StarCityGamesより。
Sam Blackの自信作。プレミア明けを楽しみにしていた記事です。

シナジー好きには涎が出ます。
血の芸術家がレガシーで輝くなんてうれしい。

Sam Blackはこの記事の直後、メインの沼を1枚Marsh Flatsに変え、サイドを2枚増減させた以外はそっくり同じリストを使い、GPアトランタでトップ8入りしました。


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Revisiting Zombies In Legacy
By Sam Black
06/20/2012

http://www.starcitygames.com/magic/legacy/24323_Revisiting_Zombies_In_Legacy.html

みんな知ってると思うけど、先週インディアナポリスでSCGインビテーショナルが開かれた。僕はスタンダードでは青白ミッドレンジ(Cavern of Souls3枚入りのやつ)、レガシーではゾンビを使ってまともな結果(22位)を出せた。
レガシーのゾンビはめちゃくちゃ楽しくて、今回はこいつにフォーカスするよ。

このデッキを選んだのは、緑系デッキに強いGriselbrandが予想されていて、僕のゾンビデッキにThoughtseizeとTidehollow Scullerを加えることで、コンボデッキ相手がそれほど悪くないマッチアップになると思ったからなんだ。

緑デッキが減ってほしいと思ってたことも言っておこう。というのも、これまで相手にしていて一番うまくいかなかったのが緑デッキなんだ。おもにScavenging Oozeのせいで。

SCGインビテーショナルでの8回戦の中では、コンボデッキには一度も当たらず、緑デッキには5回当たった。僕がメタに望んでたようにはまったくならなかったってことだね。
緑相手の5戦中3戦は首尾よく勝つことができて、このデッキはかなり色々な戦略相手に闘える力を持ってるんじゃないかと、もう少し信じられるようになった。

日曜のSCGレガシーオープンに備えて、緑デッキに強くなり、コンボに弱くなるようにデッキをいじった。
そしてもちろんスニークショーに2回、リアニに2回、ベルチャーとドレッジに1回ずつ当たり、唯一相手にした緑デッキはVeteran Explorerデッキだったよ。レガシーはまったく予測不能だね。

これがレガシーオープンで使ったリスト、最新バージョンのゾンビだ:


Zombies
A Legacy deck, by Sam Black
96th place at a SCG Legacy Open Indianapolis on 2012-06-17

Maindeck:
3 Tidehollow Sculler
3 Blood Artist
4 Bloodghast
4 Carrion Feeder
4 Gravecrawler

2 Bitterblossom
4 Lingering Souls
3 Goblin Bombardment
1 Tragic Slip
4 Thoughtseize
4 Cabal Therapy
4 Faithless Looting

3 Swamp
3 Badlands
3 Scrubland
1 Undiscovered Paradise
3 Bloodstained Mire
1 Marsh Flats
3 Polluted Delta
3 Verdant Catacombs

Sideboard:
1 Pithing Needle
3 Dark Confidant
1 Darkblast
2 Disenchant
2 Go for the Throat
2 Surgical Extraction
2 Perish
2 Vindicate


僕は前にこのデッキについて書いたけど、このデッキの動きを見たことや読んだことがなかった人には一体何事なのか分かりにくかったかもしれない。レガシーではほとんど見かけないカードがいっぱい入っているからね。

基本的な考え方は、墓地に置きたいカードをFaithless Lootingで捨て、クリーチャーを簡単に場に戻すことで得をしよう、ってこと。
このデッキは比較的弱いカードたちに頼っている。これら全てのカードの間に素晴らしいシナジーがあるからね。

基本プランは、序盤はハンデスで相手のデッキが思惑通りに動くのを止め、適度なクロックを用意する。こいつらはまったく死なないので、相手にとっては妨害するのがとりわけ難しい。
そしてアタックするかコンボを決めてフィニッシュする。Goblin BombardmentやBlood Artistを使ったコンボによって「全部焼き尽くす」みたいなことができる。

相手に殺られるのを防ぐためにThoughtseize、Cabal Therapy、そしてTidehollow Scullerが入ってる。
Thoughseizeは優秀な軽い妨害手段で、Cabal Therapyと一緒に持っているときは特に効果的だ。完璧なカードを言い当てられるからね。
フラッシュバックコストがまったく取るに足らないのでCabal Therapyはこのデッキには最高だよ。
Tidehollow Scullerはわりと弱いけど、(こいつ自身がそれなりの妨害になるだけじゃなく)Cabal Therapyの前に相手のハンドを見る追加の手段になるし、Gravecrawlerたちを場に戻すためのゾンビでもある。さらに、多くのコンボデッキはクリーチャーを殺すのがあまり得意じゃない。そういうわけで、漕ぎ手はかなり効果的なハンデス呪文なんだ。

一番良いクロックを形成するのはブロックできないクリーチャーたち、Gravecrawler / Carrion Feeder / Bloodghastだ。
理想的にはBloodghastはFaithless Lootingで捨てられるからキャストする必要はないけど、そんな贅沢は言わずにBBを払って場に出すのでもOKだよ。Bloodghastで得をすることは後からでもできる。

