Channel Fireballより。
戦略と戦術。
全ての手に意味がある、と言うのは簡単ですが、やれるようになりたいものです。
なかなか時間が取れず短めの記事を訳しました。
試しにですます調に挑戦。読みにくかったらすみません。
-----
PV’s Playhouse - Strategy and Tactics
Posted by Paulo Vitor Damo da Rosa
October 11, 2012
http://www.channelfireball.com/articles/pvs-playhouse-strategy-and-tactics/
こんにちは!
僕は今チームChannelfireballのみんなとサンノゼに来て、GPとPTに向けた練習をしています。モダンをプレイしているか、ドラフトをやっているか、食事をしているか、学校の宿題のためにClausewitzの本『On War』を読んでいるかの毎日です。
この本を読んで、そこに書かれている多くの考え方が色々な形でマジックにも適用できることに気づき、今回の記事では戦略とプランニングについて書くことに決めました。
戦略
少し前ツイッターで、僕がいつも何ターン先までプランを立てているかを誰かに聞かれました。理想的な答えは明らかに「最後までだよ、当たり前じゃないか」となるのでしょうが、しかし現実的な答えは1サイクルまで――こちらがしたことに対して相手が自分のターンにどう対応してくるか、そしてそれにどう答えるか、ということになります。
ときにはかなり先のターンまでプランを立てる必要もありますが、そこまでのプランニングは実際にやるのが不可能だったり、やっても意味がなかったりすることもあります。これから起こることがあなたのその後のプレイに影響を及ぼすからです。
とはいえ、個々のプレイをするときにどれだけ先までプランを立てるかに関わらず、まずカードをプレイする前にはプランと戦略を持っておくべきです。
プランというのは基本的にはゴール、つまり試合全体を通してあなたをガイドする目標のことを指す、ということに気を付けるのが大切です。ここでは明らかに「ゲームに勝つ」というのが大目標ではありますが、本質的にはどのようにゲームに勝つかをゴールとすべきです――例えば「6マナ出せるようになるまで生き残る」や「序盤のうちに相手の全クリーチャーを殺す」、もしくは「3ターン目にコンボ開始する」などのように。
いったん戦略を持てば、それがあなたのガイドラインになります――守らなければならない複雑なルール一式ではなく、あなたの全てのアクションを導く一つの大きな方向性を与えるものが戦略です。
もしそのゲームで重要になることをあなたが分かっていなければ、何か新たなことが起こるたびに毎回状況を考えなおさなければならなくなるでしょう。方向性を持っていれば、あなたは新たな要素をそのモデルに組み入れるだけでいつでも簡単に状況を分析できるようになります。
例えば、あなたは「相手がこちらを倒す前に焼き殺す」というプランで行くことに決め、相手が3/3でアタックしてきた場合、あなたはおそらく新しく引いたLightning Boltをそこで消費しようとはしないでしょう――「焼き殺す」プランに反するので。
しかし、あなたのプランが「Nicol Bolasをプレイするまで生き残る」だとすると、アタッカーを焼きたくなる可能性はかなり高くなります。
毎回毎回あらゆることを考える必要がなくなれば、時間と脳細胞を節約できます。
戦術
一度ゴールを定めたら、実行する必要があります。Carlos Romaoが2002年に世界選手権でサイカトグを使った場面を例として取り上げましょう。このトーナメントでCarlosはサイカ同士のミラーにおいて、Upheavalを解決させる、というゴールを置いていました。
それが彼が勝った理由だったのでしょうか?いいえ、そうではありません――どのサイカトグプレイヤーも同じゴールを置いていました。全員がその同じゴールに向かうゲームプランを立てていたのです。
違いは、どうやってそこに到るか――つまり彼らの戦術にありました。
Upheavalを解決させるためのCarlosの戦術は、カードを引くことを対戦相手よりも軽視して、激動をめぐるただ一度の折衝のためにカウンターを温存する、というものでした。その一回のやり取りに勝ちさえすれば他のことはどうでもよい、と彼が考えていたのが理由です。
相手が追加で10枚のカードを引いたかどうかには関係なく、Mana ShortからのUpheaval + Psychatogをすれば相手は死にます。それだけでなく、このことを念頭においた構築も彼はしていました――例えば、他のプレイヤーが使っていたForce Spikeを彼は入れていません。激動をめぐる折衝では役に立たないだろうからです。
