

僕はビヒモスプランを選び、誘発にスタックでHarryがDismemberを撃った。僕はこの可能性を考えてすらいなかった。その後Harryは良いドローを続け、結局僕は大祖始を持ってきていれば間違いなく取れたはずのゲームを落とした。後でLSVに大祖始で勝てていたか聞くと、彼の答えもイエスだった。しかし彼は、これは難しい選択で、レガシーではDismemberのような目立たないカードをケアしてプレイするのはかなり難しいとも言っていた。

ゲーム3、Natural Orderで同じミスを繰り返すことはしなかった。僕はDeathrite Shamanからスタートし、これはすぐにDismemberされた。2ターン目、こちらはQuirion RangerとDryad Arborを出してエンド。Harryは衰微を撃つかヒムを撃つか判断する局面に立っていた。

彼は悲惨なことが起きるリスクはないと考え、ヒムを選んだ。彼には知るよしもなかったが、これは5/6の確率で即座にゲームに負けるプレイだった。僕の4枚の手札にはNatural Orderが2枚あり、次のターンのオーダーキャストを止めるには、彼はまず2/4の勝負に勝った上で1/3の確率を成功させる必要があった。

信じがたいことに、森、東屋、レインジャーだけからNatural Orderをキャストできるマナが出る。彼のヒムは失敗し、大祖始がゲームを終わらせた。
試合の後Harryと僕で、いろんな人にHarryの立場だったらどうするかを聞いてみた。みんなの意見はまったく一致しなかったよ。

最後の、本当に記憶に残るゲームはまだヒリヒリ痛むね:トップ8でPat Coxのジャンドと対戦したときのゲーム1だ。

僕がQuirion Rangerを出し、PatがThoughtseizeで頂点を落とす立ち上がりだった。僕のターンにドローして、手札はWirewood SymbioteとHeritage Druid、それとフェッチを含む何枚かの土地になった。

僕には2つの選択肢があった:クリーチャーを2体とも出してThoughtseizeやHymn to Tourachの影響を受けないようにするか、共生虫だけを出してフェッチを起動せずに残すかだ。

1つ目のプレイではGlimpseが弱いトップデッキになってしまうように見えるが、PatのターンエンドにドルイドをバウンスすることでGlimpseの強さを保つことができる。

共生虫だけを出すプレイの大きなメリットはフェッチを場に残しておけることだ。フェッチで東屋を持ってくることにより、Quirion Rangerと合わせて続くターンにより多くのマナを使えるようになる。

もちろん僕は次のターンにNatural Orderをドロー、そしてそれをキャストすることができなかった。1つ目のプレイを選んでおり、マナが足りなかったためだ。PatはThoughtseizeを撃ち、当然オーダーを落とした。その後は簡単に彼が勝った。
自分のプレイが間違いだったとはやっぱり思えないけど、別の道ならほぼ間違いなく勝っていたというのは気分のいいものではないね。

余談だけど、Birchlore Rangersの変異が意味を持つ場面がこのマッチで2回あった。ふつうは表向きの方が良いし、1枚挿しで引かないことも多いので普段は変異に意味はないけど、本当に2/2が必要なとき(あるいは相手がエルフ指定の疫病を出しているとき)の選択肢として覚えておく価値は間違いなくあるよ。

ストレスの溜まる負け方で終わってしまったとはいえ、GPデンバーは僕にとって素晴らしい経験になった。大好きで得意なデッキを使って楽しいプレイをたくさんした。多くの友人と一緒に過ごすことができた。その中にはカリフォルニア在住の人も何人かいて、僕が東海岸の学校に通っているため普段は会えない人たちだ。それにトップ8も悪い結果じゃない。
今はGPで使った75枚をプレイする動画を撮ろうとしていて、ギルド門侵犯のスポイラーで気に入ったカードの一つについて書いたSpoiler Spotlightの記事ももうじき載るはずだよ。お楽しみに。

コメント

だぁとら
2013年1月19日22:20

うぉぉーっ!オーダーエルフの翻訳ありがとうございます!

すいませんエルフデッキだったのでテンション上がってしまいました(´Д`)

Radish
2013年1月20日12:42

> だぁとらさん
コメントありがとうございます!
エルフはどんどん新しい形が開発されていて楽しいですね。

運び屋
2013年1月20日15:37

いつも翻訳ありがとうございます。

このデッキ、気になっていたのですがオーダーはサイド後の対応力向上のためだったんですね。ひとつ勉強になりました。

せれすん
2013年1月21日11:58

いつも翻訳ありがとうございます。
リンクさせていただきました。

最近エルフが結果残すことが増えてきたので
参考にさせていただきます。

nophoto
Khaled
2013年1月21日18:31

Okay I’m convinced. Let’s put it to atcion.

nophoto
Emma
2013年1月21日19:45

Me dull. You smart. That’s just what I neeedd.

Radish
2013年1月22日1:55

> hak0さん
ビヒモスで決定力が増したのと、疫病下で死儀礼のタフネス2を活用できる構成だったようです。
同じく勉強になった記事でした。

> せれすんさん
フェッチ残しのQuirion Rangerはマスト除去とか、覚えておかないと即死しそうです。
こちらからもリンクさせていただきますね。

人蓋
人蓋
2013年1月22日12:33

翻訳ありがとうございます。

勝手ながらリンクさせていただきましたー。

Radish
2013年1月26日0:19

> 人蓋さん
コメントありがとうございます。
こちらからもリンクさせていただきました。

maitakeAlexi
2013年1月26日22:27

死儀礼入りエルフはリスト見て気になっていてたので翻訳ありがとうございます。
勝手ながらリンクさせていただきました。

Radish
2013年1月29日23:08

> maitakeAlexiさん
コメントありがとうございます。こちらからもリンクさせていただきました。
訳したい記事はあるものの時間が取れない状態になってしまっています。。
気長にお待ちください。

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