屍肉喰らいは「(B): 屍肉喰らいの上に+1/+1カウンターを1個置く」と「上陸:屍肉喰らいの上にあなたの場または墓地にいる恐血鬼1体につき1個の+1/+1カウンターを置く」を持っている。こいつはスピリットトークンでチャンプブロックしたときにも成長して、あっという間に手に負えなくなるんだ。
戦闘中にクリーチャーをサクれるのもとても重要。絆魂持ちや十手持ちのクリーチャーが戦闘ダメージを与えるのを防げるからね。

Goblin BombardmentはCarrion Feederみたいに働く。Gravecrawlerを場に戻すことはできないけどね。
そのかわり、対戦相手のクリーチャーを全て殺すことができる。これはたいていの場合でとても良かったよ。

僕はこのデッキをゾンビデッキと呼んでいるけど、実際にはゾンビクリーチャーよりも「ブロックできない」メカニズムを持つクリーチャーの方が多いし、デッキ内のブロックできるゾンビ、Tidehollow Scullerでは普通はブロックしたくない。カードが相手のハンドに戻っちゃうからね。
クリーチャーデッキを相手にすると、ブロックは実はとても重要な能力だってことに気づく。「ブロックできない」はデッキを構築する上で扱いにくいメカニズムなんだ。この問題に対処するため、このデッキには多くの専門ブロッカーが入っている。Lingering SoulsとBitterblossomという形で。

Lingering Soulsは「捨てるのがとても嬉しいカード」としてこのデッキには特に合ってる。
だけどこのデッキではこれを捨てたいと思わないことが多いんだ。ブロックできるクリーチャーを追加するというのはそれほど大事なんだね。

BitterblossomはSCGインビテーショナルの後で提案されてすごく納得したよ。Blood Artistの追加とセットだったからなおさらね(Blood Artistについては後で)。
苦花は遅すぎるんじゃないかとちょっと心配してたけど、テストプレイではかなりうまく動いたと思う。苦花を複数枚引くのが嬉しい場面はないので4枚入れたいとは思わないけど、たしかにこれは僕が見逃していた面白いツールだよ。

以前はTombstalkerとGeralf’s Messengerを他のクリーチャーと一緒にガンガン攻めるために使っていたけど、どちらも遅いし、キャストするのに問題があった。しかもGeralf’s Messengerはタップ状態で出るのでブロッカーとして使うにはすごく不便だったんだ。
Blood Artistがこの席を占めて、これはとても良かった。インビテーショナルでは2枚入れてたけど、こいつはすごく活躍したので3枚目を足したよ。
彼はダメージレースに強いのでこのデッキのブロックできない弱点を補ってくれるのが素晴らしい。ライフゲインとライフルーズの両面で完全に優位に立てて、Artistはとんでもない回数誘発させられる。

1枚のTragic Slipはファッティを殺せるようにしておきたくて入れているけど、メインにたくさん入れようとは思わない。レガシーは多様で全てのデッキがクリーチャーに頼ってるわけじゃなく、固め引きは大きな負債になり得るからね。

土地については、Bloodghastの価値をできるだけ高めるためにフェッチの枚数を最大化したかったけど、デュアランが2枚だけではあまりにも簡単に不毛で色が揃わなくなることが分かったんだ。
3枚目のベーシックの沼はGeralf’s Messengerを抜いた今ではたぶん必要なくて、フェッチか2枚目のUndiscovered Paradiseに変えられそうだね。

Undiscovered Paradiseは素晴らしい3色土地で、Bloodghastを毎ターン戻せるボーナスがついてる。
だけど、初手にこれしか土地がない状況はまずいのでたくさん入れすぎないことが重要だ。2枚目の土地を出すのが遅れるし、特に他の土地が0~1枚のときにParadiseを2枚引くのは悲惨だからね。
でも、このデッキは土地が3枚あれば動くし、5枚あれば十分なのでParadiseの短所はそんなに気にならず、きっと2枚目を試してみるだろうね。

このデッキはシナジーで満ちているのでサイドボーディングはかなり難しくなるね。
長いこと(インビテーショナルの間も)、クリーチャーデッキ相手では除去を入れるためにCabal Therapyを抜いてた。
単純に強すぎるのでセラピーは抜けないというのが今の僕の意見だけど、実際には思考囲いも抜けない。そこで代わりに、サイドインするスペースを作りたい場合は、Surgical Extractionされる可能性の高いカード(Faithless Looting以外)をそれぞれ3枚に減らしてサージカルの影響を小さくするというのを試しているところだよ。

明らかにこのデッキは特定のマッチアップ向けに大量のカードをサイドインしたいデッキではないね。どれかのカードを全て抜くと必ずシナジーが壊れて、デッキの残り全てのカードのパワーも落ちてしまうから。

Perishは緑デッキの不毛のせいでキャストできないことが多かったのでしばらく抜いていたんだ。だけどその後土地を増やしたし、緑デッキ相手ではやっぱり重要だし、キャストできたときはすごく強いし、少なくとも2枚は入れておく価値はあるね。