手段、つまりゴールに到達するために使う物について考えずに目標を語ることには意味がありません。目標と手段には一種の相互依存性があり、手段は目標をものがたり、目標はどんな手段でそこに向かうかを示します――到達不可能な目標設定はあなたにとって弊害にしかなりません。
僕は地球の支配者になるというゴールを定めることはできますが、そうする手段がない(今後目にするかもしれませんが、少なくとも近いうちにはない)ため、これは役に立つゴールではありません。同じく、僕は今この目の前にある壁をパンチすることができます――そうする手段は間違いなくあります――が、何の目標達成にも繋がらないためパンチはしません。
これをマジックに持ち込むと――例えば、もし僕がコントロールデッキをプレイしていたら「相手がコンボを始める前に倒す」というプランはとれませんし、緑単をプレイしていたら「相手のクリーチャーを全て殺す」というプランはとれません――僕は別のプランを見つけるか、もしくはデッキを変える必要があります。
もしもCarlosのデッキにForce Spikeが入っていて、カウンター以上に除去が入っていたら、おそらく彼には自分の戦略を実行する手段がなく、彼のドロースペルを相手がカウンターしてくれるように祈るしかなくなるでしょう。
また、もし僕が赤単バーンをプレイしていたら「相手のクリーチャーを殺す」プランはとても簡単にとることができます――そうする道具があります――しかし赤単バーンでは対戦相手を焼くべきなので、このプランは意味のある目標達成には繋がりません。
これは特に初心者がリミテッドをプレイしている場面で数多く見かけます――彼らは使えるスペルを何でも、それが使えるからという理由でプレイするだけで、その結果ゴールに近づくかどうかは考えません。プレリリースで、ある人がライフ18で0/2を出しているときにStab Woundを相手の1/1に使うのを見ました――これは明らかに目的がなく、なぜそうしてしまったのでしょうか?ただできるからという理由で何かをやらないようにしましょう。
SCGインビテーショナルを観戦していたとき、興味深い戦略間違いを目撃しました。
名前を思い出せないのですが青白を使っていた相手に対して、Todd AndersonがRUGをプレイしていました。Toddは2体のデルバーを出していましたが、土地が1枚しかありませんでした。対戦相手は4枚ぐらいの土地を出していましたが、デルバーを止める手段を探す必要のある状況でした。
ある時点でToddがBrainstormを引いてプレイしました。対戦相手は少し考えてForce of Willをプレイしました。これはなかなか論理的なプレイです。Toddは土地が1枚で詰まっており、Brainstormでそこから抜けだそうと願っているのは明白でしたから。
そして、その次のターン、対戦相手の彼はついに全体除去――TerminusかたぶんEngineered Explosivesか――にたどり着きましたが、ToddはForce of Willを握っており、Toddが2枚目の土地をプレイすることなく相手は死ぬことになりました。
このエピソードでは、対戦相手の男は手段を持っていた――相手が土地を探していて、それを止めることができた――ことに明らかにエキサイトしすぎです。彼には止める理由がまったくなかった、つまり、相手が追加の土地を見つけるのを妨げることは彼の全体プランの一部にはなっていなかったのです。彼のプランは生きながらえることでした。そしてあのBrainstormをカウンターすることはそのプランを推し進めることにはなりません。全体除去を通すときのためにForce of Willを温存することは間違いなくプランの一部になったはずなのですが。
Toddが、Brainstormを通すためにForce of Willを使うこともできたのに、それをせずForce of Willを握っていたことに目を向けると面白いでしょう。彼は2枚目の土地を見つける手段を持ってはいましたが、そうすることは彼の目標達成には繋がりません。そこで彼はそうしないことに決め、結果ゲームに勝ちました。
重要なのは、達成を望んでいて、なおかつ実際に手持ちの手段で達成できる目標を見つけることです。そして、目標と手段が同時に存在しない場合は、手段に合わせて目標を変えるか、目標に合わせて手段を変えるかのどちらかが必要になります。