Go for the Throatはおもに緑生物、特にScavenging Oozeへの速い回答として入れてあるけど、変えたほうがいいかもしれない。

Pithing NeedleはSCGレガシーオープンの日の朝に言われるまで考えたことがなくて、しっかり考える時間もテストする時間もなかったので、保守的な枚数から始めようと思ったんだ。針はウーズとレリックへの素晴らしい回答だし、他にもたくさんのヤバイものを止められるので、このアイデアは気に入ってる。
たしか全ての相手に対してサイドインしたと思うので、もう1枚増やすのが適正な可能性が高いかな。

Surgical Extractionはほぼ墓地デッキ用、特にリアニ用に入れているけど、墓地対策の中でこれを選んだ理由は、ハンデスと組み合わせると墓地ベースでないコンボデッキに対しても効くプランを作れるためだ。キーパーツをリムーブできる可能性を潜在的に持っていられるからね。

DisenchantとVindicateはおもにLeyline of the VoidやChalice of the Void(どうも"Void"が刺さるね)への対策だ。
それ以外にもSneak Attackを割るのに使ったり、ときどきサイドインする場面があるよ。

Darkblastはいくつかのクリーチャーデッキに対してとても効くし、特にこのデッキでは発掘によって得るものがたくさんあるので合っている。喜んで何枚かのカードを墓地に落としてこれを拾い上げ、こちらのゲームプランを進めながらクリーチャーを殺すことができるよ。

Dark Confidantはすごく良くてしょっちゅうサイドインする。メインに入れない理由は、大きく得るものがないままに相手の除去の価値を高めてしまうことと、マッチアップに合った良いカードが入るサイド後の方がたいていはカードを引くことの意味が大きいためだ。

バルチモアのSCGレガシーオープンでこのデッキを初めてプレイしたとき、みんながこれを真面目に取り上げるとは思ってなかった。インビテーショナルで使うほど十分に僕がこのデッキを信じてなかったのがその理由の一つだね。
今では、時間をかけてデッキをブラッシュアップしたし、Blood Artistが印刷された。これは本物のデッキだと信じられるよ。

このデッキはどんな相手に対しても強力な動きができる堅固なゲームプランを持っている。
相手が取りうるあらゆる選択肢に干渉できる汎用的な妨害手段を持っている。
そして、想定される相手デッキが突きつけてくるそれぞれ特有の問題への最高の回答を持っている。
多くの人が予想していない、もしくは十分に対策を用意していない攻撃をしかけることもできる。
ほとんどの墓地対策はたいして効かない。よく刺さる2,3のカードはあまり使われていないし、こちらは既に回答を持っている(特にLeyline of the VoidとGrafdigger’s Cageに対するDisenchantとVindicate)。

GPアトランタではおそらくこのデッキを使うだろうけど、一つのデッキのおよそ全体を自分で構築、調整するのは大変で、もういくつか答えを出さなきゃいけないことがある。

Tidehollow Scullerは妨害スペル兼追加のゾンビとして本当に最高なのか、また何枚入れるのが正しいのか、これはまだ検討中なんだ。
墓地/ゾンビ戦略に対してトークン戦略をどのぐらいの比率で入れるのか、これも検討中。このデッキが実はGoblin Bombardmentデッキで、Blood ArtistとともにBombardmentの枚数を増やす構成に気づき(ただし両者は同時に出るから強い)、とにかく可能な限り大量のクリーチャーを出すことの価値は高まってる。
このことはBitterblossomやMogg War Marshalのようなカードの価値を押し上げる。Moggは良い思い出のある、僕のお気に入りの赤クリーチャーだ。

この方向性で行くなら、Greater Gargadonのような追加のサクリ台についてもさらに検討した方が良いだろうね。

このデッキはまだまだ大きな伸びしろがあるし、みんなはこれを考慮すべき真面目なデッキだと思っていなさそうだから、このデッキを磨き上げていくのはエキサイティングだよ。

僕はこのデッキで周りの人たちを驚かせるのが好きだけど、そのうち、たとえこの記事を読んでいない人でも、僕が何を企んでいるかをみんな知ってる状態に慣れなきゃいけなくなると思う。
このデッキはすごく楽しいし新しいから、プレイするといつでもたくさんの人が興味を示してくれる。もうじきみんな試し始めるんじゃないかと思うんだ。
もしレガシーをたくさんプレイする人なら、トーナメントで相手にしたときにこのデッキが何をしてくるのか知っておくためだけでも、どこかの時点でこのデッキ相手に何ゲームかプレイしておく意味が出てくると思う。

僕にとっては、このデッキはこれまでプレイした中で最も楽しいデッキの一つだよ。
僕は狭いシナジーでちょっとした得をするのが大好きで、たくさんの小さなクリーチャーで勝つ、特にちょっと普通じゃないやり方で勝つのが大好きだ。誰にとっても当てはまるわけじゃないだろうけどね。

ともかくこのデッキは十分良くて、他に何かとんでもなくすごいものを見つけるか、Baleful Strixの誘惑に負けないかぎり、ほぼ間違いなくアトランタで使う。
一度試してみることをオススメするよ。

ここまで読んでくれてありがとう。

Sam

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