例えば、よくあるジャンドの対コンボのマッチアップでは、コンボを始動できないように妨害し、妨害から立ち直る前に倒すことが目標になります。もしかなりの量の妨害を入れても相手が立ち直る前に倒すことができないとすれば、立ち直るための時間を与えないためにあなたはより速くなろうとするでしょう。そしてそうしても勝てない場合、それはもはや手段の問題ではありません――目標に問題があります。そうしようとしてもできないのですから。この場合、目標を変えるべきです。例えば、相手が回答不可能な一つのパーマネント、相手が墓地ベースならLeyline of the Voidなど、を着地させることが目標となり得ます。
良い戦略を組み上げることの本質は、自分の限界を知ることです。
サンフランシスコに向けたテストの最中、僕らはBig ZooはSmall Zooに勝てるだろうという想定のもとで調整を続けていました。最初にプレイしたときにはそれは確かに正しかったのですが、我々がそのマッチアップについて学ぶにつれて、実はSmall Zooが勝てることが分かってきました。
僕らははじめ、相手の土俵で戦おうとするというミスを犯していました――相手のクリーチャーを殺して盤面での優位を築こうとしていたのです。普通のZoo同士のミラーは「最後に立っていた方の勝ち」みたいなもので、相手の生物を殺すことで勝てたためです。しかし、(単純に相手の方が大きいために)その戦いに勝つ手段がないことにいったん気づくと、僕らは目標を変え、相手を焼き殺すことにしたのです。
相手のフェッチによるダメージや序盤のアタック、Bolt、Helix、Tribal Flames、そして瞬唱によって、実際に焼き殺すことが可能でした。そして、相手がタルモと5/5の聖遺を出しているにも関わらずゲームに勝つことがしばしばありました。
もう一つ別の例を挙げましょう:
少し前、ブラジルのサイトでEdb(Eduardo Borges)が書いた記事を読みました。その記事ではレガシーの青白デッキに関する彼の思考過程が説明されていました。彼は、何度もOmni-Tell相手にプレイしたが、ほとんどの場合でShow and Tellをうまくカウンターできなかった、と述べていました。Force of Will、Pyroblast、そしてOvermasterはカウンターしきるには多すぎて、ふつうは彼はカウンター合戦に負け、そして結果的にゲームにも負けました。
そう、理想的な戦略はShow and Tellを決して解決させず、相手が勝てないようにすることでしたが、彼にはそうする手段がありませんでした。そのため、それは意味のない目標でした。そこで彼は目標を変える必要がありました――彼はOblivion Ringのようなカードを使い、Show and Tellを解決させつつ勝とうとすることに決めたのです。
このように彼は新たな目標に合わせて手段を調整し、そしてこの目標は実際に納得のいく頻度で達成できることが分かりました。
あるデッキが全てのマッチアップに対して同じプランを持つということはほぼ不可能です。また、一つの試合の中ですら同じプランを持ち続けることはできないでしょう。Zooのような能動的なデッキでさえ、そのときどきでプランを変えます――例えば、他のZooデッキを相手にする場合はコントロールゲームをしたくなるでしょう。
一般に重要となる要素はマッチアップとあなたの初手です――もし手札に複数のLynxとBoltがあればアグレッシブにいきたくなるでしょうし、一方、聖遺とタルモが何体かいる場合はおそらくディフェンシブになるべきです。単純に先手か後手かによってもプランは根本的に変わり得るため、注意を払っておくべきです。
どんなプランを取るべきか分からない場合は、対戦相手をよく見て、その反対のことをやるのは悪くない戦略です――もし彼が何点かダメージを与えるために生物を自殺させているなら、あなたはそれを防ぐために自分の生物を自殺させたくなるでしょう。(※訳注:対ドレッジのことだと思われる。)
なにがあろうと、適当にカードをプレイすることだけはやめましょう。もしどんなゴールに向かうべきか分からないなら、考え出しましょう!それは間違っているかもしれません。しかし、方向性のないプレイもまた間違っている可能性が高いのです。
この記事を楽しんでもらえたら幸いです。また来週!
PV
戦略と戦術。
全ての手に意味がある、と言うのは簡単ですが、やれるようになりたいものです。
なかなか時間が取れず短めの記事を訳しました。
試しにですます調に挑戦。読みにくかったらすみません。
-----
PV’s Playhouse - Strategy and Tactics
Posted by Paulo Vitor Damo da Rosa
October 11, 2012
http://www.channelfireball.com/articles/pvs-playhouse-strategy-and-tactics/
こんにちは!
僕は今チームChannelfireballのみんなとサンノゼに来て、GPとPTに向けた練習をしています。モダンをプレイしているか、ドラフトをやっているか、食事をしているか、学校の宿題のためにClausewitzの本『On War』を読んでいるかの毎日です。
この本を読んで、そこに書かれている多くの考え方が色々な形でマジックにも適用できることに気づき、今回の記事では戦略とプランニングについて書くことに決めました。
戦略
少し前ツイッターで、僕がいつも何ターン先までプランを立てているかを誰かに聞かれました。理想的な答えは明らかに「最後までだよ、当たり前じゃないか」となるのでしょうが、しかし現実的な答えは1サイクルまで――こちらがしたことに対して相手が自分のターンにどう対応してくるか、そしてそれにどう答えるか、ということになります。
ときにはかなり先のターンまでプランを立てる必要もありますが、そこまでのプランニングは実際にやるのが不可能だったり、やっても意味がなかったりすることもあります。これから起こることがあなたのその後のプレイに影響を及ぼすからです。
とはいえ、個々のプレイをするときにどれだけ先までプランを立てるかに関わらず、まずカードをプレイする前にはプランと戦略を持っておくべきです。
プランというのは基本的にはゴール、つまり試合全体を通してあなたをガイドする目標のことを指す、ということに気を付けるのが大切です。ここでは明らかに「ゲームに勝つ」というのが大目標ではありますが、本質的にはどのようにゲームに勝つかをゴールとすべきです――例えば「6マナ出せるようになるまで生き残る」や「序盤のうちに相手の全クリーチャーを殺す」、もしくは「3ターン目にコンボ開始する」などのように。
いったん戦略を持てば、それがあなたのガイドラインになります――守らなければならない複雑なルール一式ではなく、あなたの全てのアクションを導く一つの大きな方向性を与えるものが戦略です。
もしそのゲームで重要になることをあなたが分かっていなければ、何か新たなことが起こるたびに毎回状況を考えなおさなければならなくなるでしょう。方向性を持っていれば、あなたは新たな要素をそのモデルに組み入れるだけでいつでも簡単に状況を分析できるようになります。
例えば、あなたは「相手がこちらを倒す前に焼き殺す」というプランで行くことに決め、相手が3/3でアタックしてきた場合、あなたはおそらく新しく引いたLightning Boltをそこで消費しようとはしないでしょう――「焼き殺す」プランに反するので。
《野生のナカティル/Wild Nacatl》
《稲妻/Lightning Bolt》
しかし、あなたのプランが「Nicol Bolasをプレイするまで生き残る」だとすると、アタッカーを焼きたくなる可能性はかなり高くなります。
毎回毎回あらゆることを考える必要がなくなれば、時間と脳細胞を節約できます。
戦術
一度ゴールを定めたら、実行する必要があります。Carlos Romaoが2002年に世界選手権でサイカトグを使った場面を例として取り上げましょう。このトーナメントでCarlosはサイカ同士のミラーにおいて、Upheavalを解決させる、というゴールを置いていました。
それが彼が勝った理由だったのでしょうか?いいえ、そうではありません――どのサイカトグプレイヤーも同じゴールを置いていました。全員がその同じゴールに向かうゲームプランを立てていたのです。
違いは、どうやってそこに到るか――つまり彼らの戦術にありました。
《サイカトグ/Psychatog》
《激動/Upheaval》
Upheavalを解決させるためのCarlosの戦術は、カードを引くことを対戦相手よりも軽視して、激動をめぐるただ一度の折衝のためにカウンターを温存する、というものでした。その一回のやり取りに勝ちさえすれば他のことはどうでもよい、と彼が考えていたのが理由です。
相手が追加で10枚のカードを引いたかどうかには関係なく、Mana ShortからのUpheaval + Psychatogをすれば相手は死にます。それだけでなく、このことを念頭においた構築も彼はしていました――例えば、他のプレイヤーが使っていたForce Spikeを彼は入れていません。激動をめぐる折衝では役に立たないだろうからです。
手段、つまりゴールに到達するために使う物について考えずに目標を語ることには意味がありません。目標と手段には一種の相互依存性があり、手段は目標をものがたり、目標はどんな手段でそこに向かうかを示します――到達不可能な目標設定はあなたにとって弊害にしかなりません。
僕は地球の支配者になるというゴールを定めることはできますが、そうする手段がない(今後目にするかもしれませんが、少なくとも近いうちにはない)ため、これは役に立つゴールではありません。同じく、僕は今この目の前にある壁をパンチすることができます――そうする手段は間違いなくあります――が、何の目標達成にも繋がらないためパンチはしません。
これをマジックに持ち込むと――例えば、もし僕がコントロールデッキをプレイしていたら「相手がコンボを始める前に倒す」というプランはとれませんし、緑単をプレイしていたら「相手のクリーチャーを全て殺す」というプランはとれません――僕は別のプランを見つけるか、もしくはデッキを変える必要があります。
もしもCarlosのデッキにForce Spikeが入っていて、カウンター以上に除去が入っていたら、おそらく彼には自分の戦略を実行する手段がなく、彼のドロースペルを相手がカウンターしてくれるように祈るしかなくなるでしょう。
また、もし僕が赤単バーンをプレイしていたら「相手のクリーチャーを殺す」プランはとても簡単にとることができます――そうする道具があります――しかし赤単バーンでは対戦相手を焼くべきなので、このプランは意味のある目標達成には繋がりません。
これは特に初心者がリミテッドをプレイしている場面で数多く見かけます――彼らは使えるスペルを何でも、それが使えるからという理由でプレイするだけで、その結果ゴールに近づくかどうかは考えません。プレリリースで、ある人がライフ18で0/2を出しているときにStab Woundを相手の1/1に使うのを見ました――これは明らかに目的がなく、なぜそうしてしまったのでしょうか?ただできるからという理由で何かをやらないようにしましょう。
SCGインビテーショナルを観戦していたとき、興味深い戦略間違いを目撃しました。
名前を思い出せないのですが青白を使っていた相手に対して、Todd AndersonがRUGをプレイしていました。Toddは2体のデルバーを出していましたが、土地が1枚しかありませんでした。対戦相手は4枚ぐらいの土地を出していましたが、デルバーを止める手段を探す必要のある状況でした。
ある時点でToddがBrainstormを引いてプレイしました。対戦相手は少し考えてForce of Willをプレイしました。これはなかなか論理的なプレイです。Toddは土地が1枚で詰まっており、Brainstormでそこから抜けだそうと願っているのは明白でしたから。
そして、その次のターン、対戦相手の彼はついに全体除去――TerminusかたぶんEngineered Explosivesか――にたどり着きましたが、ToddはForce of Willを握っており、Toddが2枚目の土地をプレイすることなく相手は死ぬことになりました。
《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
《渦まく知識/Brainstorm》
《終末/Terminus》
このエピソードでは、対戦相手の男は手段を持っていた――相手が土地を探していて、それを止めることができた――ことに明らかにエキサイトしすぎです。彼には止める理由がまったくなかった、つまり、相手が追加の土地を見つけるのを妨げることは彼の全体プランの一部にはなっていなかったのです。彼のプランは生きながらえることでした。そしてあのBrainstormをカウンターすることはそのプランを推し進めることにはなりません。全体除去を通すときのためにForce of Willを温存することは間違いなくプランの一部になったはずなのですが。
Toddが、Brainstormを通すためにForce of Willを使うこともできたのに、それをせずForce of Willを握っていたことに目を向けると面白いでしょう。彼は2枚目の土地を見つける手段を持ってはいましたが、そうすることは彼の目標達成には繋がりません。そこで彼はそうしないことに決め、結果ゲームに勝ちました。
重要なのは、達成を望んでいて、なおかつ実際に手持ちの手段で達成できる目標を見つけることです。そして、目標と手段が同時に存在しない場合は、手段に合わせて目標を変えるか、目標に合わせて手段を変えるかのどちらかが必要になります。
例えば、よくあるジャンドの対コンボのマッチアップでは、コンボを始動できないように妨害し、妨害から立ち直る前に倒すことが目標になります。もしかなりの量の妨害を入れても相手が立ち直る前に倒すことができないとすれば、立ち直るための時間を与えないためにあなたはより速くなろうとするでしょう。そしてそうしても勝てない場合、それはもはや手段の問題ではありません――目標に問題があります。そうしようとしてもできないのですから。この場合、目標を変えるべきです。例えば、相手が回答不可能な一つのパーマネント、相手が墓地ベースならLeyline of the Voidなど、を着地させることが目標となり得ます。
良い戦略を組み上げることの本質は、自分の限界を知ることです。
サンフランシスコに向けたテストの最中、僕らはBig ZooはSmall Zooに勝てるだろうという想定のもとで調整を続けていました。最初にプレイしたときにはそれは確かに正しかったのですが、我々がそのマッチアップについて学ぶにつれて、実はSmall Zooが勝てることが分かってきました。
僕らははじめ、相手の土俵で戦おうとするというミスを犯していました――相手のクリーチャーを殺して盤面での優位を築こうとしていたのです。普通のZoo同士のミラーは「最後に立っていた方の勝ち」みたいなもので、相手の生物を殺すことで勝てたためです。しかし、(単純に相手の方が大きいために)その戦いに勝つ手段がないことにいったん気づくと、僕らは目標を変え、相手を焼き殺すことにしたのです。
《稲妻のらせん/Lightning Helix》
《稲妻/Lightning Bolt》
《部族の炎/Tribal Flames》
相手のフェッチによるダメージや序盤のアタック、Bolt、Helix、Tribal Flames、そして瞬唱によって、実際に焼き殺すことが可能でした。そして、相手がタルモと5/5の聖遺を出しているにも関わらずゲームに勝つことがしばしばありました。
もう一つ別の例を挙げましょう:
少し前、ブラジルのサイトでEdb(Eduardo Borges)が書いた記事を読みました。その記事ではレガシーの青白デッキに関する彼の思考過程が説明されていました。彼は、何度もOmni-Tell相手にプレイしたが、ほとんどの場合でShow and Tellをうまくカウンターできなかった、と述べていました。Force of Will、Pyroblast、そしてOvermasterはカウンターしきるには多すぎて、ふつうは彼はカウンター合戦に負け、そして結果的にゲームにも負けました。
《圧服/Overmaster》
《紅蓮破/Pyroblast》
《Force of Will》
そう、理想的な戦略はShow and Tellを決して解決させず、相手が勝てないようにすることでしたが、彼にはそうする手段がありませんでした。そのため、それは意味のない目標でした。そこで彼は目標を変える必要がありました――彼はOblivion Ringのようなカードを使い、Show and Tellを解決させつつ勝とうとすることに決めたのです。
このように彼は新たな目標に合わせて手段を調整し、そしてこの目標は実際に納得のいく頻度で達成できることが分かりました。
あるデッキが全てのマッチアップに対して同じプランを持つということはほぼ不可能です。また、一つの試合の中ですら同じプランを持ち続けることはできないでしょう。Zooのような能動的なデッキでさえ、そのときどきでプランを変えます――例えば、他のZooデッキを相手にする場合はコントロールゲームをしたくなるでしょう。
一般に重要となる要素はマッチアップとあなたの初手です――もし手札に複数のLynxとBoltがあればアグレッシブにいきたくなるでしょうし、一方、聖遺とタルモが何体かいる場合はおそらくディフェンシブになるべきです。単純に先手か後手かによってもプランは根本的に変わり得るため、注意を払っておくべきです。
どんなプランを取るべきか分からない場合は、対戦相手をよく見て、その反対のことをやるのは悪くない戦略です――もし彼が何点かダメージを与えるために生物を自殺させているなら、あなたはそれを防ぐために自分の生物を自殺させたくなるでしょう。(※訳注:対ドレッジのことだと思われる。)
なにがあろうと、適当にカードをプレイすることだけはやめましょう。もしどんなゴールに向かうべきか分からないなら、考え出しましょう!それは間違っているかもしれません。しかし、方向性のないプレイもまた間違っている可能性が高いのです。
この記事を楽しんでもらえたら幸いです。また来週!
PV
コメント
確かに、ゴールを決めて構築やプレイをするのは当たり前ですが、なかなかきちんとできていない場合が多いですね。
早速、今日から意識してやってみます!
勝手ながらリンクいたしました。
よろしくお願いしますm(_ _)m
最近あまり良い成績でなく、自分のプレイングにあまり自信を持てていない自分にとって今回の記事はたくさんの発見に富んでいました。
ありがとうございます(⌒0⌒)
いつもコメントありがとうございます!
基本中の基本なんですが、それが難しいのですよね。
> ぎゃり粉さん
はじめまして。リンク報告ありがとうございます。
こちらからもリンクさせていただきました。
> ゆずぽんさん
コメントありがとうございます。
お役に立ったようで、訳して良かったです。
其々に、意図と方針を定める。
重要で且つ基本的な事かもしれませんが、言うは易し、行うは難しですよね。
コメントありがとうございます。
結局練習あるのみなのでしょうが、意識していれば失敗に気づきやすくなりそうですね。
過去の翻訳記事も読ませていただきたく、リンクを張らせていただきました。
ご無理をされない範囲で、更新頑張ってください。
ありがとうございます!
マイペースに続けていきたいと思います。
こちらからもリンクさせていただきました。
参考になったようで良かったです。
ちょっと忙しくてペースは落ちますが、完全ストップはしないように頑張ろうと思います。
この記事を含め、ためになる記事を多く翻訳してくださっているので非常に助かります。
お忙しいとのことなので無理はなさらずこれからも頑張ってください!
コメントとリンクありがとうございます!
こちらからもリンクさせていただきました。
隙があれば訳す、という感じになってしまいますが、気長に楽しんでいただければとおもいます。